村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

今日は表参道

2020-09-10 23:40:33 | 能・謡

今日は表参道
そこで写真を撮った
お謡のお稽古日
お稽古しているのは「天鼓テンコ」
中国後漢の時代
天才楽人の少年のため
天から鼓がふってきた
勅命によって召し上げることに、
少年天鼓テンコは渡すのを拒むと
なんと呂水の江に投げ込まれ、
鼓は宮廷に。
ところが誰が何としても鼓は鳴らない。
そこで老父を召して打たせてみると
親子の縁か鼓は妙なる音色を発した。
宮廷は喜び感激し
呂水の江畔で少年の追善管弦講を催すのだ。
すると少年天鼓の亡霊が現れ
その鼓を打ち、報謝の舞楽を奏する。

先月休んだので
本来ならその分お稽古時間が
充分にあったはずなのに
これ幸いと怠けていた報いが来て
うまくいかなかった
前シテは悲嘆にくれた老父
ワキは廷臣テイシン
後シテは
心を躍動させて鼓を打つ亡霊天鼓
その三名を謡い分ける
難しい
老父の気の抜けた沈んだ謡い方
難しい
声は張ってしまうし
ハキハキとどんどん早口になる
自然と音程も徐々に高くなってしまう
技術はない
気分だけ暗く沈んでみたら
フシが全くわからなくなって
がっかり最低だった
これも稽古不足
次回はガンバロウと
強く硬く決心した
今のところだが

ひとつ勉強した
[忘れんと思ふ心こそ
忘れぬよりは思ひなれ]と
上げ歌の詩章があるは
『続拾遺集』
藤原實氏(西園寺實氏サイオンジサネウジ)
「面影を忘れんと思う心こそ
別れしよりも悲しかりける」を
よりどころとするそうだ
謡は語りだが
文学の要素も深い
天鼓の詩章にも
白楽天
玉葉集の侍従の和歌
和漢朗詠集
圜悟仏果禅師語録からの[人間の水は南]など
内容は奥深く、楽しみも広い
おすすめだ

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