ブリュッセルからバスで北西に約1時間、中世の町ゲントにつきました。16世紀はパリに次ぐ大都市にまでなったとか。街の中心マルクト広場に面して、【世界遺産】91mの鐘楼、聖バーフ教会、聖ニクラウス教会があります。
聖バーフ教会には、ファン・アイク兄弟の三連祭壇画『神秘の子羊』があります。
15世紀フランドル絵画の最高傑作といわれ、乾燥油地に水彩絵具で緻密に描かれていて全く色あせていません。3回の戦争をくぐりぬけてきたゲントの至宝といわれています。
ここに来て初めてその絵の存在と素晴らしさを知りました。今度の旅の収穫の一つです。
ゲントも水の都。交易と毛織物で発展した街です。 運河の両側にはゲントの繁栄を象徴している壮麗なギルドハウスが立ち並び、往時の豊かさを今に伝えています。
階段状の破風が美しい家がぎっしりと並らび、それが川面に反映するさまは、画家ならずとも誰もが心を動かされるところです。中世の繁栄と人の営みががしのばれました。
昼食はベルギーの名物ワーテルズーイ。チキンをクリームで煮込んだもので、シチューみたいなものですが、味はあっさりしてとても美味しかったです。
ここはカール5世の誕生の地でもあり、16世紀には彼の庇護のもとでパリに次ぐ大都市となったということで、※「Charles Quint」つまりカール5世の名のビールがあります。取っ手が4つもある陶器のカップで出てきます。濃い色で、ちょっと甘みのあるビールで、アルコール度数は7~9%ぐらい。かなり強いです。
日本では数センチの泡も、ベルギーではあまり泡は立っていません。
昼食のあとは【世界遺産】ブリュージュ旧市街へ。ここだけは晴れてほしかったけどやっぱり小雨。
水と緑のしっとりと趣のある中世が残った街です。後方に見える15世紀の鐘楼は66mの高さ。
石畳の道をかなりあるいて聖母マリア教会へ。
ここにはミケランジェロの美しい彫刻『聖母マリア像』があります。サン・ピエトロ大聖堂の『ピエタ』を彷彿とさせる憂いのあるマリアの表情に釘付けになりました。イタリア人のためにしか彫刻しなかった彼が、唯一国外に残した彫刻だとか。ステンドグラスも見事でした。
マルクト広場を囲んで、州庁舎、市庁舎、聖血礼拝堂、それにお土産店があります。傘を畳んだり開いたりの鬱陶しさ。冷たさがつま先にしみます。それでもチョコレートのレオニダスのお店に直行してゲット!
ツアーディレクターさんが言うには、レオニダスはベルギーでは普通のチョコレート。それが銀座に華々しくオープンしたときはびっくりしたとか。日本では高級品になっているようです。
写真はマルクト広場の州庁舎です。広場には必ずと言っていいほどクリスマス・マーケットが設営されています。お店も同じサイズ・デザイン・色で統一されており、景観重視にはやはり古都のプライドがあるのでしょうか。
今回の旅は、夕食は全部各自自由食。ホテルに着いたのが7時ごろだったので、ホテルで夕食をとりました。
歩きに歩いた今日はお腹もぺこぺこ。ベルギービールが胃にしみわたり、柔らかく煮込んだラム肉でお腹を満たしました。ここにもジャガイモが・・・。
フライドポテトはアメリカでなく、ここが発祥の地だそうです。写真の彫刻みたいな奇妙な看板をあちこちで見かけました。そういえば昼食の時も、付け合わせに必ずフライドポテトが乗っかっていました。
今日の収穫はやはり『神秘の子羊』と『聖母マリア像』でした!
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※Charles Quint の4つの取っ手のカップの由来(ベルギー観光局)
アントワープから東へ約30km。オーレンの町で、カール5世はあるインに立ち寄り、そこのレストランでビールを注文した。宿屋の主人が大ジョッキの取っ手を持って渡そうとしたためジョッキを受け取ることができなかった。そこで、カールは主人に金のコインを与え、これを使ってもう一つ取っ手をつけるように指示。主人は早速それに従った。しかしながら、またしてもカールは大ジョッキを受け取るこができなかった。というのも、主人今度は両方の取っ手を持ってしまったから。それならと、もう1枚の金のコインで3つ目の取っ手を取り付けた。しかし、今度は主人が3つ目の取っ手を自分の体に向けた状態でカールにジョッキを差し出してしまったため、結局カールは最後までジョッキを受け取れなかった。
この日からこのインは「3つの取っ手が付いたジョッキ」で有名になり、オーレンにはこのジョッキを形どった泉がある。
でも、実際には4つの取っ手が付いていました。ということは3度目も受け取れず、またしてももう1枚の金貨で4つ目の取っ手をつくったということでしょか・・・???
取っ手が4つの専用カップ、こちらも初めて、でも、どうしてこの形なのでしょう。造形として安定するのでしょうか。
ジャガイモが発見されて西洋に渡ってよかったですよ。これで多くの方が食を満たしているでしょう。いくら肉食の国でも、栄養学的にもジャガイモは最高でしょう。
水の豊富な日本でも、こんな風に水と建物が馴染んでいる所はそんなにはないと
思います。石造りの建物という理由もあるのでしょうか?
ビールのカップ、私も同じ疑問でした。
けしてデザイン的に美しいものでもないし・・・。
他とちょっと違うというところに価値があるのかもしれませんね(o^^o)ふふっ♪
「な~んだ・・・」というくらいのことですが、そこに王が登場してくると
重みが出てきます。
描けないまでも、私も水には心惹かれます。
水面に映る対称の影と光。
この美しさはどこに行っても同じですね。
ももりさんのブログでトイレのことを読んで思わず吹き出しましたよ。
私はお腹は大丈夫だけど、もっとも気をつけるところです。
以前うがいをした水で、お腹が「大当たり」…ということを聞いたので。
日本はいい国ですね~!!
オランダ、ベルギーはお勧めですよ!
「死の街ブリュージュ」もちょっと気になる本でした。
NHKドキュメント「ハプスブルグ帝国」で、マクシミリアン1世がブルゴーニュのマリアと結婚し、その場所がブリュージュで、そこでの経験がのちの帝国の発展につながったことを見ていたので、わくわくしていました。
でも、ガイドさんの説明には交易で発展した街のことが多くて、期待どおりの追跡はできませんでした。
ミケランジェロの美しい彫刻。システィーナのピエタと同じ顔立ちで、きっと彼の理想の女性像だったのかもしれませんね。