新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

積雪40センチの「銀婚湯」へ② 野天風呂

2014年02月03日 | 国内旅行記

銀婚湯の敷地内には5本の源泉がありそれぞれに成分が微妙に違います。屋内の二つの大浴場と、そこからそのまま行ける二つの露天風呂があります。

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大浴場は湯温高めでピリピリとまさに成分が肌に浸み込む感じで、これぞ温泉と実感できます。ドアを開けて外に出ると雪見の露天風呂!これはまた格別です。湯温もちょうどよくどれだけでも入っていられて、まさに癒しの湯です。雪の時期は客が少なく、かけ流しの音だけがする静寂の世界を独り占めです。

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こちらの露天風呂はまた違った光景が楽しめます。内風呂で汗をかいたら冷たい外気の露天風呂へ・・・と行ったり来たりしながら楽しみました。

ネットの口コミでも人気が高いのは敷地内の隠し湯めぐり。ここが旅館の「売り」の部分でもあるようです。「6カ所」が隠れているようですが、冬季閉鎖しているのもあります。この雪の中ではシニアにはとても無理と思っていましたが、雪原を見渡すとがぜん勇気がわいてきました。

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トチニの湯を目指していざ参らん!」と、ちょっと緊張して旅館専用の吊り橋を渡って向こう岸に移動。旅館で長靴を貸してくれます。傘を杖替わりにして、膝を曲げ前傾姿勢でそろりそろりと歩きます。

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前日に通った人が幅30センチほどの道を作ってくれています。やはり雪中に「トチニの湯」を目指した人がいたのです。「先人の足跡」がなかったらとても行けなかったでしょう。雪のない季節は10分ほどで行ける野天風呂「トチニの湯」まで、雪中では30分もかかりました。
「無人の森に向かってトボトボと孤独な老人はどこへ向かうのか・・・」と、まるで暗い映画のラストシーンみたいですね。想像をたくましくして後方でシャッターを切る私は一人クスクスクスo(^-^)o
雪の中に傘を突き刺してみると50~60センチの深さ。うっかり雪に長靴をとられると大変です。『大きなカブ』みたいに、長靴を両手で引っ張らないとなかなか抜けません。 

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やっと着きました、巨大なトチの木をくり抜いて作った「トチニの湯」。アイヌ語でトチをトチニというそうです。源泉場所に作られているので離れた所にあるわけです。3人は入れる大きさで適温。フロントで専用鍵を借りて木戸を閉めれば、ほかの人が入ってくることはありません。
質素で小さな脱衣場があり、雪の中での脱衣はちょっと寒いけど、湯船につかる楽しみが倍増します。なるほど人気が高いのが納得できます。弱アルカリのナトリウム泉は気持ちよくお肌つるつる、息子のおすすめもここでした。

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数m離れたところに奥の湯(トチニの湯)があります。こちらはぬるいのでまた元の湯に逆戻り。

部屋に戻ってコーヒータイムの後、暗くなる前に「かつらの湯」に行きました。整然と植林したかつらの林の中にあります。Img_3111

35トンの巨石を運び込んで、それをくり抜いた野天風呂には野趣と温かさがあります。巨石を運び入れる際の大変だった話も聞かせてもらいました。
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巨石ゆえにここに上がるのに階段があり、ちょうど高床式みたいになっています。脱衣場は巨木の空洞になったものをそのまま利用したものです。
一見すると薄汚く見えますが、よく見ると全部敷地内にあるもので作ってあるのがわかります。最初から設計図があるわけでなく、作りながらあれやこれやと楽しい発想をしながら出来上がっていくとのことでした。効率を求め美しさを求める近代社会が失いかけたものがここにはある気がします。手作りの人の心の温もりも。だから「秘湯」が静かな人気をよんでいるのでしょうか。

夕食はヤマブドウの食前酒から始まり、ヤマブドウのデザートで終わりました。
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