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 東京電力の原発事故の「中間報告」が昨日公表された。
 東電の設置した検証委員会は報告について、幾分批判的な記述をしている。

 検証委員会は,現場調査が出来ない状況下で,1号機,3号機の水素の漏えい
経路が特定できないことについて理解する。
  ・・・ 結び
 事故を発生させ,また事故を拡大に至らしめたのは,今回起きた事故に鑑みれば,アクシデントマネジメントを含むハード面,ソフト面での事前の安全対策が十分でなかったことによる,と我々は結論する。
 さらに振り返って思えば,ものづくりは日本が世界一流との自負が,東電を含むわが国の原子力関係者において,過酷事故など起こり得ないという「安全神話」を生み,そこから抜け出せなかったことが背景にあると思われる。」


 このあたりをどう読むか。
 これら、報告には下記でリンクしておく。

 ともかく、報道は厳しい評価。
 中日新聞の紙版一面では、「反省なく自己弁護満載」と酷評されている。
 毎日新聞は、 
  130ページ中、「結果として」「結果的に」との文言を計25カ所多用し「原因は想定外の津波」と従来の見解を繰り返した。信頼回復には情報公開に徹し、責任の所在を明らかにするのが大前提だが、自己弁護に走るようでは道のりはほど遠い。
 「天災か人災かを割り切るのは難しいが、我々は国の審査を受けて原発を運転した。だが、津波で根本的な安全対策が覆された」。会見で山崎雅男副社長はこう弁明した。
 報告書は、原因について「津波で全電源を喪失した」と断定。「地震損傷説」を否定したが、検証方法は主に「目視」で、社内調査の甘さを示した。


 また、毎日は、「報告書の要旨」もまとめているので、ブログ末に記録しておく。

 今後は、外部の中立的な学者や専門家に、過去の反省も込めて検証してもらうしかない。

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東電の公式ページ

●福島原子力事故調査 中間報告書の公表について 平成23年12月2日 東京電力株式会社
       平成23年12月2日 東京電力株式会社

 当社は、本年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故の当事者として、当社内に「福島原子力事故調査委員会」および社外有識者で構成する「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」を設置し、徹底した事故の調査や検証を行ってまいりました。
 この度、これまでの調査で得られた事実を整理、評価・検証するとともに、主に設備面の再発防止対策を検討し、中間報告書としてとりまとめましたので、お知らせいたします。
 また、「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」から中間報告書に対するご意見をいただいていますので、あわせてお知らせいたします。

 なお、今後も調査については継続し、新たに判明した事実等について、改めて公表する予定です。
                                  以 上


<添付資料>
 ・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 本編(概要版)(PDF 793KB)
 ・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 本編(PDF 2.68MB)
 ・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 別紙(主な時系列)(PDF 973KB)
 ・東京電力(株)「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」に対する原子力
  安全・品質保証会議 事故調査検証委員会の意見(PDF 202KB)
 ・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 添付資料(PDF 13.6MB)
 ・福島原子力事故調査報告書(中間報告書) 別冊(個別項目)(PDF 631KB)


●事故調査検証委員会の意見

 東京電力(株)「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」に対する原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会の意見(PDF 202KB)

原子炉は完全な冷温停止に至っておらず事故は継続中である。今後,原子炉に何らかの変化がないとは決して言えない。今後の成り行きによっては内容の変更は十分ありうる。また本報告書の検証に関しては,あくまでも中間報告書であってカバーした内容は事故全容の一部にすぎないということをお断りしたい。

・・・・
検証委員会は,現場調査が出来ない状況下で,1号機,3号機の水素の漏えい経路が特定できないことについて理解する。

・・・
4.結び
今回,これだけの大事故を振り返って,東電は真摯に反省するべきであることは言うまでもない。特に,事故とその影響拡大の要因が初動対応に時間を要したことにある,との各方面からの指摘も多いが,それも事実の一端を捉えていると考える。

一方で,我々が現場を視察し,また総合的に判断した結果,全電源喪失下の停電,暗闇,ほぼ全滅状態の計測系統,がれきの山,通信手段の喪失,余震や死に対する恐怖といった混沌のなか,誰が指揮,作業していようがほぼ同じ状況になっていたに違いないとの強い感触を得たことも事実である。特に,福島第一原子力発電所長をはじめとする東電ならびに関連会社等の,まさに文字通りの今日に至るまでの献身的な働きや判断がなかったとしたら,事態はより悪い方向に向かったかも知れないのである。そのことには本当に頭が下がる思いである。

今回の事故を発生させた直接の原因は未曽有の津波である。

しかし,事故を発生させ,また事故を拡大に至らしめたのは,今回起きた事故に鑑みれば,アクシデントマネジメントを含むハード面,ソフト面での事前の安全対策が十分でなかったことによる,と我々は結論する。
さらに振り返って思えば,ものづくりは日本が世界一流との自負が,東電を含むわが国の原子力関係者において,過酷事故など起こり得ないという「安全神話」を生み,そこから抜け出せなかったことが背景にあると思われる。
            以 上




●東日本大震災:福島第1原発事故 地震被害、再度否定--東電中間報告
       毎日新聞 2011年12月3日 
 ◇「対策実施してきた」
 東京電力は2日、福島第1原発事故の社内調査委員会(委員長・山崎雅男副社長)の中間報告書を公表した。地震による配管など主要設備の損傷を改めて否定し、想定外の津波で全電源が喪失し、原子炉を冷却できなかったことが事故の原因と結論づけた。山崎副社長は会見で「国と一体となって安全対策を実施してきた」と国の責任を強調した。来年6月をめどに最終報告をまとめる。(6面に解説と中間報告要旨、社会面に関連記事)

 社内事故調査は政府の「事故調査・検証委員会」とは別に、東電が今年6月に始めた。

 報告書はA4判で130ページ。津波対策について、東電は08年には明治三陸沖地震(1896年)と貞観津波(869年)のモデルを使って津波水位を最大10・2メートルと試算したが、「仮定に過ぎない」と、対策に反映させなかったと従来の主張を繰り返した。同原発を襲った地震については、「政府の地震本部の見解に基づく地震より、広範囲を震源域とする巨大地震」などと認定。「想定した前提を大きく外れる事態で、結果として事故拡大を防止できなかった」とした。

 地震の影響について、原子炉のデータなどから、配管や冷却装置など主要設備に損傷はないと評価。津波で非常用発電機が浸水するなどして使えず、散乱するがれきで1~3号機の注水作業が難航し、「多重の安全機能を同時に失ったことで発生。長時間の電源喪失と除熱機能の喪失が要因」と断定した。

 水素爆発については、1、3号機の各建屋にどう水素が流出したかは不明だが、格納容器のふたなどの結合部分から漏れ出た可能性を指摘した。

 中間報告に対し、社外有識者による検証委員会(委員長=矢川元基東京大名誉教授)は2日、関係者が「過酷事故は起こり得ないという『安全神話』から抜けだせなかったことが事故の背景」との意見を公表した。【奥山智己、中西拓司】

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 ◆東電中間報告の骨子◆

・安全上重要な機器に地震による損傷はなく、事故の直接原因は想定以上の津波

・津波の想定は、唯一の基準の土木学会の手法に基づき評価。より大きな津波を想定した社内試算は具体的根拠に欠ける

・国と一体で整備した過酷事故対策を超え、機器がほぼすべて機能喪失

・津波到達後の運転員の操作は手順書に基づいており、問題はない

・1、3号機の爆発を引き起こした水素の漏えい経路は不明。2号機で水素爆発はなく、4号機の爆発音を誤認


●13メートル津波が原因と強調 東電事故調中間報告
       中日新聞 2011年12月3日 00時02分
 東京電力は2日、福島第1原発事故に関する社内事故調査委員会による中間報告書を発表した。事故の原因は「津波による浸水を原因とした長時間におよぶ電源と除熱機能の喪失」とし、地震による重要機器の損傷をあらためて否定。今後、経営陣の事故時の対応なども検証し、来年6月までに最終報告書をまとめる予定だ。

 中間報告書で、東電は福島第1原発を襲った津波の高さを約13メートルと算出。原発のほぼ全域が浸水し、施設内の電源を失った結果、原子炉への注水・冷却設備の機能が発揮できなかったとする従来の主張を記載した。

 事前の津波対策については、「最新の知見に基づき津波の高さを評価していたが、想定を大きく超えるものだった」と弁明。事故対応に関しても「国と一体となって整備してきた事故対応の前提が大きく外れたため、炉心損傷を招いた」とし、東電として問題がなかったと強調した。

 地震に対しては、地震後でも、津波に襲われるまでは原子炉などのデータを把握できていたことや、作業員による目視情報を根拠に「安全上重要な機器の異常はないと判断」と記した。

 今後の原発の安全対策では、津波への備えを重視▽電源や冷却など重要設備の浸水防止の徹底▽原子炉を速やかに冷却できるよう複数の手段を確保-などを挙げた。

 東電の山崎雅男副社長は2日の記者会見で、事故直後の3月15日に首相官邸に「社員の全員撤退」を伝えたとされる点を否定。一部社員の撤退を検討していたことは認めたものの、「全員撤退という社内の記録はない」と述べた。

 中間報告は外部有識者による検証委員会がチェックする形でまとめられた。検証委の意見書が添付され、「事前の安全対策が十分でなかった」と東電を批判。津波への対応でも「より真剣に考えておくべきで、国や専門家も反省しなければならない」と指摘した。

●「揺れは想定内、津波は想定外」東電が中間報告書
        朝日 2011年12月2日23時36分
..「揺れは想定内、津波は想定外」東電が中間報告書関連トピックス地震原子力発電所東京電力.記者会見で、現場で復旧にあたった運転員の話をする際、顔をゆがめて声を詰まらせる山崎雅男副社長=東京都千代田区の東京電力本店

 東京電力は2日、福島第一原発の事故調査に関する中間報告書を公表した。法令や国の指導に基づいて安全対策を施し、過酷事故に備えたが、想定を超える津波に襲われて事故が起きたと結論づけた。自己弁護ともとれる内容で、報告書を検証した外部の専門家らの指摘ともかみ合わず、不明な点も多く残った。

 報告書は、東電が作った事故調査委員会が、計測されたデータや運転員ら250人以上の聞き取りをもとに作成した。だが、1号機の原子炉建屋で爆発前に放射線量が異常に上昇したにもかかわらず、水素爆発を考えずに対策をとらなかった経緯などは記述がなく、不明のままだ。

 地震直後に1号機で起動した原子炉を冷やす非常用復水器については、運転員の判断で手動で止めた。しかし、運転し続けたとしても、すでに炉心損傷は起きており、事故の拡大は防げなかったとの見解を示した。

 機器の故障を想定して複数の非常用冷却設備を設置するなどの事前の対策が、国の安全審査に適合していたことを強調。過酷事故への対応策も「国と一体になって整備を進めた」と記した。

 今回の地震は2002年に示された国の地震調査研究推進本部の見解や、869年の貞観地震より震源が広範囲な巨大地震だったが、揺れは想定と同程度で、確認した範囲では揺れによる安全上重要な機器の損傷はないとした。一方、津波は想定を大きく超え、最新の知見に沿って自主的な検討や調査もしたが、結果的に津波に対する備えが足りず、被害を防げなかったと説明した。

 このため、非常用発電機は6号機の1台を除きすべて使えなくなった。安全の想定を超えた事象が起き、原子炉を冷やすための機能が失われ、1~3号機で炉心損傷が起きた。さらに原子炉建屋で水素爆発が起きた。

 津波到達後は、消火用の配管を使って原子炉を冷やす作業を実施。事故対応のマニュアルにはなかったが、消防車のポンプを使うなど臨機応変の動作を試みたなどとした。

 東電は今回、矢川元基東京大名誉教授ら外部の専門家による検証委員会を設置し、調査内容について意見を聞いた。委員会は「事故の直接の原因は未曽有の津波だが、アクシデントマネジメント(過酷事故対策)を含むハード面、ソフト面での事前の安全対策が十分でなかった」とし、「過酷事故が起こり得ないという『安全神話』から抜け出せなかったことが背景にある」と指摘した。

●解説:東電事故、社内調査中間報告 「結果的に」多用、甘さ露呈
        毎日新聞 2011年12月3日 
 東京電力福島第1原発事故で、東電の社内事故調査委員会が2日に発表した中間報告書は、「結果として、これまでの安全対策で事故拡大を防げなかった」と言及。130ページ中、「結果として」「結果的に」との文言を計25カ所多用し「原因は想定外の津波」と従来の見解を繰り返した。信頼回復には情報公開に徹し、責任の所在を明らかにするのが大前提だが、自己弁護に走るようでは道のりはほど遠い。

 「天災か人災かを割り切るのは難しいが、我々は国の審査を受けて原発を運転した。だが、津波で根本的な安全対策が覆された」。会見で山崎雅男副社長はこう弁明した。

 報告書は、原因について「津波で全電源を喪失した」と断定。「地震損傷説」を否定したが、検証方法は主に「目視」で、社内調査の甘さを示した。
運転員が1号機の「非常用復水器」を停止したことが、炉心溶融を早めたとの見方もあるが、報告書は「きわめて早い段階で炉心損傷が進んだ」と指摘。停止しなくても損傷したと強調した。

 報告書では震災直後、東電が第1原発からの全面撤退を検討したとされる問題に対し、「考えたことも申し上げたこともない」と否定。その根拠として菅直人前首相の国会発言を紹介したが、清水正孝前社長や吉田昌郎前所長らの実名でのヒアリング内容は明らかにしなかった。

 社外の検証委員会は、報告書に対する意見で「安全神話から抜け出せなかったことが原因」と指摘したが、山崎副社長が会見で「見解が違う。できる限り安全対策に努めた」と反論する場面もあった。「今後の訴訟リスクに備え、自社の責任には言及できない背景があるのではないか」。委員の一人はこう推測する。

 原因解明の場は国会や政府、民間の事故調査委員会に移る。「水素の流出経路などに触れられていない。東電は各事故調に対しもっと協力する義務がある」。工藤和彦・九州大特任教授(原子炉工学)は注文を付けた。未曽有の原発事故の原因企業が負った責任は果てしなく重いと言える。【中西拓司、奥山智己】

●東日本大震災:福島第1原発事故 東電社内調査中間報告--要旨
      毎日新聞 2011年12月3日 

 東京電力福島第1原発事故の社内調査結果報告書の概要と、社外有識者による検証委員会の意見は次の通り。

 <事故の概要>

 3月11日、1~3号機が運転中だったが、午後2時46分に発生した東日本大震災を受け原子炉はすべて自動停止。すべての外部電源が失われたが、非常用ディーゼル発電機が起動。その後襲来した津波により冷却用海水ポンプや非常用発電機、電源盤が冠水したため6号機を除き全電源喪失状態となり、炉心冷却機能が失われた。

 ◆1号機

 3月12日午前5時46分から消防車による代替注水(淡水)を開始。午前9時4分から(格納容器の破損を避けるための)「ベント(排気)」操作に取りかかったが、放射線量が高かったため手動で弁を開ける作業ができず、仮設の空気圧縮機を設置して実施。午後2時半、格納容器の圧力低下を確認したため、ベント成功と判断した。同54分、代替注水を海水に切り替えた。

 同3時36分、原子炉建屋上部で水素爆発が発生。炉心損傷に伴い、圧力容器内で発生した水素が原子炉建屋内に漏れたと推定されるが、漏えい経路は不明。格納容器上ぶたの結合やハッチの結合部が高温で機能低下した可能性がある。

 地震発生後、自動起動した非常用復水器(IC)を運転員が手動停止したのは(急激な温度変化から)格納容器を守る観点から手順書に基づいており問題ない。

 ◆2号機

 13日午後0時5分、所長が海水注入の準備を指示したが、3号機の水素爆発(14日午前11時1分)により、海水注入ラインの消防車が破損した。原子炉水位が下がり始めた。

 15日午前6時すぎ、大きな異音がしたが、地震計のデータによると、ほぼ同時刻に発生した4号機の水素爆発によるものと判断された。圧力抑制プールの圧力が大気圧にまで下がったと表示されたが、圧力計の故障の可能性が大きい。

 格納容器の圧力が同7時20分~11時25分に低下しており、何らかの原因で格納容器内のガスが大気中に放出されたと考えられる。

 ◆3号機

 13日午前2時42分、高圧注水系が停止し冷却機能を喪失。同9時25分ごろから消防車で(核分裂を抑える効果がある)ホウ酸を含む淡水注入を開始した。

 14日午前11時1分に原子炉建屋上部で水素爆発が発生。水素の漏えい経路は1号機と同様と考えられる。1号機の水素爆発を受け、原子炉建屋から水素を抜く方法が検討された。爆発を誘発する火花が発生しにくいウオータージェット(水流)で建屋の壁に穴を開けて水素を逃がすため、機器を手配したが、間に合わなかった。

 ◆4号機

 定期点検中で、全燃料は使用済み燃料プールに貯蔵されていた。15日午前6時すぎ、大きな音が発生し、9時38分に火災が確認された。同11時ごろ、自然鎮火した。

 14日午前4時8分には、燃料の崩壊熱によってプールの水の温度が84度にまで上昇したが、燃料は水から露出しておらず、水の分析からも燃料破損を示すデータは確認できなかった。3号機の原子炉で発生した水素が4号機に流入し、爆発した可能性が考えられる。

 <津波の評価、対策>

 主要建屋敷地の全域が浸水し、浸水高は1~4号機側で平均潮位+11・5~15・5メートル、5、6号機側で同13~14・5メートルだった。

 当社は、具体的な津波評価方法を定めたものとしては唯一の基準となる「原子力発電所の津波評価技術」(02年、土木学会刊)に基づき、津波水位を5・4~5・7メートルと評価し、ポンプ電動機のかさ上げや建屋貫通部の浸水防止対策を実施。国の承認を受けた。

 08年には明治三陸沖地震=マグニチュード(M)8・3=のモデルを福島沖の海溝沿いに持ってきた場合の津波水位を試算、8・4~10・2メートルという結果だった。貞観地震のモデルの試算では7・8~8・9メートルだった。しかし、これらの社内的な試算は仮定に基づくものに過ぎなかった。今回の地震は、いずれのモデルとも異なり、より広範囲を震源域とする巨大地震だった。

 福島第1原発の主要建屋敷地の高さは10メートルで、東北電力女川原発や日本原子力発電東海第2原発における設計上の津波高と敷地レベルの関係と比較しても、特段低く設定されてはいない。

 非常用ディーゼル発電機を気密性の要求されないタービン建屋に設置するのは、当時の米国の標準的な配置。耐震条件の厳しくない米国では地下階は要求されないが、日本では大型機器としての耐震性や振動を考慮し、地下階に設置した。

 <事故対策>

 過酷事故対策として、自主的取り組みとして代替注水や隣接号機からの電源融通などの設備変更、事故時運転操作基準の改定を実施してきた。

 事業者と国が一体となって設計基準を超える事象に対しても一定の対応体制や手順書の整備を進めてきたが、今回の津波は事前の想定を大きく超え、作動が期待されていた機器、電源はほぼすべて機能を喪失した。結果として事故に対抗する手段を備えることができず、炉心損傷を防止できなかった。

 <地震による影響>

 地震から津波襲来までの残存データによると、安全上重要な機能を有する主要設備は地震時や直後には機能を保持できる状態だったと考えられる。耐震重要度の低い機器でも、地震によって機能に影響する損傷はほとんど認められなかった。

 <今後の対応>

 直接原因である津波に対して、原子炉注水や冷却のための徹底した対策を取る。長時間の電源喪失や冷却機能喪失など多重の機器故障を前提に、炉心損傷を防ぐ柔軟な機能確保対策を講じる。さらに、炉心損傷した場合に生じる影響を緩和する措置を講じる。




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08:39 from web
11月30日に東電が公表した事故の原子炉の現在の様子の推定。しかも、放射能が危険すぎで、その現場を”目視”することすらできないので”推定”⇒◆東電、原発事故のデータ解析/発表資料にリンク/チャイナ・シンドロームに近い/廃炉には厳しい課題⇒http://t.co/cYGelE6m
by teramachitomo on Twitter

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