古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

ギョーザ事件に思うこと

2008-03-01 | 経済と世相
 毒入りギョウザについて、中国の公安省が「中国内混入の可能性低い」と発表したそうで、嫌な展開になってきました。
 28日の中日夕刊の”大波小波”欄に、こんな記事がありました。
【中国製ギョウザの中毒事件は、低価格を競う無制限な市場競争の制度疲労が現れたと言えよう。百円ショッピの棚をみなさい。手間かけた中国製ザルやスリッパが並ぶ。流通経費が入ってこれだから、現地労働者の手取り賃金はいかばかりか。輸入国による植民地的収奪である。
 本紙で論説委員はギョーザ事件について過酷な待遇に抗議する現地労働者の破壊活動説を示唆していた。本来、外国企業が進出したり、生産を委託したりして生じる雇用で現地労働者の生活は向上するはずである。ところが、賃金が上がると、企業は再び安い賃金を求めてよそに行きかねない。企業を引き止める過酷な労働はいつまでも続くことになる。
 その賃金競争が日本にも還流して名だたる大企業が国際競争力維持を理由に不法な派遣労働、名だけの管理職といった労働力の買い叩きを行い、ワーキングプアの土壌を支える。
 1990年代以降の国際的な競争政策はこうして内外の労働者に、低賃金をめぐるデスマッチを要求している。初期資本主義に先祖がえりしたようなこの競争システムに歯止めをかけないと、安さの代償として深刻な事態が起きる気がする。】
 基本的なことですが、食糧はなるべく国内生産すべきだ、と私は考えます。「自由主義経済だから、売ってくれる国から買う方が、生産するより安いのなら買うべきだ」という意見には同意できません。
 なぜなら、「お金で買えるものはお金で買って何が悪いか?」という考えの裏返しは、「お金がない人は買えなくても仕方がない」ことになります。でも、「食糧の買えない貧しい国の人々は飢えても仕方がない」というわけにいかないでしょう。そして、食糧生産には必ず水を使います。食糧を輸入するということは、輸出国の水を輸入していることになる。飢饉にはどうするのでしょう!
 中産連で、講師を頼まれることが時々あるのですが、いつもミネラルウオーターのボトルがコップの横に置いてある。そのボトルのラベルを見ると、「フランス産」の表示があります。(ミネラルウオーターの輸入はフランスからが一番多いそうです。)
 これって、考えちゃうんですね。たかが飲み水なのに、「あまりにも遠い」フランスから船に乗せて持ってくるんです。日本は、おそらくフランスより降雨量は多いと思いますよ。
 それに、船で運ぶということは、燃料に油を使うわけですから、温暖化にも影響することになる。
 食糧については、自由主義経済の原則を、無制限に適用すべきでないと考えます。

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