ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

3年

2013年01月31日 | 精神障害

 早いもので今日で1月も終わり。
 今週末は春のような暖かさだとの予報が飛び込んできました。

 3年前の2月1日、当時双極性障害で長期病気休暇中だった私は、ようやっと病快方に向かい、職場復帰を目指して厚生労働省所管の千葉障害者職業センターにリワーク・プログラムに参加したのでした。
 2月から4月半ばまで。
 基礎体力をつけるため、毎朝ウォーキングをするのですが、凍えるような寒い日もあり、ぽかぽか陽気の日もあり、季節の移ろいをあれほど感じた日々もありませんでした。

 12週間のプログラムを無事に終え、2010年5月1日に職場復帰。
 その後は順調に出勤し、仕事をこなしています。

 今思えばけっこうハードなプログラムでしたね。
 ハードなプログラムに耐えられなければ職場復帰しても再発してしまう怖れがあるということなんでしょうねぇ。
 ハードなプログラムながら、同じような病気を抱える様々な世代の人々との交流は楽しくもありました。

 今でも一部の人とは時折会っています。
 そうかと思えば再発を繰り返している人や音信不通になってしまった人もいます。
 同じような病気と言っても、病後の容体は様々です。

 今元気に働けて、ある程度仕事を任されるようになったことは、誠に喜ばしいかぎりです。
 しかし精神科への通院と服薬はまだ続けています。
 多分生涯続けるんでしょうね。
 
 精神障害者のなかには服薬に罪悪感を感じる人や、はなはだしきにいたっては精神科を受診することすら拒否する人が見受けられます。
 精神障害者自らが精神障害に偏見を持っているということで、悲しいことですね。
 精神科を受診し、服薬すればぐっと楽に生きられるというのに。
 薬なんてじゃんじゃん飲めば良いのです。
 現代の精神病薬は安全ですから。

 これから私の苦手な愁いに満ちた春がやってきます。
 春愁の気にあてられないようにしたいものです。

うつ病リワークプログラムのはじめ方
秋山 剛,秋山 剛
弘文堂




にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビンゴ

2013年01月30日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は「リアル鬼ごっこ」「×ゲーム」で一躍有名になった山田悠介原作のホラー「ビンゴ」を観ました。

 多くの死刑囚があつめられ、数字が書かれたビンゴの上に座らされます。
 ビンゴになればその席に座っていた死刑囚の処刑が即執行されます。
 これを何度も繰り返し、最後はわずか4人でビンゴ。
 ただし、最終の4人は、数字が出た段階で即処刑。
 最後に残った一人は、面接で最後に会いたいと言った人の意志により、無罪放免が処刑かが決まります。

 前半、怖ろしく冗長です。
 ビンゴの繰り返しでは、どうしても退屈になってしまいます。

 しかしラスト、最後に残った青年と、彼が最後に会いたいと言った女性との関係性が暴かれ、一気に迫力を増します。

 それでも全体的には残念な作品であると言わざるを得ません。

ビンゴ [DVD]
清水一希,松井咲子
Happinet(SB)(D)


にほんブログ村


映画(オカルト・ホラー) ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 安岡章太郎

2013年01月29日 | 文学

 安岡章太郎が死去したというニュースが飛び込んできました。
 92歳。
 第三の新人と言われた一群の作家の一人でした。
 今思うと、三島由紀夫よりも年上だったのですね。

 安岡章太郎というと、第二の太宰なんていう人もいました。
 しかし太宰治ほどの物語作者としての才能には恵まれず、その代わり太宰治には無い乾いたユーモアがありました。

 中学生から高校生の頃、私はこの人の作品を愛読しました。
 「ガラスの靴」「悪い仲間」は青春を描いて瑞々しく、しかもそこに気負った感じがなくて、何度も読み返したものです。

 作者が中年になって、「海辺の光景」という、海辺の病院で狂気に陥った母親を看取る作品を発表してから、重鎮扱いされることになりました。

 私は若い頃には彼の初期の作品を頭の隅に置いて、主に女性関係で悪い遊びに耽りました。

 そして退屈だと思っていた「海辺の光景」に深く感じ入ったのは、昨年の3月、父を亡くした時でした。

 親の死という耐え難い事態を、彼はドライに描きつくし、それは父を亡くすという一件から未だに脱出できずにいる私を驚嘆させる醒めた筆致であるということに、改めて気付かされたのです。

 私はひねくれ者なのか、一般に失敗作と言われる作品に惹かれる傾向があります。
 例えば三島由紀夫「鏡子の家」

 安岡章太郎で言えば、「舌出し天使」ですかねぇ。

 思うに失敗作と言われる作品には、作者の思い入れが深く、それゆえに作者の特徴がよく現われるような気がします。

 私にとって安岡章太郎は、同じ第三の新人と言われた遠藤周作吉行淳之介とは全く異なり、その作品の良し悪しは別にして、深く心に響く作品を書く小説家でした。

 そしてまた、三島由紀夫石川淳渋澤龍彦などのきらめくばかりの才能を感じさせることも無い、なんとなく親しみの持てる作家でもありました。

 今まで私を魅了してくれたことに感謝しつつ、ご冥福を祈ります。

ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)
加藤 典洋
講談社



海辺の光景 (新潮文庫)
安岡 章太郎
新潮社



鏡子の家 (新潮文庫)
三島 由紀夫
新潮社



舌出し天使 (中公文庫 A 39)
安岡 章太郎
中央公論新社

にほんブログ村 本ブログ 純文学へ
にほんブログ村


本・書籍 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研修

2013年01月29日 | 仕事

 午後は職場の研修の一環として受講している放送大学の今日のメンタルヘルスの単位認定試験のため、幕張の放送大学へ行き、直帰しました。
 試験自体は簡単で、試験時間は50分なのですが、30分経過すると退出してよいということで、早々に退散しました。

 平成12年度から14年度までの三年間、私は放送大学に勤務していました。
 文部科学省所管の機関のなかで、放送大学は激務として怖れられ、全国から放送大学に集められた職員たちは、人さらいにあったと言っていました。

 放送大学では単位認定試験と通信指導と呼ばれる中間レポートの事務を担当していました。
 教員に問題作成を依頼し、印刷のうえ30万人もの履修者に通信指導を送付して返送されたら科目ごとに仕分けし、マークシートの科目なら機械で採点し、記述の科目なら教員にダンボールで送付し、採点してもらいます。
 通信指導に合格した者には単位認定試験の受験票を送付し、全国に点在する放送大学学習センターで試験を実施し、学習センターから答案を回収して採点、という流れになります。
 これを約60人の主婦や学生を臨時雇用し、職員は私一人だけが作業場にはりつき、指示を飛ばすのです。

 苦しんだのは、マークシートの誤記入。
 学生番号や科目番号が間違っているとエラーがでるため、これを一つ一つ潰していきます。
 100枚のうち10くらいエラーがでるので、30万で3万のエラー。
 クリーン日と呼ばれる採点最終日はエラーを完全に無くさなければならず、エラー潰しで大抵徹夜でしたね。
  スケジュールがあまりにタイトなため、他の部署とスケジュール調整をするのがまた大変。
 わずか半日をめぐって、攻防を繰り広げるのです。


 これが夏と冬、2回あります。
 通信指導と単位認定試験を合わせて4回。
 年4回、財務担当で言う年度末決算みたいな山場が存在するというのはハードなものでした。
 
 土日のサービス出勤も多く、健康ランドで風呂に入っているところを呼び出されたり、土曜日の夕方一杯やっているところを呼び出されてタクシーで駆けつけたり。
 でも考えてみると、呼びつける職員もサービス出勤しているというわけで、問題が発生したと知っていながらこれを放置することは人情としてできません。

 その上学生は年配者が多く、我がままなクレームが多くてこれにも苦しめられました。

 今日はその嫌な思い出が詰まった場所に行ったわけですが、その時幸いだったのは人間関係が良好だったため、今となっては懐かしい思い出です。

 当時を思えば、今は遊んで給料をもらっているようなものです。
 お気楽な職場です。
 今の職場で忙しいなどと寝言をぬかしている輩をみると、人さらいにあって鍛えなおしたほうがいいんじゃないかと思います。

 不思議なことに、その時はメンタルをやられることはありませんでした。
 その代わり、いつも怒っていましたね。

 若かったんでしょうねぇ。

  ただ、直属の上司はうつ病で倒れました。
 その部署では私がその上司の次の立場であったため、まともに上司の穴埋めをしなければならず、いつも不機嫌でした。

 他にも十二指腸潰瘍になる者、アパートも車もそのままに失踪してしまう者などが頻出する怖ろしい所でした。
 山形大学から人さらいにあって失踪した人、十年以上たつのにまだ行方知れずです。
 どこでどうしているのやら。

 でもまだ昔の激務を懐かしんでいる場合じゃありませんね。
 定年まで17年もあるし、その間にはもう一山二山あるでしょうから。
 明日から気を引き締めて職務に精励したいと思います。

今日のメンタルヘルス (放送大学教材)
石丸 昌彦
放送大学教育振興会

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プロジェクト0

2013年01月29日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜はずいぶん安っぽくてグロテスクなホラーを鑑賞しました。

 「プロジェクト0」です。

 麻薬撲滅のために進められる密かな計画。
 それは、使うと衝動的に自殺してしまったり、衝動的に殺人を行ってしまうという麻薬、ベイビー・ブルーを麻薬の密売人に流し、ジャンキーたちに流布させる、というものです。

 ドラッグ・パーティーの最中、友人がベイビー・ブルーを使い、自殺してしまいます。
 そこで仲間たちはドラッグを絶つべく、荒野の一軒屋に入り、ドアノブを破壊して外に出られないようにしてドラッグ中毒から抜け出そうとします。
 しかしそこはジャンキーたち。
 最後に派手にドラッグ・パーティーを開こうと、大量の麻薬を持ち込んでいます。
 その中にはあのベイビー・ブルーも。

 ここまで書けばどんな内容かは想像がつくと思います。

 残虐な映画が撮りたかったのか、麻薬撲滅のために非情な計画を実行する政府の横暴を描きたかったのか、どちらにしても中途半端な作品に終ってしまったのは残念です。

プロジェクト・ゼロ [DVD]
ミーガン・ハッチングス,ケヴィン・ウォーカー,マイク・ウェブスター,シャミール・アンダーソン,タラ・ジョーシ
トランスワールドアソシエイツ


にほんブログ村 映画ブログ ホラー・サスペンス映画へ

にほんブログ村


映画(オカルト・ホラー) ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高見盛関、引退

2013年01月28日 | その他

 角界の人気力士、元小結の高見盛関が引退を表明しました。
 来場所での幕下陥落が決定的になり、36歳という年齢も考えれば、妥当な判断だと言えましょう。

 取組前の独特の力強く、大仰な仕草で気合を入れる姿が印象的でした。
 本人によれば、相撲を取るのが怖くてしょうがないため、自分を奮い立たせるためにやっていたのだとか。
 多くの人に愛される、人の良さそうなお相撲さんでした。

 その筋肉質な体から、ロボコップなんてあだ名されていましたね。
 人気力士が引退するのは寂しいですねぇ。

 今後は年寄、振分を襲名し、部屋付き親方として後進の指導にあたるそうです。
 きっと若い衆から慕われる、良い親方になるものと思います。

 若貴ブームの頃に比べて、新弟子は三分の一くらいに減っているそうで、大相撲の将来が心配です。

 何度か升席や砂かぶりで大相撲を観戦しましたが、席が狭いのと、大量のお土産が用意されているのが嫌でしたねぇ。
 あんなたくさんのお土産なんか止して、その分観戦料を安くして欲しいですねぇ。
 それと、全部椅子席にして欲しいと思います。
 今の日本人はあんな狭い升席に四人も座らされたら、それだけで嫌になっちゃいます。

 貴乃花親方がそういう趣旨の改革案を唱えているらしいですが、相撲茶屋などと軋轢を生み、なかなか前進しないようです。

 相撲観戦は敷居が高く、他の格闘技やスポーツのように、気楽に観られるようになると良いですね。

 大相撲ファンの一人として、より観客目線に立った改革を切望します。

愚直に、一途に―高見盛の生き方
綾川 吾郎
東邦出版
激闘! 大相撲~記憶に残る名力士列伝~ 個性派編 [DVD]
ポニーキャニオン
ポニーキャニオン

 
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪中行軍

2013年01月28日 | 仕事

 今朝、千葉県北西部は大雪に見舞われています。
 この前の時よりもたくさん降って、おそらく積雪は10センチを超えたでしょう。
 こんなに降ったのは何年ぶりでしょう。

 ノーマル・タイヤしか持っていない私は今日は電車出勤。
 職場の最寄り駅に着いたら、駅前にタクシーは一台もなく、バス停は長蛇の列。
 仕方なく、片道30分の道のりを雪中行軍です。
 足場に気をとられ、45分もかかってしまいました。

 職場へ向かう途中の坂道で転倒してしまいました。
 幸い怪我はありませんでしたが、傘がぽっきり折れてしまいました。
 もったいない。

 早く晴れて溶けてほしいですねぇ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新春能

2013年01月27日 | 文学

 千葉市文化センターで行われた新春能を鑑賞してきました。
 どこかから補助金が出ているのか、2,500円と格安です。

 曲は狂言が「金籐左衛門」
 大蔵流が演じます。

 山賊の金籐左衛門は山道で女を脅して身の回りの持ち物を奪いますが、奪った袋の中の小袖や鏡に見とれて油断しているうちに、女に長刀をこっそり盗られてしまいます。
 逆に女に身ぐるみはがされるという筋書きで、弱い善人が強い悪人をやっつけるという、狂言によくある逆転劇です。


 気楽に観られる喜劇で、悲劇である能と喜劇である狂言とをセットで上演し、双方を総称して能楽と呼ぶわが国の舞台芸術の文化は、極めて洗練されていると言えましょう。
 喜劇と悲劇は裏表ですからねぇ。

 能は、「田村」です。
 金春流井上貴覚がシテを務めていました。
 この人、いわゆる御曹司ではなく、サラリーマンの倅だったところ、高校時代に能の魅力に取り付かれ、法政大学の能楽研究所を卒業してから金春流に弟子入りしたという異色の経歴の持ち主です。
 彼の目の付け所が良かったのは、弱小の金春流に弟子入りしたこと。
 大所帯の観世流や宝生流では、生涯シテを務めることは出来なかったでしょう。
 金春流も彼を看板にすることで、素人にも開かれた流派というイメージで勢力を拡大したいご様子。
 両者の思惑が一致したのですね。

 「田村」という曲は、清水寺を創建した坂上田村麻呂を主人公にしたもので、前段は童子の姿になった田村麻呂の幽霊が登場して、訪れた僧の清水寺の縁起をはなし、夜桜を見るなどし、後半はたくましい武将姿の田村麻呂が観音様のご加護を得て鬼神を退治するなど明るく祝祭的な雰囲気です。



 いわゆる修羅物(殺生に明け暮れる武士は修羅道に落ちるとされ、それを供養する能)ですが、平家などを題材にした負け修羅ではなく、数少ない勝ち修羅で、私は初めて勝ち修羅を鑑賞しました。
 正月ということで、負け修羅は縁起が悪いということになったんでしょうね。

 シテを務めた井上貴覚、童子姿での弱々しい舞と、武将姿での荒々しく激しい舞を見事に分けて舞っていました。
 まだ40代前半ということで、これからますます活躍するであろう能楽師です。

 能を観るといつも思いますが、そのファッション性、舞台の洗練度、緊張感において、世界広しといえども並ぶものの無い優れた舞台芸術です。
 歌舞伎をハリウッドの娯楽作とするならば、能は芸術的な文芸作品といったところでしょうか。
 それぞれに魅力的ですが、美しさという点において、能に勝る舞台芸術はこの世に存在しないでしょうねぇ。

 良い目の保養をさせてもらいました。

田村 (能の友シリーズ (2))
川西 十人
白竜社



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


芸術・人文 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルジェリアのテロ

2013年01月27日 | 社会・政治

 アルジェリアのテロ事件、犠牲者最後の遺体が無言の帰国を果たし、一応の区切りがつきました。
 これからアルジェリア政府には事件の全容解明を求めなければなりませんが、期待できませんねぇ。
 もともと日本のプラントはアルジェリア軍が護衛していたとか。
 いかに強力なテロリストといえども一国の正規の軍隊が守る施設に攻撃を仕掛けるというのは相当なことで、アルジェリア軍の中にテロリストと内通していた者が存在すると見られているようです。

 アルジェリア政府にとって、それは否定もしくは隠蔽したい不都合な真実でしょう。
 それが事実ならアルジェリア軍は世界中から信頼されなくなります。
 しかしそれを隠蔽すればなおさら信頼されないというジレンマに陥り、アルジェリア政府は事件の幕引きを急ぎたいというのが本音でしょうね。

 わが国のプラントが狙われた理由の一つには、わが国が米国と軍事同盟を結んでいることが挙げられるでしょう。
 理由がそれだけなら、やむを得ないといわざるを得ません。
 しかし米国そのものではなく、英国などのわが国以外の同盟国でもなく、この日本が狙われた理由があるとすれば、それは深く追求し、防止策を取らねばなりません。

 推測ですが、わが国の防衛意識の薄さがあるのではないかという気がしてなりません。

 わが国は世界で最も安全な国の一つと言われ続けてきました。
 また、世界の紛争勃発に際しては、平和憲法を盾に、我関せずとばかり世界平和維持への貢献を怠ってきました。

 いわば一億総平和呆けとも言うべき、ある意味幸せな、浅い眠りのような状態を生き続けて来たことがテロリストに付け込まれたのだとしたら、これは重大な問題です。

 わが国だけが危険極まりない世界情勢から逃れていられる道理はありません。
 平和を祈念するだけでは平和は維持されるはずもなく、テロリストや敵対する国家がわが国に手を出すことをためらうような力を涵養することだけが、人間という好戦的な生き物が支配する世界で生き残る術だと言えます。

 悪魔の論理によってしか平和が維持されないという冷厳な事実を思う時、私は深いため息をつくしかないのです。

にほんブログ村 政治ブログ 国政・政局へ
にほんブログ村


政治 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

演劇? 舞踊?

2013年01月26日 | 文学

 あまり体調がすぐれず、一日ごろごろしていました。
 たまにはこんな休日も良いでしょう。

 明日は能見物に出かける予定です。
 千葉市内の劇場で能公演がありますので。

 かつてはよく国立能楽堂や観世能楽堂、宝生能楽堂まで足を運び、能を観ました。

 フランス人の前衛舞台芸術の演出家が初めて能を観たとき、自分たちが前衛だと思っていた舞台芸術を、日本人は500年以上前に完成させていたのかと驚愕した、という話を聞いたことがあります。

 極端に簡素化された舞台、道具に比して、衣装だけは豪華絢爛で、ストーリーは仏教説話や心霊譚をもとにした幻想的な雰囲気が魅力ですね。

 オペラで言えばオーケストラにあたる地謡や鼓、笛に指揮者がいないことも、そのフランス人演出家が目指していたことのようです。
 つまり演奏する者、謡う者、演じる者(舞う者)が互いに間を合わせ、誰にも指揮されないことを理想のハーモニーと考えたようです。

 日本人が聞くと当たり前すぎて白けちゃうような話ではあります。


 能は演劇なのか、舞踊なのか、という論争を時折見かけます。

 一応ストーリーがあって、何人かの能楽師が出てきて物語を演じるという意味では演劇なのでしょうが、能の本質は舞踊にあるとみるのが妥当であると私は考えています。

 この世ならぬ者が人の形をして現われ、やがて正体が露見して舞う、というパターンが多いようですが、必ずと言っていいほどストーリーを転がす時間に比して長すぎるほどの、しかも冗長にさえ見える舞があります。

 サンバなどとは対極にある、極端に動きが少なく、緩やかな舞です。
 その緩やかさゆえ、能楽師は相当高齢になっても務まります。
 サンバなどを本来の舞踊と考えたなら、能は舞踊のうちには入らないでしょうね。

 しかしその緩やかさゆえか、能の舞にはひどく観る者を緊張させる力があります。
 それが型ですね。
 型にこそ能の本質があると言えましょう。

 わが国はどうも型にはまったものがお得意のようで、冠婚葬祭などの儀式にしても、卒業式などにしても、わが国の儀式は無駄なものをこそぎ落としていった簡潔を良しとするがゆえ、そこには荘厳さと緊張感が生まれます。

 それを一番感じたのは、今上陛下の即位の礼の呆気なさと、英国ウィリアム王子の結婚式の冗長さとの差でしたね。

 英国人は儀式が下手だなと思いました。
 あるいは儀式に対する美意識がわが国とは全く違う、と。

 もう終わり?と思わせないと儀式は失敗だと思います。

 明日は元気に久方ぶりの能見物を楽しみたいと思います。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


芸術・人文 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザ・プロジェクト

2013年01月26日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 早朝から思春期の特殊能力を持った双子の悲劇を描いた「ザ・プロジェクト」を鑑賞しました。

 裕福な家庭に育った一卵性双生児の高校生。
 彼らは気味が悪いほどそっくりで、しぐさや行動パターン、思考パターンも似ています。
 彼らには共通の悩みがありました。
 恐怖の感情を感じることができないのです。
 彼らが手を固く握って念じると、他人の行動をコントロールすることができます。

 そこで彼らは、あるプロジェクトを開始します。
 他人の行動をコントロールして自殺に追い込み、それをビデオカメラにおさめるのです。
 その都度、彼らは絶望します。
 恐怖を感じることが出来なかったからです。
 双子がさかんに口に出す、「感じるか」「いや、感じない」という会話は、双子の絶望の深さを感じさせます。

 しかし双子の一人に恋人が出来たことから、プロジェクトは破綻していきます。

 その破綻の過程で、双子の家庭の秘密、双子の幼少期からの悪行が暴かれていきます。
 客観的にみれば、悪魔のような双子です。
 しかし彼らの目線に立てば、「妖怪人間ベム」が発する「早く人間になりたい」にも似た、切ない願望があるのです。

 ラスト、彼らは悲劇的な形で感情を取り戻します。

 超能力者の孤独感、恋人の出現とそれに伴う双子同士の関係性の悪化、両親との関係性といった思春期特有の絶望感がうまく描かれています。
 これに火事で妻を亡くすという痛ましい経験をした黒人刑事が絡んで、物語に重層性を加えています。

 一見の価値ありです。

ザ・プロジェクト [DVD]
オーランド・ジョーンズ,エドマンド・エンティン,ゲイリー・エンティン,ルイス・ハーサム,モーガナ・ショウ
トランスフォーマー
「妖怪人間ベム」DVD-BOX
亀梨和也,杏,鈴木 福
バップ

 

「妖怪人間ベム」Blu-ray BOX
亀梨和也,杏,鈴木 福
バップ



にほんブログ村 映画ブログ ホラー・サスペンス映画へ

にほんブログ村


映画(オカルト・ホラー) ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナチズムとオカルト

2013年01月25日 | 文学

 どうも体調がすぐれず、15時に早退しました。
 その足で内科へ。
 軽い風邪ということで、薬をもらって飲んだら急に元気になりました。
 現代医学の威力は怖ろしいばかりです。

 で、元気になると、性懲りもなくホラーが観たくなるのが私の悲しい性。

 「デビルズ・ロック」というのを借りてきました。

 ノルマンディー上陸作戦前日。
 連合軍はナチス・ドイツの目をノルマンディーからそらすため、イギリス海峡の島々で破壊工作を行います。
 その中の小島に、連合軍の一員であるニュージーランドの工作部隊が密かに潜入。
 砲台を破壊します。
 任務はそれだけだったのですが、要塞の中から間断なく女の悲鳴が聞こえてきます。
 拷問が行われていると確信したニュージーランド兵は無謀にも要塞に潜入します。
 そこで見たのは、あまたのドイツ兵の遺体。
 唯一要塞にいたのは、ナチス・ドイツのSS大佐でした。

 彼が言うには、ヒトラーの命を受け、地獄から悪魔を呼び出し、これを兵器としてロンドンに送り込む予定だったが、想像以上に悪魔の力が強く、人肉を喰らう悪魔にドイツ兵の大半が食われてしまったのだとか。
 悲鳴を上げていたのは、悪魔封じにかけられた悪魔の声だったのです。
 急遽SSの大佐と一緒に悪魔退治に乗り出すニュージーランド兵。
 しかしその結末は悲劇的なものです。

 ナチが黒魔術に傾倒し、様ざまな実験や冒険を行ったことは周知の事実。
 チャーチルのVサインは黒魔術に対抗する白魔術の印だったとも言われています。

 映画自体はちゃちで安っぽいものでしたが、オカルティズムに国家ぐるみでのめり込むナチス・ドイツの姿は人間の一面の真実を突いています。

 わが国でも、古来、戦が起きれば坊主や神主が戦勝祈願をしましたし、牛の刻参りなどの呪いの儀式は今もなお続いています。
 四国の某村では呪殺を生業とする人々が現存し、彼らに言わせると生き死に自在だとか。
 一方その村の麓には呪い返しを専らにする坊主がいて、彼らは呪い返しの過酷さから、大抵は中年で亡くなってしまうとか。

 呪いとか黒魔術というもの、人間の浅はかな知恵が考え出した、人々の暗い欲求を満たすために生まれたまがい物であろうことは容易に想像がつきます。

 しかし私は、それがまがい物であるか否かよりも、人を呪ったり黒魔術に頼ったりしてでも、おのれの欲望を達成せむとする人間の業の深さに恐怖を感じます。

 人を呪わば穴二つ、と申します。
 どんなに暗い欲求に捕らわれても、呪いや黒魔術なんかに頼らない、鋼の精神を持つことが求められます。

デビルズ・ロック ナチス極秘実験 [DVD]
ポール・カンピオン,ポール・カンピオン,リアンヌ・サウンダース,ポール・フィンチ,ブレット・イハカ
アルバトロス

にほんブログ村 映画ブログ ホラー・サスペンス映画へ
にほんブログ村


映画(オカルト・ホラー) ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

体調

2013年01月25日 | その他

 今日は朝寝坊してしまいました。
 いつもは6時半に起きるのに、目が覚めたら7時。
 慌てて支度して、なんとか遅刻は免れましたが、なんとなく、調子が悪いようです。
 今、昼休み。
 とりあえず昼食をとったら昼寝して、それでも悪いようなら早退しようかと思います。

 インフルエンザでなければよいのですが。
 今、課内に一人インフルエンザで休んでいる者がいるのですよねぇ。

 8年くらい前に一度だけインフルエンザを経験し、もう二度と罹りたくないと、その後は毎年11月に予防接種を受けています。

 昨年の11月に予防接種を受けましたから、多分ただの風邪だと思うのですが。

 ちょっと微熱が出たくらいでも、ずいぶんとしんどいのですから、痛みを伴なう難病に罹ったら、私は気弱になってすぐに遺書なんか書いちゃいそうですねぇ。


にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全童連

2013年01月24日 | 社会・政治

  類は友を呼ぶ、とか、類をもって集まる、という言葉がありますね。
 人間似た者同士で集まるものだということを示しているのでしょう。

 私も精神障害発症の際、自治体主催のうつの会というのに参加したり、地域の精神障害者が集まる自助グループに参加したり、障害者職業センターのリワーク・プログラムに参加したりして、同病相哀れんだものです。

 中学・高校・大学と、群れることを嫌い、クラブ活動やサークル活動に一切参加しなかった私ですら、心が弱ると同じ悩みを持つ者が集まる場所に吸い寄せられるように加わったというわけで、誠に人は似た者同士で集まることを好むものです。

 先般、全国童貞連合略して全童連なる奇っ怪な集団があることを知りました。
 その名のとおり、童貞であることが参加の条件で、童貞を失うと卒業ということになるそうです。

 なんでも全童連を立ち上げた現会長は、1999年、26歳の時に(今のところ最初で最後の)失恋をして、その痛みを和らげようとこの会を設立したそうです。
 現在40歳だそうですが、今もなお卒業できずにいるようです。

 本日現在1,000人を超す会員がいるそうで、ネット上に堂々と本名と顔写真を公開しており、出会い系サイトのバナーが張ってあったりして、なんだか怪しい雰囲気です。

 女性とお付き合いしたいというよりも、セックスしたい、というオーラがそのサイトには充満しており、これはなかなかしんどい感じです。

http://www.cherrybb.jp/member.php ⇒全童連のHPです。

 なんでも会員は4つのタイプに大別できるそうです。

 ①会長をはじめとする、あくまでも「童貞を捨てたい改革派」
 ②「童貞を捨てたい改革派」を否定し「恋愛は無理だから諦める」の2次元保守派
 ③「恋愛と女性をほとんど全否定」の保守新派
 ④「性欲が無くなれば楽ですよ」の解脱派

 誠に馬鹿馬鹿しいというか、阿呆な集まりです。

  そんなに女性と関係を持ちたければ、金を払えば若くてきれいな女性が笑顔で相手にしてくれる店がいくらでもあるのに。


 恋愛経験や性体験が無い者、あるいは極端に少ない者を小馬鹿にする風潮が広まったのは、バブル以降のような気がします。

 1970年代初頭くらいまでは、恋愛や婚前交渉は破廉恥な者がすることで、多くはお見合いによって吊り合いのとれた相手と結婚するのが当たり前とされてきました。

 それが今ではすっかりお見合いという風潮が廃れ、もともと破廉恥な者などそう多くは無いのに、時代が恋愛できない者を小馬鹿にするようになって、開き直ってこのような集まりができたものと想像します。

 人間100人いれば100通りの生き方があり、そこには当然異性との付き合いも、同性同士の関係も、100通りあるはずです。
 それをある一定の型を良しとし、そうでない者を小馬鹿にするというのは、まさしく差別の構造ですね。

 米国にも「40歳の童貞男」というコメディ映画があり、このような映画が作られること自体、差別的であると言わざるを得ません。

40歳の童貞男 無修正完全版 [DVD]
スティーヴ・カレル,キャサリン・キーナー,ポール・ラッド
ジェネオン・ユニバーサル
40歳の童貞男 [Blu-ray]
スティーヴ・カレル,キャサリン・キーナー,ポール・ラッド
ジェネオン・ユニバーサル



 男女の間については極めて個人的なことで、他人が口出しするような筋合いのものではありません。

 しかしことが少子高齢化にストレートに繋がっているとすると、日本社会にとって由々しき問題です。

 わが国が抱える数々の内政問題は、少子高齢化が解決すればほとんど同時に解決してしまうと思われるからです。
 わが国における妊娠出産は、ほとんど結婚に伴うものであるため、晩婚化、非婚化はそのまま少子化につながってしまいます。

 そういう意味では、全童連の皆さまにも、素敵な出会いに恵まれ、少子化防止に役だって欲しいと願わずにはいられません。

 まぁ、子どもがいない私が言えた義理ではありませんが。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駆け込み退職

2013年01月24日 | 社会・政治

 公立学校の教員や警察官などの地方公務員が、定年を待たずに2月末日で退職する者が大量に出ているようです。
 理由は簡単。
 人事院勧告により、地方公務員であっても、3月末まで勤めるより2月末で退職したほうが、概ね140万円も退職金を多く貰えるからです。

 不思議なことにもっと条件が悪い国家公務員には、そのような動きはほとんど見られないとか。
 総務省の担当者は、個々の判断なのでなんとも言えないが、国家公務員に早期退職者が少ないのは不思議だと述べていました。

 特に担任を持っている公立学校教員の早期退職に批判が高まっています。
 教員にはとくに高いモラルが求められ、お金のために児童生徒を犠牲にするようなことがあってはならない、と言うわけです。

 しかしそれはお門違いというものです。

 教員であっても警察官であっても、第一義的には生活の糧を得るため、つまりお金欲しさに働いているわけですから、1か月余計に働いただけで140万円も損をするとなれば自己防衛に走るのは当たり前のことです。

 老後の生活を考えると、お金は少しでも多いほうが良いでしょうから。

 むしろ、日頃偉そうなことを言っている先生が、お金のために簡単に早期退職してしまうのだ、と児童生徒に知らしめることは、教育的効果も期待できます。

 つまり、教員であろうと警察官であろうと、人は損得で動くものであり、崇高な理念のために動くのではない、という冷厳な社会の現実を知らしめることができるということです。


 それでなくても、一時期、運動会で順位を付けないとか、学芸会で全員主役の群舞劇とか、まるでこの世に競争は存在せず、競争は悪であるかのような教育が行われてきました。

 しかし社会の基本は競争であって、それを否定することは児童生徒に詐欺を働くようなものです。

 それにしても愚かな政策だと思うのは、なんだってまた2月末までこれまでどおりの退職金が適用されるのか、ということです。
 これを3月末までとしておけば、こんなことは起こらなかったものを。


にほんブログ村


政治 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする