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未唯への手紙

未唯への手紙

看護の継続性と情報共有 入院中の情報伝達と共有

2016年03月26日 | 5.その他
『看護学概論』より 看護の継続性と情報共有 事例でみる看護の継続性の実際 ⇒ 入院した時に、医師と看護婦間の連携の悪さでトラブルを起こしたことがある。情報共有が必要なのは、医師との間だとして、システム設計して、提案したら、ドクハラに在った。

1 入院時の情報収集とその管理

 AさんはY病院に入院し、治療を継続している。

 会社の健康管理室の看護師は救急車に同乗し、X診療所さらにはY病院まで同行して、Aさんのそばで経過を見まもった。そして、必要な情報を提供するとともに、家族への連絡が必須と判断して、緊急連絡先として登録している家族に電話し、Y病院に向かうように伝えていた。Aさんの妻は2年前に他界したため、キーパーソンとなるのは近くに居を構える長男である。長男がかけつけたときはAさんも落ち着いた様子で、病棟の担当看護師は本人と長男から入院時の情報収集を行った。

2 担当看護師問の情報伝達・共有(療養生活の24:時間をつなぐ)

 ●勤務帯がかわるときの情報伝達・共有

  病院における看護師の勤務は、日勤・準夜勤・深夜勤の3交代、もしくは日勤・夜勤の2交代となるが、患者にすれば療養生活には切れ目があるわけではなく、24時間連続したものである。そこで、看護師の勤務交代によってケアがとぎれないよう、患者の状況などの情報を次の勤務者に引き継ぐ必要がある。

  病院によって引き継ぎの方法はさまざまであるが、Y病院では経過表を用いて「申し送り」を行っている。引き継がれる情報は個々の患者の状態によって異なるが、さまざまな症状の変化、それに伴う日常生活の状況(食事内容や摂取状況、睡眠の状態、昨日行った看護ケアの内容やそれに対する愚者の反応など)、患者の心理面などについてである。この情報の伝達により、次の担当者がケアの内容・方法を調整し、より適切なケアが提供できる。

 ●看護チーム内での情報共有と看護内容の確認

  Y病院では、申し送りのあと、固定チームの日勤看護師全員(4~5人)がそのチームが受け持つ患者の病室を訪問する。一人ひとりの患者にあいさつをしながら状態を直接観察し、輸液や人工呼吸器、心電図モニターなど患者に装着されている医療機器の設定などもチーム全員で確認する。

  このようにチームの患者について情報を共有することで、チームの看護師であれば誰でも対応できるようにしている。とくに医療機器などについては、医療・看護を継続し、安全に提供するためにも、複数の目で確認するシステムは重要である。

 ●看護カンファレンス

  施設によりさまざまなよび方をされるが、ここでは「看護チームカンファレンス」としよう。カンファレンスはほぼ毎日行われ、チームで受け持つ患者について、必要な看護の方向性などを確認する。ここでは患者情報の共有だけでなく、治療方針などの今後の方向性をふまえ、焦点化すべき看護上の問題を明確化したり、それにそった看護計画を立案したり、過去に立案して実施してきた看護援助の成果について評価したりするなど、話し合われる内容はいわゆる「看護過程」のプロセスにそった内容である。

  看護チームカンファレンスでは、チームの患者全員について評価するのでなく、入院後間もなくて計画立案の必要のある患者や、立案した際に決めておいた「評価日ノにあたっている患者数名ずつについて話し合う。こうして、患者1人について何日かに1回、看護計画の立案・修正がなされることとなる。

  入院初期のAさんの場合、入院時看護計画を立案することになる。Aさんは発症直後であるため、バイタルサイン、意識レベル、麻痺などの変化について観察を行っていくことを確認した。

 ●勤務時間帯の中間でのチームにおける情報共有・確認

  勤務帯の途中の報告も重要である。とくに日勤帯においては、午前中に処置やケアが集中し、また、それらが一段落したところで日勤帯勤務の看護師も交代で休憩をとるため、中間での報告も欠かせない。患者の状態に変化はないか。ケアは予定どおり行われたかなどの情報を共有する。

  看護師も労働者であり、夜勤帯であっても休憩時間は保障されている。その場合も、担当患者の状況を報告するとともに、個々の患者に必要な観察や決められた時刻に行う看護ケアや医療処置などが円滑に行われるように、「残り番」の看護師に依頼する。

 ●施設内の部署間における情報伝達と共有

  Aさんの治療は静脈内注射であり、部署をまたいだ医療・看護の展開はなかった。しかし、たとえば、手術を受ける場合、とくに心血管系手術などの侵襲の大きい手術を受ける場合は、手術後に集中治療室intensive care unit(ICU)を経由してまた一般病棟に転棟することもめずらしくない。そのような場合も、看護情報の伝達と共有化がなされる。

  全身麻酔で開腹手術を受ける患者を想定してみよう。手術予定が組まれ、「患者名」「術式名」「入院病棟」などの情報が手術室に伝えられると、手術室看護師が情報収集を始める。手術数日前には、患者の状態を直接確認するため、手術室看護師による術前訪問が行われる。

  術前訪問は、当日にその患者(手術)を担当する看護師が訪問することが望ましい。電子カルテで病院内のどこからでも情報が閲覧できる場合は、ある程度の情報は電子カルテによって収集可能であるが、直接対面することで、より詳細な情報が得られる。たとえば、「難聴あり」との情報が電子カルテ上にあった場合、どの程度なのか、どちら側からどのように話しかければ聞こえるのかなどは直接対面しなければ知りえない情報である。また、顔を合わせていることで、手術当日、患者も安心して手術室に向かうことができる。手術室入室時は、病棟看護師から手術室看護師に対し、最新の患者の状態や行われた処置についての情報提供がなされる。この際、「術前チェックリスト」(施設により名称は異なる)などを用いて行う場合が多い。

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