Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

シルビアおばぁちゃん。

2007-05-13 06:02:20 | アメリカ生活雑感
約1年ぶりにシルビアを訪ねた。

彼女との出会いは5年前。あのHODAの住んでいた大きな一軒屋のオーナーで、HODAがいなくなった後も長く親交を続けている。
出会ったときは彼女は86歳。りんとして、かくしゃくとして、日本で言うなら典型的な“明治女”の貫禄をただよわせていた。
そのシルビアも今年で91歳。数年前から持病の心臓病を患い、ここしばらくは寝たきりになっているときいていた。心配はしていたもののなかなかひょっこりと訪ねるわけにもいかず、病状をときたまDedeから聞いては歯がゆい思いをしていた。

そんな矢先、Dedeからこんなメールがきた。
「週に何度かシルビアの身の回りの世話をしてくれる人はいないかしら?」
この家に店子としてもう20年も住んでいるクリストファー教授がこれまでまるで我が子同然に一切の世話を続けていたのだが、どうもそれも限界になり週に何日か手伝ってくれる人を雇おうとしているらしい。

せっかくご近所になりながらまだ何の挨拶もできていない自分にずっともどかしさを感じていたこともあって「お金はいらないから私にも手伝わせてほしい」とDedeに頼みこんだ。97歳で一人暮らしをしている田舎のおばぁちゃんも、シルビアにだぶった。
週に3日手伝ってくれる人がすでにみつかっていたので、その他の日は私とDedeが交代でシルビアを訪ねて食事の支度をすることになった。

かくして昨日、かつてシルビアに作ってあげて以来彼女が忘れられないという大好物のお味噌汁と、もうひとつの好物チキンテリヤキを作って久々に彼女を訪ねた。ここ数ヶ月はずっとベッドに伏せたきりだとはいえ、私の手をしっかりと握りながら温かな目で見つめ、会いたかったよという。去年、ペドロをここに連れてきて紹介をした日のこと、ドイツでHODAに会ったことなどいろいろと報告。ひとときのおしゃべりを楽しんだ。
あんなにしゃんとしていたのに今では話した内容がすぐに記憶から飛んでしまうのは少し悲しかった。この日は作ってきた食事をキッチンに用意し、クリストファーに挨拶をして早々に引き上げたが、これからは毎週こうやって訪ねることになる。胸につかえていたものがとれてほっとした。


前日の晩ごはんは、翌日シルビアに作って持っていくものの味見をかねて。
チキンテリヤキ、インゲンのごまソースあえ、かぼちゃの甘煮、椎茸とわかめと白菜の味噌汁(にんにく入り。
チキンテリヤキの下味に八角(スターアニス)を入れるのがコツ。味がぐっとプロっぽくなる。
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