古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

気の毒な安倍さん

2006-09-20 | 経済と世相
 安倍さんが自民党総裁に選ばれた。予想通りでサプライズはないが、「お気の毒に!」と思う。
 誰がやっても小泉さんの後は大変で、おそらく安倍内閣は袋叩きになり短命に終ると予想するからです。
 何故かと言うと、「改革」を唱えたけれども、改革は何もやらず、「改革だ!改革だ!」とテーブルの上に改革が必要な問題だけをぶちまけて「さようなら」をしたのが小泉内閣で、拉致だって、消費税だって、外交だって一筋縄でいく問題は一つもない!どの問題も行き詰まり。結局野たれ死するのが次の内閣だろう、と思います。
(袋叩きが分かっているから、竹中さんは早々に逃げ出しました。)
 5年半前、小泉内閣が登場した時、私も期待しました。ところが半年で「これはダメだ!」と悟りました。言うことにまったく論理性が感じられないからです。これだけ論理的にものを考えない首相にろくな仕事が出来るわけがない。
早く辞めて欲しいと願っていましたが5年もやってしまいました。
唯一評価できるのは辞めることでした。
 「自民党をぶっ壊す」という最初の宣言は、「橋本派をぶっ壊す」という意味だったのですね。この点については完璧でした。道路の民営化も郵政民営化も、橋本派の資金源を絶つという意味では完璧に成功!でも、国民生活には、郵政も道路もなんの成果も、少なくとも現時点ではありません。
 「民にできることは官から民に!」ということが小泉さんの口癖でしたが、「官から民!」というのは手段であって、その結果、国民生活にどういう成果をもたらすかというのが目的です。
 その目的について国民に語ったことはありませんでした。常識的に考えれば、それにより政府の使うお金を少なくする効果があるのだろう、税金も少なく出来ると考えますが、国の借金は「世界一の借金王」と自称した小渕さん時代から150兆円以上増えていますし、税金は企業の税金は減らしても、個人、特にお年よりの税金は2倍、3倍になりました。
 小泉内閣の治世で「格差の拡大」が指摘されていますが、実は「格差の拡大」は、小泉内閣の経済政策の所為ではなく、10年も前からの自民党の採ってきた政策の結果であって、小泉内閣はそれを放置してきただけです。第一、経済政策といえるほどの政策は、何もやって来ませんでした。小泉さんは、オペラの鑑賞やプレスリーには関心があっても、「格差」なんかに関心はなかったのです。
 銀行の不良債権処理を、小泉内閣の功だという人がいますが、預金者が低金利で我慢した成果であって、到底、内閣の成果とは評価できません。「失われた10年」に、銀行が償却した不良債権はおよそ100兆円。ところが預金者から銀行への所得移転は、日銀総裁の国会での証言でも150兆円を超えるのです。

 何はともあれ、小泉さんの退陣には、乾杯です。戦後最低の首相の退陣を祝わずにはいられません。(いささか八つ当たりですみません)
 小泉さんがメチャクチャにした経済と外交、お気の毒ですが、安倍さんに頑張ってもらうしかありません。(9月20日、記)