新聞報道によると、中山身語正宗玉名教会なる仏教系の宗教組織で、中学2年生に悪霊が憑いていると信じた父親と坊主が、滝行を行う部屋で、いやがる娘を椅子にしばりつけ、父親が娘の顔に水があたるように押さえつけ、溺死させるという事件が起きました。
父親は、自ら娘を殺害せしめながら、娘は悪い霊のせいで死んだ、と言い訳し、坊主は修行のためで、虐待ではない、と言い張っているそうです。
ところが宗派の本部は、滝行は自らの意思で行われなければならず、椅子にむりやり縛り付けるがごとき行為は修行ではありえず、虐待及び殺人である、と断じたそうです。
そりゃあそうですよねぇ。
教団本部はその坊主と父親を悪者にしてトカゲのしっぽ切りを狙っているようです。
かつて、即身成仏と言う名の自殺行為が、わが国の坊主の間でも多く行われ、そのミイラはいまだに多くの尊崇を集めています。
愚かな。
お釈迦様は7年にわたる苦行の末、苦行が無意味であることを悟ったと言います。
お釈迦様にして7年も苦行を続けたのですから、行者にとって、苦行というのは魅力的なものであるようですね。
それも生きるか死ぬかの過酷なものであればあるほど、萌えるようです。
変態ですね。
天台宗では、比叡山で有名な千日回峰行というのが行われます。
7年間の間の1000日間、夜を徹して比叡山中にある霊場を参拝してまわり、何年目かには9日間ものあいだ、水も飲まない完全な断食をする、という命に関わる荒行です。
それをして霊的な進化を遂げられるのか、悟りを開けるのか、はなはだ疑問ですが、困難を成し遂げる達成感はあるでしょうねぇ。
でも私は、冬山登山やスキューバダイビングなど、自ら望んでしなくてもよい危険を犯す人は信用できません。
千日回峰行だって、もしかしたら箔がついて後々出世したいだけかもしれないし。
それにしてもじつの親に悪霊を祓うため、なんてふざけた理由で溺死させられた少女、哀れですねぇ。
さぞ苦しかったことでしょう。
修行と虐待、難しいところですねぇ。
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