不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

石打公開処刑

2013年03月14日 | 社会・政治

 怖ろしいニュースにふれました。

 パキスタンの27歳の兵士が、10代後半の女性と恋に落ち、駆け落ちしようとしたとして、石打ちによる公開処刑に処せられたというのです。
 女性のほうも処刑判決を受けたそうですが、執行されたかどうかは不明だそうです。

 なんでもパキスタンの田舎では、裁判所ではなく、部族長老の決定によって、刑が決まるのだそうです。

 いくらなんでも公開処刑とは穏やかではありませんねぇ。

 江戸時代、わが国では心中を厳しく禁じました。
 心中という言葉の使用も禁止し、相対死(あいたいじに)と呼びました。
 心中によって2人とも死んだ場合には葬儀を禁止し、片方が生き残った場合は死罪とし、両者とも生き残った場合には、の身分に落としたとか。

 そうなると、何が何でも心中を成功させなければなりませんね。

 しかし心中と駆け落ちでは、また次元が違います。
 心中は命を疎かにする行為ですが、駆け落ちはあくまで生きようとする行為。
 しかも恋を成就させようとする強い生きる意志が感じられます。

 それを、公開処刑。
 残酷に過ぎるではありませんか。

 男女の間のことに法やお上が口を挟むのは野暮というものですが、そういう理屈では考えない部族が未だに存在するのですねぇ。

 わが国には重婚罪というのは存在しますが、姦通罪というのはありません。
 つまり、不義密通はわが国ではモラルの問題であって、法的に裁かれるということはないわけです。
 その代り家庭が崩壊するかもしれませんが。

 お隣、韓国では姦通罪が存在するそうです。

 結婚したって別の異性と恋に落ちることはよくあることで、これを一々摘発していては、警察官がいくら居たって足りません。

 わが国は古来性に関しては大らかで、性を楽しむことは人生の楽しみの一つであり、罪悪感を感じるようなことではありません。
 それは異性愛も同性愛も同様に扱う、バイセクシャルをむしろ良しとする文化につながったものと思われます。

 そのような性文化をもつわが国からみれば、駆け落ちで公開処刑とは信じがたい暴挙です。

 しかし、世の中はあまりにも多様であり、価値観は時代や場所によって大きく異なるのだということを、肝に銘じなければなりません。

心中への招待状―華麗なる恋愛死の世界 (文春新書)
小林 恭二
文藝春秋


にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新ローマ教皇選出

2013年03月14日 | 社会・政治

 新しいローマ教皇が選出されたそうですね。
 アルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿、76歳。
 教皇の名前はフランチェスコ1世



 南米出身のローマ教皇は長いバチカンの歴史でも初めてだそうです。

 ローマ教皇の選挙、コンクラーベと言うんだそうですね。
 有権者の枢機卿のうち3分の2の得票が必要なんだそうで、3分の2に達するまで何度でも投票するというルールとかで、なんだか根競べみたいですね。

 駄洒落ですが。

 それにしても南米からローマ教皇が生まれるというのは、なんとなく違和感を覚えます。

 大航海時代、南米にたどり着いたスペイン人を、南米の人々は歓待したそうです。
 しかしスペインの目的は南米を植民地化することにあり、そのためには闘わなければなりません。

 宣教師がまずキリスト教の布教にやってきて、その後商人が、さらにその後軍隊がやってきて侵略するというのが当時のスタイル。

 スペイン軍はローマ教皇庁に南米人は人なのか猿なのか、との伺いを立てたそうです。
 人間ならばむやみに虐殺できないし、多分親和的な現地人を虐殺するのが嫌だったんでしょうね。

 しかし、ローマ教皇庁は猿だから殺して良い、という指示を出します。

 哀れ、南米人はスペイン等の侵略を受け、豊かな文明は滅ぼされてしまいました。


 アルゼンチンに多く住むのは、今では白人。
 米国もカナダそうですが、元を正せば現地人から土地を簒奪して作った人造国家です。

 米国などでは黒人やヒスパニックへの人種差別を禁じる様々な努力がなされてきましたが、なぜかネイティブ・アメリカンの話になると今も腰が引けています。
 かつてインディアンと言われ、西部劇などで悪役だったネイティブ・アメリカン。

 今、彼らの多くは政府が指定した居留区に住み、働かないでも食っていけるような補助を受け、昼日中から酒を喰らってアルコール依存症になる者が後を絶たないと聞き及びます。
 
 それを思うと、アルゼンチン出身のローマ教皇の誕生をお祝いする気持ちになれません。

 明治維新以来、わが国は白人お金持ちクラブによる世界支配に異を唱え、日露戦争の勝利では世界中の有色人種が狂喜乱舞しました。
 一方名誉ある孤立を棄て、ロシアをけん制するために日英同盟を結んだ同盟国である英国では、日露戦争での日本勝利の報に触れ、町はお通夜のように静まり返り、人々は喪服を着てロシアの敗北を悼んだと伝え聞きます。
 米国は日露戦争直後から、将来、太平洋を挟んで日米は必ず対立すると考え、日米戦のシュミレーションを始めたというから気の長い話です。

 200年にも及ぶ白人支配により、すっかり骨抜きにされ、逆立ちしても白い連中には敵わない、と思い込んでいたところ、日本人は同じ人間にできることが日本人に出来ないわけはない、と植民地の人々とは真逆の信念を持ち、わが国は英米に次ぐ軍事大国に成長しました。

 第二次大戦後、わが国は敗北したとはいえ、次々と植民地が独立。

 結局一番損をしたのは英仏などの植民地をたくさん持っていた戦勝国。

 わが国の国際デヴューは、白人お金持ちクラブにとってパンドラの箱だったのですねぇ。

 しかしそれでもなお、サミット参加国などを見ると、現代でも世界を支配しているのは白人お金持ちクラブ+日本でしかないことに気付かされ、愕然とします。

 昔の怨みを晴らすかのように領土的野心をむき出しにする中国の気持ちも分からないではありません。

 人種にまつわる難しい問題を思い起こさせただけでも、南米出身のローマ教皇の誕生は意味があるのかもしれませんね。


にほんブログ村


人気ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする