いよいよ今日で平成25年度も終了。
私が午後から新しい部署に引継に行くことから、午前中、私のラインにいる後輩8人から、代わる代わるどうでもよいような質問の嵐。
私は瞬時に的確な回答を返し、彼ら彼女らを安心させることに心をくだきました。
後任は私とは大分タイプが異なります。
私は気が短く、何事も素早く済ませることを得意としますが、後任はのんびりじっくりやるタイプ。
ラインの8人がイラつくことが予想されます。
しかしまぁ、最初は少し混乱するでしょうが、じきに落ち着くでしょう。
特に心配はしていません。
人の心配より、私が新しい仕事を無事済ませることができるかを心配しなければなりますまい。
なんだか忙しない年度末です。
雨に閉じ込められ日曜日。
2004年に全米で70件も発生したという電話による少女暴行事件の実話を基にした、嫌ぁな気分になる映画を鑑賞しました。
「コンプライアンス 服従の心理」です。
あるファスト・フード店の店長に、警察を名乗る男から電話があり、アルバイトの少女が客の金を盗んだので警察が到着するまでの間別室に見張りをつけて閉じ込めておいてほしい、と言われます。
店長は不審の念を抱くこともなく、これを実行。
警察を名乗る男は警察という権威をバックに高圧的な態度で要求をエスカレートさせていきます。
服やバッグを全て調べさせ、盗んだ金が出てこないと、全裸にひん剥いて身体検査をしろと命じてきます。
女が最後に隠す場所を調べろ、と。
普通、そこまで要求されたら警察署に電話して本当なのか確かめると思うのですが、信じ込んでしまっている店長にはそこまで頭が回りません。
洗脳、でしょうか。
挙句の果てにはひどい目にあっている少女自身が洗脳され、命じられるままに全裸になって四つんばいになったり、全裸のままぴょんぴょん跳ねたりと、警察が行うはずがない暴行と言ってもよい捜査?を、電話の指示だけで店長やその恋人が少女に対して行うのです。
結局変質者による犯行として本物の警察が捜査し、ほどなくエリート・サラリーマンが逮捕され、数億円もの損害賠償を命じられたそうです。
世の中には信じやすい人、洗脳されやすい人と言うのが、確かに存在します。
振り込め詐欺なんて、その最たるものですね。
しかし過酷な環境にあっても、必ず、わずかばかり、洗脳されず、おのれの信念に基づいて行動する人も存在します。
この映画でも、最後にそういう人が登場したために悪事が露見することとなりました。
私は信じやすいのかどうか、洗脳されたことが無いのでわかりませんが、出切るなら、おのれの信念に忠実な少数者でありたいと願ってやみません。
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好天に恵まれて、浮き足立った私は、車を一路上野へ向けました。
言わずと知れた、上野公園の桜を観るためです。
まずは上野警察署前のコイン・パーキングに車を停め、歩き出しました。
上野駅前で白人の中年女性から浅草へはどう行ったらいいのかと英語で聞かれ、片言の英語で東京メトロ銀座線に乗れと案内しました。
無事着いたでしょうか?
上野公園は大層な人出でした。
車なので酒を飲むわけにはいかず、ゆっくり散策しました。
桜に再接近。
桜に憂愁を感じる暇が無いほどの人出に辟易し、早々と上野公園を出て東京藝術大学へと抜けました。
どこを目指すでもなく歩いていると、なんとなく谷中へ。
あるお寺に、見事な枝垂桜が咲いていました。
しばしうっとり。
途中、朝倉彫塑館に寄りました。
入館料500円が安いと思える大豪邸。
こんな屋敷に住んでみたいものです。
その後日暮里駅まで歩き、山手線で上野に戻り、珈琲を飲んでシガリロをふかし、帰宅の途につきました。
大満足の休日と相成りました。
予報では、今日の首都圏は23度ほどにも気温が上がるとか。
桜もいよいよ見ごろというわけです。
これは花見に出かけなければなりますまい。
しかし連日の送別会で疲れた肝臓に昼酒は禁物。
それなら近場で酒肴打ちそろえての、花が目的なんだか酒が目的なんだかわからない花見は止して、ちょっと足を伸ばして上野か靖国・千鳥が淵あたりを散策するのが上策というもの。
花見というと浮かれたように見えますが、桜は狂い咲き、狂い散るその様から、生き死にの在り様を否が応でも考えさせる、怖ろしい花でもあります。
国文学者にして民俗学者の折口信夫(おりくちしのぶ)は、歌人、釈迢空(しゃく ちょうくう)として、独特の句読点を用いた歌を多く残しています。
人も馬も 道ゆきつかれ 死ににけり。 旅寝かさなるほどの かそけさ
道に死ぬる馬は、仏となりにけり。 行きとどまらむ 旅ならなくに
ちょっと読みにくいですが、私は桜の季節、このような不吉な歌を思い出しては、慄然とします。
釈迢空歌集 (岩波文庫) | |
富岡 多惠子 | |
岩波書店 |
私の友人に、この人を神のように崇めている者がありました。
「死者の書」などの小説も書いていて、独特の文体が魅力的でした。
死者の書・身毒丸 (中公文庫) | |
折口 信夫 | |
中央公論新社 |
死ということに執りつかれていたんでしょうか?
今日は桜を愛でつつ、いつか行く道について考えたいと思っています。
今日の午前中、私が担当する会議の最後の回が開催され、私ほか、4月で異動する者が簡単に挨拶を行いました。
感慨深いですねぇ。
月1回が定例なのですが、臨時が6回もあり、計18回も行い、喧々諤々の議論が行われましたから。
午後は慌てて議事要旨を作成し、その後、古いファイルを大量に倉庫に運ぶ軽作業。
軽作業なのに、休憩時に炭酸飲料を飲んだら気持ち悪くなり、戻してしまいました。
書類仕事は得意なのですが、体を動かすのは全く苦手です。
月曜日が今の部署での最終日ですが、もう何もすることはありません。
机まわりもすっかり片付けてしまいましたし。
せいぜい挨拶回りをするくらいですかねぇ。
桜が咲き始めたようです。
桜を見ると、今年も生きて桜を見ることができた、という気分になるから不思議です。
まだ高齢というわけでもないのに。
桜の狂的な力が、そんな不思議な感慨を呼び起こすのでしょう。
ねがはくは 花のもとにて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃
おそらくわが国で最も愛吟されている歌ではないでしょうか。
言わずと知れた、西行法師のあまりにも有名な歌です。
山家集 (岩波文庫 黄 23-1) | |
佐佐木 信綱 | |
岩波書店 |
西行全歌集 (岩波文庫) | |
久保田 淳,吉野 朋美 | |
岩波書店 |
西行法師は春の死を望みましたが、私は死の季節である冬に、ピリピリと冷たい空気の中、死神に連れて行かれたいと願っています。
死の季節に死ぬるのは、道理にかなっているように思います。
職場は4月の人事異動がオープンになり、浮足立っている感じです。
私は研究協力担当部署から、総務担当部署に異動が決まっています。
今日の午後、後任と引継、3月31日の午後、前任と引継の予定です。
心ざわつくこの時季に狂乱の桜が咲き乱れ、散り乱れるとは、奇妙なシンクロニシティを感じます。
あるいは、それを狙ってわざと会計年度や学年暦の変更がこの時季に定められているのかもしれませんね。
それはそれで、日本人の美的感性に合っているように感じます。
この前の日曜日は、お彼岸のお参りがてら、姪の私立中学合格のお祝いを持っていくため、実家に行きました。
母のリクエストに応え、着物姿で。
着物を着るのは苦労しました。「銀座もとじの男のきもの」という、着付けのDVDが付いた本を買い、それを見ながら四苦八苦してどうにか見られる状態にしました。
特に苦労したのは、貝の口と呼ばれるもっともポピュラーな帯の巻き方。
もっともポピュラーということは、おそらく比較的簡単で、それでいて粋に見えるのでしょうが、素人にはなかなかしんどいものでした。
よくもまぁ、こんな面倒くさい巻き方を考えたものだと感心すらしました。
苦労の甲斐あって、私の着物姿の評判は上々。
わが一族は爽やかなお醤油顔を特徴としますので、着物が似合うのはいわば当然というわけです。
目下、DVDを見なくても貝の口が結べるよう、特訓中です。
先は長そうですが。
銀座もとじの男のきもの (別冊家庭画報―きものサロンMOOK) | |
泉二 弘明 | |
世界文化社 |
年度末、4月の人事異動も解禁となり、あちこちで引継やら送別会やらが行われ、なんとなく慌ただしい雰囲気です。
かくいう私も、昨夜、送別会に出席しました。
送られる側というのは気分が良いものです。
今の部署で経験した厭な思いではすべて吹き飛び、良い思い出ばかりが頭をよぎり、心地よく飲めました。
少々飲みすぎました。
私の前任との引継は大詰めの3月31日の午後と定まりました。
後任との引継は、相手が忙しいとかで、まだ決まっていません。
同じ建物の2階と1階ですから、気楽なものです。
前任にいたっては、同じフロアにいます。
やりやすいですねぇ。
今の部署もあと4日。
とっとと飛んでいきたいものです。
1933年の今日、ドイツの議会で全権委任法と言う名の法律が成立しました。
ヒトラー総統に全権を委任するという、独裁に法的根拠を与えるものです。
第一次世界大戦後、ドイツにはワイマール憲法と呼ばれる、当時最も民主的な憲法が制定され、独裁が生まれる余地は無いとされていました。
しかしナチズム(国家社会主義)にドイツ国民の多くが熱狂し、あれよあれよと言う間にナチ党は第一党になり、ヒトラーは首相に就任します。
よくナチは暴力で権力を簒奪したのだと思い込んでいる人がいますが、それは事実と異なります。
長いナイフの夜と呼ばれる大粛清も行いましたが、それはナチ党内部の権力闘争の結果です。
長いナイフの夜 (集英社文庫) | |
金森 誠也 | |
集英社 |
いわばナチによる独裁は、民主的な手続きを経て施行されたもので、それはドイツ国民の多くが望んだことです。
民主主義を標榜する国家が、極めて真っ当な民主的な手続きによって独裁体制を築き上げ、あげく侵略やユダヤ人迫害を国家意思として行うとは、民主主義の最大の欠陥ですねぇ。
民主主義が民主的に民主主義を否定することは、今後もありうることです。
チャーチルは、「民主主義は最悪の体制だ。但し、過去に存在したあらゆる政治体制を除いて」と発言しました。
英国人らしい皮肉な物言いですね。
この最悪の例を他山の石としなければなりますまい。
昨夜は実話からインスパイアしたというサスペンスを鑑賞しました。
「コレクター」です。
でも原題は「The Factory」。
工場ですね。
工場と収集家では大分意味が違いますが、見終ってみると、なるほど収集家でなおかつ工場だわいと気付きます。
吹雪の夜を狙って娼婦を攫う連続誘拐事件が勃発。
しかし死体は発見されません。
それもそのはず、犯人は娼婦を地下工場に飼っていたのです。
赤ん坊製造工場です。
大家族を作りたいという歪んだ欲望を持つ犯人の犯行でした。
しかし、殺人を犯さなかったわけではありません。
いつまでも妊娠しない女や、大家族の一員たることをいつまでも承知しない場合、地下工場にある井戸に放り込み、溺死させてしまうのです。
これでは死体が見つかるはずもありません。
女を収集し、地下赤ん坊製造工場の従業員でありつつ、大家族の一員に仕立て上げようというわけです。
ある時、この事件を捜査する男の17歳の娘が攫われます。
もちろん娼婦ではありませんが、厚化粧をしてレストランの前で煙草をふかしていたとなれば、娼婦に間違われても仕方ありません。
で、その刑事、感情的で間抜けな捜査をおっぱじめます。
常に犯人の後手にまわりますが、ついに犯人の家に乗り込み、これで終わりかと思っていたら、大どんでん返し。
日本語の字幕では実話に基づく、と書かれますが、英文では、inspireとなっています。
つまり実話から想起したということで、どんでん返しは実話では無いものと思われます。
ラストには驚かされましたが、途中、中だるみしました。
材料は良いのに、それを活かし切れなかった、という印象でしょうか。
あとひとふん張りでしたねぇ。
コレクター [DVD] | |
ジョン・キューザック,ジェニファー・カーペンター,メイ・ホイットマン,ダラス・ロバーツ,ソーニャ・ヴァルゲル | |
東宝 |
今日は昨日と打って変わって家でごろごろしていました。
3連休だと、ずいぶん余裕があります。
明日は江戸川区の実家に姪の中学入学祝いを届けに行く予定。
子供の成長は早いものですねぇ。
子供がいれば、子供と一緒に親も成長できるのでしょうが、私には子供がいません。
いつまでも学生気分が抜けないのは困ったものです。
ずいぶん前、私が太っていた頃に母が誂えてくれた着物姿を初めて母に披露するの目的の一つ。
体が小さくなってしまったため、少々大きいですが、着物はゆったり着ても洋服ほどおかしくはないだろうと、気にせず着ていくつもりです。
でも、本当は今の体型で着物を仕立てたいものです。
2年前の3月、父は亡くなりました。
お彼岸でもあり、亡くなった月でもある今日、父が亡くなった浅草寺病院があり、また、父がこよなく愛し、行き着けの鮨屋やバーがある浅草を散歩しました。
昨年もそうしたように。
まずは車を吾妻橋の墨田区側にある時間貸し駐車場に停め、静かに吾妻橋を渡り、台東区側へ。
ここからはアサヒビール本社と東京スカイツリーが並んで見え、不思議な光景が拝めます。
写真におさめました。
その後、なにはともあれ観音様に参拝。
雷門前は写真を撮る観光客や、観光用の人力車がひしめいていました。
10年前までは浅草はさびれていましたが、多くの外国人観光客や東京観光に来た日本人などで溢れかえっていました。
変われば変わるものです。
人力車夫はいつから浅草にいるのでしょうねぇ。
私が子どもの頃はそんなものいませんでしたが。
この連中の呼び込みはうるさいほどで、辟易しました。
仲見世も身動き取れない状態だったので、裏道を使って本堂にたどり着きました。
東京スカイツリーとは全く違う、日本的な風景に、しばし安堵。
観音裏にある浅草寺病院を見て、しばし感慨にふけりました。
あの雪のちらつく最後のお見舞いを思い出したのです。
その翌日、父ははかなくなりました。
その後観音裏にある父と何度も酒を酌み交わした高級鮨店に行きましたが、ランチは止めてしまったようです。
残念。
さらに昼間はやっていないと知りながら、浅草ビューホテル横の小さな老舗のバーで頭を垂れました。
ここも、父と飲んだ店ですから。
そしてじつは、父の許しを得て、鮨屋もバーも父のつけで何人ものお姉さんと酒を酌み交わしたのです。
自分で払える額ではありませんから、そういう意味でも父の死はじつに残念です。
暑さ寒さも彼岸まで、とか申します。
少し風がありましたが、気持ちよく晴れて、慰霊の散歩は充実したものと相成りました。
ありがたいことです。
合掌。
式典に参加中の私に、上司から携帯電話で異動の内示がありました。
異動先は、同じ機関の、総務担当部署。
じつは密かに予想していたとおりの異動で、逆に拍子抜けな感じです。
来年度は就職して23年目。
いったい何度、異動を繰り返したことでしょう。
どんなに不本意な部署でも、与えられた職務を果たすことが、飯の種。
どんな異動であっても、文句は言えないし、言ったところで唇寒いというものです。
今回はむしろ、予想どおりだったことを僥倖と思うべきでしょうねぇ。
今日は湘南国際村に建つ某機関で式典が催されるため、日帰り出張です。
わが家からは車で2時間ほど。
式典は13時からですが、直行直帰を許されているため、朝はゆっくりです。
人間というもの、儀式なしではいられないようで、どんな未開の部族にも、結婚式や葬式などが、それぞれのやり方で存在します。
わが国はおそらく世界に例を見ないほど多くの儀式があり、そしてそれがゆえに洗練され、儀式の荘厳さは世界一でしょうねぇ。
まぁ、せいぜい楽しんできましょう。
時あたかも内示が行われると噂される日でもあります。
慣例により、同じ部署で3年を勤めた私は、おそらく異動の対象。
正直、式典に出ていても気もそぞろといったところで、もしオープンになったならメールで知らせてくれと同僚にお願いはしてあります。
どこへ飛んでっちゃうんでしょうねぇ。
この時期は毎年噂が飛び交い、なんとなく落ち着きません。
久方ぶりに長編小説を読みました。
中世ヨーロッパを舞台にした作品を多く手掛ける佐藤賢一の快作、「黒王妃」です。
黒王妃 | |
佐藤 賢一 | |
講談社 |
夫の死以来、黒い服しか着なくなった王妃、カトリーヌ・ド・メディシスを主人公に、カソリックとプロテスタントが激しく対立し、時には内乱にまでなる16世紀を舞台に、主人公と夫との愛、夫の愛人との暗闘が描かれ、さらに夫亡き後、少年の息子が即位してからは政治の実権を握って暗躍するさまが、スリリングに描かれています。
わが国で言えばちょうど戦国時代にあたる時代で、ヨーロッパでは様々な王国、公国が乱立し、さらにプロテスタントとカソリックの争いがからんでとんでもないことになっちゃっています。
いずこの国も領土や資源欲しさにもっともらしい理由をつけて殺し合いを演じた時代があるのですねぇ。
カトリーヌ・ド・メディシスといえば、サン・バルテルミの虐殺が知られています。
フランスで、カソリックがプロテスタントを大量虐殺した事件ですが、それも彼女が主導したと言われています。
もっとも、黒王妃は長いこと両者が平和裏に共存する社会を目指す宥和政策を採ってきました。
その王妃がプロテスタントの大量虐殺に踏み切るまでの精神上の運動が、じつに面白く感じました。
わが国でも、比叡山の焼き打ちという大事件が起こりましたね。
あの信長を最も手こずらせたというのですから、宗教が持つ力というのは絶大です。
本来宗教というものは、人々を幸福にするためにあるはずです。
しかし、ある宗教が正しいと信じ込めば、他の宗教が許せないというのは道理ですが、少しは寛容の精神を持つべきでしょう。
それにしてもこの人の小説を読むと、いつも戸惑います。
名前も地名も横文字で、しかも同じ名前に一世だとか二世だとか、さらに地名を出されてもそれがどの辺りなのか分からず、難儀します。
それでも読者をぐいぐいと惹き付ける力技は、見事としか言い様がありません。