『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』より アメリカ合衆国 ⇒ 米国ほど、欺瞞に満ちたものはない。民主主義という建前を適当に使っている。ルメイとかトランプなどを生み出す風土。
衆愚政治が国を亡ぼす
デマゴーゴス。
紀元前5世紀、古代ギリシア・アテネにおいて、ペリクレス将軍は古代民主政を完成させました。
しかし「完成」のあとに待つのは「崩壊」です。
彼の死後、政才もないくせに舌先三寸で民衆を扇動し、アテネを亡国へと導いた政治家がわらわらと現れ、アテネは衰亡していきます。
そうした政治家のことを「扇動政治家」といい、デマゴーゴスに導かれている政治のことを「衆愚政治」といいます。
そして、衆愚政治は「死に至る病」。
衆愚政治に入った国は、遠からず亡びることになります。
ところで、2016年のアメリカ大統領選挙は後世に語り継がれる大統領選挙となるかもしれません。
共和党の候補にD.トランプなる人物が現れたためです。
彼の発言はもうメチャクチヤです。
--メキシコ移民は麻薬と犯罪を持ち込む元凶だ。
よって、メキシコとの国境沿いにこ刀里の長城々のごとき長大な壁を築く。
その費用(1兆円前後)はメキシコに払わせる。
--9・11の際、対岸のニュージャージー州では数千人ものアラブ人が拍手喝采してその光景を称えていた(事実無根)。
--ムスリム(イスラーム教徒)の入国は全面的に禁止させる。
モスクを閉鎖させ、ムスリムの身辺調査をし、監視体制を敷く。
--イスラームとの戦いのためには拷問を復活するべき。
--「イスラーム国」(IS)には徹底的に爆撃を行う。
--白人によって殺される黒人の数よりも、黒人によって殺される市民の数の方がはるかに多い。
もうどこからツッコんでよいのやら。
たいへんに分かりやすい典型的なデマゴーゴスで、民主主義がまともに機能しているなら、けっして勝ち残るはずのない人物です。
しかし彼は、予備選を勝ち抜きました。
本書執筆時点ではまだ本選の結果が出ていませんが、こんな人物が大統領候補にまで昇りつめる時点ですでにアメリカの民主主義が〝死の病〟にあり、典型的な「衆愚政治」に陥っている証拠です。
古代アテネにおいて、「クレオン」という人物はアテネを崩壊に導いた典型的なデマゴーゴスとして歴史にその名を刻みました。
もしトランプ氏がホワイト(ウスの主となることがあれば、彼もまた「アメリカ合衆国を衰亡に導いた大統領」として歴史にその名を刻むことでしょう。
頂上から先は下りのみ
頂点に立った者はかならず亡びる。
歴史の絶対法則です。
アメリカはすでに頂点を越え、今はその下り坂を転げ落ちている最中です。
その時代の頂点に君臨するためには、どうしても「国家の特性」と「その時代の特性」をぴったりマッチさせなければなりません。
これに成功することができれば、その時代において繁栄することができ、その時代の頂点に君臨する資格を得ることができます。
しかし、時代の頂点に君臨するということは、その維持に莫大な経費を必要とするため、財政を逼迫させます。
そして、「時代」はかならず変遷しますが、国家の体制‘本質はそうそうおいそれと変えることはできません。
こうして、ひとつの時代においてその国を頂点にまで導いたシステムそのものが、時代が変わったとき、その国の足柵となって亡んでいくことになるのです。
アメリカの場合、その建国事情によって、とりわけ「民主主義精神」の強烈なお国柄となりました。
それが「帝国主義段階」という時代とぴったりマッチすることで、20世紀に覇を唱えることができたのです。
しかし、「帝国主義時代」も今は昔。
時代が急速に移り変わり、「21世紀新時代」を迎えてもなお、アメリカはそれに気づくことなく、帝国主義的外交を繰り返すのみ。
時代が移り変わっても生き残る国はありますが、そうした国は新しい時代に身を合わせることができる国だけです。
アメリカのように、古い時代のやり方に固執しているようでは亡国の道をまっしぐらです。
それを証明するように、現在、アメリカ経済はすさまじい勢いで貧富の差が広がっています。
それは、1929年の世界大恐慌直前の貧富の差に匹敵するほど。すべてのベクトルが「アメリガ崩壊」を示しています。
スローガンと現実
ちなみに、テレビというものが普及して以降、衆愚の心を掴むためには、いよいよ単純で短い言葉を繰り返し繰り返し叫ぶ「スローガン」がより有効になってきました。
そこで、歴代大統領の掲げたスローガンを見ていくと、おもしろいことに気づきます。
彼らの掲げたスローガンはすべて「ないものねだり」であり、実現していないものばか
L.ジョンソン「偉大なる社会」→貧相な社会
R.ニクソン「法と秩序」 →法も秩序も崩壊している
R.レーガン「強いアメリカ」 →弱いアメリカ
B.オバマ「Change!」「Yes, We can!」→何も変わらない、何もできない
こうしてみると、滑稽なほど「現実」はスローガンと真逆です。
では、2016年大統領選挙において、D。トランプ氏はなんと叫んでいるのでしょうか。
「強いアメリカをふたたび!」
嗚呼!
衆愚政治が国を亡ぼす
デマゴーゴス。
紀元前5世紀、古代ギリシア・アテネにおいて、ペリクレス将軍は古代民主政を完成させました。
しかし「完成」のあとに待つのは「崩壊」です。
彼の死後、政才もないくせに舌先三寸で民衆を扇動し、アテネを亡国へと導いた政治家がわらわらと現れ、アテネは衰亡していきます。
そうした政治家のことを「扇動政治家」といい、デマゴーゴスに導かれている政治のことを「衆愚政治」といいます。
そして、衆愚政治は「死に至る病」。
衆愚政治に入った国は、遠からず亡びることになります。
ところで、2016年のアメリカ大統領選挙は後世に語り継がれる大統領選挙となるかもしれません。
共和党の候補にD.トランプなる人物が現れたためです。
彼の発言はもうメチャクチヤです。
--メキシコ移民は麻薬と犯罪を持ち込む元凶だ。
よって、メキシコとの国境沿いにこ刀里の長城々のごとき長大な壁を築く。
その費用(1兆円前後)はメキシコに払わせる。
--9・11の際、対岸のニュージャージー州では数千人ものアラブ人が拍手喝采してその光景を称えていた(事実無根)。
--ムスリム(イスラーム教徒)の入国は全面的に禁止させる。
モスクを閉鎖させ、ムスリムの身辺調査をし、監視体制を敷く。
--イスラームとの戦いのためには拷問を復活するべき。
--「イスラーム国」(IS)には徹底的に爆撃を行う。
--白人によって殺される黒人の数よりも、黒人によって殺される市民の数の方がはるかに多い。
もうどこからツッコんでよいのやら。
たいへんに分かりやすい典型的なデマゴーゴスで、民主主義がまともに機能しているなら、けっして勝ち残るはずのない人物です。
しかし彼は、予備選を勝ち抜きました。
本書執筆時点ではまだ本選の結果が出ていませんが、こんな人物が大統領候補にまで昇りつめる時点ですでにアメリカの民主主義が〝死の病〟にあり、典型的な「衆愚政治」に陥っている証拠です。
古代アテネにおいて、「クレオン」という人物はアテネを崩壊に導いた典型的なデマゴーゴスとして歴史にその名を刻みました。
もしトランプ氏がホワイト(ウスの主となることがあれば、彼もまた「アメリカ合衆国を衰亡に導いた大統領」として歴史にその名を刻むことでしょう。
頂上から先は下りのみ
頂点に立った者はかならず亡びる。
歴史の絶対法則です。
アメリカはすでに頂点を越え、今はその下り坂を転げ落ちている最中です。
その時代の頂点に君臨するためには、どうしても「国家の特性」と「その時代の特性」をぴったりマッチさせなければなりません。
これに成功することができれば、その時代において繁栄することができ、その時代の頂点に君臨する資格を得ることができます。
しかし、時代の頂点に君臨するということは、その維持に莫大な経費を必要とするため、財政を逼迫させます。
そして、「時代」はかならず変遷しますが、国家の体制‘本質はそうそうおいそれと変えることはできません。
こうして、ひとつの時代においてその国を頂点にまで導いたシステムそのものが、時代が変わったとき、その国の足柵となって亡んでいくことになるのです。
アメリカの場合、その建国事情によって、とりわけ「民主主義精神」の強烈なお国柄となりました。
それが「帝国主義段階」という時代とぴったりマッチすることで、20世紀に覇を唱えることができたのです。
しかし、「帝国主義時代」も今は昔。
時代が急速に移り変わり、「21世紀新時代」を迎えてもなお、アメリカはそれに気づくことなく、帝国主義的外交を繰り返すのみ。
時代が移り変わっても生き残る国はありますが、そうした国は新しい時代に身を合わせることができる国だけです。
アメリカのように、古い時代のやり方に固執しているようでは亡国の道をまっしぐらです。
それを証明するように、現在、アメリカ経済はすさまじい勢いで貧富の差が広がっています。
それは、1929年の世界大恐慌直前の貧富の差に匹敵するほど。すべてのベクトルが「アメリガ崩壊」を示しています。
スローガンと現実
ちなみに、テレビというものが普及して以降、衆愚の心を掴むためには、いよいよ単純で短い言葉を繰り返し繰り返し叫ぶ「スローガン」がより有効になってきました。
そこで、歴代大統領の掲げたスローガンを見ていくと、おもしろいことに気づきます。
彼らの掲げたスローガンはすべて「ないものねだり」であり、実現していないものばか
L.ジョンソン「偉大なる社会」→貧相な社会
R.ニクソン「法と秩序」 →法も秩序も崩壊している
R.レーガン「強いアメリカ」 →弱いアメリカ
B.オバマ「Change!」「Yes, We can!」→何も変わらない、何もできない
こうしてみると、滑稽なほど「現実」はスローガンと真逆です。
では、2016年大統領選挙において、D。トランプ氏はなんと叫んでいるのでしょうか。
「強いアメリカをふたたび!」
嗚呼!
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