ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

地獄の花園

2024年06月13日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は息つく暇もないほど忙しく、酒を呑もうとも思わなかったので駅前の中華屋で冷やし担々麺を食って帰宅するなり風呂も入らずリビングのホットカーペットで1時間ほど眠ってしまいました。
 そうなると今度は眠れなくなるというのが世の常で、ネットフリックスでなるべく馬鹿々々しいドラマか映画を観ようと、「地獄の花園」というのが眼にとまり、なんとなく1時間40分ほどの作品を観てしまいました。

 大会社には堅気のOLと喧嘩に明け暮れるヤンキーOLが存在する世界。
 その世界で繰り広げられる抗争が描かれ、誠に馬鹿々々しいほど痛快です。

 そんな中、堅気のOLとして生きている主人公の永野芽郁演じるナオコ、普通に仕事をし、仕事帰りには同僚と食事をしたりして、彼氏が欲しいとぼやきながら普通のOLとして生きています。

 そんな中、途中入社の広瀬アリス演じるランが3派が入り乱れていたヤンキーOLたちを一日で傘下に収めてしまいます。
 なぜかランとナオコは仲の良い友人になっています。

 ランの強さに脅威を感じた一部上場の大会社のヤンキーOLがランを呼び出すためにナオコを拉致。
 一人乗り込んだランは孤軍奮闘するものの、多勢に無勢、屈辱の敗北を喫してしまいます。
 しかし恐るべきことに、実は世界最強OLだったナオコが全員倒してしまい、それからランとナオコの関係性も崩れ・・・というお話。

 「翔んで埼玉」を観た時のような爽快感があります。

 私はかねてより、およそ意味の無いことにのめり込んで破滅していく姿だけが美しいと、このブログに何度も書いてきました。

 OLに喧嘩の強さなんて何の必要もありません。
 そもそもOLが喧嘩による派閥争いをするなんて分かりやすいことをするはずがありません。

 するはずがないことを必死でやるから滑稽味がうまれ、爽快感を感じるのだと思います。
 本当に出会いがしらのように観た映画ですが、楽しめました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猿の惑星/キングダム

2024年05月11日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は久しぶりに映画館に足を運びました。
 観たのは「猿の惑星 キングダム」です。

映画『猿の惑星/キングダム』予告(60秒)|300年後の猿が支配する世界|完全新作 5月10日(金)公開
 
 「猿の惑星」の第一作が公開されたのは1968年だそうです。
  私が生まれる1年前です。
 ですがテレビでたびたび放映され、私は何度も観て感銘を受けました。
 猿が人間を支配する世界を描いたもので、テンポよくスリリングな物語で、何度観ても名作だと感じました。

 その後続編や新シリーズが制作されていますが、第一作に勝るものは未だ公開されていません。
 シリーズ物の宿命でしょうか。

 今日観た作品はチンパンジーとゴリラの死闘を描きつつ、そこに最も狡猾で野蛮な、しかし知能が高い人間の女が絡んできます。
 しかし、人間と猿とを正面から描いた旧シリーズの第一作と異なり、猿と人間の関係性が曖昧で、出来が良いとは言えない作品になっています。
 尺も無駄に長く、正直退屈しました。

 新シリーズも猿の覚醒を描いた第一作が一番良いようです。
 シリーズ物というのは難しいですねぇ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

それだけ

2024年01月25日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は空気が冷たいながらきれいに晴れ渡って風もなく、自宅に籠っているかぎり小春日和と呼んでも良い日となりました。

 こんな日に特別急ぎの仕事が無いのに出勤する気が湧くはずもなく、休暇を取りました。
 夕飯の買い物に出かけた以外、自宅でのんびり過ごしました。

 わが家はマンションの低層階ながら南西の角部屋に所在しているため、陽当たりは極めて良好です。
 ほとんど日向ぼっこをして一日を終えてしまいました。

 一人でぼんやり寛いでいると思考はあまり良い方に向かいません。

 じつは同じ部署で働く30代後半の女性が1月いっぱいで退職することになりました。
 がん治療のためです。
 今まで休み休みながら働いていたのですが、抗がん剤があまり効いてくれなかったそうです。
 残念です。

 
 日本人の平均寿命は80歳を超えているそうですが、私にはそうは思えません。
 毎年毎年、知り合いの誰かが現役世代で亡くなっているからです。
 その中には、多くの後輩も含まれます。

 病気で亡くなる人、事故死する人、自ら命を絶つ人、じつに様々な理由で彼ら彼女らとお別れしてきました。

 そのたびに、生き物の儚さと世の無常を感じます。

 ある後輩はもともと酒が弱かったためか宴会に出て眠ってしまい、可哀そうだから寝かせておいてやろうと放っていたところ、そのまま亡くなってしまいました。
 もし就業時間中であれば突然倒れたにせよ、救急車かドクターヘリを呼んでいただろうと思います。
 そうすればもしかしたら助かったかもしれません。
 宴席というのが禍いのもとでした。

 またある先輩は勤務時間中にクモ膜下出血で倒れ、救急車で運ばれて緊急手術となり、一命は取り留めましたが、わずか2年後に再び倒れ、そのまま逝ってしまいました。

 そうかと思うと100歳を超えてなお矍鑠としているご老人もいるやに聞き及びます。
 おぎゃあと生まれた時はみな同じ0歳児ですが、亡くなる年齢や原因は人それぞれです。

 そうした事どもに触れていると、嫌でも自分自身の健康や寿命について考えざるを得なくなります。

 私は今年の8月で55歳になりますが、おそらく定年は65歳まで延長になると思いますので、まだ11年働かなくてはなりません。
 そんなに働けるか心配です。
 そしてまた定年を迎えた後、どれくらい健康で生きられるのでしょう。
 老いそして死は、人類全員の永遠の悩みなのでしょうね。
 例え宗教に深く帰依したとしても、根源的な不安は無くならないと思います。

 近頃人の名前が出てこないことが多くなりました。
 ほら、あの人、あれに出てた人、なんてノーヒントです。
 若い頃はそういう世代の人たちを嘲笑っていましたが、私が笑われる側になってしまいました。
 順番、でしょうか。

 「万引き家族」という寄せ集めの偽家族を描いた映画で、偽家族を作り上げたゴッド・マザーというべき老婆が亡くなった時、偽の娘は「こういうのはほら、順番だから」なんて言いながら庭に埋めてしまうシーンが心に残ります。
 樹木希林が老婆の役を、安藤サクラが娘の役を、リリー・フランキーが安藤サクラの夫役を演じて、それぞれに個性的な演技が光る名作でした。
 名前は分かりませんが子役らも見事でした。

 偽家族は泥棒を生業にしているために逮捕され、庭から遺体が掘り起こされて日本中を震撼とさせることになるのですが、安藤サクラ演じる娘は取り調べに対し「落ちていた物を拾っただけ」と嘯きます。
 生活の糧となるべき盗品も、家族でさえ落ちていた物を拾っただけだと言うのです。

 冷たい真実の言葉と言えましょう。


 そう考えると私たち人間の命でさえ、拾っただけの物なのかもしれません。
 死にそうな目に会いながら助かった時、「命拾いした」なんて言いますし。

 それに何らかの教訓やオチを着けようとは思いません。
 ただ生まれ、生き、死ぬだけのこと。
 それだけのこと。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年11月25日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は朝一番で近所のシネコンに向かいました。
 車で15分ほど。
 観たのは北野武監督の「首」です。

 

 本能寺の変前後の信長、秀吉、光秀、荒木村重らを描いた大作ですが、好悪が分かれる作品だと思います。

 まず、やたらと首を切り落とし、高々と掲げるシーンがあること。
 日本人はかつて首狩り族だったことを思い知らされます。
 NHK大河ドラマでは絶対に無いシーンです。

 NHKで描かれない点と言えばもう一つ、武人の契りと称する男色が色濃く描かれることです。
 この作品では荒木村重と光秀は恋仲ということになっており、光秀に辛くあたる信長はじつは光秀に懸想しています。
 信長と森蘭丸との濡れ場は特に濃厚です。
 かつてわが国では男色はタブーではなく、むしろ男の嗜みの一つであったと聞きます。
 男とも女とも色を楽しむのがむしろ普通であったとか。
 
 そういう意味では、この映画はもしかしたらリアリティを求めたのかもしれません。
 しかし、本能寺の変あたりの秀吉は脂が乘りきり、野心に燃えていたはずですが、たけし演じる秀吉はユーモラスで枯れたおじいさんにしか見えません。

 他のキャストがなかなか良かっただけに残念です。
 特に信長役の怪演が光っていました。
 狂気じみた感じが信長らしい感じです。

 2時間30分の長尺を飽きさせないのは見事ですが、たけしには監督に徹してほしかったと思います。
 たけしが登場すると、あまりの存在感から秀吉ではなく、たけしにしか見えません。

 是非とも観て欲しい映画ではありませんが、私はまぁまぁ楽しめました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お買い物

2023年10月16日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日、私の職場は電気設備の点検のため、担当部署以外はお休みとなりました。
 月曜日に自分から休暇を申請することなく休めるなんて最高です。
 しかも今日は雲一つ無い見事な秋晴れに恵まれました。

 10月になって、我が家で流行りの深夜ドラマ「きのう何食べた?」シーズン2が始まりました。
 料理好きの弁護士と美容師の、アラフィフ男二人が繰り広げるゲイカップルの日常を描いて見事です。
 この作品の良い点は、濡れ場が全く無いこと。
 人生のほろ苦さと楽しさを描いて秀逸です。
 この二人、都内の某所の2LDKで暮らしています。
 都内のどこかは明らかにされません。
 ただし、新小岩のアーケードにあった中村屋というスーパーマーケットを頻繁に訪れていたことから、新小岩が舞台なのかと思っていました。
 ところが中村屋が閉店し、中村屋の後に通いだしたニュー宝屋も閉店。
 美容師のコレステロール値が上がったことを気にした弁護士が、魚料理をメインにしようと考えて通い始めたのがアキヨシ。
 じつはアキヨシ、私の家から徒歩20分ほどの距離にある新鮮な魚が豊富なことを売りにしたスーパーでロケをしていることが判明。
 そのスーパーには内野聖陽と西島秀俊のサインが飾ってあると聞いてテクテク歩いて行ったら、まさかの定休日。

 がっかりしました。
 

 気を取り直して、千葉都市モノレールで千葉駅に出ました。
 まずは点心のコース料理のお昼。
 お昼としては高価でしたが、普段500円の弁当を食っているので、たまには良いでしょう。

 その後千葉市街をぶらぶら。
 晴れて気温は高かったのですが、湿気が無くてじつに気持ちの良い散歩となりました。

 先般マフラーを買いに行ってまだ売っていなかったそごう千葉店を再び訪れました。
 そうしたら、あるはあるは。
 迷いに迷って、ブルックスブラザーズのマフラーを購入。
 32,000円と少し値が張りましたが、直接肌に触れる物ですから、気持ち悪いのは嫌なので、いくつも首に巻いてみて、これに決めました。


 次にリビングやキッチン用品を売っているフロアに移り、綿入れ半纏を購入。
 少し重い、丈の長い、とてつもなく暖かい物を購入。

 半纏としてはちょっと高い、12,000円でした。
 さらにユニクロに移り、職場で着る厚手のカーディガンとダウンのベストを購入。
 2点で13,000円はユニクロならではの安さです。
 色々購入して、疲れてしまいました。

 その後椿屋茶房で珈琲をいただき、疲れを癒しました。
 荷物が多かったので、千葉駅からは我が家の最寄りはJRの駅でわずか2駅ですが、タクシーで帰りました。
 普段千葉へは車で出かけるのですが、今日はモノレールを使ったので、このようなことになってしまいました。

 冬に向けて欲しかった物は全て揃い、しかも気持ちの良い散歩、美味しいお昼を食えて、とても幸せです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

母と暮せば

2023年08月27日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

  昨日は母と暮らせばという映画を観ました。
 私の趣味嗜好からいって、映画館に行くこともDVDを借りることも絶対に無いであろう種類の作品です。
 ネットフリックスでなんとなく観始めて、最後まで観てしまいました。 

 舞台は終戦後3年目の長崎。
 南方の戦場で長男を、原爆で次男を喪い、一人で暮らす母親の物語。
 次男は長崎医科大学で学ぶ学生で、講義を受けている最中に原爆で命を落とします。

 次男の元恋人が頻繁に母親を見舞い、どこかで次男が生きているのではないかと互いに一縷の望みを賭けています。
 しかし終戦3年目の8月9日、母親と元恋人が墓参りに行き、母親はもう諦める、と宣言します。
 涙をこぼす元恋人。
 辛かったことでしょう。

 その夜、次男が突如母親のもとを訪れます。
 もちろん、この世の者では無いことを母は悟っています。
 幽霊でも良いから会いたいという願いを次男は叶えるのです。
 幽霊は頻繁に登場し、母親との会話を楽しみます。

 その後戦中戦後のいくつかのエピソードが語られ、母親は静かに眠るように逝ってしまいます。
 ここに至って、母親がこの世とあの世を行きつ戻りつしながら次男と会っていたことが示唆されます。
 そして遂に母親は最高の笑顔を浮かべ、次男とともに旅立っていくのです。
 お迎え、です。

 一見して、往年の名作異人たちとの夏との類似性を認めました。

 

 人生に疲れた中年男の前に、亡くなった両親が姿を現し、ひと夏、夢のような時を過ごす物語です。 

 一般に幽霊というと、どこか禍々しい、怖ろしい存在だという印象を持ちますが、早死にした家族の幽霊なら怖ろしいこともなく、懐かしい存在と言えるでしょう。

 この世の者では無くなった存在との交流を深めれば、寿命を縮めるのは怨霊と同じかもしれません。
 命を縮めてでも会いたい死者がいるというのは、もしかしたら悲しいばかりでは無いと言えるのではないでしょうか。
 死者を弔う気持ちには、必ずもう一度だけでも会いたいという感情がこもっていなければなりません。 
 もう一度会いたいという気持ちは、死者をこの世に留め、成仏を妨げることになるでしょう。
 それでもそう思わざるにはいられないというところに、人間精神の細やかさがあります。

 上の2作にはそんなことを思わせる力があるようです。
 日々の忙しさのなか、忘れかけていた13回忌を迎えようかと言う亡父への懐かしさがつのります。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

54年目の生誕祭

2023年08月22日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は私の誕生日。
 54歳になりました。
 そろそろ初老でしょうか。

 今年の夏休みもコロナの流行に鑑み、旅行は取りやめました。
 
 せめて映画くらいは観ようかと、車で15分ほどのシネコンに出かけました。
 観たのは「リボルバー・リリー」です。
 

 大正末期の帝都東京で暗闘が行われる物語です。
 私はてっきり精神上の暗闘が主なのかと思っていたのですが、銃撃戦ばかりでした。

 特殊機関で暗殺術を身に付け、その機関の最高傑作とまで言われた女を綾瀬はるかが演じています。
 53人もの各国の政府要人を暗殺した伝説のダーク・ヒロインです。
 すでに引退していましたが、昔愛した男の長男に面倒事が起きていることを知り、身に付けた戦闘能力で次々に敵対勢力を殺していきます。
 敵対勢力は主に日本陸軍。
 これに日本海軍、内務省までもが長男を拉致しようと必死になります。
 三者三つ巴で長男を拉致しようと暗闘を繰り広げるのです。
 そこで大きな壁になるのがリリーというわけ。
 というのも、長男の父親が国家予算の10%にも及ぶ大金を秘密銀行に預金しており、父親が亡くなってしまい、お金をおろすには暗証番号が必要になりますが、これを知っているのは長男だけなのです。

 長男を巡って起こる泥棒劇と言うべきで、精神上の暗闘などかけらも出てきません。
 このあたり、殺し屋と殺し屋志願の少女、それに警察が血みどろの戦いを続ける「レオン」には厭世的で哲学的な部分がありました。

 

 綾瀬はるか演じる暗殺者にも陸軍にも狂気の色が見られ、一方海軍と内務省は陸軍に仕事をさせ、最後に自分が金を得ようと冷酷に計画を立てるあたり、狂気よりも正気に見える奴が怖ろしいのだと思わせます。

 惜しむらくはあまりにもアクションシーンが多いことでしょうか。

 晩は誕生日のお祝いに高級鰻を食す予定です。
 実家の母が毎年送ってくれるもので、白焼きや蒲焼でいただきます。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪物

2023年06月24日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は映画館に足を運びました。
 観たのは是枝監督の「怪物」です。

 

 この映画は小学5年生の息子が教師から暴力をふるわれたと信じ、学校に抗議を繰り返す母親の視点、暴力をふるったとされた教師の視点、小学校5年生の息子の視点の3者の視点から描かれています。
 当然、3者の語る話は食い違い、誰かが、あるいは全員が嘘をついているか、事実誤認が起きていることが示されます。

 芥川龍之介の「藪の中」(黒沢明監督作品では「羅生門」)と似た構成になっています。

 

 観る者は混乱せざるを得ません。
 
 そして豚の脳を持った人間というフレーズが多用されます。

 少年の同級生である親友は同性愛の傾向があり、ガチガチの保守主義者である父親は、同性愛者である息子は豚の脳を持った化け物であり、治療が必要だと信じています。

 二人の少年は互いに魅かれあいます。
 少年愛の予感が濃厚に描かれます。

 ラストでは、二人の少年が明るい朝日のなか、自然豊かな森を笑顔で駆け回る姿が描かれます。
 台風の朝に姿を消した二人が生き残って互いを寿いでいるのか、あるいは土砂崩れなどで亡くなり、死後の世界ではしゃぎまわっているのか判然としません。

 この映画を観て、人間は全員怪物でありながら実は怪物ではない、というメッセージを感じました。
 いずれにしろ、重層的で、何とでも解釈できる描き方が魅力的です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死刑にいたる病

2023年06月13日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日はワクチン接種による発熱が治まらないため、休暇を取りました。
 さらに喘息の症状がみられたため、朝一番で内科に行って大量の薬をもらいました、
 市販薬と違ってよく効きます。
 朝と昼、2回のんだだけで嘘のように楽になりました。

 午後には熱も下がり、Netflixで映画を楽しみました。

 「死刑にいたる病」です。

 キェルケゴールの名作「死に至る病」とは関係がありません。

 24人もの少年少女を痛めつけた末に殺害した連続殺人鬼。
 殺害する前に監禁して痛めつけ、生爪をはがし、それを収集することに喜びを感じる変態です。
 しかし多くのシリアル・キラーがそうであるように、この映画に登場する殺人鬼も極めて魅力的な人物で、多くの人に好かれています。

 阿部サダヲが連続殺人鬼を演じ、逮捕された後、面会にきた法律事務所でアルバイトをする大学生と静かに対話する姿は、まるで聖人のようです。
 

 24人を殺した犯人は法廷で、逮捕されなかったら殺人を続けていましたかと問われ、「それは自分にとって必要なことです」と応えます。

 いわゆるイヤミスと言われる物語です。

 犯人は多くの人を殺し、殺さないまでも支配し、拘置所の中からでも、手紙などを使って獲物を狙っているのです。
 怖ろしい作品でした。 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劇場版 美しい彼〜eternal〜

2023年05月05日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 午前中、Netflixでドラマなど観て遊んでいたら、偶然、「美しい彼」という深夜ドラマ、30分で6話完結という男子高校生同士の恋愛を描いた誠に美的な作品に当たってしまいました。
 吃音で学級カーストの最底辺にいるキモくてウザい男子高校生、ヒラと、学級カーストの頂点で、男子からは大人気、女子からはモテモテの美少年、キヨイの恋を描いた話です。
 6話、一気見してしまいました。

 今、この作品の劇場版が公開中ということで、夕方早速観てきました。

 劇場版ではヒラが大学生となり、キヨイは俳優となって、最初はヒラの片想いだったのが、いつしか相思相愛となり、二人は同棲生活を始めます。

 深夜ドラマとは大違いでした。
 物語は重層的で、登場人物も曲者ぞろい、映画は金がかかるだろうなと思いました。

 キヨイの相手役を演じる女優の熱烈なファンがキヨイを拉致監禁したり、日ごろ大人しいヒラが狂気を帯びて助けに向かい、犯人を殴りまくって半殺しにしたり、複雑な物語が描かれ、魅力的です。 


 私は妙齢の優し気で気だるげなお姉さんが大好きな、自分でも嫌になるほどのストレートですが、なぜか、若い頃から同性愛を描いた作品を好んで観ています。

 古くは「モーリス」
 これは英国の美しい自然のなかで差別にあいながらも貴族の青年同士や使用人との恋模様を描く、社会的で美的な作品でした。

 最近では、特に意味などない、イタリアの田舎で美術史家の息子である高校生と、夏休みの間だけ美術史家の助手を務めに来た米国人大学生との恋を描いた美しいだけの、しかし印象に残る「君の名前で僕を呼んで」がお気に入りです。

 自身がコテコテの異性愛者でありながら同性愛の映画に魅かれるのはなぜでしょうね。

 世間にはBLと呼ばれる美少年同士の恋愛を描くジャンルがあって、そのファンのほぼ全員が、腐女子と呼ばれる女性たちです。
 あまりに女性ばかりなので、映画館に入りずらい感じさえします。
 見渡したところ、今日観た劇場、男性客は私一人のようでした。

 一方、私は男女の恋を描いた、いわゆる恋愛映画というものに興味がありません。
 100本の恋愛映画を観るよりも、1回だけでも現実の恋をしたほうがよほど面白いと感じてしまうのです。

 独身男女の恋であれば、祝福され、結婚という便利な制度が整っていて、後ろ指を指されることはありません。
 しかし突き詰めて考えると、それは生殖という本能がなせる業。

 しかし男同士の恋は気味悪がられ、差別され、結婚もできず、やむを得ず養子縁組したります。
 生殖は絶対に不可能です。

 男女の恋が太陽であれば、男同士の恋は月。
 日影の淫靡な存在でしかありません。

 最近でこそ、LGBTを差別してはいけないとされていますが、社会的な差別は今も色濃く残り、かつてキリスト教国では死刑でした。
 わが国では男色を差別する風潮は無かったのに、明治以降、欧米並みに社会から異端者として扱われるようになりました。

 無粋なことです。

 差別される日影の花だからこそ、男同士の恋は至純なものにならざるを得ません。

 男女の場合、惚れたはれたも重要でしょうが、お金持ちと結婚したいとか、なるべく若いほうが良いとか、動機に不純なものが混じることが多いように思います。

 しかし、差別されても気味悪がられても、一緒にいたいという強い思いで人を恋うる姿は純粋で美しいと思います。
 それが、私が同性愛者に憧れる最大の理由だと思います。

 私には女難の気があって、高校生の頃、女子40人、男子5人のクラスにいました。
 これは高校2年生で3年分のカリキュラムを終え、3年生になると細かく科目が選べるため、私が選んだ科目が女性向けだったためです。
 大学生の時も、7割くらい女性でした。
 就職する時、男は私一人。
 現在の部下も女性しかいません。

 なので女性には分けだてなく接しようと心がけていますが、同居人に言わせると、お気に入りの女性とそうでない人とでは、露骨に態度が違うそうです。
 正直者と言いましょうか。

 私が男同士の恋に興味があるのは、周りが女だらけの環境に長くいるからかもしれません。

 もしかしたら私は、肉体的には女性好きですが、精神的には男が好きなのかもしれません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カラダ探し

2023年05月04日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日はNetflixで久しぶりにホラー映画を観ました。
 「カラダ探し」です。

 

 

 ホラー映画としては破綻しているループ物です。

 高校生6人が毎日7月5日に目を覚まし、深夜、幼女の霊とみられる化け物に惨殺されますが、朝、7月5日に目が覚めて、6人の高校生は深夜、礼拝堂に召喚され、惨殺されます。
 毎日惨殺されますが、どうせまた7月5日に目を覚まし、永遠の今日を生きるのだと考え、6人は仲良く海水浴に出かけたりします。

 やがて7月6日の朝を迎えるのですが、6人はすべての記憶を失っています。
 イジメにあっていたり、無視されていたり、不登校だったり、6人はそれぞれに孤独を抱えています。
  7月5日を繰り返していた時だけ、6人は孤独から解放されていたのです。

  切ない話です。 

 ホラー映画としては破綻していますが、青春映画の一種と思えば楽しめるかもしれません。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寅さん

2023年04月23日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は一日部屋に籠り、Netflixで寅さんを観たり、You TubeでBABY METALやSEKAI NO OWARIの動画などを観て過ごしました。
 昨夜は土曜日ということで少し酒が過ぎたようで、動く気が起きなかったのです。

 寅さんは第1作と第2作を続けて鑑賞しました。
 寅さんシリーズは全て観ていますが、第1作と第2作は特に優れているように感じます。
 寅さんは若くて元気だし、物語が第3作目以降よりも重層的だと思います。

 

 基本的に寅さんが片恋をし、ふられて的屋の旅に出る、というのが物語の根幹をなすわけで、第1作目も第2作目もそれは同じです。
 ただ、第1作目ではさくらの結婚があったり、第2作目では生き別れになった産みの母親に会ったりして、物語に厚みが感じられるのです。

 寅さんは葛飾柴又の生まれ育ちということで、たびたび江戸川土手でくつろぐシーンが出てきます。
 私はお隣の江戸川区で生まれ育ち、江戸川土手は懐かしい景色であり、江戸川土手の少し田舎臭い風情が、郷愁を誘います。
 登場人物たちが操る爽やかな下町訛りもまた、私にとっては心地よい語感です。

 ただし、葛飾柴又は下町というよりは郊外と言ったほうが良い立地で、駅前から少し離れると小松菜畑が広がったりしており、それは江戸川区も同じです。
 しかし寅さんシリーズではそういった本当の柴又は描かれません。
 あくまで下町の一角という設定です。
 そこに少し違和感を感じます。

 私の後輩に、寅さんを観ると腹が立つから観ない、と公言している者がいました。
 寅さんのあまりの感情の起伏の激しさや、我儘なところが後輩にそう言わしめるのでしょうね。

 ヤクザというもの、感情の起伏が激しい人が多いと聞いたことがあります。
 怒った時は激しく、笑う時は腹の底から、悲しい時には人目もはばからずに泣いたりするそうです。

 寅さん映画は一種のファンタジーみたいなもので、現実を描いたものではありません。
 惚れっぽいくせに恋が成就したことはなく、毎晩酔っぱらっています。

 そんな寅さんを観ていると、裏の顔というか、ヤクザの本性みたいなものが描かれていないことが、寅さんを奥手で純情な中年男に見せていると感じます。
 しかし私は、裏の顔を描いた寅さん映画があったら興味深いと思います。

 おそらくは博打もやるでしょうし、女も買うでしょう。
 ヤクザ同士の紛争みたいなものもあるかもしれません。
 そういったダーティーな面を描かないところがこの映画がファミリー向けのファンタジーになった所以でしょうね。

 しかし人間には、どんな真面目そうに見える人でも、必ず裏の顔があるものと思います。
 人間の本性はどうしようもなくドロドロしたものです。
 そのドロドロを描くと文芸作品と言われ、描かなければエンターテイメントと捉えられるように感じます。
 好悪は分かれるところでしょうが、どちらも興味深いものです。

 寅さんは生まれ持ったヤクザな気性から的屋となって旅から旅の生活を送り、それは勤め人の憧れです。
 毎日職場に通い、真面目に働いて給料をもらうという生活は堅実なもので、世間では人はそうあるべきだと言われています。
 私は自身が真面目な勤め人であるにも関わらず、いやそうであるからこそ、寅さんのような生き方をしてみたいと感じます。

 もしかしたら、そういう生き方こそ、人間の本能に従った正しい在り方なのかもしれません。
 人間の本性が垣間見えると言いましょうか。
 そうでなければ、寅さんがこれほどまでに人気が出るはずがありません。

 日曜日の夕方は明日からの仕事を思い、憂鬱に沈むものですが、今日は「男はつらいよ」の第1作、第2作を鑑賞したせいか、少し、憂鬱が和らいだように感じます。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初夏

2023年04月16日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は初夏を思わせる晴天に恵まれました。

 同居人は毎週土日の午前中は施設に入所している義母のお見舞いに出かけます。
 その間に一週間分の洗濯をし、掃除を済ませます。
 その後、加入したばかりのNetflixで米国の一話完結のゾンビ物のドラマを鑑賞。

 先般私のマンションのすぐ隣にあるDVDのレンタル店が廃業しました。
 なるほど、ネットで簡単にドラマや映画が視聴できる時代、実店舗が潰れるのもやむを得ないことなのかもしれません。

 お昼前、同居人が帰宅し、近所のちょっと高い中華料理店でランチのコースを堪能。
 大連からやってきた料理人が腕を奮う料理はなかなかの美味です。
 ただし、お酒はなし。
 せっかくの晴天だし、食後、近所を散歩しようと思ったからです。

 ご近所を1時間ほど歩き回りました。
 私が住むマンションはJRの駅に至近であるため、まわりは雑居ビルや集合住宅ばかりで、一軒家というものがありません。
 そこで、少し離れた住宅街を歩きながら、あの家はぼろくて古いだの、庭が荒れているだの、悪態をつきながら散歩しました。

 駅に近いということは飲食店や病院、ジムやサウナやパチンコ屋が集まる猥雑な場所です。
 しかし猥雑である分、生活するのに便利でもあります。
 今さら駅から離れた住宅地の一軒家に住む気は起きず、このマンションを終の棲家にしようと考えています。

 5月8日から新型コロナウィルスはインフルエンザなどと同じ5類に分類されると聞きます。
 以前のような生活に戻ったら、また週末お上りさんになって都内散歩を楽しみたいと思っています。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初詣

2023年01月02日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今朝は早起きして千葉神社に初詣に行きました。
 神社周辺には多くの的屋が並び、正月気分を盛り上げてくれます。
 千葉神社は北斗七星を祀る珍しい神社です。
 本殿の横には天神様のお社もあります。
 むしろこちらの方が多くの参拝客を集めているようにも見えました。
 受験が近いですから、学問の神様を祀る天神様のご利益にあやかろうとする者が多いのでしょうね。
 長い列に並び、参拝を済ませる頃にはすっかり冷え切ってしまいました。
 青い着物と羽織、それに角袖コートを着込んで行きましたが、まだ足りなかったようです。
 着物は絹の長襦袢を身に付けるので、見た目よりもずっと暖かいのですが、正月の寒風には敵わなかったようです。

 参拝を終えて、そごう千葉店に向かいました。
 お店の前の広場では、笛や太鼓に合わせて獅子舞が行われていました。
 そごう千葉店前の広場で獅子舞を見ると、今年も正月が来たんだなと実感します。

 冷えた体を温めようと、ビーフカレー、サラダ、スープ、熱い珈琲のセットを頼みました。
 そごう千葉店を訪れた際の、定番の昼飯です。

 福袋が何種類も置かれた店内を冷やかしてまわりました。

 途中、漆の6枚セットの皿と、パソコンなどを入れて持ち運ぶのにちょうどよい、革のリュックに心を動かされましたが、両方とも自分には身分不相応の贅沢品と思いましたので、断念しました。

 晩飯にデパ地下で中華弁当を購入して、帰宅の途につきました。
 この休みでは初めて、義母を見舞うことが無い完全フリーの休日で、同居人もほっとした様子でした。

 まずは良い正月休みだったと思います。
 明日もフリーですが、連休最後の日ということで、きっとひどく落ちるでしょう。
 それでもその日を生きて、年初の仕事に向かわなければなりません。
 サラリーマンとは因果な商売です。

 「八つ墓村」という映画で、資産家の家を飛び出した孫を見て、老婆が、「放っておけば良い。どうせ帰ってくる。人に使われて働くということがどんなことか分かればな、ヒヒヒヒ」と笑い飛ばす場面があって、子供心に強烈な印象を覚えました。

 

 その時、初めて勤め人にだけはなるまい、と思いました。

 しかし大学生になって、資産も無く、才能も無く、学歴も無い私が人並みの生活を送るには木っ端役人しかないと心に決め、公務員試験を受けました。
 合格して、もう31年も働いて、人並みの生活は送れていますが、人に使われて働くということのしんどさを嘆き続けた31年でした。
 定年までまだかなりあります。
 その日まで、私は嘆き続けるんでしょうね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年寄にこそ

2022年12月17日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 師走。

 久しぶりに魚屋に寄ったら、冷凍のカニやらイクラやら新巻鮭やら、正月っぽい物が売り場に多く並べられるようになりました。
 そういう風景を見ると、年の瀬が近づいたことを実感します。
 そういう物を見ると、なんとなく、近い過去を思い返したりします。

 4月、私は新しい部署に異動しました。 
  仕事は猛烈に忙しいのですが、これも年まわりのせい。
 部下の管理と上司からの圧力に負けそうになりながら、精神病薬の力を借りて、働き続けました。
 不思議と、あまり憂鬱になることはありませんでした。

 このまま定年まで働いて、年金暮らしになるのでしょうが、安定だけを求めた社会人生活です。
 安定してはいますが、少しも面白くない仕事に、よくも30年もしがみついていたものです。

 結局、怖かったのだと思います。
 世間では高齢ニートだとか、引きこもりだとか、子供部屋おじさんだのという言葉を耳にします。
 そういうものになるのが。

 そしてコロナで外出の機会は減り、義母の我儘は激しく、人生半ばを超えて、楽しいことは減っていくようです。

 考えてみれば、赤ん坊の頃は祝福され、幼稚園、小学校くらいまでは甘やかされて育ちました。
 中学、高校と、自分はあまり頭が良くないと思い知らされるようになりましたが、それでも前途は洋々に見えました。

 進学、就職、結婚、昇進と、途中精神障害を患いながらどうにか生きてきて、もはや祝福される存在ではありません。

 若いうちは、女性であればちやほやされ、男であってもそこそこ可愛がられます。
 若いということは、それだけで祝福されているのだと、今になって思います。

 しかしそうは言っても、まだ30年くらいは生きなければならないし、生きてしまうんでしょうね。

 義母は楽しいことなんて何も無い、と愚痴をこぼします。
 多分それは本音で、未来の私を見るようです。

 実母とは離れて暮らしていますので、詳しい状態は知りませんが、時折電話で話すかぎり、元気に老後を楽しんでいるようです。
 実母は兄夫婦、独身の妹と暮らし、孫も社会人になって、曾孫にも恵まれました。
 これと言った病気も無いようです。
 その心の奥底は誰にも分かりませんが、ぱっと見は恵まれた老後だと言って良いと思います。

 年を取ると、老化の個人差が大きくなります。
 もちろん健康な心身を保つのが何よりですが、それ以外にも家庭環境や経済事情にも恵まれないと、豊かな老後を送るのは難しいと思います。

 私が住むマンションのお隣は、70代と思しき独居老人です。
 23年前、新築のマンションに入居した時からの隣人で、ずうっと独身だったようです。
 隣人と言っても、マンションは基本的に近所づきあいがありませんので、その老人がどうやって生きてきたのかは知りません。
 ただ、現役で毎日颯爽とスーツを着て朝出かけるのを見てきて、今は腰が曲がって買い物に行くのがやっと、という状態を見ると、身につまされる思いがします。
 それを気楽で良いと見るか、寂しい老後と見るかは、人それぞれだと思います。

 私たち夫婦には子供がいませんので、私か同居人か、どちらかは最後は独り暮らしになるはずです。
 まだ先のことだとは思いますが、最後に頼りになるのは、つまらないことですがお金なんでしょうね。

 私が老人になって、同居人に先立たれたら、私は酒や合法ドラッグはもちろん、禁止薬物にも手を出してしまいそうです。
 薬物で意識を朦朧とさせ、そのまま亡くなってしまうのが、私にはお似合いのような気がします。
 もしかしたらそれはとてつもなく気持ちの良いことなのかもしれません。

 昔、「リトル・ミス・サンシャイン」というコメディを観たことがあります。 
 不細工な少女がミスコンテストに出場するに際し、飛行機代が無く、家族でオンボロワゴンに乗って旅するロードムービーです。
 少女の祖父も一緒で、このじいさん、ひどいジャンキーです。
 口癖は「ドラッグは年寄がやるものだ」

  年を食って、もはや健康に気を遣うことすら馬鹿々々しくなった老人にこそ、ドラッグは相応しいのかもしれません。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする