古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

長寿医療制度の広告

2008-07-03 | 経済と世相
 28日(土)の朝刊各紙に、厚労省が全面広告で「長寿医療制度」を掲載した。1ページ全面を使う広告を主要各紙に載せるには、どれほどのお金がかかったのだろう。

 どれだけ掛かっても国民に知らせる価値のある情報なら掲載して良いと思うのだが、読んでみても、さっぱり理解不能で、こんな内容の広告に膨大な税金を使うの?と思いました。皆さん、そう思いませんか。

 一般に「改善」を説明するためには、「改善前」と「改善後」を並べて、こういう風に変えたから「改善」だと説明します。

ところが、「後期高齢者医療制度」を「長寿医療制度」と言い換えたのはよいとしても、改善前がないのです。 たとえば、

『なぜ75歳以上で区切る制度なのですか?

75歳以上の方々は、病院にかかる機会が多く、医療費も多くなりがちです。

これまでの制度も75歳以上の方が対象でしたが、現役世代より軽い負担で、きめこまかな医療を受け続けられるようにするためには、より公平で安定的な制度が必要です。

そこで、75歳以上の方々の医療については、税金で5割をカバーし、現役世代と高齢者の分担ルールを明確にし、しっかりと支える仕組みとしたのです。』とあります。

税金でカバーするのは、5割でなく45%だと思います。窓口で患者が1割負担し、残りの9割を国、健保組合の支援金、高齢者医療で5:4;1で負担するのですから、国の負担は9割の50%、即ち45%です。

 それは置くとして、上の文では、従来制度(改善前)と新制度(改善後)の比較をして書いていないので、書き直してみます。

『          医療サービスの内容        医療費の負担

長寿医療制度   きめ細かい医療         国45% 健保組合の支援36% 

従来制度(国保) 従来もきめ細かい医療をしました 国55% 健保組合の支援28%』

(従来制度の負担は、手元にデータがありませんので、私の推定でかきました。つまり、このデータを示さないと、改善なのか改悪なのか分からない。)

『なぜ長寿制度が必要なのですか?

世界一の長寿国、日本の医療費は今後ますます増大していきます。

これまでの制度が限界となるなかで、将来にわたり世界に誇る国民皆保険制度を守り、高齢者が安心して医療を受け続けられるようにするために長年にわたる議論を積み重ね、導入されました。』

これは全く分からない文章、改善前の制度がこうで、改善後の制度がこうと説明しないとまったく分かりません。たとえば以下のように。

『新制度(長寿医療制度 ):75歳で区切りますから保険証は個人別です。従って保険料も個人別で徴収します。          

従来制度(国保):年齢で区分しませんから、保険証は家族共通です。所帯主から保険料を徴収すれば扶養家族からの徴収はありません。』