古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

『メールは何故届くのか

2014-07-28 | サイエンス
『メールは何故届くのか』(草野真一著)という本が講談社のブルーバックから出たと聞き、早速購入しました。
 メールは瞬時につくのが普通ですが、年に一、二回は10時間かかって翌日着信するということが起こるのです。いったい何故こんなことがあるのか、他人に説明できるぐらいのインターネットの知識を得たいと、読むことにしたのです。
 この本、単にメールに限らず、現在のインターネットの到達している状況を説明している本でした。 まずは、メールのしくみから。
メールを送信する場合、そのメールをそのまま送信するのでなく、いくつかに分割し(分割片をパケットと称する)それぞれに発信者、行先、分割番号などを記した荷札を付けてバラバラに発送する。受け取り側は、分割されたパケットがすべて着信したら、もう一度組み立てて元のメール状態にして受信者が閲覧できるように表示する。何故、こんなややこしいことをするのか?
 メールの中身がデジタルデータだからです。デジタルは、1か0かの羅列であるから、何かの拍子で1と0を間違えるエラーが発生する。エラーが発生したら、発信元に連絡して再送信してもらう。全体を分割せず一括しておくってきたら、たった1か所のミスがあっても、全文再送してもらうことになる。分割していれば、ミスの発生したパケットだけを再送信してもらえば済むのです。もちろんミスが発生したかどうかをチェックする機能(TCP)が準備されている。間違っていても良いから早く遅れ、という場合(動画のリアル送信などはUDPという機能を使う)。次にどのような経路で送信されるか。それぞれのコンピュータは、パソコンであれ、ルーターであれ、世界で唯一の識別番号(IPアドレス)が付けられている。IPアドレスは32ビットと80年代に決まったが、現在、128ビットのIPアドレスが準備されることになりました。128ビットで得られるアドレス数は、340澗(かん)、澗は10の37乗になるそうです。
パケットには、それぞれ発信元、受信側の番号が付されている。送信した瞬間、パケットごとに、どのルートが宛先に近いかを判断し(渋滞をさけて)走り出す。
 インターネットは、もともとアーパネットいう軍事技術の開発が初めだった。冷戦のさなか、コンピュータネットの中心のコンピュータをミサイル攻撃されたらたいへんだから中心のコンピュータを作らないシステムをと考えた。だから。経路も各自のコピュータが判断する。だが、その場の判断で経路を決めて確実に着信できるのか?着信できない場合がある。その場合迷子になったパケットが渋滞の原因にならないか?TTL(Time to live)という数字が定められ、TTL回以上ルータを通過させて着信できなければ削除することになっている(通常は10回以内に世界中のどこであっても着信できる。)
もう一つ『メールといえば、パソコンにインストールされたメーラーで行うのが主流でした。2014年現在、メーラーを使う方式は少々時代遅れになっています。メーラーでなく、プラウザを使ってメールを確認する「ウェブメール」(Gメールなどの)を利用するスタイルが主流になっています。』
メーラーを使ってメールのやり取りをする場合と、ウェブメールを使う場合と比べてみると、最も大きく違うのは、「メールのデータがどこに保存しているのか」。『メーラの場合、送受信したメールのデータはすべてあなたのPC内です。メールのデータをメールサーバからダウンロードしPCのデイスクに保存しているからです。従ってインターネットに接続しなくても、過去のメールを見ることが出来る。ウェブメールは、ダウンロードしません。ウェブパージのメールボックスを見に行くだけです。従ってインターネットに接続しないと、過去のメールを見ることが出来る。』