古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

雪山に挑戦

2008-03-08 | 旅行
 5日、朝起きると、雪は止んでいたが、積雪20センチぐらいありそうだ。一晩で積もってしまった。
「やめる?」
「いや、ここまで来て登らずに帰ったら笑われる」と、登山暦50年余のMさん。「30センチ以下の積雪なら大丈夫です」とやる気十分だ。

 フロントで聞いたら、お姉さん「えっ、今日登るんですか!」、「滑りますし、溶けてくると、ぬかるんできます。決してお勧め出来ません」。ご尤もな回答です。

 7:15、朝食をとりながら相談した。結論は、Mさんのやる気に敬意を表し、「登れる所まで登ってみよう」。 天気がよければ、2時間で長者が岳山頂(1336m)に登れる。「2時間登ってみて、山頂にとても着かないようだったら引き上げる」ことにした。

 雪山に登る羽目になるとは、想定外でした。

 登山道の登り口はホテルの裏手にある。

「先頭Sさん、次がHさん、NOZUEさんがその次で、私が最後」とMさんの指導で8時過ぎ登りはじめる。「絶対、バラバラにならず4人一緒に登りましょう。ゆっくりゆっくり、そして歩き続けるのがコツです。」

 ステッキを突きながら登る。雪の深さは15センチ程度。30分ぐらいで表示板「東海自然歩道 600m」がある。

 「600mで山頂になるの?」

 「それはないです。樹を見れば山頂の樹でない」とMさん。

 雪の上に、動物の足跡らしきものを見る。

「犬かな?」

「いや、犬なら飼主の人の足跡がある筈。狸か狐かウサギだ」

「東海自然歩道 70m」の表示板があった。「70m?」。すぐ三叉路に出たので分かった。

東海自然歩道までの距離だった。そこには「長者が岳山頂まで1.8km」の表示があった。

 振り返ると、目に富士山の全容が迫ってくる。

「今日の長者が岳はわれわれの借りきりだ」。

それはそうだろう。こんな雪の中、山登りをする物好きはいない。

 どんどん、東海自然歩道なる道を歩き続けた。そのうち、雪が 思いの他深くなってきた。ステッキの沈みから見ると30センチぐらいになった。

 先頭を行くSさんが立ち止まってしまった。「テープが見えない!」

 道が雪に覆われてしまうと、どこが道か分からなくなる。道の所々の樹の幹にテープを巻いてあるので、正しい道を歩いていると確認できるのだが、そのテープが見当たらない。振り返るとテープが見えたから「ここまでは間違っていない」。しかし、 雪で、道の真上か道横の斜面か分からないので、時々足が膝まで沈んでしまうことがある。

「これはだめだ。10時10分。もう2時間歩いたから引き上げた方が良い」とSさん。

 衆議一決。帰ることにしました。多分1200mを越えていたと思うが、1336mの山頂はあきらめました。「富士山を真近かに見られたから良しとするか!」

 ところが、下りがたいへんでした。とにかく滑る。東海自然歩道の分岐点で休憩、写真を撮り、インスタントコーヒーをのんだ後、下山を続ける。

「前の人との感覚を十分とって。身体を斜めにして降りる。あわてないで。転ぶときはゆっくり転んでください。」と、Mさん。

 しかし、なかなか指導どおりにいかない。こけつまろびつ、10回以上 転げた。こんな高さまでよく登ってきた、と思いつつ降りる。

 11時半、下山完了。やはり、地球が引っ張っているだけ下りは早い。

 以上、70歳を越えて人生初めての雪山挑戦の記録でした。

 12時、ホテルを出発、来た道を戻り、帰宅したのは5時前でした。