新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

知覧

2005年01月13日 | 国内旅行記

05_111chiran_020 父の三回忌を終え、母を交えて5名の1泊2日のバスツァーに出かけました。行く先は霧島温泉、知覧。知覧は「薩摩の小京都」とも呼ばれる 美しい町で、武家屋敷があり、お茶どころとしても知られているところです。でも何より有名なのは、太平洋戦争末期戦況が緊迫してついに最南端の特攻基地となり、若き勇士が国を思い父母を思い、平和を願いながら、片道分だけの燃料と爆弾を積んで敵艦を目指して、死を覚悟で飛び立った悲しい町だからなのです。
「特攻平和会館」には特攻隊員の遺影、遺品、記録、これでよく飛べると思える飛行機などが数多く展示されています。
「笑って散ろう」「今はすがすがしい気持ちでいっぱいです」 「大日本帝国のため、必ず憎き敵艦を撃沈させます」 「先立つ不孝をお許しください」 などの遺書は、母として人間として涙なくして読むことはできません。多くの特攻機は、待ち受ける敵の機銃掃射に会い目的を遂げる前に撃墜されています。写真では出撃前の穏やかな笑顔の若者でも心中は本当はどんなだったでしょう! 本来なら新しい日本をつくるべき才能を持った若人が、尊い命を自ら散らせる使命を負わされる・・・。どんなに無念だったことでしょう!個人の意思が奪い取られる、人が人を殺す・・・そんな暗い戦争の時代だったのですね。

出撃前の彼らの世話をし「お母さん」と呼ばれた鳥浜トメさんのことは、テレビなどでも取り上げられ、ドラマ以上にドラマチックで深く胸を打ちます。特攻隊員のことは、高倉健主演の映画「ホタル」や、悲しく美しい映画「月光の夏」としても製作されています。それらを含めここに残された多くの資料が、平和への思い、願いとして次の世代にも正しく受け継がれていくことを願っています。

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