毎日、1000件以上のアクセス、4000件以上の閲覧がある情報発信ブログ。花や有機農業・野菜作り、市民運動、行政訴訟など
てらまち・ねっと



 一昨日13日に、「内閣官房 国家戦略室 コスト等検証委員会」が発電コストの試算結果を公表した。
 報告書(案)やデータを走って見た。
 
 「現時点における損害額の整理表」というものが作成されているが、「約5兆円」というのはあまりに低い設定だと思う。

 だからか、「原子力発電所のコストは下限として提示する」と明記されている。

 理由は、
 「事故費用が確定していないこと、
  事故費用が確定しえたとしても、一種の保険として考える場合、事業者は十分な余裕を持って事故リスクに備えるべきである
  との考え方から、これを事故リスク費用の下限として提示することとした。」

 原発のコスト検証結果では、
 「原子力の発電コストは、割引率3%、設備利用率70%、稼動年数40年を前提とすると、1kwh当たり8.9円以上となる。
  事故費用が1兆円増加するたびに0.1円コストが上昇する。
  この8.9円/kWhはあくまで下限であり、損害額が10兆円ならば9.3円/kWh、20兆円ならば10.2円/kWhとなる
  04年試算では5.9円としていたが、社会的費用の存在になどにより、+3円/kWh以上上昇する結果となった」

 今回のコスト検証結果から導ける結論を次のように述べている。
   「原子力発電については、そのリスクを踏まえると相当程度の社会的な費用が存在する」
   「新しいエネルギーシステムの構築が、原発への依存度低減のシナリオ実現の鍵を握る」

 あまりにも当然な結論に驚いた。
 そうなのに、まだ、原発を推進したい人たちの自己矛盾に驚く。

 稼働率が70%ど上記の試算だけど、50%の場合は11円程度、10%で44円程度としている。
 「稼働率が70%」は推進したい人たちの「期待値」であって、原発は止まるもの。

 ともかく、2030年の予測では、
 「再生可能エネルギーは技術革新で30年には風力発電が最低8・8円、太陽光発電が同12・1円に下がり、
  原子力や火力のコストとほぼ同じ水準になる可能性がある」

 なお、1994年に屋根に設置したうちの太陽光発電セット。
 需要が増えれば発電パネルのコストが下がるから、その下げる一助にと、割高は当然だけど、早めの時代に踏み切った。
 17年たって、元がとれたかどうか・・・・

 今日のブログは、国の発表したデータなどにリンクし要点を抜き出しておく。
 興味がある人は、リンク先をどうぞ。

人気ブログランキング = 今、3位あたり
 ★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←

 ★パソコンは こちらをクリックしてください →→←←このワン・クリックだけで10点
● 内閣官房 国家戦略室 コスト等検証委員会
        第7回 コスト等検証委員会
1.ホーム
2.政策
3.コスト等検証委員会
4.議事次第

平成23年12月13日(火) 14:00~16:30 合同庁舎4号館 共用1208 特別会議室
議題
 1.報告書案について(討議事項)
 2.その他
配布資料
 1. コスト等検証委員会報告書(案)
  参考資料1. 各電源の諸元一覧 各電源の諸元一覧
  参考資料2. 発電コスト試算一覧 発電コスト試算一覧
  参考資料3. 各省の ポテンシャル調査の相違点の電源別整理
 2. 第6回コスト等検証委員会における御指摘事項への対応
参考資料

1. コスト等検証委員会報告書(案)
        コスト等検証委員会報告書(案) 83ページと重たい

45ページ
(図19)現時点における損害額の整理表



47ページ
(7)原子力発電所のコストは下限として提示する
損害額及び事故確率に関する検討結果を踏まえ、本委員会は、モデルプラントが苛酷事故を起こした場合の損害額を最低でも6兆円弱と見積もり、国内の原子力事業者が40年間でこれに見合う費用を積み立てるという前提で、原子力リスク費用を算定した。
この結果、事故リスク費用は1kWh当たり0.5円となった。
本委員会は、①事故費用が確定していないこと、②事故費用が確定しえたとしても、一種の保険として考える場合、事業者は十分な余裕を持って事故リスクに備えるべきであるとの考え方から、これを事故リスク費用の下限として提示することとした

48ページ から
(8)原子力発電所のコスト検証結果
原子力の発電コストは、割引率3%、設備利用率70%、稼動年数40年を前提とすると、1kwh当たり8.9円以上となる。事故費用が1兆円増加するたびに0.1円コストが上昇する。この8.9円/kWhはあくまで下限であり、損害額が10兆円ならば9.3円/kWh、20兆円ならば10.2円/kWhとなる。
04年試算では5.9円としていたが、これと比較すれば、社会的費用の存在になどにより、+3円/kWh以上(約5割以上19)上昇する結果となった。

資本費 2.5円/kWh(04年試算比 +0.2円/kWh)
運転維持費 3.1円/kWh(04年試算比 +1.0円/kWh)
核燃料サイクル費用 1.4円/kWh(04年試算比 ▲0.1円/kWh)
追加的安全対策 0.2円/kWh
政策経費 1.1円/kWh
事故リスクへの対応費用 0.5円/kWh以上



63ページ
(図36)主な電源の発電コスト
(2004年試算/2010年・2030年モデルプラント)



64 ページ
2.コスト検証結果のポイント
今回のコスト検証結果から導ける結論は以下のとおりである。

【原子力に関して】
①原子力発電については、そのリスクを踏まえると相当程度の社会的な費用が存在する。


【エネルギーミックスに関して】
② 石炭やLNGに関しては、CO2対策費用や燃料費上昇を加味すれば今まで以上にコスト高になるが、それでもなお、社会的な費用を加味した原子力発電とのコスト比較において、ベース電源としての競争的な地位を保ちうる。

③ 風力や地熱については、立地制約や系統安定・増強といった課題はあるが、これらの課題を解決することにより、条件がよい場所については原子力、石炭などと対抗しうるコスト水準にあり、一定の役割を担う可能性がある。

④ 太陽光に関しては、大量導入にあたっては、電力システム全体としての、系統安定化などの課題はあるものの、世界市場の拡大に伴う量産効果によりコストの低下が見込まれ、石油火力よりもコスト面で優位となり、ピーク時の需給の逼迫の改善に資する電源として期待される。

⑤ 省エネやコジェネ等の分散型電源には、大規模集中電源と並びうる潜在力がある。また、需要家から見た場合、電気料金の節約というメリットもある。需要家による積極的な選択が新たなエネルギーミックスの一翼を担いうる。

⑥ ただし、どの電源も長所と短所があり、どれを選択しても従来の発電単価に比べてコストは嵩む。技術の革新と競争の促進により多くの課題を克服できる長期的な目標に至るまでの間は、どの電源をどの程度組み合わせていくのかについて、複数のシナリオがありうる。どのシナリオをたどって長期的な目標を目指していくべきか、コストに限らず様々な視点から最適な選択をしなければならない。

【エネルギーシステムに関して】
⑦ コスト検証の結果を踏まえれば、エネルギー需要構造の改革(省エネ社会の構築)と、エネルギー供給構造の改革(分散電源+再エネ+化石燃料のクリーン化の加速)、さらには電力経営の効率化によるコスト抑制が、需要家のエネルギー選択と新規エネルギー事業者の参入によって自律的に進むような新たなエネルギーシステムの構築が不可欠である。新しいエネルギーシステムの構築が、原発への依存度低減のシナリオ実現の鍵を握る。


●発電コスト:原発は8.9円 「安価神話」崩壊
       毎日新聞 2011年12月13日 20時43分
 政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は13日、原子力の発電コストについて、最低でも従来より約5割高い1キロワット時当たり8.9円との試算を公表した。東京電力福島第1原発事故を受けて、過酷事故に伴う損害賠償費などを反映したため。

 放射性物質の大規模な除染費用なども勘案すれば、コストは火力並み(約10円)になる可能性があり、政府がこれまで強調してきた「安価な原発」神話は崩れた形だ。

 ただ、電力供給の約3割を担う原発に代わる電源については、火力は燃料費上昇でコストが上がる一方、太陽光など再生可能エネルギーのコスト低下には時間がかかる。政府はこの試算も踏まえ、来夏までに中長期のエネルギー政策をつくる方針だが、最適な電源構成を見いだす作業は難航しそうだ。

 原発は、福島第1原発と同規模の事故が40年に1度起きるのに備え、損害賠償や除染費用計約5.8兆円を考慮。立地補助金なども上乗せし、1キロワット時の発電コストは最低8.9円とした。事故費用が1兆円増加するごとにコストは0.1円上昇すると推計した。

 火力は、燃料費上昇などで、石炭と液化天然ガス(LNG)が現在の1キロワット時9~11円前後から30年に最大1円超上がる可能性を指摘。一方、現在は最低コストが30.1円の大規模太陽光は30年に技術革新などで12.1円に、9.9円の風力(陸上)も30年には8.8円に下がると予想した。【宮島寛】

●原発コスト8.9円 事故前稼働率で試算
         東京 2011年12月14日
 政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は十三日の会合で、原子力など各電源の発電コストについて試算結果をまとめた。原発は事故コストなどが新たに加わって一キロワット時当たり最低八・九円となり、これまで政府が原発推進の根拠としてきた試算から約七割増えた。ただ、試算の前提となる稼働率は東京電力福島第一原発事故前の水準を採用し、現実を反映したコストかどうか疑問を残した。

 試算結果は十九日の検証委で正式決定された後、年内にエネルギー・環境会議に報告され、将来のエネルギーの構成を決める判断材料となる。

 原発コストが増えたのは、事故コスト〇・五円、立地交付金などの政策経費一・一円が上乗せされたため。事故コストは損害総額を五・八兆円と見込んで計算しているため、今後、損害額が一兆円増すごとにコストも〇・一円増える。

 政府は二〇〇四年に稼働率80%で試算した原発コスト五・三円を根拠に、原発が他の発電方式より有利だとしてきた。今回の試算でも、事故前の〇九年度の実績値65・7%に準じ、稼働率を70%と設定しているが、事故後は20%程度にまで低下している。

 検証委では、稼働率50%、10%の場合でも原発のコストを試算。50%で十一円程度、10%で四十四円程度とした。ただ、原発は稼働率が低いと非効率になり「高い稼働率で運転することが合理的だ」として、稼働率70%の試算の正当性を強調した。

 これについて、検証委メンバーの大島堅一立命館大教授は会合後、「稼働率は原発事故前の数字。稼働率は下がる傾向にあり、70%とするのはおかしい」と記者団に述べた。

 一方、他の電源では、火力は燃料費が上がるためコストも上昇。石炭は現在の九・五円が三〇年に一〇・八円、液化天然ガス(LNG)は一〇・七円が同じく一〇・九円になる。

 反対に、再生可能エネルギーは技術革新で大幅に低下。住宅用の太陽光は現在の最低三三・四円から三〇年に九・九円、風力も同年には八・八円まで下がる可能性を示した。


●発電コスト:風力8.8円、太陽光12円 原子力並み低下も--2030年試算
        毎日新聞 2011年12月13日 
 政府のエネルギー・環境会議で電源ごとの発電コストを計算している検証委員会(委員長・石田勝之副内閣相)によるコスト計算結果が12日分かった。従来1キロワット時当たり5~6円としていた原発は、事故費用などが上乗せされ、「最低でも8・9円」と5割高になる。石炭や液化天然ガス(LNG)火力も5割程度上がり、直近では10円前後に上昇。一方、再生可能エネルギーは技術革新で30年には風力発電が最低8・8円、太陽光発電が同12・1円に下がり、原子力や火力のコストとほぼ同じ水準になる可能性がある。

 同委員会が13日に公表する。政府はこれらの試算をもとに来夏に策定する新たなエネルギー政策で最適な電源構成を示す方針だ。

 原発コストには福島第1原発級の事故費用や立地対策の補助金などを盛り込んだ。同事故の対策費を5・7兆円超と想定し、40年に1度の発生に備えるコストを0・5円と見積もった。立地などの費用も1・1円計上し、福島事故を受けた追加安全対策費が0・2円分押し上げる。さらに事故の対策費が1兆円増えるごとに0・1円上昇し、事故費用が20兆円に膨らむと、コストは10・2円になるとの試算も示す。

 火力発電は、燃料代上昇や温室効果ガス削減費用がコストを押し上げる。石油火力は従来の14~17円が35・5~37・1円と急騰している。一方、再生エネは技術革新や量産効果で大幅にコストが下がり、従来11~26円だった風力(陸上)は、30年に8・8~17・3円に下がるとした。【宮島寛】

==============

 ◇政府が新たに試算した発電コスト
       従来試算   2010年      2030年見通し

原子力     5~ 6円      最低8.9円

石炭火力    5~ 7円  8.9~ 9.1円 10.8~11.0円

LNG火力   6~ 7円 10.4~10.8円 10.9~11.4円

石油火力   14~17円 35.5~37.1円 38.9~41.9円

風力     11~26円  9.9~17.3円  8.8~17.3円

大規模太陽光 37~46円 30.1~45.8円 12.1~26.4円

 ※エネルギー・環境会議のコスト等検証委員会による試算。風力は洋上発電分を除く




コメント ( 0 ) | Trackback ( )




08:40 from web
東芝が昨日発表したこと。「放射線ホットスポットを可視化するポータブルガンマカメラ装置の開発」。原発企業だからこそ開発したのだろうけれど、このカメラを自治体などに売り込むらしい。現場では便利なのだろうが、妙な気分で東芝の公式ページを見てみた⇒http://t.co/FHG57S0a
by teramachitomo on Twitter

コメント ( 0 ) | Trackback ( )