新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話』文春文庫

2020年09月03日 | 本・新聞小説
今、凄い音を出して風が吹いています。台風9号。暴風雨圏の端っこですが風速が凄い。それでも少しずつ北の方に遠ざかるのが感じられます。日本列島は間断なく襲ってくる天災の通り道、いじめぬかれている感じがします。
台風の真夜中、ゴミ収集車の音がしています。ゴミを出したら吹き飛ぶと思って控えていましたが、きちんと定刻にきています。責任感の強さ、本当にご苦労様です。

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コロナ禍の不自由な生活には本は絶対に必要だろうと、37℃の猛暑の中、友人がどっさりの本を届けてくれました。
今度会うときにでもと言ったけど、近くの美容院に来たからと立ち寄ってくれたのです。外は今年最高という37℃で注意報が出るほどの猛暑でした。

面白かったからと届けられた、彼女の誠意と愛にコーティングされた本は11冊です。

私の知らない作家ですが、著作数が多くドラマにもなったようです。
1800年頃の江戸の時代物。一話ずつ読み切りになっていて、読み出したら面白くて止められないので睡眠不足になりそうです。
○○町、○○橋、○○寺と固有名詞が沢山出てくるので、ネットでその時代の古地図を探し出しました。16分割された白い地図をクリックすると、その部分の詳細な色付けされた地図が出てきます。こんな詳細な地図が江戸の世にあったことに驚きました。
プリントアウトしたA4地図6枚を、ちまちまとつなぎ合わせるのはなかなかの作業でした。
頭の中に江戸の町を行き交う町民の図ができて楽しさが倍・倍増です。

縮尺図も表示されてるので、距離も分かるし、出てきた町名にマーカーで印をつけていくと、登場人物の後ろからついていくようなリアル感が出ます。
登場するのは上層の武士でなく与力、同心で、主人公は髪結いでありながら、同心の下で小者として活躍する伊三次と妻・深川芸者お文、彼らを取り巻く江戸町民、それらの人情溢れる話です。
歴史小説でなく、時代小説は本屋では自分から手にすることはない分野でしたが、昨年からいわば「お仕着せ」の本にたくさん出会って、面白く楽しい読書に目覚めています。食わず嫌い・・・だったのです。
自粛の期間にずーっと聞いていた志ん朝の落語と共通するところも多く、心はすっかり江戸町民です。

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