ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

定年前

2013年12月11日 | 仕事

 振替休日の夜、性懲りも無くウィスキーで意識の変容を楽しんでいます。

 私は全くアルコールによる快感に弱いらしく、このままいけば酒で死ぬんでしょうねぇ。

 昨日、かつて私の上司だった人が定年を3か月残して12月いっぱいで退職するという話を聞きました。

 痛ましいですねぇ。

 小泉改革により、文部科学省所管の大学や研究機関が法人化した最初の年、平成16年に先輩と私はそろって某国立大学本部事務局の契約担当を命じられたのでした。

 私は各学部事務部の契約担当からのほとんど喧嘩腰の問い合わせやクレームに必死で耐え、乗り切ったものの、翌年にはエネルギーを使い果たし、うつ病と診断され、長い病気休暇に入りました。

 時を同じくして、上司は胃がんを発病。

 病気は違えど、おそらく原因は、組織を大きく変革する時に中枢的な席に座っていたためのストレスだと思われます。

 その上司はフットワークも軽く、真面目に物事を考える性格ゆえ、肉体をやられたものと想像します。

 それにしても思うのは、運不運ということです。

 さしたる能力も無いのにタイミングが良いんだかめぐり合わせなんだか、出世していく人もいれば、このたび定年を待たずに退職する人もいます。

 彼我に能力差があるとは思えません。

 それならなおさら、現役における出世など、じつに馬鹿げたことに感じます。
 キャリア官僚ならいざ知らず、私たちノン・キャリアは、定年を迎えればそれでおしまいです。
 少々出世したからと言って、どれほどのこともありません。

 それよりも、自分独りにとっての幸福とは何かを考えるべきでしょうねぇ。

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昼寝のちソリッド・シチュエーション

2013年12月11日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は日曜出勤の振替でお休み。
 ずいぶん寝ちゃいました。

 7時半に起きて朝飯を食ったら、またベッドへ。
 お昼近くまで眠り続けました。

 昼飯を食ってリビングで横になっていたら、また睡魔に襲われました。
 
 結局ほとんど寝て過ごしてしまいました。

 お疲れのようです。

 かねて借りていたDVDを夕方鑑賞しました。

 近頃流行りのソリッド・シチュエーションスリラー。
 見飽きた感じもありますが、今回はきっついゲームを飛行機で行うというまさに逃げ場の無い作品でした。

 「クエスチョン」です。

 英国の巨大SNS企業、オールトゥギャザー社が、自社に登録する多くの者から、抽選で4名をニューヨーク旅行に招待します。
 当選者にはリムジンの迎えが来て、空港ではVIP用の待合室が用意され、超豪華なプライベート・ジェットで6時間の空の旅を楽しむのです。

 その間、彼らにはゲームが課せられます。

 当初はお遊び程度に考えていた4人。
 しかし、SNSならではの、彼らの閲覧履歴やアップロードした内容などから、彼らの内面をえぐるような質問を投げかけてきます。

 ゲームに敗れた者には課題が課せられ、それが達成できない場合、肉親が殺害されてしまいます。
 しかも肉親が監禁され、殺される瞬間を、ライブで見せつけられるのです。

 飛行機内という逃げ場の無い空間というのが新しいですが、オチは平凡なものです。

 最初のテロップで、実話に基づく、なんて出てきますが、嘘でしょうねぇ。

 こんな大事件が起きれば、世界を席巻するでしょうから。

 この手の映画もそろそろ限界のような気がします。


クエスチョン [DVD]
スカーレット・アリス・ジョンソン,ジャック・ゴードン,マイケル・ジブソン,エレン・リース
アメイジングD.C.

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追悼 コリン・ウィルソン先生

2013年12月11日 | 思想・学問

 昨日の新聞、死亡欄に、小さくコリン・ウィルソン先生が逝去された旨を伝える記事が掲載されていました。
 享年82。

 私は小さな記事を見つけて、衝撃を受けました。

 その死よりも、扱いの小ささに。

 私にとっては高校から大学にかけて、最も興味深く読んだ思想家の一人だったからです。

 先生は貧しい家庭に生まれ育ち、中学卒業と同時に工場労働者となります。
 しかし、ほどなく職を辞し、大英博物館に通いつめて思いのたけを執筆。
 この間、野宿生活を送っていたと伝えられます。

 実存主義哲学に基づき、社会の常識の中で生きることが出来ず、社会秩序の外に身を置く芸術家らを取り上げた「アウトサイダー」が大ヒット。
 
 後に怒れる若者たちを生み出すきっかけになったとも言われています。

アウトサイダー(上) (中公文庫)
中村 保男
中央公論新社



アウトサイダー(下) (中公文庫)
中村 保男
中央公論新社

 以来、先生は様ざまなジャンルに興味を示し、多くの評論、小説を手がけました。

 先生は正統的なアカデミズムの世界に身を置いた経験が無いことから、いわゆる正統な学者からは蛇蝎の如く嫌われていましたが、そんなことは関係なく、興味の赴くままに、オカルト研究や心理学研究、右脳の研究、殺人鬼の研究などを繰り広げました。

 タイトルの付け方も秀逸で、例えば右脳研究では「右脳の冒険」・「フランケンシュタインの城」などがあり、わくわくしながら読んだものです。

フランケンシュタインの城―意識のメカニズム (Mind books)
Colin Wilson,中村 保男
平河出版社



右脳の冒険―内宇宙への道 (Mind books)
コリン・ウィルソン,中村 保男,Colin Wilson
平河出版社

 人間の能力の限界と可能性を探った、「サイキック」

サイキック―人体に潜む超常能力の探究と超感覚的世界
梶元 靖子,コリン ウィルソン,Colin Wilson
三笠書房

 また、心理学者のマズローと親交が深く、その影響か、心理学的なアプローチで人間の幸福を論じた「至高体験」など、じつにエキサイティングな作品群でした。

至高体験―自己実現のための心理学 (河出文庫)
Colin Wilson,由良 君美,四方田 犬彦
河出書房新社

 特に「至高体験」は、今や臨床心理士などメンタルヘルスに携わる人には必読の書と言っても過言ではありません。

 昨夜は20数年ぶりに古ぼけた「フランケンシュタインの城」「右脳の冒険」などを読み返し、先生が求め続けた人体の謎、脳の謎、幸福感はどこからくるか、などを考えさせられました。

 心からご冥福をお祈りします。

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