ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

絶対的孤独

2013年12月18日 | 精神障害

 精神障害発症からおよそ10年。

 当初うつ病と診断され、その後双極性障害に変わりました。

 通院服薬、自助グループへの参加、千葉障害者職業センターでのリワーク・プログラム参加など、使える物はなんでも使い、ようやっと、ここ4年ばかりは薬を飲みながらもフルタイムでの仕事をつづけ、完治に至ったのかなと、思っています。

 しかしこの病気は再発が極めて多いため、油断はなりません。

 症状がきつかった頃、求めていた境地に今、達したのだと思いますが、何かがおかしいと感じます。

 平たく言えば、それほど嬉しくないというか。

 考えてみれば、ずっと健康であり続けている人であっても、何らかの悩みや苦しみを抱えて生きているはずで、精神障害を克服したと言っても、それら当たり前の悩みや苦しみから逃れられるはずもありません。

 私の今の正直な気持ちは、なぜかここまで、生きてきちゃった、といったところでしょうか。

 ああしてこうしてこうなった、ということは自分が一番よく分かっているつもりです。

 そしてまた、私はどうしても、私独りで、孤独な戦いの末に今に至った、という傲慢な思いを捨てられません。

 もちろん、主治医や、リワーク・プログラムや自助グループの仲間、また、両親や兄弟、そして何より同居人の忍耐強い見守りと援助が重要な要素であったことは間違いありません。

 しかしそうであっても、結局のところ、精神障害のような極めて個人的な精神上の事情が影響する病においては、当事者が七転八倒の苦しみの末、自らの治りたい、という強い意志がなければ、なかなか良くならないのではないかと思います。

 身体の病気とは、そこが根本的に異なるものと感じます。

 そういう意味では、私はこの10年、同居人と旅行に行ったり、親類との宴会に出たり、職場で仕事をしたりしてきましたが、おのれの精神の闇とでもいうべきものが、現実社会との間に、うっすらとした幕とでも言い様がないものを作り出し、その薄い幕ごしにしか、私は社会とも、人とも接することが出来ず、要するに世界に私独りしか人間は存在しない、という思いを抱き続けざるを得ませんでした。

 これはなかなかしんどいことです。

 恋に陥ると、世界に人間は恋人と自分の二人しかいない、という感覚に陥りますね。
 この感覚は、男女問わずほとんどの人が一度は経験したことがあるのではないかと思います。

 そういうロマンティックな、生殖のためだかなんだか知りませんが、脳が見せる普遍的な幻想のような感覚とは、全く異なる絶対的孤独感とでもいうべきものが、私を襲い、ほぼ完治したと思っている今も抜けがたくそれは在るのです。

 この感覚は、おそらく精神障害者特有のものではありますまい。

 なんとなれば、思春期の少年少女は、多かれ少なかれそういった感覚に捕らわれるものだからです。

 そうなると、精神障害というもの、人間が根源的に持っている孤独感を炙り出すという作用を持っているように思えてなりません。

 精神医学は高度に進歩し、眠れなければ睡眠導入剤、落ち込めば抗うつ薬、不安なら抗不安薬、幻覚や幻聴があれば統合失調症の薬が処方され、多くの精神障害者を救ってきたのは事実です。

 しかしそれらの薬はいずれも対症療法であって、根本的に人間精神の不調を治癒せしめる力はありません。

 私はこれから、精神医学の限界を知りつつもそれに頼り、しかもおのれ独りの孤独な戦いを不断に続けることしか、生きていく方法が見当たりません。

 ほぼ完治した今こそ、勝って兜の緒を締めよ、という気分ですねぇ。

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青春ゾンビ物

2013年12月18日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 午前中、床屋に散髪に行きました。
 行きつけの床屋ですが、平日の昼間に行くと、必ず「お休みですか?」と聞いてくるのが小癪な野郎です。

 午後もDVD鑑賞。

 本日の2本目は、「デッドガール」です。

 一種のゾンビ映画なのですが、一般的なそれとは大分趣きを異にしています。

 冴えない高校生のTJとリッキー。
 2人は幼馴染で、いつもつるんでいます。

 ある日、2人は授業をさぼって閉鎖された精神病院にもぐりこみ、大量のビールを喰らって手当たりしだいに窓を割ったり、器具を破壊したり。
 このあたりはよくある青春の鬱屈を描いた場面。

 肝試しと称し、暗い地下へ歩みを進め、奥へ奥へと進んでいくと、信じられない光景を目にします。

 全裸の少女が、鎖で手足を拘束されてベッドに横たわっていたのです。

 最初は警察に通報しよう、なんて相談していますが、この少女、やたらと凶暴なのです。
 さらには首を絞めても銃弾を三発も撃ち込んでも、しばらくするとまた蘇って凶暴になるのです。

 これはゾンビだ、と気付かされます。

 ここから、TJとリッキーは仲違い。

 もてない2人のこと。
 全裸の少女が拘束されており、しかも生身の人間ではないと知れば、ダッチワイフ替わりにして楽しもうというのも無理からぬこと。
 


 リッキーはそれを拒絶しますが、TJはもう一人のさえない友人を誘って、毎日、ゾンビ少女を犯して楽しんでいます。

 ついには学校にも来なくなるTJ。

 TJの欲望はエスカレートして、ゾンビに噛まれればゾンビになるはずだからと、完璧な女を拉致してゾンビ少女に噛ませ、色々なゾンビ女を楽しもうと企みます。

 ついに、リッキーが小学生の頃から片思いを続けている美少女の目につけます。
 それを阻止しようとするリッキー。

 しかししょせん、リッキーも色欲旺盛な男子高校生だった、というお話。

 リッキーの切ない恋心や、冷たい少女との葛藤が描かれ、さらには家庭環境に恵まれず、さえない3人の少年たちの青春群像が描かれ、ゾンビ物だということを忘れてしまいそうです。

 そもそもなんで閉鎖された精神病院の地下深くにゾンビ少女が拘束されていたのか、彼女は何者なのか、いつから拘束されているのか、最後まで明らかにはされません。

 一風変わった作りになっています。

 発想は面白いにしてもストーリーが単調で、104分という尺は長すぎたように感じました。

 もう一ひねり欲しかったところです。

デッドガール [DVD]
シャイロー・フェルナンデス,ノア・セガン,ジェニー・スペイン,キャンディス・アッコラ
ビクターエンタテインメント

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パラノーマル・リアリティ

2013年12月18日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 今日は年休消化のためお休み。

 早速DVDを鑑賞しました。

 「パラノーマル・リアリティ」です。

パラノーマル・リアリティ [DVD]
ジェニファー・ロビン・ジェイコブス
アルバトロス

 45年前に看護師7人をレイプの上殺害するという事件が起き、犯人が処刑されて後、そこに犯人の悪霊が住むと言われる廃墟となった病院に、テレビ番組の取材班が訪れますが、全員行方不明に。
 警察が捜査した結果発見された映像です、というふれこみ。

 これ、名作「グレイヴ・エンカウンターズ」のまんまぱくりです。

グレイヴ・エンカウンターズ【DVD】
ザ・ヴィシャス・ブラザーズ,ショーン・エンジェルスキー,コリン・ミニハン,スチュアート・オルティス,マーク・ネクテル,スティーブ・シールズ
アルバトロス

 

グレイヴ・エンカウンターズ【Blu-ray】
ザ・ヴィシャス・ブラザーズ,ショーン・エンジェルスキー,コリン・ミニハン,スチュアート・オルティス,マーク・ネクテル,スティーブ・シールズ
アルバトロス


 しかも「グレイヴ・エンカウンターズ」の息をもつかせぬ演出とはほど遠い、冗漫な作りになっています。



 強いて言えば、タイトルどおり、リアリティがあるというか、悪霊の姿が見えない点、そもそもそれがかつての強姦殺人犯の悪霊なのか、それとも全く関係ない何か禍々しいものなのかすら不明のまま、テレビ・クルーは次々と惨殺されていくのです。

 しかしホラー映画はそもそも嘘くさいもの。

 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の大ヒット以来、POVの手法は低予算である程度稼げるということで、作られすぎたように思います。



 たくさん製作されれば良いものもあれば悪いものもあります。

 しかしこの手法は映画としては邪道。

 もっと堂々と、むしろ嘘くささを売りにしながら、それでいて背筋も凍る恐怖と映像美を追求したホラー映画が観たいものです。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト デラックス版 [DVD]
ヘザー・ドナヒュー
クロックワークス

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