Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

昭和の遺物、劇的復活。

2021-05-05 17:03:48 | ニッポン生活編
 
私がまだ小学生のころ、父が当時大枚をはたいて買った昭和のSONYステレオ。
立派な家具並みの大きさだった。
このステレオで、初めて買ったヒデキのレコードを聴き、ラジオを聴き、カーペンターズを、陽水を、サザンを・・・数えきれないレコードをむさぼり聴いたっけ。
何度も捨てられそうになりながらやっぱり家のどこかに鎮座ましまして早や40数年。
実家のリフォームでいよいよ・・と思っていたけれどその難すらも逃れてまたリフォームした家に帰ってきた。
 
ううむ、でかい。動かないのに場所はとる。
どうしたものか、と悩んでいた去年9月。
新聞でたまたま「アナログステレオを蘇らせてレコードを聴く会」という記事をみつけてスクラップしておいたのをまさぐり返し、最後の手段で持ち込んでみることにした。(これでだめなら捨てよう)
 
 
おっちゃん、一目見るなり「ああ、音出せるようにすればええんやろ?いける、いける」とあっさり一言。
チューナー部分はネズミにかじられていたりして使えなくなっていてけれど、針やレコード盤はまだ動く、と言われ、スピーカーは捨てて直してもらうとことにした。
急ぎません、空いた時間でいいですから、と伝えてそのままおいてきた。
 
その後一度「分解してみたけどあれはもうあかんな」と連絡があり、捨てるなら私の手で処分しようと受け取りに行った。
「チューナーは完全に死んどる。けど、ほかの中古をそっくりはめこんだらプレーヤーだけは動くで」とおっちゃん。
レコードさえ聞けるならそれでいいけん、なんとかお願いします、と。
ステレオくんはまたまた命拾い&ドック入り。
 
そして今年3月、「でけたよ」と連絡が。
近所の中古ショップでONKYOのミニコンポの中古スピーカーを2500円で買って持ち込み、本体につなげてテストしてみた。おお~十分いい音するやん!
 
 
 
家に置いたら図ったかのように壁の間にすっぽり。
 
 
というわけで、5月4日、家族そろったところで約40年ぶりにレコード針を落としてみた。
父が大切にしていたJazzの愛盤。
サックスの低音が部屋に響き渡る。
時々聞こえる、ブチブチッというレコード盤独特の音がなんともまたノスタルジック。
 
 
 
父の愛盤の一部
 
男どもはもう大興奮。
 
自分が若いころ一生懸命働いてやっと手に入れた”昭和の富の象徴”が、現代の技術で蘇った。
父の感慨深そうな様子に、ああ捨てなくてよかった、直してよかった、とつくづく思う。
 
捨てるのは簡単。でも思い出は簡単には捨てちゃだめ。エジソン工房さん、ありがとう
 
 
 
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