新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

角野隼斗全国ツアー2023

2023年02月18日 | 音楽
昨日、三度目の正直でやっと角野さんのリサイタルを生で聴くことができました。前回のオルソップ指揮・ショパンのコンチェルト第1が聴けなかったことは今でも悔しい思いです。

今回は新しいタイプのリサイタル。グランドピアノとアップライトピアノが向かい合って置かれています。
2階の真っ正面の席が取れて、2台のピアノの手の動きがバッチリ見えます。
写真はアンコールの「きらきら星変奏曲」の時だけ許可されたスマホタイムで撮ったもの。30秒なら動画もOK、インスタグラムもOKでした。「スマホに気をとられていたら、最後の拍手ができないのでスマホは早く切り上げて。拍手がないと寂しいので」とトークにも余裕が出てきて、さすがツアー9回目です。

配信ではよく聴いていた前板を外したアップライト。くぐもった音色が、遠く天国から聞こえてくるような優しいけど規律がある・・・そんな幸せの音色です。曲によっては2つの椅子に体の向きを変えるのが数秒で。歌舞伎の早変わりのような・・・。
300年前のバッハの作品とカプースチンの8つのエチュードを2台のピアノで弾き分けて、クラシック音楽の新しい魅力を感じてほしいというのが、今回のツアーのコンセプト「Reimagine」、再構築するということだそうです。これは第2部の話。

面白かったのは、ピアノの後ろに4つのスタンドライトが置かれ、右から1、2、4、8の数字を意味し、「作品14番」だったら(8+4+2)で左3つのライトが点灯するというアイディアで、カプースチンの演目が分かりやすいようにようになっています。さすが理系。音楽にも2進法が取り入れられた・・・。

1部ではよく耳にするバッハのインヴェンション、主よ人の望みの喜びよ、パルティータなど静かなメロディーが流れました。ラモーもグルダも。
アンコールが英雄ポロネーズ、きらきら星変奏曲。ショパンコンクールを彷彿とさせるいつもの角野さんを見た気がしました。

シンフォニーホールの収容人数は1800人弱。満席でした。入場の列もドアからはみ出して外の公園にまで続きます。トイレも会場入り口にまで列ができました。グッズ販売も長蛇の列。よくぞチケットが取れたもんだと胸をなでおろしたものです。
客層が若く女性が多いだけにマナーがよく、場内のライトが消え、いよいよ始まるというときの吸い込まれそうなほどの静寂。ここからもうコンサートが始まっています。こんなライブならではの緊張感が好きです。

7時開始の夜のコンサートは帰りが心細い・・・。乗り換えなしのバスを少し待って10時過ぎには家にたどり着きました。これから日が長くなるので先行予約でほかの公演チケットも取っています。コロナからの出口が見えてようやっと・・・。楽しみにしています。


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