ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

グレイヴ・エンカウンターズ2

2013年03月31日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨年の12月20日、このブログで「グレイヴ・エンカウンターズ」というホラー映画を紹介し、久しぶりに震え上がるほど怖かった、とべた褒めしました。
               
 今日レンタル店に立ち寄ったら、その続編が置いてあり、早速借りました。

 シリーズ物というのは一作目の印象が強烈だと、だんだん尻すぼみになったり、矛盾を糊塗しようとして説明くさくなりがちですが「グレイヴ・エンカウンターズ2」は一作目を凌ぐ強烈な印象を与えてくれました。

 映画学校に通う映画監督志望の学生が、SNSに「グレイヴ・エンカウンターズ」の批評をアップします。
 それはけちょんけちょんに貶した内容でした。
 それに対し、死の番人というハンドルネームの者から書き込みがあり、不思議な動画が添付されています。

 それは「グレイヴ・エンカウンターズ」で主演した役者が、薄暗い病院で閉じ込められている映像でした。

 「グレイヴ・エンカウンターズ」は最近出尽くした感のあるPOVの手法で撮影されており、いわゆるドキュメンタリー風のフィクションとされています。

 しかし学生は、もしかしたら本物のドキュメンタリー映像なのではないかと考えます。

 幽霊が出るという噂のすでに廃墟となったカナダの巨大精神病院で撮影スタッフ数名が心霊現象に会い、出口がふさがれ、しかも建物の内部構造が時間とともに変化するという究極の迷宮に閉じ込められ、一人、また一人と怪死を遂げていく内容ですが、主人公は生死不明ということになっています。

 主人公を演じた役者、その他の役者やスタッフの所在を確認してみると、全員行方不明となっていることが判明します。

 そこでその謎を解くべく、死の番人に導かれて映画の舞台となった精神病院跡にスタッフ数名とともに潜入し、撮影を行います。

 そこで映画と同様の怪奇現象にあい、推測は当たっていたことがわかり、学生は何が何でも脱出して続編として映画を売り込もうと決意します。

 そこでぶったまげたのが、行方不明の主人公を演じた役者が、半ば精神を病みながら、ネズミを喰らい、便所の水を飲んで9年間も脱出のために生き延びていたこと。

 スタッフの大方を失い、女優と学生の2人だけになっていたところ、役者の長年の経験と計算から、おもちゃのドアこそが唯一の外界との接点だという言葉を仮に信じ、それに望みを託します。

 しかし、さぁ、脱出という段になって、脱出できるのは一人だけだと知った学生は、映画を公開させろ、という死の番人の命令を実行すべく、友人である女優を殴り殺し、役者は心霊現象によって暗黒に落ちていき、見事生還します。


 ハンドル・ネーム死の番人こそは、その精神病院で狂気の実験を続けた院長とそのスタッフ、患者らすべての意を受けた、言わば悪霊の塊だったのです。

 学生は天才ホラー監督として見事デヴューを果たし、狂気を宿した異様な目つきで、これはPOVの手法を用い、自ら主演したフィクションであると説明するというわけです。

 精神病院跡に導かれるまでの時間が長く、中だるみしますが、精神病院跡に9年も閉じ込められていた役者、映像制作に執念を燃やす学生、その学生に惚れていながら見向きもされない女優の、三者三様の我欲がぶつかり合い、ただ怖いだけでなく、人間の暗部をもえぐる奥深い作りになっています。

 是非ご覧ください。

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復活祭

2013年03月31日 | 思想・学問

 今日はキリスト教西方教会系ではイースター(復活祭)なんだそうで。

 キリスト教では、磔にされたイエスが死後3日経って復活したとされており、今日がその復活を祝う祭りだと聞き及びました。
 しかし毎年何月何日と決まっているわけではなく、3月後半から4月前半の日曜日、月の満ち欠けによって決まるんだとか。
 また、西方教会系と東方教会系では、布教の過程で土着の古い宗教の習慣を取り入れたため、イースターを祝う日も違うとかで、なんだかいい加減ですねぇ。

 よく米国の映画などを観ていると、イースターにはウサギの着ぐるみを着た人々が練り歩き、家庭ではそれぞれに思い思いのご馳走を楽しんでいますね。

 中東諸国がイスラム教化前と後では大きく生活が変わったように、欧米ではキリスト教以前と以降で人々の生活や思考パターンが大きく変わったものと推察します。

 しかるにわが国では、仏教伝来後も根強く神道は残り、ついには神仏習合なんていう破天荒な理屈を作って、共存共栄を図ってきました。

 今でこそ神道の守護者に見える天皇家も、長いこと仏教を庇護し、出家して法皇となられる天皇も多くおられました。

 聖徳太子の父帝の用明天皇は、「仏法を信じ、神道を尊う」と述べたと、「日本書紀」にあります。

 そう考えると、神道一本やりの現在の皇室はむしろいびつであると言えましょう。

 わが国が原理主義的な思想を嫌い、仏教でも神道でも儒教でも耶蘇教でも、柔軟に様ざまな考えを取り入れたことは、戦国末期わが国に訪れたイエズス会の司祭たちが一様に驚愕したという、わが国民の知的好奇心の旺盛さにあろうかと思います。

 あるイエズス会士は、他のアジア諸国と違い、日本では民百姓にいたるまで、天文学の話や哲学の話の話に驚くほど熱心に耳を傾ける。しかし、なぜか神の話には関心を示さない、といったほどの意味の手紙を本国に書き送っています。

 そりゃそうでしょうねぇ。

 わが国には八百万の神々が住み給うわけですから、1柱くらい増えたってどうってことないし、そもそも昨日今日やってきた異教の神だけが唯一絶対で、わが国の八百万の神々は偽者だと決め付けられたら、怒るより前に失笑をもらし、聞く耳を持たなくなるのは必定。

 江戸時代、耶蘇教が御法度となっても、ひっそりと信仰を持ち続ける隠れキリシタンが存在し続けたようですが、それだって専門家である司祭は一人もいないわけですから、ずいぶん日本化したものと思われます。

 石川淳の小説「至福千年」では、幕末の混乱に乗じて、キリスト教による千年王国を築こうとする隠れキリシタンの一派の暗躍が気風の良い江戸弁風の文体で描かれており、フィクションとはいえじつに興味深い作品でした。
 やや難解ではありますが。

 私の職場には数多くの欧米人の研究者が長期滞在しますが、彼らと喫煙室などで話したところ、欧州ではキリスト教への信仰はほとんど姿を消して、風俗習慣として残ってはいるものの、多くは無神論者だそうです。
 一方米国では熱心なキリスト教信者が数多くいて、原理主義的団体も少なくないとか。
 ただ、いわゆる高学歴のエリートはあまり熱心な信仰は持っていない人が多いと聞きました。

 ナチのSS将校のキリスト教棄教率は99%を超えていたとかで、ヒトラーやヒムラーがキリスト教以前のゲルマン神話に回帰しようとしたためと思われます。
 それには同盟国日本で神話に基づく神道が途切れることなく隆盛を誇っていたことに刺激を受けたせいだ、という説も聞きました。

 宗教、とくにユダヤ・キリスト・イスラムの三つの兄弟宗教は、日本人から見るとほとんど同じ教えに見えるのですが、世界の平和と繁栄を言葉では願いながら、じつは侵略の尖兵になったり、紛争の原因を作ったりしてきました。

 この三宗教のわずかな違いを考えると、表面的には仏教の浄土門と禅門のほうがよほど違いが大きいように思えます。

 しかし、仏教では悟りにいたるには様ざまな門(宗派)があり、どの門から入ってもたどり着く頂上は同じなのだから、本質的に大乗仏教も上座部仏教も同じものだと考えるため、論争は起きても殺し合いまでには到りません。

  要するに同じ山を登るのに登山口がいくつもあって、どの登山口から登っても、ルートは違えど頂は一緒ということですね。

 
 ところが件の三宗教は、違いばかりを強調して血みどろの殺し合いを繰り返してきました。

 みみっちい話です。


 イースターという良き日に、あえて、キリスト教徒の皆様におかれましては、キリスト教が過去に侵した世界史上の巨大な過ちに思いを馳せてほしいものだと切望します。

イースターってなあに
Liesbet Slegers,女子パウロ会,聖パウロ女子修道会=
女子パウロ会



日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)
宇治谷 孟
講談社



日本書紀(下)全現代語訳 (講談社学術文庫)
宇治谷 孟
講談社



至福千年 (岩波文庫 緑 94-2)
石川 淳
岩波書店

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理事会

2013年03月30日 | 仕事

 今日の午前中、私が住まいするマンションの管理組合の理事会がありました。
 平成25年度の理事に当たってしまいましたので。

 新築で購入したマンションももう築12年。
 そろそろ大規模修繕が必要とのことで、9月から12月にかけて修繕工事を行う予定です。
 費用は四千五百万円ほど。
 修繕積立金はほぼ枯渇してしまいます。
 
 これがマンション住まいの嫌なところでもあり、良いところでもあります。
 管理会社が日々点検して、修繕の必要性をペーパーにしてくれるのは良い点でしょう。
 住友不動産が管理を一貫して請け負っており、工事業者は住友不動産が7社から見積を取り、最も安価な業者を24年度の管理組合理事会が選定しました。
 
 一戸建てであれば、それぞれの家が独自に行わなければならず、これはこれで面倒なことです。

 大規模修繕にあたって住友不動産が12%の手数料を要求していることに対し、私がこれを10%に値引いて欲しいと発言したところ、住友不動産の担当者は持ち帰って検討する、とのことでした。

 また、24年度の管理組合理事会が選定した施行業者のマンション修繕の実績がわずか14件で、他の業者は軒並み100件を超えていることが不安であると発言したところ、銀行勤務の理事長が、この業者は学校など、官庁関係の仕事を多く手がけているためにマンション修繕の実績が少ないのであって、銀行員としてその会社をよく知っているが、安心して任せられる業者である、との返事。

 良い人が理事長に選ばれたものです。
 理事同士があみだくじで決めたのですが、成功だったようです。

 今後はメーリングリストを作成し、理事及び住友不動産の間で意思疎通を図りながら月一回程度理事会を開催し、懸案事項を検討していくとのことでした。

 次回は4月20日(土)10時から開催の予定。
 面倒ではありますが、地域社会での責任を果たすためには致し方ありません。

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時分の花

2013年03月29日 | 文学

  この花は、まことの花にはあらず。ただじぶんのはななり。

 世阿弥
の能楽書、「風姿花伝」に見られる有名な一節です。

 芸本来の美とは別に、若さゆえの華やかな美しさが表れるということでしょうか。

 自分が40代になって、確かに若いというだけで人は美しいと思うようになりました。
 それは男も女も。
 それは言ってみれば、赤ちゃんは可愛いみたいなものなのだと思います。

 しかしそれは、世阿弥が指摘したごとく、所詮は時分の花でしかありはしません。
 真の円熟した美とはおよそ異なるものです。

 私は時分の花を咲かせる時期はとうに過ぎました。

 それを惜しいとは思いません。

 なぜなら、30歳くらいまで、私は存分に若さゆえの美しさを利用してやりたい放題しましたから。
 ただ、やりたい放題やったがゆえに、今の私に時分の花という言葉は無縁になったはずだと思います。

 「泥棒日記」などで有名なフランスの作家、ジャン・ジュネは同性愛者で、しかも麻薬はやる、盗みはやるとやりたい放題で、しかし初老の紳士の陰間となって可愛がられることに無上の喜びを感じていました。

 老いて、小説家としての地位を確立した頃、彼は美少年を愛でることしか出来なくなった自分を嘆きつつ、かつて若い自分を愛してくれた紳士達の心持に思いをはせたようなことを書いています。

 同性愛者であれ異性愛者であれ、ふと、もてなくなった、と感じる時が来るのだと思います。

 私は43歳の今、時分の花を失ったと思い込んでいたところ、急激に痩せたことによって、なんだかまたもてるようになって、逆にその虚しさを感じます。
 体重が何だというのでしょうか。
 23キロ落ちたからと言って急にパートナーがいる私に言い寄ってくる若い女性たちが汚らわしく感じます。

 見た目という意味だけで言えば、私は中年ですが、それは疑似的な時分の花なのだろうと思います。

 疑似的な時分の花など、私は欲しくありません。
 年月を重ねたがゆえの、真の人間的な美しさにたどり着きたいと切に願います。

 しかし職場は、私が精神障碍者であるせいか、永遠の雑巾がけを命じているのです。
 言わば永遠の偽物の時分の花

 愚かなことです。

 それなら私は、病気休暇は3年間取得が可能で、復職後一か月以上通えばまた振出しに戻って3年休めるわけですから、意図的に3年休んで一か月出勤して、を定年まで繰り返すというあこぎな方法もありなのかなと思ってしまいます。

 もう時分の花は無理なのです。 

 

風姿花伝・三道 現代語訳付き (角川ソフィア)
竹本 幹夫
角川学芸出版

 

風姿花伝 (岩波文庫)
野上 豊一郎,西尾 実
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泥棒日記 (新潮文庫)
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不明を恥じる

2013年03月29日 | 仕事

 平成24年度の業務もすべて終了しました。

 頼りにしていた後輩が、まさかの2年で異動。
 危なっかしい感じでしたが、ベテランの直属の上司も異動。
 4月は上からも下からも質問攻めに会いそうです。

 まぁ、毎年のことですが。

 就職して22回目の新年度を迎えることになりますが、年度替わりのバタバタに慣れるということはありませんねぇ。

 ていうか、仕事そのものに慣れるということがありません。

 おのれの不明を恥じるところです。   


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復活

2013年03月29日 | 仕事

 昨日は終始熱っぽく、だるい中年度末の多忙な業務をこなしました。
 定時で帰って熱を計ったら、38度2分もありました。
 普段だったらそんなに熱があったら起き上がれないところですが、年度末ということで、気合で乗り切りました。
 すぐにかかりつけの内科に行きました。
 風邪だろうということで、抗生物質、解熱剤、総合感冒薬、胃薬が処方されました。
 それを飲んですぐに横になり、たっぷり10時間以上の睡眠をとったところ、朝の体温は37度ちょうどまで下がっていました。
 良かった。
 今日は元気に出勤し、平成24年度最後の日を忙しく過ごしています。
 今、昼休みですが、今日は恒例の昼寝は無理そうですねぇ。
 13時から会議がありますから。


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微熱

2013年03月28日 | 仕事

 天候不順のせいか、体調が良くありません。
 測ってはいませんが、おそらく微熱があるでしょう。
 節々が痛み、悪寒がしますから。
 普段であれば、躊躇なく休むところですが、今日明日で今年度も終わり。
 休むわけにはいきません。
 市販の風邪薬を飲みましたが、焼け石に水な感じですねぇ。
 ここが踏ん張りどころです。


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寒い

2013年03月27日 | 仕事

 今日は近頃になく寒いですねぇ。
 職場はもう暖房が入らないため、寒いです。
 フリースを着て、膝かけをかけて、なお寒いです。

 調子狂っちゃいますねぇ。

 職場では異動対象者が引き継ぎをしたり、異動先に引き継ぎに行ったり。
 なんだか忙しない感じです。

 私は残留なので、通常どおりですが。
 なんとなく心がざわつく感じ、いつまで続くんでしょう。


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ディスコード

2013年03月26日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 夕方、ぼうっとした頭が少しすっきりしたところで、ホラー映画を鑑賞しました。

 「ディスコード」です。

 厳しい躾で娘2人から嫌われていた母親。
 2人は成人して母親の元を離れていましたが、母の急死で実家に戻ることに。
 しかし、姉はなぜか失踪してしまいます。
 実家を訪れた妹に、いかにもな心霊現象が起こります。

 ここまでは、ありがちな心霊ホラーの王道とも言える展開で、なかなかに怖がらせてくれます。

 しかし後半、なぜかその存在すら知らなかった母の兄、すなわち叔父が現われ、しかもそれが猟奇殺人鬼で、これと妹はガチンコ対決。

 趣き深い心霊ホラーと思われた作品が、急遽サイコサスペンスの様相を呈してきます。

 どうもこの作品がメジャー・デビューの監督、1970年代から80年代の様ざまなホラーやサスペンスに感化されて育った世代らしく、当時のあらゆる名作にオマージュを捧げるべく、ごちゃまぜの作品に仕上がってしまったようです。

 雰囲気はなかなか良いのですが、ごちゃまぜはいただけません。

 監督が勉強熱心なのはよくわかりますが、過去の名作ホラーや名作サスペンスの良いとこどりに走ってしまったようで、オリジナリティが感じられません。

 そつの無い出来だとは思いますが、コアなホラー・ファンである私には、すべてがネタバレで、残念な作品となってしまいました。

 しかしこれだけ古典的ホラーに通じた人。
 一皮剥ければきっと斬新な恐怖を提供してくれるものと信じます。

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ケイティ・ロッツ,キャスパー・ヴァン・ディーン,アグネス・ブルックナー,ヘイリー・ハドソン
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起き上がれない

2013年03月26日 | 精神障害

 このところ年度末に伴う多忙な日々が続いたせいか、6時に目覚ましが鳴ったにも関わらず、いつの間にか止めて爆睡。
 目が覚めたら11時をまわっていました。
 職場には電話をかけて今日は休むことにしました。

 良くない兆候です。

 こういうことが時折起きるようになり、その頻度が高まって長期病気休暇にいたる、というのがパターンでしたから。

 今日はゆっくり休んで、明日からの仕事に備えたいと思います。


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犀の角

2013年03月25日 | 思想・学問

 今日もまた、引きもきらぬ俗物どもを相手に、つまらぬ仕事で一日を過ごしました。
 連中から見れば、当然私もくだらぬ俗物ではありましょうけれど。

 人が職場で過ごす一日は、言ってみれば嘘八百を並べ立て、脅してみたりすかしてみたり、誠に愚かな猿知恵で日々を暮らしているものだと実感します。

 霊長類なんて偉そうに名付けてはみたものの、およそ自然界を見回して、猿とその子孫ほどくだらぬ欲望にうつつをぬかし、馬鹿げた権力闘争を繰り返している生き物もおりますまい。

 はるか室町時代、「閑吟集」に見られる歌謡に、

 人はうそにてくらす世に 燕子が実相を談じ顔なる

 という文句が見られます。

 全くそのとおり。

 人が嘘八百を並べて俗界を生きているのに比べ、燕はその鳴き声でこの世の真実を語り合っているように見えるというわけです。

 「閑吟集」という書物、なかなかシニカルで、この世の真実の裏の裏を突いているようで、興味深いものです。

 それにしても、人はなぜこの儚い世に生まれ、限りある命を使って、出世やら、女性であれば子どもがいるかいないかとか、他人より優位に立ちたいと思うのでしょうね。

 お釈迦様は己と仏法のみを光とし、犀の角の角のようにただ独り歩め、と厳しい教えを説きました。

 漢語では、自灯明法灯明なんて言いますね。

 おのれ独りの信念と覚悟、それに仏法のみを頼りに、つまらぬ人付き合いを避けて道を求めよというわけで、それをサラリーマンをやりながら貫こうとすれば必ず、和をもって貴しとなす、愚かな大勢と衝突します。
 
 今の私がそうです。

 和を重んじれば、犀の角のようにただ独り歩むことはできません。

 しかし、サラリーマンであろうと坊主であろうと自分探しの末に初老を迎えてしまったフリーターであろうと、また、俗界で出世した俗物であろうと、人間であるかぎり、本当に知りたいことは、ただ一つしかないはずです。

 それは、人はなぜ生まれ、死ぬのか、という、死と宗教の問題。

 それに真正面に向き合うのは誰しも怖ろしいに違いありませんが、人間が求める最後の問いは、それに尽きると思います。

 で、あるならば、2年か3年一緒に働くだけの浅はかな人々との付き合いを大切にする時間があったら、くだらぬ付き合いはすべてキャンセルし、付き合いの悪い嫌な野郎だと言われようが、ごくわずかな自由時間をおのれの心に耳を傾けるほうが、よほど人生を豊かにすると思うのです。

 そういうわけで、水曜日に迫った課の送別会には欠席すると幹事に伝えた次第です。

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新訂 閑吟集 (岩波文庫)
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ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)
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2013年03月24日 | 散歩・旅行

 花見というほど大げさなものではありませんが、午後、少しだけ桜がある近所の公園を散策しました。



 どんよりと曇って寒々しく、人もまばらでしたが、桜はまさに今が見ごろ。
 見事に咲き誇っていました。

 私は毎年満開の頃、ワンカップやビールを買い込んで花見を楽しんでいますが、今日はなんだかそんな気になれません。

 例年だと4月の上旬、新年度を迎えて多少の高揚感をもって花見を楽しんでいたところ、今年は年度末に重なり、いつもそうなのですが、年度末というのは精神が不安定になり、花の下で酒を飲もうという気持ちになりません。

 今年の早すぎる桜の開花が恨めしく思えます。

 桜といのは不思議なもので、わが国では桜は死の観念と結びついているせいか、桜を観るたび、来年もまた桜を観られるだろうか、もしかしたら不慮の事故にでも会い、これが今生最後の桜になるかもしれない、という不吉な思いに駆られます。
 とくにうつ状態が激しく、希死念慮に悩まされていた時はそうでした。
 桜を観たから、そろそろいいだろう、と考えてしまうのです。
 それでもやっぱり死ぬのが怖くて、生きながらえてしまいました。

 でも精神障害に対する差別や偏見は今も根強く残っており、最近職場ではメンタルヘルスの重要性が叫ばれてはいますが、それも研修の時などだけで、実際に発病すると、心が弱いやつ、いつ休み始めるか分からない危ないやつ、という目で見られます。
 私自身、自分が発病するまではそういう目で精神障害者を見ていたように思います。

 いっそ障害者手帳がもらえて、障害者年金がもらえるほど症状が重ければ、いやな仕事にしがみつかなくて済むのに、とよく思います。

 しかし主治医は、「そんなことは考えず、出勤を続けることを第一に考えてください」と言って、障害者手帳を取得するための診断書を書いてくれません。
 だから私は、障害者手帳を持っていません。

 まぁ、多くの患者を診ている主治医からすれば、私なんかは軽いほうで、現にここ三年は休まず通っているわけですから、仕事を続けて社会貢献したほうが良いと思っているのでしょうね。

 現にこの三年、最初はごく軽い仕事だったのが、だんだん仕事を増やされ、今では課内で一番ヘヴィな仕事を担当させられています。
 
 リワークプログラムでは、SSTという寸劇で、仕事を断る練習を何度もしましたが、職場ではなかなかできないものです。
 
 苦労している職員、特に職階が下の者が苦しんでいる場合、つい自分がやってやる、という禁句を吐いてしまい、自分の首を絞めてしまいますが、苦しんでいた若い職員が晴れやかな表情に変わるのを見ると、苦労は自分が引き受ける、と思ってしまう悪い癖があり、これが発症の一番の理由かもしれません。

 しかも見栄っ張りのせいか、本当は辛いのに、「大したことないよ、簡単な仕事だ」などと格好をつけてますます自分の首を絞めてしまいます。

 損な性分です。


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憂悶

2013年03月24日 | 文学

 今年はばかに春の訪れが早いようで、もう桜が満開です。

 私はといえば、相も変らぬ俗事にかまけ、せっかくの週末、花見に出かけることもままなりません。

 来週末、花が散り乱れているであろう頃に、花見に出かけようかと愚考しています。

 せめてはかねて愛吟しながらあまりこのブログで取り上げなかった詩歌でも紹介しましょうか。

 あはれなり わが身のはてや あさ緑 つひには野べの霞と思へば

 新古今和歌集にみられる小野小町の歌です。
 野べの霞とは、一般的に火葬の際の煙がたなびく様と解されています。
 絶世の美女と呼ばれた小野小町も年老いて、春愁とともに世の無常を詠みこんだものと思われます。

 次はいっそ思い切り美的な西行法師の春の和歌を。

 春風の 花を散らすと見る夢は さめても胸の 騒ぐなりけり

 桜が散るさまの美しさを、これほどの烈しさでもって詠んだ歌も少ないでしょうねぇ。

 父は西行法師に憧れていたようですが、私はその歌の烈しさと、美を追求する執念みたいなものが、なんとなく怖ろしく、単純に西行法師に憧れるような気持ちにはなれません。
 歌がうま過ぎるのと烈しすぎるので、おそらく平安末期の歌詠みからは嫌われていたんじゃないでしょうか。
 ちょうど、私もそうですが今は亡き尾崎豊の烈しすぎる歌を毛嫌いする人が多いように。

 ぐっと時代が下って近代詩を。

 人けなき公園の椅子にもたれて
 われの思ふことはけふもまた烈しきなり。
 いかなれば故郷のひとのわれに辛く
 かなしきすももの種を噛まむとするぞ。
 (中略)
 さびしき椅子に「復讐」の文字を刻みたり。

 萩原朔太郎「純情小曲集」にみられる「公園の椅子」という詩です。  

 葉桜の頃、公園の椅子に座って、愛憎うずまく故郷への思いを烈しい言葉で書き連ねています。
 青年の憂悶。
 萩原朔太郎という人ほど、憂悶という言葉が似合う詩人も少ないでしょうねぇ。

 私はあと一週間に迫った今年度の終わりを前にして、不思議な焦燥感にとらわれ、憂悶というほどではないにせよ、憂愁の思いを強くしています。

 今度の4月で就職して22年目の春を迎えます。

 37歳くらいまではバリバリ働いていたのが、精神障害を発症して、以来ずうっと慣らし運転のような感じです。

 病気というのはなんでもそうでしょうが、治るというのは発症以前の状態に戻ることではなく、病気を抱えながらも通常の生活が出来るようになることなんだろうと思います。
 そういう意味ではもう治っているとも言えますが、常に腹の底に抱えているどす黒い塊のようなもの、うつ状態の種のようなものが、時折大きくなったりして私を苦しめます。

 春の憂鬱というのも、どす黒い塊を大きくさせる作用があるような気がしてなりません。 

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小林 大輔
角川学芸出版



山家集 (岩波文庫 黄 23-1)
佐佐木 信綱
岩波書店



萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)
三好 達治
岩波書店

 

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人事

2013年03月23日 | 仕事

 私は自宅のパソコンから職場のネットワークに入ることができるよう設定しており、メールチェックなどしました。
 そこに4月1日異動の一覧が。
 
 あっと驚く人事もあれば、まぁ妥当だろうなという人事もあり、関係者一同一喜一憂していることでしょう。

 私は異動ではありませんでした。
 今の部署に来て丸2年。
 普通3年勤めることが多いので、予想どおりでした。

 そうかと思えば2年で異動する者もおり、同じ部署に9年目に突入というツワモノもいます。
 おそらく引き受け手がみつからないんでしょうねぇ。

 私は三度も半年以上の長期病休暇を取ってしまったせいで、昇任が遅れに遅れており、今回、初めて直属の上司が年下になります。
 それも6歳も。
 考えてみれば、私と同世代の職員は軒並み私より職階が上になりました。

 ああしてこうしてこうなった、ということは自分が一番よく知っており、別段不満に思うこともありませんが、私の上司になる人が可哀そうですねぇ。
 知識も経験もはるかに上で、しかも生意気で小うるさい年上の部下を持つのですから。
 よほど変なやつで無い限り優しく接しようと思っていますが、ちょっとでもおかしげなことを言い出したら、ご注意申し上げなければなりますまい。

 それも私の職責でしょうから。

 でも多分、私が職場で発している強い気にあてられて、何も言えないでしょうけど。
 パワハラ事件でトップを相手に弁護士を立てて謝罪と損害補償を勝ち取ったことも、私が怖れられる大きな要因になっていると感じます。

 私はただ、目の前の仕事を一日一日誠実にこなしていくこと以外、やりようがないのです。


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ストロベリーナイト

2013年03月23日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 なかなかの和製サイコ・サスペンスを鑑賞しました。

 「ストロベリーナイト」です。 

 

 少女時代、連続性的暴行事件の被害者になり、その時親身になって世話してくれた女性警察官が犯人を捕まえようとして殉職したことがきっかけで刑事になった姫川警部補を竹内結子が演じて秀逸です。

 物語の要所要所で被害にあった少女時代のシーンに替わり、その事件が大きく作用していることが分かります。

 さらに警察内部での手柄争い、縦割りによる派閥争いなども描かれ、いかにもありそうで一層怖いですねぇ。

 ある時池の近くで遺体が発見されます。
 姫川警部補は池に沈める予定だったのではないかと疑い、池を捜索すると、さらに一体の遺体が発見されます。
 その後今度は別の川から9体もの遺体が発見され、事件は連続殺人の様相を呈してきます。

 ある刑事が、ストロベリーナイトという殺人ショーの掲示板を発見し、これと深く関わりがあると踏んで、情報屋のチンピラに身銭を切って情報収集させますが、この刑事も遺体となって発見されます。

 そして、犯人は身近なところに潜んでいたことが発覚。
 また、ストロベリーナイトで処刑人を引き受けていたのが、義父に何度も強姦され、実母からはうとまれて精神を病んだ少女。

 この少女、女であることに嫌悪を感じたのか、乳房を自ら切断し、髪を短く切って僕と自称します。

 主犯が快楽殺人を楽しんでいたのに対し、実行犯の少女は、リストカットを繰り返したことから、他人も自分と同じ赤い血を持った人間であり、それを確認することで自らも人間であると確認していた、という切ない動機を語ります。

 かちっとした作りで、あざといくらいにうまいサスペンスでした。
 一見の価値ありです。

ストロベリーナイト DVD
誉田哲也,龍居由佳里
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ストロベリーナイト (光文社文庫)
誉田 哲也
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