ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

久方ぶりの酒

2013年08月31日 | その他

 今週の平日はまるで飲まない日々を過ごし、素面の快感を味わったところですが、今宵は土曜日の夜ということで、職場の先輩が出張のお土産で買ってきてくれた芋焼酎で一杯やりました。

 なかなか良い酒のようで、普段芋焼酎を飲むことが無い私にも、まろやかな芋の香りが心地よく感じました。

 つまみは、近所の魚屋自家製のかなりレアっぽい〆鯖と、活赤貝、それにわずかな副菜です。

 体重が24キロも落ちて、胃が小さくなってしまったしまった私には十分な食い物です。

 6日ぶりの酒は心地よく、やっぱり私は酒好きなのだなぁと、実感します。

 大体このブログのタイトルに、「うつと酒と小説」と詠っているわけですからねぇ。

 酒というもの、かなり未開の地に行っても必ず存在します。
 まるで飯が必要なごとく、酒が必要なように思われます。

 で、不思議なのは、イスラム教。
 彼の教えでは酒は厳禁とかで、イスラム教国に行くと、外国人ばかりが宿泊する一流ホテルでないとアルコールを提供していないと聞いたことがあります。

 しかし、イスラム教がはびこる前のアラブ諸国の古い物語を読むと、けっこう酒を飲んでいます。
 してみると、イスラム教が普及するまでの移行期の間、呑兵衛はずいぶん苦しんだでしょうねぇ。

 わが国にも日々の晩酌が唯一の楽しみと言う人はたくさんいますし。

 イスラム教徒が聖典を崇めるコーランといのは不思議な書物で、教祖ムハンマドが受けた啓示をそのまま記したとかで、日本人たる私が読むと、かなり分裂気味に感じます。

コーラン 上 (岩波文庫 青 813-1)
井筒 俊彦
岩波書店

 

コーラン〈中〉 (岩波文庫)
井筒 俊彦
岩波書店

 

コーラン 下 (岩波文庫 青 813-3)
井筒 俊彦
岩波書店

 なんと言うか、仏教のお経に慣れた私には、全然理路整然とした感じがしなくて、なんだかジャンキーが書いた駄文のように思えてしまいます。

 それはアッラーの神が啓示したままに記したからなのでしょうが、それにしても書く時にもう少し整理すれば良いものをと思うのは、私が仏教や神道や儒教など、北東アジアの教えにばかりのめり込んだせいでしょうか?

 しかし、コーランを朗々と歌い上げる声は、意味が分からないながら美しいと思います。
 コーランは元々、詩編のようなものの繰り返しですから、きっと謳い上げるのに適しているのでしょうね。

 善良なイスラム教徒の皆様におかれましては、得意のコーランを詠いつつ、他の宗教への寛容の精神を養ってもらいたいものだと思います。



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工事と箪笥

2013年08月31日 | その他

 今日は午前中マンションの管理組合の理事会がありました。

 すったもんだが続きましたが、今日、契約書に理事長の判をつきました。

 来週の水曜日から12月半ばまで、大規模修繕工事が行われます。
 その間、マンションの周りには足場が組まれ、作業員が動き回るため、ベランダには出られませんし、洗濯物も干せません。
 わが家は共働きですから、平日は誰もいません。
 ちょっと気持ち悪いですねぇ。

 もっとも専業主婦の奥様はもっと気持ち悪いかもしれません。
 旦那が留守中、作業員がベランダで作業をしたりするわけですから。

 午後は家具屋に出掛けました。
 同居人は着物を6着ほど持っており、私も一揃い羽織袴を持っています。
 で、長いこと押入れに仕舞っていたのですが、着物用の桐の箪笥が必要かと思ったのと、押入れのスペースを空けたいと思ったのです。

 桐の箪笥というのは、おそろしく高いものから、なんとか手が出る程度のものまで、色々あるのですねぇ。
 全然知りませんでした。
 安月給の身ですから、なんとか払える程度の安い箪笥を選びました。

 私は自宅が狭くなるのが嫌で、家具は最低限の物しか持っておらず、本当は箪笥なんか欲しくなかったのですが、やむを得ません。

 リビングにはソファもありません。

 その代り、座椅子とちゃぶ台を置いています。
 私は、立派なソファがあっても、床に座ってソファを背もたれにしてしまう日本人をたくさん見て、床座りは日本人が好むところなので、足が悪くなるまではソファを買わないことにしています。

 ただし、食事用に丸テーブルと椅子を置いています。
 食事の時は椅子でないと、なんだか食い物がすとんと落ちないような気がするのです。

 私は整理整頓が得意で、自分の部屋はもちろん、同居人との共通スペースであるリビングダイニング、寝室、応接用の和室、風呂、トイレにいたるまで、がらんとしています。

 同居し始めた頃は同居人が共通スペースに私物を巻き散らかし、我慢ならずに、同居人の部屋はどんなに散らかっていても何も言わないから、共通スペースを散らかすのは勘弁してくれ、と頼み込み、以来、互いの部屋には決して入らないというルールを作り、共通スペースは極端に物が少ない状態で、たまに友人が遊びに来ると、「10年以上たっても生活感が無い住まいだな」などと言いながら、両手をひろげてぐるぐる回ったりしています。

 その友人は時折ふらっとやってきて、一晩飲み明かす、高校・大学と一緒だった独身男ですが、狭いワンルームに住んでいるため、部屋の中で両手を広げて回ることなど不可能なんだそうです。

 桐箪笥、少し大きめのを買いましたので、着物だけでなく、他の物の収納にも使用し、がらんとしたスペースを維持したいと思っています。

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内乱陰謀罪

2013年08月31日 | 社会・政治

 韓国で33年ぶりに、内乱陰謀罪容疑による逮捕者が出たそうですね。

 33年前と言えば、金大中ら当時の野党指導者が逮捕された光州事件。
 私は小学生で、日本に逃げてきた金大中が流暢な日本語で日本人記者のインタビューを受けていたことを思い出します。

 金大中はその後韓国大統領になり、韓国人唯一のノーベル賞受賞者になりました。
 ただ、当の韓国人はノーベル平和賞など物の数では無いらしく、日本人が過去何人もの理系のノーベル賞受賞者を輩出しているのに、韓国では1人も受賞していないことが悔しくてならないご様子。

 頑張ってね。

 今回の内乱陰謀罪で逮捕されたのは、統一進歩党という野党の国会議員ら3人。
 容疑は、北朝鮮と密かに内通し、武器を調達したり破壊活動の準備をしたりしていたというもの。

 統一進歩党やその支持者らは、国家情報院の陰謀であるとして激しく反発しているようです。

 真相は分かりませんが、国家情報院は確たる証拠を示す必要があるでしょう。

 そうでなければ、親北勢力を狙い撃ちにした陰謀だと言われても仕方ありません。

 それにしても、まだそんなことやっているんですねぇ。

 国会議員ということは、多数の者が一票を投じた国民の代表なわけで、そういう人が反国家的な犯罪を犯していたにせよ、あるいは国家の行政組織がでっち上げたにせよ、どちらにしてもまともな自由民主主義国家ではあり得ないことです。

 分断国家の悲劇でしょうか。

 戦後、ソ連は米国に北海道の占領は任せてくれ、と頼み込み、米国はこれを拒否。
 わが国は分断国家にならずにすみました。

 もし米国が首を縦にふっていれば、北海道は北海人民共和国とでも名乗り、日本共産党が乗り込んで、宮本顕治あたりが書記長だか国家主席だか偉大なる将軍様だかにおなりあそばしたことでしょう。
 そして冷戦期、世界の最前線に立たざるを得なかったはずです。

 怖ろしや。

 もし北海人民共和国が今存在したらと考えると、韓国の国家情報院が剛腕を振るい、時には陰謀をも用いることは容易に理解できます。

 いずれにせよ、確たる証拠に基づいて、法と正義に基づいた裁判が行われることを願ってやみません。

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2013年08月30日 | 仕事

 来週から9月ですねぇ。

 時の流れの速さを嘆く言葉は聞き飽きた感じですが、それを言いたくなる気持ちも分からないでもありません。

 ただ、一つ一つの出来ごとを思い起こしてみれば、長い長い夏でした。

 7月末、3泊4日で高知に出張した時は、暑いは、思いがけず多くの客が訪れて席が足りなくなり、パイプ椅子をかき集めたりとバタバタするは、しんどいものでした。
 
 それが終わってほっとしたのもつかの間、新しい事業を立ち上げるとかで、日々奔走しました。

 それでも、夏は他の時季よりも余裕がありました。

 9月からは、本格的に年度末に向かって、適正な予算執行に努めつつ、各種行事が目白押しで、その準備に追われることになります。

 かつて、ある先輩が、「一年は短く感じるが、一週間は長く、一日はさらに長い」と言っていた言葉が、含蓄のある発言であったと今さらながら思います。

 今はただ、昔の歌ではありませんが、時の過ぎゆくままに、この身を任せる他ありますまい。


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被害者感情と公の秩序

2013年08月30日 | 社会・政治

 韓国の高等裁判所が、新日鉄住金に戦時中の徴用工に賠償金を払えと命じた判決を出しましたね。
 最高裁で判決が確定した場合、新日鉄住金は取引先に迷惑がかかるといけないから、支払いに応じざるを得ない、という見解を示していました。


 ところがこのたび、わが国政府はこの問題に介入する意志を示しました。

 最高裁で判決が確定したなら、国として国際司法裁判所に訴えるので、新日鉄住金には支払いに応じないよう求めたとのことです。

 頼もしいですねぇ。

 最初、政府は不介入と言っていましたが、もしこれを認めれば、我も我もと韓国で訴訟沙汰が起き、昭和40年の国交正常化に伴い締結された日韓請求権協定で、「完全かつ最終的に解決された」と明記された請求権の問題が白紙に戻り、戦後の日韓関係は根底から覆ることになってしまいます。

 すでにわが国は、国交正常化の時に5億ドルを支払い、その後も公共工事などで協力してきており、それがために今日の韓国の発展があると言っても過言ではありません。

 韓国の裁判所は、非人道的行為の責任は免除しないとする司法判断を下したわけですが、そのこと自体はまともな判断だと思います。
 
 しかし、これは非常に大きな問題に発展する可能性があり、司法判断にただ従うのではなく、高度な政治決着が必要かと思われます。

 例えば、今のところ個人補償を求める裁判を起こしていない中国人が、日本は裁判所の判断にそのまま従うと知れば、次々に訴訟を起こすでしょう。

 また、わが国はわが国で、旧ソ連が行ったシベリア抑留などへの個人補償を検討しなければならなくなるでしょう。

 さらに、非常に複雑な、わが国で言う戦国時代のような戦乱を繰り返した欧州において、個人補償を持ちだしてしまったら、これは収拾がつかなるなるでしょう。

 心情としては、ひどい目にあったのだから賠償してほしいというのは分かりますが、公の秩序を乱すわけにはいきません。

 わが国政府には、踏ん張ってもらいたいですねぇ。

 
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素面の夜、そして朝

2013年08月29日 | その他

 私は、ほとんど毎晩、焼酎やウィスキーなどの強い酒で晩酌をやっていたのですが、ここ5日ばかり飲んでいません。

 特に理由は無いのですが、夜の自由時間を素面で過ごしたほうが、読書をしたり、こうしてブログを更新したり、有意義に過ごせることに気付いたということでしょうか。

 それと、今、仕事のストレスがほとんどないため、現実逃避のために意識の変容を求め、短い時間を酔いで紛らわせたいという欲求が減ったことが挙げられるかもしれませんね。

 酒は百薬の長と言われますが、それは一晩1合程度の軽い晩酌を続けた場合でしょう。

 私は飲み始めると1合で終えることができず、さらなる酔いを求めて2合、3合と飲んでしまいます。
 さすがに宴会でもない限り、晩酌で4合飲むことは滅多にありませんが。

 素面で寝ると、朝も一時間くらい早く、しゃっきりと目覚めることができ、朝風呂をつかったり、ゆったりできます。

 もう何年も、愚かにも意識の変容による快感を求め、毎晩酒で夜を紛らわせてきたのだなぁと、妙な感慨に浸っています。

 酒は週末だけの楽しみにしたほうが健康にも良いし、財布にも優しいし、何よりたまに飲む酒は格別旨く感じられることでしょう。

 偉そうなことを書き連ねましたが、わずか5日のこと。

 また職場ストレスが増せば、元の木阿弥になってしまいそうで、あんまり自分を信用できません。

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シリア情勢

2013年08月29日 | 社会・政治

 シリア情勢が混沌としてきました。

 英米両国はシリアのアサド政権が反政府軍に対し、生物化学兵器を使用したと疑い、疑いはいつの間にか確信に近付いているようです。

 確たる証拠も無いのに。

 イラクが大量破壊兵器を保有していると難癖をつけてイラク戦争をおっぱじめ、フセイン大統領を裁判にかけて処刑してしまったことは記憶に新しいところです。

 後になって、大量破壊兵器は無かったことを英米は認めましたが、それでもイラク戦争は正しかったと強弁しています。
 イラク戦争開戦には、独仏両国が激しく反対し、それに反発した米国ではカマンベールチーズ不買運動というおまけまでつきましたね。

 哀れなのはフセイン大統領。

 世界一たくさんの大量破壊兵器を保有しているのは米国自身だというのに。

 リビアにも介入し、アフリカの狂犬と呼ばれたカダフィ大佐を殺害しましたね。

 そのような愚行をまた繰り返そうというのでしょうか。

 シリアはリビアやイラクと異なり、ロシア製の強力な防空システムを持っているとかで、米国はとりあえず駆逐艦による艦砲射撃を行う構えのようですが、それではアサド政権を倒すのは難しいでしょうね。

 空爆、しかる後地上戦まで覚悟しなければ、ロシアの支援を受け、隣国も英米に協力しないと言っている以上、アサド政権は倒せません。

 大体なんだって、英米はいつも油の出る国にばかり強硬なのか、それは自明ですが、言うだけ野暮と言うものです。

 何しろ中露がシリアへの攻撃に強く反対していますし、生物化学兵器を使用したという証拠がありません。

 疑わしきは攻撃するのが、いつもの英米のやり方です。
 約70年前、わが国もその手でコテンパンにやられました。

 英米のやり方はいつもそう。

 理屈は後から付いてくるとばかり、英米にとって厄介な存在は武力で抹殺してしまうのです。

 で、わが国はどうすべきか。

 大局的に見て、最後は英米に協力せざるを得なくなるでしょう。
 わが国は米国の軍隊によって守られているわけですから。
 おそらく後方支援や資金援助を行うというのが落とし所でしょうが、いつそれを表明するのか。

 大義のない戦争に加担するのは虚しいことですが、国家同士の付き合いというのは、正義や大義で行うものではありません。

 一応、正義や大義を振りかざしつつ、結局のところ自国の利益を第一に考えなければならない、冷酷なものです。

 それにしても、アサド政権というのはしぶといですねぇ。

 アラブの春で次々とアラブ諸国が政権を打倒するなか、自国民を相手に長期間、残虐な戦闘を繰り返して、恥じるところがありません。

 そうは言ってもそれは内戦で、基本的には内戦を戦っている国家が自ら収拾すべきもので、外国による介入はいらぬお節介というもの。

 第二次大戦後、米国は朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、その他小規模の介入を繰り返し、ほぼ常に戦時中といった状況です。

 戦い続けなければ不安でしょうがないかのごとくです。

 ネイティブ・アメリカンから土地を簒奪して国家を作り、その後は西へ西へと侵略を続け、ついに太平洋にいたるや、海を渡ってハワイ王国を併合し、当然の帰結としてそのさらに先にある巨大帝国主義国家である大日本帝国を打ち負かしました。

 その侵略し続けてきた歴史が、いつか自分たちは復讐される、とあらぬ恐怖を呼び、その恐怖を忘れようと常に戦い続けているように見受けられます。

 もういい加減世界を支配しようなどという夢は捨て、他国のことは他国に任せるように方向転換すれば良いものを。

 しかし、もし私が政府高官の地位にあったなら、苦渋の選択として、英米の戦争に協力することを選ぶでしょう。

 中国やロシア、北朝鮮に囲まれ、価値観を同じくするはずの韓国は反日で凝り固まっています。

 現段階では、米国に付いていくしかありません。

 切ないですねぇ。

 わが国が自力で世界を渡っていける力があれば、米国の奴隷のような政策判断をしなくても良いはずなのに。

 今は静かに、軍事力や経済力を蓄えるしか、方法は無いようです。


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国連事務総長

2013年08月29日 | 社会・政治

 これまで国連の事務総長というと、アフリカや南アジアなど、いわゆる発展途上国出身の人が就くポスト、というイメージがありました。

 それだけに、先進国並みの経済力や軍事力を持った韓国出身の今の事務総長が就任したとき、なんとなく嫌な感じがしました。
 ある程度力のある国の出身者がその地位に就けば、自国に有利な運営をするのではないかと懸念したのです。

 で、今の事務総長、韓国出身者ばかりを枢要なポストに就けて米国メディアから批判されたり、事務総長主催のコンサートを開催して韓国のソウル・フィルを招いたり、名称をめぐって日韓が、というか韓国が勝手に騒いでいる日本海を東海と記したパンフレットをソウル・フィルが配布しても知らぬ顔。
 
 自国びいきが過ぎるようです。

 国連職員は国連のためだけに働く義務を負っており、出身国の利益を考えて行動することは厳しく制限されているはず。

 トップの事務総長が韓国流の縁故主義を貫いていては、国連職員の士気もモラルも低下すること間違いないでしょう。

 そして、先般の日本の歴史認識に関する言及。

 世界は多様であり、国が違えば歴史認識も異なるというのはあまりにも当たり前で、自国の歴史認識を他国に押し付けることなど不可能だし、もしそれを実行しようと決意した場合、相手国を占領するくらいの覚悟がなければできません。

 まして国連事務総長はより一層、中立的でなければなりません。

 嘘か真か、自身を世界大統領と密かに自称して喜んでいるとか。
 そんな野郎自大を絵にかいたような人が事務総長を務めていたら、国連は機能しなくなるでしょう。

 わが国の外務省が抗議したところ、「ある特定の国を指した発言ではない」、と言い訳したそうです。
 そんな言い訳、今となっては唇寒いというものです。

 わが国政府は一連の事務総長の行動や発言を、国連職員の中立性を定めた国連憲章第100条に違反しているおそれがあるとして、問題にする構えです。

 わが国では沈黙は金とか、まともに取り合うのは大人の態度ではない、などと言って言うべきことを言わずにきました。

 あまりにも馬鹿げた、空想的とも言える反日運動なんぞは無視すれば良いと思いますが、国連事務総長という重い立場にある人に対しては、きちんと反論しないと、世界はあの事務総長が言うことをわが国が支持していると思いこんでしまうでしょう。

 幸いなことに悪夢のような民主党政権は終わり、今の自民党政府は外交の何たるかを弁えているものと思います。

 あくまで紳士的、冷静に、理をもって、しかし時には笑顔で恫喝まがいのことをして、わが国の立場を主張すべきでしょう。


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夜明けのゾンビ

2013年08月28日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 ゾンビ物というのは多岐に渡ってジャンルが細分化し、ゾンビ映画そのものがゾンビのようです。

 元々は死者が蘇って人間を襲い、襲われた者もゾンビになる、その恐怖を描くジャンルでした。

 最近では死者が蘇るのではなく、極端に人間が凶暴化するウィルスが蔓延して社会がパニックに陥る、という作品が多いようです。
 その手の作品では、「28日後」と、その続編の「28週後」という英国映画が出色の出来でした。

28日後...(特別編) [DVD]
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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



 その他最近では、ホラー・コメディとして製作される作品がやたらと多く、女ばかりの村があると聞いて勇んで野郎どもが出かけていったら、感染したら女性しか発症せず、男は死んでしまうウィルスが蔓延した村で、花嫁ゾンビや美容師ゾンビ、ナースゾンビに追いかけまわされる野郎どもの滑稽味を描いた「ゾンビハーレム」や、ゾンビを飼いならす装置を開発してゾンビをペットにしたりダッチワイフにしたりという「ゾンビーノ」、人情喜劇のような「ゾンビランド」などがあります。

ゾンビハーレム [DVD]
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クサン・レイ,ビリー・コノリー,ヘンリー・ツェーニー,ディラン・ベイカー,キャリー=アン・モス
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 変り種としては、ゾンビ化してしまった青年が、ゾンビとして彷徨いながら、わずかな人間性を感じさせる切ない英国映画、「コリン」というのもありました。

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 今日観た「夜明けのゾンビ」は、いずれのジャンルにも属さない、大河ドラマのような作りになっていました。



 南北戦争終結直後の米国で、ゾンビが大発生します。

 元兵士は、ゾンビ化した愛する妻子を自らの手で殺害し、心に傷を負ったまま、戦争中、わずかに体を休めた森の中の滝を目指し、旅に出ます。
 息子の遺灰を滝に流し、妻子の魂の浄化を求めるためです。

 元南軍将軍で、ゾンビ・ウィルスに抗体を持つ者を探し出し、特効薬が出来たならゾンビを使って失った南軍を復活させようと、わずかな部下と乱暴狼藉のかぎりをつくす自称南軍連合との争いがあったり、友人を得たり、その妹と良い仲になったり、魔女と呼ばれる森の中の一軒家で暮らす老婆の家にかくまってもらい、ゾンビ発生の秘密を知らされたりと、全くの大河ドラマで、ゾンビはアクセントのようなものです。

 章立てになっていて分かりやすいですが、ゾンビを登場させた理由がよく分かりません。

 南軍の残党と、傷ついた元兵士との争いを描いた時代物とすれば良かったのではないかと感じました。


 そういう意味では、中途半端な感は否めません。

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カルトと権力

2013年08月28日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 8月も残すところあとわずか。

 宿題を終えていない子供たちの断末魔の叫びが聞こえるようです。

 私は小学生の頃、夏休みの宿題は7月中に終らせていました。
 そうでないと8月が楽しめませんから。

 今思うと驚くのは、絵日記も終らせてしまったこと。
 未来を描くわけですが、当然嘘八百を並べることになります。
 私は嘘八百を並べるのが得意でした。

 8月中にある程度年休を消化しようと、今日、用も無いのに休暇を取りました。
 めずらしく自室を片付け、掃除などしました。

 その後は、恒例のDVD鑑賞です。

 「レッド・ステイト」というのを観ました。

 社会派ドラマであり、アクション映画であり、監禁ホラーの要素ありの、複雑な作りの映画です。



 米国のキリスト教原理主義者も眉をひそめる超原理主義のカルト教団をめぐって、物語は進みます。

 カルト教団のリーダーである牧師は、同性愛者の権利を認めようという運動に強く反発し、同性愛や肛姦に反対するデモをしたり、教会でわずか20数名の信者に説教したりして、日々を過ごしています。
 
 ある時、信者の女がインターネットに男3人と自分とで4Pを楽しみたい、という書き込みをします。
 それを観た若い男3人が女の家へと向かいます。
 しかし、睡眠薬入りのビールを飲まされ、昏睡。
 3人は乱交を望んだ罪で、カルト教団の教会で公開処刑されることになります。

 しかし、3人が乗った車が保安官の車と接触事故を起こしたため、3人が乗っていた青いボルボを探して保安官が教会を訪れます。

 その夜は、3人の他に、同性愛者が一人信者によって公開処刑されており、3人は保安官の訪問をきっかけに脱走を試みます。

 3人を逃すまいと信者が発砲。


 銃声を聞いた保安官は応援を要請しますが、その場でカルト信者によって射殺されてしまいます。


 カルト教団は多数の自動小銃やライフルで武装しており、その先は米国警察との激しい銃撃戦になります。

 現場指揮官は携帯で、本部からの恐るべき指示を与えられます。

 すなわち、人質も含め、女子どもにいたるまで、全員射殺せよ、と言うのです。
 口封じでしょうか。
 カルト教団もひどいですが、権力を握る警察も相当なものです。


 しかし現場指揮官は、最後にこの世の終末の合図である音楽を聴いたから、という理由で武器を捨てて出てきた牧師と信者たちを殺害せず、逮捕します。

 この音楽、キリスト教超原理主義者をだまくらかそうと考えた音大生の悪戯に過ぎませんでした。
 しかし悪戯のおかげで、何人かは助かります。

 教祖は独房で賛美歌などを歌って過ごす哀れな余生を過ごすはめになります。

 命令に従わなかった指揮官は上司数名に事情聴取されます。
 その時、現場指揮官は、「なぜ人質まで射殺するよう命じたんです?」と質問します。

 すると仕立ての良いスーツを着た上司は可笑しそうに、「面倒くさかったんだよ」と応えます。
 この作品のなかで、最も見るべきセリフです。

 人命尊重とかなんとか綺麗事を並べたところで、権力を行使しているのは所詮生身の人間。
 面倒臭いから皆殺しにしてしまえ、という判断を下したエリートを責める資格は、私にはありません。

 生き残った者がどういう発言をするか分からず、ましてマスコミは第1権力に厳しい批判の眼を向ける第4権力です。

 皆殺しの命令は、マスコミに情報を与えない、ということが第一の目的だったと思われます。

 私たちは今、自由民主主義を掲げる国に住み、概ね善良な政治家や警察官や役人に権力の行使を委ねています。

 しかし、一たび事が起これば、権力を握っている者がどういう判断を下すか分かりません。
 この平和なわが国においてさえ、権力者の行動には目を光らせなければなりますまい。

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季節の楽しみ

2013年08月27日 | 散歩・旅行

 まだ昼間の日差しは強いながら、朝晩はめっきり涼しくなってきました。
 もう夏も終わりですね。

 秋は一年で最も過ごしやすい季節ですが、陽が短くなるのはかないませんねぇ。
 学生の頃は、ことさら夏の暑さがこたえましたが、20キロ以上体重が落ちたせいか、猛暑と言われた今年の夏、あまり暑さを感じませんでした。

 これから秋が訪れれば、散歩の季節。
 ずいぶん色々な所を歩き回りましたが、まだ首都圏には行ったことが無い知られざる名所がたくさんあるはずです。
 そういう所をさがして、歩き回りたいと思っています。

 一方職場では、8月はのんびりムードでしたが、9月からまた怒涛の日々が始まります。
 しかし私は心配していません。
 今の私には、怖い物などありませんから。

 夏には夏の楽しみがあり、秋には秋の楽しみがあります。

 それら季節の楽しみを、存分に味わいたいものです。


 

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情緒不安定

2013年08月27日 | 精神障害

 先ごろ投身自殺した藤圭子の元夫が、故人が生前、極めて情緒不安定であったことを明かしました。

 さっきまで機嫌よくおしゃべりしていたかと思うと突然攻撃的になり、理不尽な怒りを爆発させることがたびたびあり、元夫は精神科を受診するよう何度も勧めたそうですが、それが故人の怒りを買い、ついに精神科にかかることなく、自殺に至ったようです。

 精神科にかかっていない以上、精神障害を発症していたのかどうか、また、発症していたとすれば病名は何だったのか、今となってはわかりません。

 しかし、双極性障害で躁状態に陥って攻撃的になり、同居人を傷つけてしまった過去を持つ私からすれば、医者に診てもらって欲しかったですねぇ。

 精神病薬と言っても、今は副作用も軽く、よく効く薬がたくさんあります。
 処方された薬が合わなくても、合う薬が見つかるまで何度でも試せば良いのです。

 私も最初、躁状態の発現を抑える薬としてデパケンが処方されましたが、肝臓の数値が悪化したため、リーマスに変えたところ、肝臓も良くなり、もちろん躁状態もなくなり、もう5年くらい躁状態はみられません。

 精神科の敷居は今でも一般の人から見ると高いようですが、行ってみれば普通の病院です。

 ぎゃあぎゃあ騒いでいるやつもいませんし、挙動不審な人もいません。

 そういう重症患者の場合、個人クリニックの精神科医は入院施設のある大きな精神病院を紹介してしまいますので、結果的に個人クリニックには、現代病とも言うべき職場ストレスによる適応障害やうつ病、比較的軽い統合失調症、神経症などの患者が大半で、それらは、誰でもいつ罹患してもおかしくない、一般的な病気です。

 わが国でも、欧米のように、ちょっと気分が沈むくらいの症状でも、気合が足りないなんて考えず、気楽に精神科や心療内科にかかるのが当たり前、という風潮になれば、不幸な出来事は減るんじゃないかと思えてなりません。

 精神科の診察に私とともに何度も同席している同居人は、数ヶ月前から、更年期が近付いているせいか気持ちが沈む、と言って私と同じ精神科クリニックを受診し、ごくわずかの抗うつ薬を処方され、すっかり元気になりました。

 保険診療のため、一応、病名が付いているようですが、なんだか聞いたことがない病名で、忘れてしまいました。

 精神障害者の自助グループに参加し、どっぷりとその世界に浸かって10年間を過ごした私が知らないくらいですから、かなり無理矢理付けた病名なんじゃないかと思います。

 ただし、精神科や心療内科にかかっていることを告知すると、保険屋が逃げて行きます。
 県民共済や国民共済に乗り換えるのが無難でしょう。

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野暮

2013年08月26日 | 社会・政治

 嫌な事件が起きました。

 横浜国立大学の元教授で、今は名誉教授の70歳の男が、奥さまに殴り殺されたんだそうです。

 夫が医者に禁じられている酒を飲み、しかも浮気したために夫婦喧嘩になり、マグカップで何度も殴りつけたところ、死亡してしまったとか。

 奥さまは61歳。

 殺意は否認しているそうで、おそらく殺すつもりはなかったと思います。
 殺すつもりなら包丁で刺すとかスパナで殴るとか、確実な方法を採ったでしょうから。

 奥さまは夫が意識を失うや慌てて救急車を呼び、病院に搬送されましたが、病院ではかなくなってしまいました。

 飲酒や浮気が腹にすえかねてつい手が出てしまったのでしょうが、殺してしまってはねぇ。

 夫を亡くした上に自分は殺人犯として服役しなければなりません。

 人生の黄昏時にこんなことが起ころうとは、犯人も被害者も想像もしていなかったでしょう。

 何年前に結婚したのかは知りませんが、おそらくは長く連れ添ったものと思われます。

 そもそも愛想を尽かしていれば、夫が酒の飲み過ぎで死のうが、浮気相手と家を出て行こうが、いっそ清々したとしか思わないでしょう。

 激高して殴ること自体、夫に執着していた証拠と言えなくもありません。
 
 わが国の女性は比較的夫の浮気に寛容だと言われます。

 わりと最近まで、お金持ちやお侍は愛人とか側室を持つのが当たり前とされてきましたし、江戸落語なんかを聞いていると、夫が吉原で遊んだからといって悋気を起こすなど、女房としは野暮なことだとされていたようです。

 また、イスラム教では男は4人まで妻を持つことが出来ると聞きます。

 わが国において一夫一妻が当たり前となり、愛人を持ったり売春宿に通うことが破廉恥なこととされるようになったのは、そんなに昔のことではないようです。

 ただし、どちらもお金がかかりますから、お金が無い男にはそんな余裕は無かったはずで、世の中お金がある人は何事も良い思いができるようになっているんですねぇ。

 もし殺人犯となった奥さまが、自分と夫との深い関係性に自信を持ち、たかが浮気で嫉妬するなんて野暮な女のすることだという、江戸時代の粋な女房のような価値観を持っていれば、こんな事件は起きなかったでしょうね。

 だからと言って世の男性に大酒を飲んだり浮気したりを推奨しているわけではありませんが。

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みんなじゃない

2013年08月26日 | 社会・政治

 名は体を表すと言いますが、近頃のみんなの党の動きを見ていると、全然名前と違っているように感じます。

 私はもともとみんなという日本語が大嫌いで、一度も口にしたことがなく、そんな言葉を党名にしている段階で、怪しい政党だと思ってきました。

 化けの皮が剥がれてきたようです。

 みんななんて全体主義的な名前を付ける心性が、この党の危うさを物語っているように思えてなりません。

 で、先ごろ、渡辺代表は、長いこと代表と二人三脚でこの党を引っ張ってきた江田幹事長を更迭し、維新などとの連携・合流のためには解党も辞さないと考える柿沢議員がみんなの党から追い出されてしまいました。
 その上、このたび、柿沢議員に近い考えを持つ2名の議員から事情聴取を行うんだそうです。

 渡辺代表は純化路線を唱えているようですが、基本政策は一致しているのに、党としての戦略に関する考えが違うというだけで、党を追い出したり役職を更迭したりしては、誰もついていけなくなってしまいます。

 結局みんなの党は、国民みんなのために存在するのではないだけでなく、党員みんなのための党運営さえしない、渡辺代表の独裁政党であることが明らかになってきました。

 こんな無様な姿をさらしてしまっては、自民党も民主党も支持できない、という有権者の支持を得られるはずもなく、代表に反発する者が一挙に離党して、自民党や民主党、維新に走ってしまうだろうと思います。

 渡辺代表におかれましては、せっかく築いた野党としての存在感を失わないように冷静な党運営を心がけてほしいものです。 


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耶蘇教

2013年08月25日 | 思想・学問

 わが国においては、戦国時代にサンフランシスコ・ザビエルが耶蘇教を伝えましたが、ついにわが国にその教えが根付くことはありませんでした。

 当時の宣教師の日記に、「日本人は他のアジア人と違い、日本人は極めて好奇心が旺盛で、天文の話などを熱心に聞きたがる、しかし、神の話には関心を示さない」と嘆いています。

 宣教師は当然、神様の話を日本人に広げたかったものと思いますが、日本には八百万もの神様がおわしまし、そこに1柱くらい加えようがどうということは無いというのが、当時の日本人の素朴な感情だったようです。

 今もなお、日本人は耶蘇教に転じる人はごくわずかで、実家の宗旨を知らなくても、とりあえず仏教徒であるという意識だけはあるように感じます。

 実家の宗旨を知らないことは、責められてもおかしくないように思いますが、私は逆に感じます。

 仏教は東南アジアの上座部仏教(小乗仏教)も、北東アジアで花開いた大乗仏教も、その根本は同じだという認識で一致しており、そこが小さな宗旨争いを繰り返す耶蘇教やイスラム教と大きく違っています。
 実家の宗旨を知らなくても、大きな意味で仏教徒であるという自覚があれば、それは立派な仏教徒であろうと思います。

 わが国の伝統文化の根本には大乗仏教があり、その深い意味を知らずとも、日本で生まれ育った人々は、知らず知らずのうちに仏教的価値観を身に付け、それを根本的な道徳律としてその生涯をおくります。

 面白いのは、それを自覚していないのに、いつの間にやら仏教的価値観に基づいた行動をとってしまうこと。

 仏教はあまりにも幅広い思想を持ち、しかも嘘も方便と言うごとく、苦しんでいる人を救うためには、嘘をも厭いません。

 きわめてプラグマティックな宗教です。

 浄土門にしても、禅門にしても、あるいは法華経にしても、すべて入り口が違うだけで、涅槃を目指すという最終目標は変わりません。

 一方、キリスト教をはじめとするヤハウェの3宗教は、神様が7日で世界を作ったことと、最後の審判に関しては、絶対に譲りません。

 一種のSFです。

 それなのに、小さな違いをことさら問題視して、耶蘇教徒にいたっては、イスラム社会に十字軍などを送り込み、殺し合いを続けており、今もなお、イスラム原理主義者はキリスト教国家にテロを仕掛けています。

 なんと愚かな。

 なぜ小さな違いをことさら問題にし、争うのか、我々日本人には不思議で仕方ありません。

 私たちなんちゃって仏教徒に出来ることは限られているようで、じつは大きなものだろうと思います。

 なんちゃって仏教徒が、信仰について深く知らぬまま、幸せな人生を送っているその姿を世界に示すことが、そのまま宗教対立の愚かしさを示すことになるでしょう。

 宗教に関して無節操と言われる日本人。

 しかしその無節操には、限りない寛容が含まれていることを自覚し、世界に宗教的寛容の大切さをメッセージとして送り続けることが、寛容な国に生まれた日本人の使命であるように思えてなりません。

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