古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

罪を憎んで人を憎まず

2005-05-19 | 経済と世相
 16日の国会審議で、「靖国問題」について問われた小泉首相は、次のように答え
ました。
「どの国でも、戦没者を追悼する気持ちを持っているはずだ。追悼の仕方を他国が干
渉すべきでない。『罪を憎んで人を憎まず』というのは中国の孔子の言葉だ。」
 何か違和感を感ずる発言です。どこがおかしいかな?と思っていたら,18日の朝
日、『罪を憎んで人を憎まず』は、被害者が加害者に使う言葉ですと、社説でたしなめてい
た。
 その点は置くとしても,尚,釈然としない。釈然としない理由をよく考えたら,
「罪」って何を言っているのか分からないからだと思い当たったのです。
 以前,小泉さんは「日本人には、死んでしまえば皆仏様という考えがある」と言っ
ていたと思います。日本人には通用する考えですが、外国人には通用しないのではな
いか、とその時思いました。『罪を憎んで人を憎まず』と言うなら、罪は何をさすの
か明確にして言わないと、外国人には通用しないと思い当たったのです。
 問題になっているのは、A級戦犯です。戦争犯罪といっても、彼らのどういう行為
が戦争犯罪なのかは明らかなのでしょうか?「東京裁判は戦勝者の報復裁判であっ
て、公正な審判をしたものではない」という方もいます。それなら、何故日本人は日
本人自身で、あの大戦争を起こして、日本人に塗炭の苦しみを与えた責任者はいるの
かいないのかを明確にしないのでしょうか?
 それとも心の底では、あの戦争は自衛の戦争で、悪いのは連合国、日本人に責任は
ない!と思っているのでしょうか?
 勿論、例えば原爆投下は当時の米国大統領の責任で、戦争犯罪は米国大統領にも問
うべきと考えますが,敗戦が明らかになっても、原爆投下に到るまで戦争を継続した
のは、日本の政治家に責任があります。
 およそ、あらゆる失敗には原因があり、失敗の再発を防止するためには、その原因
の究明が必要で,その究明過程で、戦争犯罪者がいるとすれば明らかになる。
 たとえば、文官としてただ一人A級戦犯にされた広田元首相がいる。彼は一体何を
したのか?2.26の後、首相に就任した広田は、内閣の陸海軍大臣を現役の軍人に
限ると定めた。これによって、以後軍が大臣を出さないとゴネルと、内閣が潰れるこ
とになり、軍の言うままの政治が行われることになった。だから、日本は戦争にのめ
りこんでいったと言う。
 この考えが正しいかどうかは知らないが、具体的にどのような行為が日本を戦争に
導いたかは,日本人自らが明らかにすべきで、東京裁判など、外国人に任せて平然と
している日本人、日本の首相は心ある外国人からみて、尊敬されないのでは?
 『罪を憎んで人を憎まず』に私が釈然としない理由です。

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1 コメント

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最近の婦女子は (通りすがり)
2005-05-20 04:33:56
大事な人(物)を守るためなら戦うと答える方が多いそうです。私たちはあの戦争で何を学んだのでしょうか。
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