ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

妖怪 寝肥

2013年04月30日 | 文学

 江戸時代の「絵本百物語」という図鑑に、妖怪 寝肥(ねぶとり)という化け物が出てきます。

 寝てばかりいれば太るのは当然で、ろくに働かずに食っちゃ寝の生活を戒めるための妖怪だとも言われています。



 これ、私には耳が痛いですねぇ。

 今でこそ学生時代と同じくらいの体重に落ちましたが、うつ状態がひどい時は毎日23時間くらい寝ており、しかも食欲は落ちなかったことから、みるみる体重が増えて、1年で20キロ太りました。

 血液検査の結果、コレステロール、中性脂肪、血圧、血糖、すべてが正常値を上回ってしまい、メタボリック症候群だと言われました。
 もともと痩せ型だったのが急速に太ったため、腹が邪魔で、靴下を履いたり足のつめを切るのも難儀しました。
 165センチの身長で、最大74キロまでいってしまいました。

 まさに妖怪 寝肥(ねぶとり)です。

 太っていた時期は三年くらいで、昨年3月に父が亡くなってから急速に体重が落ちました。

 とにかく食欲が湧かないのですよねぇ。

 最初のうちは精神的ショックで食欲が落ちたのだと思いますが、少ない食事を続けているうちにそれに慣れてしまい、胃が小さくなった上に、揚げ物などの脂っこいものを受け付けなくなってしまったものと思われます。
 もともと揚げ物は好みませんが、最近では揚げ物を食うと気持ち悪くなり、ひどいと戻してしまうようになってしまいました。

 今朝の体重は50.2キロ、体脂肪率は14%でした。

 コレステロールも中性脂肪も血圧も血糖もすべて落ち、逆に低すぎるということで、3キロくらい太ったほうが良いだとか、糖分を意識的に採ったほうが良いだとか、内科医は勝手なことを言います。

 どこかに自由自在に体重を変えられる人がいるとでも言うのでしょうか?

 私はただ、食える時に食えるものを食うだけです。

 いつまたうつ状態に陥り、妖怪 寝肥になってしまうかわかりませんし。

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竹原 春泉
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竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話
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VANISH7

2013年04月30日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 午後のひと時、またもやホラーDVD鑑賞です。
 私もよく飽きないものです。
 自分ながら呆れます。

 観たのは「VANISH7」というスペインの作品です。
 これ、大ハズレでした。
 ここまでハズレだと逆に痛快になります。

 アマゾンの作品紹介は、以下のようになっています。

 封鎖された工場 消えた7人そこで何が起きたのか?
 2001年、ナカン工場で発生した惨劇。アギラルという男が、16人の工員を惨殺。
 「殺せと命令された」という謎めいた言葉を残し、自らも命を絶つ。
 その遺体には、古代言語“エノク語"の呪文が刻印されていた。2年後。
 テレビ・レポーターのロミーナは、封鎖されたナカン工場の取材を開始。
 調査チームのメンバーは、エノク語の専門家、オカルト研究家、神父を含む7名。
 目的は、アギラルを狂わせた“何か"の正体をつかむこと。
 しかし、彼らは知らなかった。
 その場所が、人間が足を踏み入れてはならない、悪魔の領域であることを……。

 まぁ、嘘ではないですが、画面が暗すぎてなんだかよくわかりません。
 また、悪魔憑きのようにも見えますが、どちらかというとゾンビ物に近い感じもします。
 とにかく面白いつまらないの前に、ほとんど真っ暗の映像に悲鳴ばかりが聞こえてきて、まるで判じ物です。

 この作品は観てはいけません。
 たくさん観ていると、駄作に当たることもやむを得ません。

VANISH7 [DVD]
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やんなちゃった節をもう一度

2013年04月30日 | お笑い

 今日はなんということもなく、休暇を採りました。
 現時点で消化していない休暇は30日。
 20日間は来年に繰り越せますが、21日以上残すと12月末日をもって権利が消失してしまいますので、あと10日は年末までに使わなければなりません。

 多くの同僚が年休を使い切れずにいるところ、私は必ず、20日だけを残して使い切るようにしています。
 年休を残すなんて、給料の一部を返還するようなものですから。

 時は金なり、と言いますからねぇ。

 少し朝寝を楽しんで、8時過ぎに起きて新聞を見たら、牧伸二さんが亡くなったとの記事が目に飛び込んできました。
 私が小学生の頃から、ウクレレを抱いてだるそうに、「あぁあぁ、やんなちゃったぁ、あぁあぁあぁ、驚いた」、とやっていました。
 世の中やんなっちゃうことも驚くことも溢れかえっていますから、ネタが尽きることは無く、いわゆる一発屋とは正反対の、息の長い芸人でした。



 自宅近くの多摩川に転落して亡くなったとかで、橋の欄干を乗り越える姿が目撃されていることから、警察は自殺の可能性が高いとみて捜査しているようです。

 お笑いの人の自殺というのは、なんだかいやぁな感じがしますね。
 
 生きることがやんなちゃったんでしょうか。

 平成14年に脳出血で倒れながら、リハビリを乗り越えて復帰したというのに。

 お笑いの人の自殺というと、桂三木助師匠、桂枝雀師匠、ポール牧などの名前が浮かびます。
 いずれも芸人として大成功をおさめていただけに、その死は謎めいています。

 しかし私たち安サラリーマンには理解できない、人気者ならではの苦悩があったんでしょうねぇ。

 牧伸二さんのご冥福をお祈りします。

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アパートメント:143

2013年04月29日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日はだらだらと過ごし、2本目のDVDを鑑賞しました。

 今ではすっかりホラー映画の手法として定着し、やや食傷気味のPOVの手法で撮影されたホラー「アパートメント:143」です。

 妻を事故で亡くし、男で一つで4歳の息子と思春期の娘を育てるホワイト。
 妻が亡くなってから自宅で物が飛んだり照明が点滅するなどの怪奇現象が頻発したため、古ぼけたアパートに引っ越します。
 しかし、引っ越して2週間もすると、またもや奇妙な現象が起こるようになり、しかもしだいに激しくなっていきます。
 困り果てたホワイトは、怪奇現象を研究する超心理学者のチームを呼び、調査を依頼します。

 

 この手の映画はなかなか怪奇現象を登場させず、引っ張ってから一気に異常な世界に突入するというのが定番ですが、この作品、80分という短い尺のせいか、最初からガンガン怪奇現象が起こるという大サービスをしてくれます。

 当初は妻の霊が巻き起こしているかのように見えますが、チームのボスである学者は、心霊現象ではなく、生きている人間のストレスや不安が原因となって引き起こされるポルターガイスト現象の激しいやつだと結論付けます。

 そして、当初は貞淑で明るく、人望のある妻だったと語っていたホワイトが、妻は病気をしてから人が変ったようになり、家事も育児もせず、自宅に男を引っ張りこんでは浮気を重ねるメス豚だったと涙ながらに語ります。
 妻は統合失調症に罹患していたのでした。
 しかも処方された薬を飲まず、病状はみるみる悪化し、最後は車ごと大木に激突して亡くなっていたのです。

 思春期の娘は母親が自宅のベッドで間男とよろしくやっている場面を目撃。
 激しい精神的ショックを受けます。
 しかし非難は母親には向かず、母親を不幸にした父親のせいだと言って父親をなじるのです。

 学者の見立てでは、娘も統合失調症を発症しており、その負のエネルギーがポルターガイスト現象を起こしていると結論付けます。
 また、娘の治療は難しいだろう、とも。

 なんともやる瀬ないラストです。

 一般にポルターガイスト現象は思春期の少年少女がいる家でよく起こると言われます。
 思春期の子供が持つエネルギーは膨大で、しかも傷つきやすく、怒りや不安にどう対処してよいか分からないため、エネルギーが爆発するのだ、とも。

 学者は、この世に超自然現象は存在せず、単に科学が解明していない自然現象が存在するだけだ、とホワイトに説明します。
 私もそうだと思います。
 存在すれば、それは超能力ではなく能力、超自然現象ではなく自然現象であるに違いありません。

 ただこの映画、気になる点があります。

 統合失調症という精神疾患に対する偏見を助長する惧れがあるということです。
 統合失調症も今ではずいぶんと良い薬が開発され、病気を抱え、治療を受けながらも社会で働いている人がたくさんいます。

 もちろん重度の場合は精神病院に何年も入院ということになりましょうが、それはあらゆる病気がそうなので、一人統合失調症が特別なわけではありません。

 その点がこの映画の不愉快な点ですねぇ。

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ザ・ウーマン 飼育された女

2013年04月29日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は朝っぱらから斬新で残酷、それでいて優れた心理描写が光る新感覚ホラーを鑑賞しました。

 「ザ・ウーマン 飼育された女」です。

 

 法律事務所を営むクリスは自信家で優秀な弁護士。
 彼の趣味は森でのハンティングです。
 ある時、彼はじつに奇妙な獲物を見つけ、生け捕りにしてきます。
 その獲物とは、ほとんど言葉を理解せず、動物の生肉を食う女だったのです。
 映画の冒頭で赤ん坊が狼に可愛がられるシーンがあることから、狼に育てられたものと推測できます。

 クリスはその女を地下に監禁し、人間として再教育を施そうと試みます。
 クリスは妻、高校生の長女、中学生の長男、幼児の次女にそれぞれ役割を与え、女を飼育し、少しずつ人間らしくなっていきます。

 しかし、クリスは女を強姦。
 長男も女を裸にしてオナニーしたりします。
 母親がそれをなじっても、クリスは「男とはそういう生き物だ」、と言って逆に妻に暴力を振るいます。

 このあたりから、クリスが極端な男女差別主義者であるらしいことがほのめかされます。
 長女が妊娠しているらしい、とクリスの自宅を訪問した女性教師に「ふざけるな」とばかりに殴り倒し、獰猛な犬が数匹いる犬小屋に投げ込んでしまいます。

 ここでもう一つ驚きが。
 眼球が無い少女が犬と一緒に女性教師を襲い、生肉を喰らうのです。
 この少女、無眼球症という病気にかかったクリスの娘で、犬と一緒に犬小屋で飼育されていたのです。
 てっきり飼育されているのは森でハンティングしてきた狼女だけだと思っていたので、唐突に現れた人肉食いの少女には驚きました。

 家族に君臨する男権論者の暴力的な父親、父親の忠実な僕である長男、恐怖から彼に逆らえない妻と長女、それに犬小屋の目が見えない娘、狼女の複雑な人間模様が描かれ、単に残酷なだけでなく、心理描写が見事です。

 不快な映画ではありますが、非常に優れた作品でもあります。
 暴力シーンが苦手でなければ、是非ご覧ください。

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主権回復

2013年04月29日 | 社会・政治

 昨日は連合国の占領を脱し、わが国が主権を回復した記念すべき日でした。

 昭和27年の4月28日、わが国は米国等、戦勝国のうち自由主義陣営とだけ講和条約を結び、それが発効したというわけです。

 わが国の3,000年におよぶ歴史の中で、唯一、外国に占領されるという悲哀を味わった、長い6年半が終わった、喜ばしい日で、政府主催の記念式典が開かれ、天皇・皇后両陛下のご臨席を賜りました。

 一方、沖縄県はこの後も20年の長きに渡って米国の支配下におかれたことから、この記念すべき日を、本土と切り離された恥辱の日ととらえる見方が大勢を占めているそうです。

 それはそうでしょうねぇ。

 日本政府に見捨てられたような、ハワイのように米国の一部になってしまうのではないか、という恐怖と不安に襲われたであろうことは容易に想像がつきます。

 私と同世代の沖縄出身者は、子供のころ、本土に上陸するにはパスポートが必要だったわけですから、心中は複雑なものであったでしょう。

 しかしこの主権回復によって、国論は長く2つに分かれることになりました。

 正論である、ソビエト等共産圏を含めた全面講和を主張する人々と、現実的に、とりあえず自由主義諸国のみと講和を結んで一刻も早く独立を回復しようとした人々です。

 これは後に日米安保への賛否、非武装中立論と日米同盟堅持など、主に外交・安全保障政策でわが国は不毛な論争を繰り返し、政治的エネルギーをつまらぬ神学論争に費やし、そのため現実の外交政策や安全保障政策の策定が疎かになるという真に不幸な事態が出来しました。

 しかし、平成の御代も四半世紀になろうとして、ようやっと、外交・安全保障政策について、国民の間でコンセンサスが醸成されようとしています。
 非武装中立などという絵に描いた餅ではわが国の平和を維持することができず、国力に見合った軍隊を持ち、わが国以外のほとんどすべての国が何のためらいもなく行使している集団的自衛権を行使できるようにしようとしています。

 しかしこれらは、じつは長い自民党政権下においては密かに進められていたことであり、わが国民がやっと敗戦の呪縛から抜け出して、世界標準の国家を目指すことを良しとするようになったというだけのことです。

 護憲を唱える勢力は、憲法9条を世界へのメッセージにしよう、などと寝言をぬかします。

 しかし予算規模で世界5位の強力な軍隊であるところの自衛隊を保有し、米国の核に守られているわが国がそんなメッセージを発すれば、世界から失笑を買うだけでしょう。

 なにしろ言っていることとやっていることがまるで一致していないわけですから。

 主権回復から60年以上経ちました。

 遅きに失した感は否めませんが、早急に憲法を現実に合ったものに改正する必要がありますし、おそらく現政権ならそれを成し遂げられるのではないかと思います。


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足裏

2013年04月28日 | 散歩・旅行

 今日は好天に恵まれました。
 午前中はのんびり自宅で過ごし、近所の蕎麦屋で鴨せいろの昼食をしたため、そのまま近所を散歩しました。
 日差しは強いながら、気温はそれほど高くはなく、痩せてから冷え性の寒がりに戻ってしまった私は、股引をはいてセーターを着、さらに春物のコートを着込んでいたのですが、さすがに歩くと暑いですねぇ。

 現在住まうマンションに引っ越して10年以上になり、近所はたいてい歩きつくしたと思っていましたが、少し裏道に入ると、昔の農家の集落のような所があり、驚きました。
 かつての農地はほとんど駐車場や集合住宅になってしまいましたが、集落だけが残っている感じでした。

 小さなお寺を見つけ、江戸時代の墓石がけっこう残っていて、わが国の歴史は連綿と続いているのだと、実感させられました。

 こうして日曜日に小さな散歩を楽しめるとは、ありがたいことです。

 思えば精神障害発症時は、1日のうち23時間くらい寝ていましたっけ。
 飯を食う時と風呂に入る時以外、ずっと眠っていました。
 不思議なくらい、いくら眠っても眠り足りないのです。
 肉体の疲労は眠らなくても、ただ横になっているだけでかなり回復するそうですが、脳の疲労は眠らないと回復しないそうで、よほど脳が疲労していたものと思われます。

 当時、英国式足裏マッサージを受けたことがありますが、親指をつままれて激痛が走り、悲鳴を上げたことがあります。
 マッサージ師いわく、神経のツボだそうで、こんなに神経が疲れている人は初めてだ、と言われました。
 そりゃそうでしょうねぇ。
 精神障害で仕事を休んでいたのですから。

 今は親指を押そうがねじろうが痛くもかゆくもありません。
 その一つをもってしても、私が劇的に回復したことは明らかです。

 これからも、心穏やかに日々暮らしたいものです。

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深酒

2013年04月28日 | その他

 昨夜は千葉駅近くの居酒屋で元上司二人と同居人と私の四人で一杯やりました。
 
 一人は69歳で、すでに完全引退し、今はお寺や神社の役員をやったり、小さな畑で野菜を作ったり、お好きだというクラシック音楽を聞いたりして楽しくやっているようです。
 とくに悪いところもなく、元気いっぱいでした。
 孫が可愛いらしく、中学生の孫の話ばかり。

 もう一人は60歳で、文部科学省関連の仕事は退職し、今は某商社で単純な書類作成の仕事をしているとか。
 5年前に離婚し、現在婚活中とのこと。
 二人の息子さんは就職、結婚して最近初孫ができたそうです。
 
 別れた奥さんに未練たらたらのようで、今もよく夢に見るとか。
 元奥さんが今どこでなにをしているか、全然知らないそうで、二人の息子の結婚式にも現れなかったとか。
 親兄弟は縁を切ることが極めて困難です。
 何しろ血で結ばれていますから。

 しかし、いくら深い愛情を持っていても、どちらかが絶対に離婚すると決心した場合、夫婦の絆というものはいともたやすく壊れてしまいます。
 55歳まで、30年間も連れ添っても、壊れるときは呆気ないものです。
 この人、私たちの仲人を務めた関係で、私たちに離婚したことを言いだせず、5年も経ってそのことを知らされました。
 人生色々ですねぇ。

 で、私の実家がお寺ということで、寺の大黒たる母は顔が広いだろうから、母に良い人がいたら紹介してくれるよう頼んでほしい、と言われました。
 仲人子である私が親同然の仲人に後添えを紹介してほしいと頼まれるとは、じつに奇妙な感じですが、恩ある人ですから、母に頼んでみようと思っています。

 仲人は幼児の頃に事故で片足を無くし、しかし素直に育って公務員試験を受けて文部科学省に勤め、25歳で結婚して子供も二人でき、しばらくは順風満帆でしたが、不祥事を起こして依願退職。
 文部科学省の口利きで私学の管理職に再就職しましたが、うまくいかず、退職。
 もう一回別の私学を紹介してもらいましたが、そっちもダメ。
 さすがに3回は紹介してもらえず、片足が無いことから、障碍者枠で某商社に就職したそうです。
 波乱万丈とはこのことですねぇ。

 しかしこの人、明るく前向きで、今は仕事をこなしながら、人生の最期をともにする伴侶を求めているところだそうです。
 最近は高齢者向けの婚活パーティーや婚活サイトもありますし、さすがに60歳ともなると結婚歴が無い男より結婚経験がある男のほうが有利だと言いますから、持ち前のバイタリティーで未来を切り開いていくものと思います。

 昨夜は久しぶりに深酒してしまいました。
 二次会で千葉駅近くのホテルのバーに行ってしまったのが失敗だったかも。
 少し反省。

 

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あえての日帰り圏一泊

2013年04月27日 | 散歩・旅行

 今日から大型連休ですね。

 早くも朝から下りの高速道路は渋滞のご様子。

 ここ数年、私は5月の連休というと、日帰り圏内にあえて一泊し、近場で行ったことのない場所をふらつくのを恒例としています。
 たとえば、鎌倉、横浜、川越、大宮、川崎、八王子、国分寺など。
 一番近い所では、恵比寿に泊まったこともあります。
 たぶん私が住まいするマンション住民の中には、恵比寿よりも遠くへ通勤している人もいるのではないかと思います。
 遠くに行くのが面倒なんですよねぇ。

 軟弱者の私です。

 学生の頃は宿も取らずに格安航空券を購入し、インドやタイを2週間以上旅したこともあるというのに。
 インドでは一泊80円の宿に泊まりました。
 ドアに鍵はついておらず、売店でチェーン錠を買うのです。

 お釈迦様が悟りを開いたというブッダガヤーでは宿坊に泊まりました。
 ベッドがが竹製で、痛くて眠れなかったことも、懐かしい思い出です。
 慣れれば涼しくていいんでしょうけど。

 いろいろな人に出会いました。
 2年間も世界を放浪しているというオーストラリア人の若者、ヤク中の英国青年、ミャンマーの戦場を駆け巡ったという日本人女子学生。
 英国のヤク中青年は同性愛者で、しつこく言い寄られてまいりました。

 今では成田空港に行って出国の手続きをすることを想像しただけで疲れてしまいます。

 松尾芭蕉に憧れて遠く津軽にまで旅をしたという敬愛する与謝蕪村は、自分には旅から旅への人生は無理だと悟り、京都の小さな家でのんびりと過ごすことを選びました。
 私も与謝蕪村の籠もり居の生活に郷愁を感じるようです。

 年のせいですかねぇ。

 今年は福生駅前の東横インに5月4日、宿を取りました。
 ツインで8,900円と格安です。
 多摩湖や昭和天皇陵がある昭和記念公園、横田基地などを観るつもりです。

 自分が住まう首都圏には、まだまだ観るべきものがあるように思います。
 まずは足元を見つめないといけません。
 遠出するばかりが能ではありますまい。

 今日はこれから、かつての職場の上司二人と、私と同居人の4人で一杯やります。
 二人とも、22年前、私が新人の頃に同じ職場で薫陶を受けた恩人です。

 22年、それぞれに色々なことがありました。
 昔話を語りつつ、近況を報告しあおうと思っています。

 二人とももうお年なので、深酒になることもないでしょう。
 酒は静かに飲むべかりけり、ですからねぇ。

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クローン人間? コピペ?

2013年04月27日 | お笑い

 韓国で開かれたミスコンテストの候補者が全員同じ顔に見える、と世界中のネットで話題になっているそうです。

 ちなみに、こんな感じ。



 たしかに全員よく似ていますねぇ。

 クローン人間だとコメントする人がいたり。
 コピペにしか見えないという人がいたり。
 あるいはまた、同じ女性が髪型や服装を変えているだけだと無理目な見立てをする人も。

 韓国は整形大国として有名ですね。
 就職やお見合いなどに際して整形するのは化粧と同じなんだとか。



 儒教の国ではありますが、わが国のように親に貰った顔をいじるなんて、という考えはないようです。

 韓国の男性がすべて同じ趣味であるわけもないので、男の目を気にして、というより、同性の目を気にしているとしか思えません。

 これに比べると、わが国のAKB48とその姉妹グループの少女たちにしても、近頃破竹の勢いのももいろクローバーZにしても、まるで不揃いというか、それぞれ個性的です。

 日本人は食い物でもなんでも自然なままの風合いを残した物を好むようで、女性の見た目も少々不細工でも、持って生まれた顔で、表情豊かなほうが好まれるようです。

 八重歯を可愛らしいと言って愛でるのも日本人くらいなんだとか。

 谷崎潤一郎はことのほか八重歯を好み、あんまり歯並びが良いと便所のタイルのようにしか見えない、とまで言ってのけよりました。

 韓国の少女アイドルもよく似ていますもんねぇ。

 お国柄ですからどうでも良いのですが、世界の人々がネットで話題にするのも分かるほど、気味が悪いほど似ています。

 もし韓国人に生まれたなら、迷うことなく美容整形外科医を目指すでしょうね。
 儲かって仕方ないでしょう。

 私が日本人だからか知りませんが、いくら美女だと言っても、あんまり同じ顔ばかりじゃつまらんと思いますがねぇ。
 この世の面白さは多様性にあるのですから。

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恩人

2013年04月26日 | 仕事

 今週も地獄のように長い5日間が終わりました。

 無事5日間を通えたことに、まずは感謝。

 おまけに5日のうち、一回しか酒を飲みませんでした。
 今夜くらい飲みたくなるかと思いきや、一向に飲む気が起きず、粗末な夕飯を簡単にすませました。
 飯を食ってしまえば、もう酒は入りません。

 明日はかつての上司であり、仲人も務めてくれた恩人と会食の予定。
 就職の際面接官を務めた人で、私と同居人は同じ年に同じ職場に採用されました。
 私たちを出会わせたという意味では、本当の仲人だったのかもしれません。

 この人、新人の時の上司であり、その頃は出世街道をひた走り、日の出の勢いでしたが、ある部署にいる時部下の恨みを買い、厳密にいえば違法行為ながらどこの職場でも持っていた裏金を管理していたことを刺されて停職6か月の処分をくらい、すぐに依願退職。
 その後いくつか文部科学省の外郭団体や私学を紹介されて就職するも、どれもうまくいかず、今は某会社で細々と働いています。

 しかも奥様から愛想をつかされて5年前に離婚。

 人生は何が起こるか分かりません。

 しかしこの人、持ち前の明るさで、今も元気にしています。
 カラ元気かもしれませんが。

 ちょうど私が精神障害を発症した頃、その人はアルバイト生活を脱して某私学の財務部長に就いたばかりで、私は元上司の単身赴任のアパートを訪ね、一夜、互いの傷を舐めあいながら飲み明かしたことを思い出します。

 どういう境遇にあるにしろ、その人が私の恩人であることに変わるわけはなく、私は今も、頼りない新人だった私を厳しく鍛えてくれたことに感謝しています。
 その後、肝が据わった上司という意味では、その人以上の上司に当たったことがありません。
 ずいぶん多くの上司を見てきましたが。

 明日はその人とともに、もう一人の恩人である元上司も駆けつけてくれます。
 この人は頭が良いとは言えませんが、面倒見の良い親分肌の人情家。
 いつも私を気にかけてくれ、特に、精神障害発症のきっかけとなった国立大学の法人化に伴う混乱の前の年に定年退職したのですが、翌年度の法人化に際してもっともハードな役職に私を指名したことを後悔してくれているご様子。
 しかしそれも、私を買ってくれたがゆえ。
 そういうタイミングでその役に就いたことに感謝こそすれ、恨む気持ちなどありません。

 誰かがやらなければならないこと。
 病気にはなりましたが、同僚の誰かが苦労する姿を見るくらいなら、私が苦労したほうがマシというものです。
 
 その人は完全に引退して、町内会などの仕事に精を出しているようで、パワフルなおじいちゃんです。

 就職して22年目。
 おぎゃあと生まれた子供が大学生になってしまうほどの年月ですから、それは色々あるでしょう。

 明晩は懐かしい顔を前にして、同居人ともども、四人でしんみり飲みたいものだと思います。
 

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高度なボケ

2013年04月26日 | 社会・政治

 今朝産経新聞を見たら、一面にどーんと憲法改正の試案が掲載されていました。

 現行憲法の、特に前文は翻訳調の悪文であることは、かねてより指摘されてきたところです。
 それをこなれた日本語に直し、ツッコミどころ満載の不可思議な部分をざっくり修正しています。
 ユーモアあふれる小説で知られる作家の清水義範によれば、現行憲法は高度なボケなんだとか。

 言い得て妙とはこのことですねぇ。

 きっとツッコミが得意なお笑い芸人のみなさんにとっては、うずうずするようなボケの宝庫なんでしょうね。

 悪文と言えば、ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎が有名ですね。
 嘘か真か、まず英語で作品を書き、しかるのち翻訳しているのではないか、という疑惑がもたれているくらいです。
 で、悪文家は悪文がお好きと見えて、この人が現行憲法を擁護すること尋常ならざるものがあります。

 しょせん人間社会がうまくまわるように作られた法律に過ぎないものをまるで宗教の教典であるかのように崇めたてまつり、歴史上存在したことがなく、おそらくこれからも存在し得ないであろう善人しかいないユートピアが現行憲法によって実現し得るかのごとき幻想をお持ちだったようです。

 よほどお人がよろしいようで。

 しかるにわが国政府は、ジュネーブで開催された核拡散防止条約の会議において、核不使用の宣言への署名を拒否しました。

 わが国は唯一の被爆国であることを盾に核兵器に反対するようなポーズを見せながら、戦後一貫して核不使用や核兵器廃絶の文書への署名を拒否し続けています。

 まぁ、米国追随なんでしょうが、このたびは安倍総理が、いかなる場合にも核兵器を使用しない、という文言のうち、いかなる場合にも、に問題があると明確に理由を説明しましたね。

 それは当然のことで、わが国には米国の核兵器が存在するでしょうから(非核三原則によって表向きは存在しないことになっていますが)、いざという時それを使えないのでは、抑止力にならないと判断したのでしょう。

 わが国が置かれた地政学的な意味を考えれば当然の判断であろうと思います。

 核兵器の存在が核大国同士のガチンコ対決を阻止してきたことはまごうことなき事実。

 キューバ危機の時は米国政府もソビエト政府も本気で核戦争を覚悟したそうですが、結局、核への恐怖が戦争を回避させました。

 大国同士の戦争が起きない、核兵器が存在するがゆえの恐怖による平和がここ60年続いています。
 それは人間の愚かさを示すと同時に、理由はどうあれ平和は維持されたほうが良いということを現わしています。

 人間の限界を知ったうえで、浪漫的に政治をとらえず、醒めきった態度を保ち続けることが、政治家に求められる資質のような気がします。


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誇り

2013年04月26日 | 思想・学問

 平日の朝目覚めるたびに、今日はずる休みしてやろう、という気持ちに襲われます。
 しかしその日のスケジュールを思い起こし、泣く泣く出勤の車に乗り込むのです。
 飯を食い、酒を飲むためにはやむを得ざる仕儀というわけです。

 3回目の長期病気休暇から復職して今月末でちょうど丸3年。
 欲深な私は、給料を守るために、ただ隠忍自重の日々を重ねてきました。
 しかしこの3年間を思い起こしてみると、私は傲慢なまでに、おのれ独りの事務処理能力に恃み、困難に出会って泣きたい時も、平気なふりをして、世界一気楽な仕事をしているかのような顔でやせ我慢を続け、すると不思議なことに問題は解決していったのでした。

 安倍自民党も維新の会も、判で押したように教育改革の必要性を訴えます。
 それは学校教育のことで、じつは最も重要な教育は家庭で行われます。
 特に学齢期にいたるまでの幼児教育は、子供の将来を左右する重大なものです。

 私には子供がありませんが、平たく言って、父親の役割はシンプルなものだろうと思っています。
 まず、子供を子供としてではなく、小さな大人として、一人前の人間として尊重することです。
 さらに、子供を、世界で最も重要な人物だと遇して、子供に限りない誇りを持って生きられるように導くことです。

 人というもの、他人から高い評価を受けることが、生きがいにつながるものと思います。

 長い人生の最初の最初に、子供から見れば世界の全ての価値観を体現している父親が、子供を認め、尊重することで、子供は限りない誇りを持つことができ、幼児の頃に培った限りない誇りは、その後いかなる挫折に会おうとも、揺らぐことはありません。

 かく言う私も、今は亡き父から、限りない誇りを持って、おのれ独りの信念に忠実に、孤独な人生を生き抜くことを教え込まれました。

 それは言葉によるものではなく、父が私に接する態度や、時には目上の相手に対しても激しい口論を厭わない信念を曲げない生き方から、間接的に学んだものです。

 私はそのことを、深く感謝しています。
 そうでなければ、度重なる私を襲う精神上の問題に押しつぶされ、私は廃人同様になっていたことでしょう。
 しかし私は長期の病気休暇の最中にあっても、限りない誇りと自信を失うことなく、自助グループに通ったり、リワーク・プログラムに通ったりして、捲土重来を期し、今のところそれはうまくいっています。

 子供がいない私が言っても説得力はないかもしれませんが、世の親たち、わけても父親の皆様におかれましては、どうか問題児であろうともどこまでも子供の人格を尊重し、子供が誇り高く生きられるように導いていただきたいと思います。

 私は、誰もが世界一偉いかのような顔をして生きられる世の中を夢想しています。

 おのれ独りを尊重できないようでは、他人を尊重することなどできません。
 おのれが重要人物だと思えばこそ、他人もまた、それぞれ重要人物だと気付くだろうからです。

 わが国には謙譲の美徳というものがあります。
 しかし謙譲というのは、何も卑屈になることではなく、謙譲という手法によって、他人を尊重することだろうと思います。

 何よりも、おのれ独りが、限りない高い誇りを保つことが重要であり、私は誇り高い人を尊敬します。

 滅多やたらに自己卑下するような人は、気持ち悪くて仕方ありません。 

 おのれ独りを恃んで、誇り高く生きることが、幸福への近道であり、それには何より家庭での幼児教育が重要でありましょう。

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独り酒

2013年04月25日 | 文学

  昨夜はわずか3時間の残業で疲労困憊してしまい、帰るなり風呂にも入らず、晩飯も食わずに寝てしまいました。

 おかげで今朝は5時にぱっちりと目を覚まし、絶好調でした。
 ここ数日、忙しい日が続き、気が付いたら三日連続で晩酌をやりませんでした。
 あんまり疲れると酒を飲む気が失せるのですよねぇ。

 今日は日中、絶好調で仕事をこなし、はかどりました。
 おかげで今日は定時で帰り、ひとっ風呂浴びて三日ぶりの晩酌を楽しんでいます。

 飲まない夜には爽やかな喜びが、一杯やる夜には強烈なアルコールによる快感と背徳の喜びがあります。
 どちらもそれぞれに気分が良いものですが、朝のことを考えると飲まないほうがよろしいようです。
 そうと知っていて性懲りもなくまた一杯やっている私は、よほどの愚か者と見えます。

 わが国の料理は、懐石など、酒飲み用にできていて、下戸が酒席に出るのはさぞかし辛かろうと思います。
 そういう意味では、私のような酒飲みにとっては、へヴィな料理が出ず、全体の量も少ない懐石はありがたいものです。

 古来、わが国では、花や月、雪などを、季節感を込めて詩歌に詠んできましたね。
 そしてそれ以上に、酒を詠んだ和歌や俳句は枚挙にいとまがありません。

 松尾芭蕉などは、求道者のイメージが強く、酒の句とは無縁のような印象を持たれがちですが、じつは結構酒に関する句を詠んでいます。
 思いつくまま挙げてみるとしますか。

 椹や花 なき蝶の 世捨酒

 これは単純な酒賛歌とは正反対のものですねぇ。
 蝶が花が無くなったサワラで蜜を吸っているのは、世を捨てる=仏門に入るというわけで、世捨て酒とは、世俗の生活を離れようという覚悟を示しているというわけで、酒を詠んでさえその求道的精神が現れてしまうあたり、芭蕉の面目躍如といったところでしょうか。
 鑑賞する者を挑発するような趣があって、ちょっと鼻につきますねぇ。

 酒のめば いとど寝られぬ 夜の雪

 雪の夜、独り雪見酒としゃれ込んでみたものの、どこか寂しくて眠れないというわけで、世を捨てたと格好をつけてみたものの、なんとなく人恋しいという、直接的な心境を詠んでいます。
 芭蕉も人の子であったかと、ちょっと安心。

 月花も なくて酒のむ 独り哉

 これは巧いですねぇ。
 月と花と言えば、日本人の美意識の源泉。
 花見も月見も酒が付き物。
 その花も月も無いのに独り酒を飲む、その寂しさ侘しさが、痛いほど胸に突き刺さります。
 今、一杯やりながらこの記事を書いている私の心境そのものですねぇ。

 芭蕉Good Job!

 一般に、俳人は歌人と比較してあまり酒を詠みません。
 私が最も敬愛する郷愁の俳人、与謝蕪村もこれといって酒を詠んだ句に見るべきものはありません。
 だからこそ、芭蕉が残した酒の句は貴重だと言えるでしょう。

 気の合う飲み仲間と飲む酒は楽しいものですが、私は何より、独り静かに飲む酒を好みます。
 きっと私はわずかな気晴らしのための独り酒が原因で命を落とすのでしょうねぇ。
 酒飲みに生まれた者の宿命というべきで、それで命を縮めても構わないと思ってしまう、誠に愚かな酒飲みの私なのです。

芭蕉全句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
雲英 末雄,佐藤 勝明
角川学芸出版



芭蕉入門 (講談社学術文庫 122)
井本 農一
講談社


 

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慰霊

2013年04月25日 | 社会・政治

 近頃、またぞろ政治家が靖国神社を参拝しただの、総理大臣が真榊を捧げたのと、中国・韓国が騒いでいますね。
 それに対し、今までの総理大臣と異なり、安倍総理が信教の自由を盾に強気に出ているせいで、今までに輪をかけて妄言だなどと大げさに騒いでいますね。

 嫌になっちゃいますねぇ。

 国のために命を落とした英霊に感謝の誠を捧げるのは万国共通。
 たまたまわが国は伝統に従って神社という形を取っているだけのこと。

 ただし、靖国神社は自然発生的に生まれた神社ではなく、明治政府が神道を国家のために利用したという生まれの悪さがあることは間違いないところではあります。

 しかし、それも今となっては国家神道とは無縁になり、多くの国民が靖国神社や護国神社に詣でて英霊を慰めるのが慣例になっています。
 それを外国がガタガタ言うのはお節介というものです。

 私自身は、英霊のたましいを鎮めるのに形に拘ってはいません。
 それは寺社仏閣に出向かなくても出来ることだと思います。
 家庭でも、職場でも、極端な話便所でも、その心が誠であれば問題ありません。

 しかし、世の中は形を重んじることもまた事実。
 例えば冠婚葬祭などで礼服を着るという形式は、無駄に思えてもじつは重要なことです。
 衣服はTPOに応じて変えるのが大人の常識です。

 したがって、靖国神社や護国神社にお参りするという形式を重視する人の気持ちも分かります。
 いかにも慰霊を行った、という気分になるのでしょうね。

 不思議なのは1980年代以前には、総理大臣が靖国神社にお参りしても、中韓もわが国のおかしげなマスコミもなんら問題視していなかったこと。
 なぜ突然問題視されるようになったのでしょうね。
 
 A級戦犯合祀がそのきっかけとなったという説がありますが、厳密にはその直後から騒ぎ始めたというわけではありません。

 それに、A級戦犯とは言いますが、東京裁判は連合国が事後法で裁いた一種の復讐裁判に過ぎません。

 事後法など、法律の素人でも反則だろうと突っ込みたくなります。

 だからこそ、インドのパール判事は連合国の裁判官の中でA級戦犯を事後法で裁くことに反対し、ただ独り、全員無罪の少数意見を主張し、罷免されたわけです。

 連合国が去って独立を回復するや、わが国会はすべての戦犯の名誉回復を全会一致で行いました。

 A級戦犯に罪があるとすれば、それは戦争指導を誤り、わが国を敗戦に追いやったことだけで、それは諸外国に対する罪ではなく、総力戦を全力で戦ったわが国民に対する罪であるに違いありません。

 英霊に感謝の誠を捧げるという国家として当たり前の行為が国際問題になってしまうのは、わが国にとっても、中韓にとっても不幸なことです。

 精神上の問題は、静かに、それぞれの思想信条に従って行うとともに、他人の思想信条ややり方を尊重してもらいたいと願ってやみません。

 まぁ、中韓のヒステリックな抗議には、まともに相手にせず、放置するしかないでしょうねぇ。
 何しろあまりに感情的で、まともな大人のやることではないですから。


パール判事の日本無罪論 (小学館文庫)
田中 正明
小学館



パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義
中島 岳志
白水社


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