古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

法律に対する考え方

2005-08-16 | 放送大学
 13,14日と放送大学愛知学習センターのスクーリングに出席しました。
「デジタル技術と情報社会」なるテーマの講義でしたが、先生は訥々として語り、お世辞にも上手な講演ではなかったのですが、雑談の合間に洩らされる考え方に、私と同じ考え方が多く、同好の士を見出した思いでした。
例えば・・
1.「日本語は論理的でない」と言う人がいるが、それは「論理的に考える習慣を持たない日本人が多い」ためで、「日本語自体が論理的記述が出来ない」ということではない!

2.「ものごとを論述する時には、そこで使う言葉の定義を明確にして述べることが重要だ」。
議論する人が同じ言葉を別の意味で使っていたら、議論は成り立たないのだ。

3.「憲法は、公務員が守る法律ですよ」。(私は、為政者が守るべき法律と考えているが、同じ意味と思う。実際、「健康で文化的な生活を保障する」を守れと言われても、一民間人が守りようがない。そんなことは為政者でないと保障できない。

 「情報セキューリテイー」に関する法律の説明では、こんな余談を話されました。
 法律に対する考え方には、国によって次の三つがある。

①法律は国や行政が民衆を過度に苦しめないようにするためのものだから、
国や行政が守るべきものである。
 例えば、刑法というものは、犯罪人を守るものである。
「・・・は、懲役15年以内の刑に処する」というのは、
「15年を越す刑にはしない。お上のご機嫌しだいで、打ち首になることはない」、という意味で犯罪人を守っている。

②法律は民衆を取り締まるものものであるから、民衆が守るべきものである。

③法律は一応作っておかないといけないが、国も民衆も守る必要はない。
 事実や数字、法律や契約は人間の精神の外側にあって人間を束縛する。
それを遵守することは理不尽なことに感じられる。
この国でもっとも尊敬される人格は老獪である。
 
 さて、どの国がどのグループか、ご一考ください。
 総理大臣が一億円貰っても、「記憶にない」と言えば、不起訴処分になる国というのは、法律は民衆が守るべきものと、検察も考えているのでしょう。
 総理大臣と面会の約束もドタキャンするのは、契約にも人は束縛されるべきでないと考えている国でしょう。「法匪」という言葉がこの国にあったようです。
 
 というわけで「デジタル技術」よりも余談でスクリーン出席の報告に替えます。
 

無差別空爆

2005-08-16 | 経済と世相
11日夜9時からのTV,NHKスペッシャル「そして日本は焦土となった」は良い番組でした。

 ご覧になっていない方のため、ハイライト部の要約をしますと、
【 B29による日本空襲は、一般市民を襲う無差別攻撃であった。ハーグの国際条約(1922)によって、軍事目標以外の市民を狙う爆撃は禁じられていた。
 この禁を最初に破ったのが、ナチスのゲルニカ(スペイン)空爆と、日本軍の重慶爆撃である。
米大統領ルーズベルトは、この日本軍の空爆を”国際条約違反”として激しく攻撃した。
しかし、後、日本の空爆を至上空前の規模で行う命令を下した。
英国のチャーチルも、ドイツ空爆で(報復ではあるが)無差別攻撃を指示した。
 1944年、日本内地の空爆の開始に当って、米軍は当初「無差別攻撃」にならないようにするため、研究をした。そして、欧州戦線で実績のあった二人の将軍をアジヤに呼び寄せた。ハンセルとルメイである。ルメイは中国方面空軍司令官として実績を上げた。一方、ハンセルは、市民を巻き込まないよう軍事目標のピンポイント空爆を実施した。しかし、気流の影響もあって、ピンポイント空爆はさっぱり成果が上がらない。
米政府は、ハンセルを解任してルメイを日本空爆司令官に任命した。
ルメイは、上官が彼に何を期待しているか良く承知していた。早速6大都市の無差別爆撃を起案して実行にうつした。大都市を壊滅しても、尚、日本政府が降伏しないと、富山など地方都市に無差別空爆し、最後に広島・長崎に原爆を投下した。
 この間40万人を越す日本市民を殺した。】
 以下は私の感想です。
(番組では触れていないが)戦後、日本政府は、航空自衛隊の創設に貢献したとの理由で、彼、カーチス・ルメイに勲章を贈った(以前のメールでも述べましたが、
このこと一事をみても、政府の官僚は何を仕出かすか信用できないと思う)。
 靖国問題に関連して、東条首相らA級戦犯は、東京裁判自体、復讐裁判で無効であり、”戦争犯罪人ではない”という人がいる。とんでもない!東京裁判の有無に関わらず、彼らは紛れもなく戦争犯罪人である。そして、ルーズベルトもチャーチルも、正真正銘の戦争犯罪人だと思う。彼らの命令でいかに多くの無辜の民が命を落としたことか!
そして、勿論カーチス・ルメイも。人道に対する罪で、絞首刑にすべきなのに、
勲章を贈るとは何事か!日本国民は「ルメイに勲章を贈った政府のバカサ加減」を
決して忘れてはならない。