Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

お隣さんとサンクスギビングと。

2008-11-29 04:34:09 | アメリカ生活雑感
27日木曜日は、サンクスギビング(感謝祭)。
日本のお正月のように、街はひっそり。
普段は離れている家族が集まって食事を共にする日とあって、おとなりも朝からわさわさと車が出入りしている。娘さんが帰ってきたのかな。

そうはいっても私たちにはただの休日。
特に何の予定も入れていなかったのだが、つい先日のこと、お迎いのご主人がケーキを片手にやってきて「もしもサンクスギビングに特別に予定がないようならうちで一緒に食事でもいかがですか?」と誘ってくれたのだった。

ご主人の名前はケビン。奥さんのキャロリンは5歳を筆頭に3人の子育てに追われる若くてかわいらしいママ。
6月頃、私がせっせと庭の手入れをしていたときキャロリンに声をかけられたのが知り合ったきっかけだった。
それから何度となく顔を合わせてはおしゃべりをするようになり、Pちゃんにも紹介して交流が始まったというわけ。
最近は寒くなってあまり顔を合わせなくなっていたけれど、そこにうれしいサンクスギビングのディナーのお誘い。ご近所づきあいは大切だし、何より近所に親しい友人ができるのはうれしいこと、「是非!」とふたつ返事でOKした私。


子どもたちがまだ小さく夜が早いこともあって、ディナー開始は4時半。
私は前菜にスモークサーモンとチーズときゅうりのミニ巻き寿司を作って持っていった。
テーブルにはキャロリンお手製の伝統的なサンクスギビングの食事が並べられ、子どもたちも席についてケビンがお祈りを始める。
「神サマ、愛する家族と良き友と迎える今日のディナーをありがとうございます。アーメン」(←超簡単)
そしていかにもアメリカの一般家庭のディナータイムが始まる。

 
ターキーのグリル&クランベリーソース、スィートポテト、ビーンズ、そしてキャロリン特製のパイナップルのケーキ(?)

同じ団地の家を持つ者同士、家にまつわるいろんな話、災難の話、はたまた家族や子育ての話など、おしゃべりに花が咲く。
食事に飽きた子どもたちは家の中を縦横無尽に走り回り、“お客さん”のいるいつもと違う雰囲気に興奮気味。
そうこうするうちにだんだんその興味が私に向けられ、ちょっとかまってやるともう最後、止まらない。
「遊んで、遊んで」と離れないのだった。
う~ん、何故か昔から犬と子どもには好かれる私。
遊んでやるぞ光線が出ているのか、それともこっちが遊んで欲しいのがむこうにばれてるのか。
過激な遊びをしてくれると知っているのか、足を持って振り回したり無重力状態にしてやったりすると「もっとやって!」とまとわりついてくる。
彼らには「終わり」という言葉がない。
もう、こっちがヘトヘトや。


「椅子揺らして~」とせがんでいる図

 


ここの子どもたちは本当にのびやかに育っている感じ。
テレビを見せず、一緒に遊ぶ主義らしい。いい教育だ。
制御不能の子どもが3人もいるというのに、キャロリンはいたって温和で決して叱ったりしない。それを信じているから子どもたちも感情表現が豊か。
最近学んでいることを地で行くような家族だ。


ちょっと興奮しすぎて今日は夜更かし気味のふたり。このとき時刻は午後9時前。
リビングにいきなりシーツと枕を持ってきて大人のまんなかで「寝たふりごっこ」。

おやすみなさい!


午後9時すぎ、家に戻った私たちは久々に暖炉に火をいれ、ワインを開けてのんびりと残りのサンクスギビングを味わったのでした。

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クリスマスイベントとシカゴ夜遊び

2008-11-26 03:28:04 | アメリカ生活雑感
11月中旬になって急に冷え込み雪もちらつくようになってきた。
ハロウィーンが終わると、街には一気にクリスマス気分が高まってくる。

先週土曜日、急に思いついてシカゴのメインショッピングストリート「マグニフィセントマイル」のライトアップイベントに行ってみることにした。
とはいうものの、出発が遅れてしまい渋滞も重なって到着して車を停めたのはすでに7時前。6時からのミッキーパレードはすでに終わった後だった。
がっかり・・。

シカゴに来るのはあの大統領選(11/4)以来だ。
あの日は不思議なことに12~3℃という季節はずれの暖かさだったけれど、今はもちろん氷点下。街を歩く人たちも完全防備。
きんきんに冷え切った空気に、街のクリスマスイルミネーションが美しい。
街のあちこちに巨大なクリスマスツリーもお目見えして、格好の撮影場所になっていた。






せっかくシカゴくんだりまで出てきたことだし、というわけで今日は久々の外食。
レストランやBar、ナイトクラブが立ち並ぶRushどおりのカジュアルな仏レストランでおなかいっぱい食べた後、夜遊びモードに入った私たちは"Andy's Jazz Club"へ。
ここへは以前一度入ったことがあったが、当時は禁煙じゃなかったので敢えなく撤退。
でも今年からはどこへ行っても全面禁煙!!
ああ、こんなうれしいことがあろうか。


今日の演奏は、ファンク・フュージョン風のビッグバンド。
1時過ぎまでゆっくりと演奏と雰囲気を楽しんだ。

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もうごめんだ!NECのPC

2008-11-24 13:28:50 | アメリカ生活雑感
買ってから何かとトラブル続きのNECのPC。
今度はいきなりCDドライブが読み込めなくなっちまった。
音楽CDは読み込めるものの、以前保存しておいたデータCDの内容が呼び出せないときたもんだ。
リカバリーだけは、あんな面倒くさいものもうやりたくない。
リカバリーやるにも、それ以前にCDにデータ保管できないじゃねーかよ。

インターネットでいろいろ調べてみたものの、やはり結果は同じ。
思い切って日本のヘルプデスクに電話したけど、やっぱり「Windowsが不安定になっているかもしれません。リカバリーをオススメします」だと。
それがやだから電話してんじゃねーか!
海外に窓口もないから、もうNECはごめんだ。
くそ~。
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ジャック・ブラック好き

2008-11-22 06:33:10 | movie
ずっと見たかった映画がついにレンタル市場にやってきた。
Pちゃんは「映画館嫌い」なので、もっぱら映画鑑賞はレンタルDVDの我が家。
満を持して借りてきたのが、「カンフー・パンダ」



カンフーの達人にあこがれるメタボのパンダが、村を救うため極悪カンフー・ウォリアーと戦う、というストーリー。
しかし、私がいっちばん楽しみにしていたのは吹き替えの役者陣。
主役のパンダ、ポーの役は、私の最もお気に入りの役者のひとり、ジャック・ブラック。
この人、「スクール・ロック」を見てから、その強烈なキャラにすっかりはまってしまっていた。


パンダのポーの性格やメタボな体格がすべてジャック・ブラックにぴったり重なって、彼自身も言っていたけれど「今度パンダに会ったらすごく仲良く慣れるかもしれない」というくらい恐ろしく一体化していた。
そのポーにカンフーを教える師匠の役をダスティン・ホフマン、他にも、アンジェリーナ・ジョリー、ジャッキー・チェン、ルーシー・リューなども吹き替えに参加していて、それもまたたまらん。
ジャックの関西風ナンセンスギャグセンスと、ダスティン・ホフマンの超渋くユーモラスな師匠の掛け合いが最高に笑える。
日本語の吹き替え版(予告編)をちらっとみたけど、やっぱり達ちゃん(山口@TOKIO)にはあのジャックの味は出せてないな~。


ところで、これはずいぶん昔に見た一本でやはりジャック・ブラックが出演していたオススメ映画。

「Holiday」


アメリカとイギリスで、それぞれ恋に破れた女がふたり。
ホリデーシーズンがやってくるというのに、デート相手もいず何の予定もない。
そんなふたりがひょんなことからホリデーに"home exchange"(家を交換してホームステイすること)をすることになり、それぞれ異国である出会いをすることになるのだが・・・

恋する女ふたりにはキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット(タイタニック)、恋の相手にジュード・ロウ、そしてジャック・ブラックという組み合わせ。
役者が揃う、とはこのこと。
ストーリーはたいしたことないのだが、4人の個性が絡み合って最高の娯楽作になっている。
「ホーム・エクスチェンジ」というのも、いかにも外国らしい設定で日本人には新鮮。
実際ホリデーに自分の家を丸ごと他人に貸してしまう商売(?)はアメリカでは結構ポピュラーなのだ。
イギリスの田舎街の美しい雪のクリスマス風景と、ポカポカ陽気のロスの対比も面白い。

プレイボーイ役の多いジュード・ロウが、珍しく「いけてない、情けない」男を演じるところも見もの。
思いきりイギリス訛りの英語もキュート。

そして、やっぱりこの人、ジャック・ブラック!!
あとの人はどうでも、この人にだけは吹き替えをつけないで欲しい、というくらい唯一無二、irreplacableなキャラだ。


この2本、冬の休日にぜひご覧あれ。

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ホワイトハウスに柴犬を!

2008-11-17 14:41:46 | アメリカ生活雑感




オバマ氏の「優先課題」のひとつにあげられているのが、“犬”。
ホワイトハウスで犬を飼うのを娘たちと約束していたんだそうである。

演説でこの話をしてから、一時ニュースは犬の話でもちきりだった。
先だっての初記者会見でもやはりこの話題は避けて通れず、「娘がアレルギー体質なので、アレルギーを起こさない犬であること、そしてシェルター(捨て犬施設)に入っている犬であることが条件」と結構まじめに答えていて笑えた。

で、ひらめいた。
ここはひとつ柴犬はどうだろう、と。
ホワイトハウスにあの尻尾がくるんとなったいかにもハチ公風の犬がいたらどんなに素敵だろう。
いかにも高そうな洋風の犬よりも、あの凛々しい柴犬がホワイトハウスを駆け回る図が頭のなかに浮かぶ。
思えば思うほど、これを是が非でも実現したくなった。

実現するためにはまずプレゼンせねばならぬ。
いろいろ考えた挙句、先日サインアップした新政府のWebサイトにアクセス。
ここには、新政府に対する要望や意見を自由に投稿できるコーナーがある。よしっ、ここにこの案を書き込むのだ!

しかし、いきなり「柴犬を飼ってくれ」と書いても読み飛ばされてしまうだろうから、まず「新政府に望む“二つの提案”」という形でレポートを書くことにした。
あくまでもまじめにまじめに・・。

ますそのひとつは、「徹底した政教分離を貫いて欲しいと」
これができなかったブッシュ政権がアメリカを混乱に陥れたのは周知の事実。宗教的バイアスのかからない正しい政策と子どもたちの教育をめざしてほしい。
・・・とまず大真面目な提案。

そして(実はこっちが本題)「その2は、ホワイトハウスに日本の誇る“柴犬”を是非お連れして欲しい」
日本で親しまれているこの犬は、犬のなかでも最も忠誠心が強く、やさしく賢い犬。日本のロイヤルファミリーもこの犬の雑種を飼っている。
アレルギーの心配もないし、娘さんたちも好きになること間違いなし。人々もこの犬を見たら、その凛々しさと愛らしさにあっと驚くにちがいない」
と、写真やビデオのリンクをつけてプレゼン。

書いているうちに本当に実現する気になってきて思わずニヤニヤ。
ホワイトハウスに柴犬、いいと思うんだけどなぁ。





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ソシオロジー ~その3 ~ “教育と宗教”

2008-11-15 03:47:26 | アメリカ生活雑感
夕べ、英語でしゃべらないとを見ていたら、ブルーマンが素顔で納豆を食べていた。
よく見ると、たれ目の感じがポール・スタンレーにうりふたつだった。
唐突ですが。



**  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **

なかなか面白かったソシオロジークラスも残すところあと数回。
いよいよ今週から、6つに分かれたグループでの「研究発表」に突入。
私たちのグループは「国別に見る大学教育の違いについて」をプレゼンする予定(12月4日)なのだが、まだ何も手をつけていない状態。
この土曜日はそのため緊急出動してグループミーティングすることになった。とほほ。


ところで、以前このクラスで「Eucation and Religion(教育と宗教)」について議論したことがあった。

35人のクラスの半数は、もちろんクリスチャン(カソリック)。
モスラム、1名。
ヒンドゥー、6名。(全て、インド人)
仏教、0名。
アゴノスティック(Agnostic:特にナシ)、1名。
エイシエスト(Atheist:無神論者)、2名。
その他挙手ナシ、数名。


エイシエストで手をあげたのは、台湾のCくんと私。
正直、心中は「“連れ”がいてくれてよかった。」とほっとした。
アメリカでは、特にコンサバな地域ではエイシエストは罪人のような目で見られると聞いていたので、クラスの人たちは、この思い切り手をあげたふたりのアジア人をどう思っているんだろう、と興味がわく。

先生がおのおのの信者に「なぜその宗教なのか?」を質問。
親がそうだったから、またはインドのように国の宗教だから自然にその中で育ったというのが答え。
ある、クリスチャンだという黒人の女の子が言う。
「はっきりいって誰も死んだあとのことなんて知らないわよ。善人は天国に行くとか罪を犯したら地獄に行くとかなんてわかんないじゃん。誰か天国に行った人が戻ってきて、『Yo、天国ってこんなとこだったぜ』って言ってくれれば信じるけど」
一同爆笑。

ヒンドゥーの教えにいたっては「輪廻転生」。
悪いことをしたら虫に生まれ変わるなどといわれても、生まれ変わった虫が「ちーっ、前世は人間だったのによ」とはよもや思わないだろう。

そして、質問がエイシエストのふたりに飛ぶ。
なぜエイシエストなのか?

「中国でも何千万人という僧がいて、その人生のほとんどを全国行脚と修行ですごしているけれど、次の生のために今その時間を無駄にするほうがナンセンスじゃないかと僕は思う。今、この人生を自分のために生きることが大切なのでは」
台湾のCくんの意見には全く賛成。

次に意見を求められたので、
「私はただ、特定の神を持たないという立場です。日本では“神道”という考えが根付いていますがこれは特定の神を持たず、自然の生きとし生けるものやご先祖をあがめ敬意を表する、スピリチュアルなもので宗教とは一線を画しています。
私も追い込まれたときは心の中で思わず“カミサマお願い”と言ったりしますが、それはキリスト教のような神ではありません。」

特に何の信仰もない日本人が、外国で宗教的立場を聞かれたときに用意しておく答えは次のふたつだろう。
アゴノスティックとエイシエスト。
前者はどちらかというと「こだわりなし」、後者は「何も信じない」という立場。
「エイシエスト」は“主義”というニュアンスが加わるぶん、強さが増すかんじ。
私は多分、アゴノスティックに近いエイシエストということになる。
まぁ、敬虔な仏教徒やクリスチャンをのぞくと、ほとんどの日本人はアゴノスティックじゃないだろうか?(あくまで私の推測)

「日本人はキリスト教徒でもないのにチャペルで結婚式をあげ、神の前に平気で“誓います”。そのくせ和式も混同したりしているので、この場合宗教はファッションのようなもの」とレポートに書いたら、かなり受けていた。

そのあと話が教育に話が及んだのでどうしても聞いてみたくなって思わず手をあげた。
このクラスは、タブーなし、個別の批判や攻撃なしをモットーとしているので今がチャンスだ。

「映画『ジーザス・キャンプ』を見た人はいますか?映画の中で子どもたちがファンダメンタリズムをいかにも簡単にindoctrinate(吹き込まれて)されているのを見て、衝撃を受けました。もしこの中にキリスト原理主義の人がいたら、そのあたりを教えてもらいたいのですが」

ちょっとやばかったかなー、でもいいや。興味があることは推測するより本人に聞け、だ。

し~~ん。
誰も手をあげない。
それを見て先生も「多分このあたりには(原理主義は)いないよ」と言う。
本当にそうなんだろうか?
通学途中に原理主義(クリエイショニズム)教会があるのを見た。「このあたりにいない」というのはきっと正しくないだろう。
いるけれど公になっていない、または子どもたちは学校や、もちろん大学には(ソシオロジークラスなどもってのほか!)通っていない、のどちらかか?

ブラックホールに入っていきそうだったので、この話はここでやめることにした。

「・・・つまり何が言いたかったかと言うと、私はすべては教育からだと思っています。もし私がモスラムの国や両親のもとに生まれていたら当然モスラムになっていたでしょう。要するに、どこで生まれどんな教育を受けるかによってある程度信仰は定められてしまうのではないでしょうか?」

発言はしたものの、あまり食いつきなし。
やはり宗教というトピックはソシオロジークラスの若者にとってもざっくばらんに話せないことなのかな。
しかし、これを知らないと本当のアメリカは永遠にわからないような気がする。


家に帰ってそのことをPちゃんにすべて話すと「よく言ったねぇ。そのとおりだけど・・」と唖然とされてしまった。
怖いものナシとはこのことか?
それとも、“Ignorance is bliss(知らぬが仏)”だったのか?



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ここはバークレーじゃない

2008-11-13 03:39:59 | アメリカ生活雑感



Top 10 Bush Moments (By デヴィッド・レターマンショー)


**  **  **
大統領選挙から1週間。
今となってはなんだか遠い昔のことのように感じる。
先週は季節はずれの暖かさだったのが、今週は一転して0℃前後の真冬の冷え込み。今日は雪交じりの氷雨が降っている。
これが先週だったら、12万人はグラントパークで凍死寸前だっただろう。
歴史のお膳立てはこうやって作られるのか、と改めて感動する。

今は誰もがブッシュの存在など忘れ、オバマ新大統領とどうこの難関を乗り切っていくかで頭が一杯。
夕べのレターマン・ショー(ナイト・トークショー)で、レターマンが「ブッシュ大統領もあと100日」と言うと、観客からもやんやの喝采がわいていた。
これだけ不人気な大統領も珍しいものだ。

アメリカだなぁ、と思わず笑ってしまう変わり身の早さはまだある。
“大統領になるかもしれなかった”マケインは、負けてしまえばタダの人。四方を固めていたシークレットサービスも敗北の瞬間からお役御免となり、翌日はマケイン氏自らバンを運転して自宅に帰っていた。
負けた瞬間にまるで魔法が解けたように、素直なじいさんになったマケイン。敗北宣言を評してレターマンは「もっと早くにこう(誠実に)なっときゃよかったのに」。

かたやオバマ氏は大切な次期大統領。2重3重にボディガードが取り囲み、もうトイレにも一人で行けない。娘の学校の送り迎えもガードつきだ。
シカゴの自宅の周辺、ハイドパーク近くの閑静な住宅街には特別なバリケードが設けられ、郵便配達人もルートが変わった、とぼやいていた。


ところで、先週の日曜日のこと。
私たちは友人のバーバラ(ポーランド出身・アーティスト)が出品しているというアートクラフト展をふらりと見に行った。
彼女は一女三男の4人の子どもを持つビッグママ。信心深く物腰の柔らかな、どこにでもいる普通の奥さん。

選挙前だと挨拶の常套句は「投票すませた?」だったが、今はもちろん、結果について聞くところだ。
でも、周りはオバマ支持者だけではないのでPちゃんが慎重に言葉を選んで話しかける。
「11月4日はどう過ごされましたか?」
ニコニコする私たちとは対照的にバーバラの顔がみるみると曇っていく。
「Oh my God... あの日は負けたショックで呆然としていたわ。これからどうなるのかしらと絶望的で、家族で神にお祈りをささげていたのよ」

(・・・まじかよ)ショックによる沈黙がしばし私たちの間を流れる。

気を取り直して私が言う。
「でも、子どもたちの未来にとってはいいと思うよ!」
「さぁ、どうだか。(ポーランドの)親戚がこんな冗談を言うのよ。アメリカがコミュニズムになるんだったらいっそのこと国に帰ってきたらいいじゃないってね」
「いやいや、オバマはソーシャリスト(社会主義者)なんかじゃじゃないよ」
Pちゃんが聞き捨てならん、と否定するもバーバラは聞いちゃいない。
「とにかく、様子をみるしかないわね。この先は・・・神のみぞ知る、よ」


あとからバーバラはマケイン派だったんだ、とびっくりしてPちゃんに言うと、彼は「なんとなく察しはついていたからあんな聞き方をしたんだ」と言う。
ポーランド人はヨーロッパの国の中でも、特に信仰深くコンサバ(保守的)として有名らしい。アメリカに移住したポーランド人が保守派=共和党派であることは、言わずと知れるというのだ。
そんな予想などできるはずもない私は、「ごく身近の友人が共和党派」だったという事実に結構頭をどつかれたようなショックを受けていた。


注目すべきは彼女の言葉。この短い会話の中に、マケイン(共和党)支持者たちを象徴するキーワードがふたつ含まれている。
それのひとつが、「神」
政治に「神」を持ち出すこと。

二つ目は、「ソーシャリスト(社会主義者)」。
マケイン陣営は、終盤で形勢不利とみるや「オバマは社会主義者でアメリカを社会主義の国にしたてようとしている」と大ネガティブキャンペーンをはった。
オバマ氏が打ち出した、「ミドルクラスの税率を下げ、そのかわり国民の5%を占める富裕層の税率をUPする」という新税金策を「社会主義」と呼んで非難したのである。
オバカな人たちはこの真偽をよくよく確かめもせずに「オバマは社会主義だ」キャンペーンをうのみにし、「働かないやつらのために俺たちが支払ってやる金などあるか!」と息巻いた。
もしもし、そんなあなたは5%の富裕層ではありませんよ。


人間とは恐ろしいものだと、今回の大統領選を身近で見ていてつくづく感じた。
これほどまでに人は簡単に洗脳されてしまうのか・・・。
そして、この国の半分はそういう人たちなのだということを改めて肝に銘じた。
そう、ここはもうバークレーじゃない。
周りの人がすべてリベラルで、私と同じようなものの見方・考え方をしているわけじゃないんだ。


情報を求め、選び、自らの力で確かめ、突き詰めるチカラ。
個人の信仰と世の中のルールとを混同しないという知性。
国をただすには全て「教育」にいきつく。
だからアメリカの歴史は、ここでオバマ氏を登場させたのかもしれない。


やっぱり、寄りすぎ?うふっ。

Comments (4)
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オバマ氏からのThanks メール

2008-11-12 05:11:12 | アメリカ生活雑感
大統領選挙の翌日、11月5日の未明に
オバマ氏からメールが届いた。
とはいってもこれは、“OBAMAサイト(barakobama.com)”に支持者登録している人全員に送られた一斉メール。

そうはわかっていても、なんだかじいんとした。




SHOKO --

I'm about to head to Grant Park to talk to everyone gathered there, but I  wanted to write to you first.

We just made history.

And I don't want you to forget how we did it.

You made history every single day during this campaign -- every day you knocked on doors, made a donation, or talked to your family, friends, and neighbors about why you believe it's time for change.

I want to thank all of you who gave your time, talent, and passion to this campaign.

We have a lot of work to do to get our country back on track, and I'll be in touch soon about what comes next.

But I want to be very clear about one thing...

All of this happened because of you.

Thank you,

Barack

********************

今まさに、グラントパークに向かいそこに集まった人たちに感謝を述べようとしているところだ。でもまず君にこのメールを書いておきたかった。
われわれはまさに今歴史を築いた。
そして、ここにいたるまでのことをどうか忘れないで欲しい。

この選挙戦の間、君は毎日歴史を築いていたのだ。
そう、毎日扉をノックし、寄付を集め、家族や友人や隣人に何故いま変革が必要なのかを説き続けた。

時間と能力と情熱をこの選挙戦に注いでくれた君たちすべてに感謝したい。

この国を取り戻すためにやらなければならないことはたくさんあるが、来るべき未来についてまた語れる日がすぐ来るだろう。

でもひとつだけ確かなこと伝えておきたい。

ここにいたったのは全て、君のおかげだ。

ありがとう。

バラク
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反応あれこれ。

2008-11-07 16:13:30 | アメリカ生活雑感
11・4のあとすぐ、以前住んでいたカリフォルニア(ベイエリア)の友人たちに号外を出した。
特にリベラルで知られるベイエリアの人々が、今度の選挙にいったいどんな反応だったのかも興味津々だった。

早速続々と反応が返ってきた。(英文原文ママ)

**  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **

"・・・around here everyone is ecstatic. last night there was yelling and cheering in all the streets around my neighborhood and firecrackers. i am incredibly happy today.
isn't he amazing. i finally have some hope for my country. i haven't had any hope for 8 years. it feels great.
geoff and i saw him speak a year and 1/2 ago before anyone thought he had a chance. i we've been working for his election ever since, but never thought he had a chance. i am phenomanally thrilled.

(この辺じゃみんな狂喜乱舞で、夕べうちの近所はみんな絶叫するやら歓声あげるやら、爆竹鳴らすやらで大変やった。今日はめちゃくちゃうれしい。彼はもう最高や!やっとこの国に少し希望が持てたわ。8年間何の希望もなかったから最高の気分。
1年半前にジェフ(主人)とふたりでオバマ氏の演説を聞いてからずっと、この選挙選を支援しとってん。チャンスがあるんやないかて誰もが思うずっと前に。でも正直大統領になれるとは思わんかった。もうびっくりするほど興奮してるわ。 
― Anne・アダルトスクール時代の恩師・バークレー在住  *なぜか関西弁訳)


“Obama's speech was eloquent and moving. When he first walked on stage, he had such a poignant expression on his face. I was so touched.
What joy it will be to see his beautiful family living in the White House.
I'm going to forward your pictures to Carlos. When I came home last night from him saying that he was "superfeliz" and that "America was a great country." Well, at least we're going to be a better country.

(彼の演説は雄弁で感動的だったわ。最初に彼がステージに歩み出たとき、胸にせまるような表情をうかべていたわね。ぐっときたわ。
彼のあの美しい家族がホワイトハウスに住むのを見られるなんて、なんて心躍ることかしら。
あなたが送ってくれた写真をカルロス(ベネズエラに住む共通の友人)に送らなくちゃ。夕べ彼から留守電が入っていてこう言っていたの。“最高にうれしい。アメリカはグレートな国だ”ってね。
まあ、少なくとも今よりもいい国になるでしょうね。

― Dede・バークレー在住)


“I'm sooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo excited about our new president!!!!!!!!!!! I totally agree the last 8years were nightmares... Firuz and i became citizens just before the election. That's why we were so excited to be able to participate by voting in such a historical election.
When i was watching election on TV, i wish i was in Chicago. Seeing a huge crowd it was so amazing. Actually, i thought about you and i was wondering if you and Pedro went to Chicago that day. I even told Firuz that i was sure that both of you went. It also so great to see people in other states as well as around the world celebrating our great new president.
When i went to campus the day following the election, everyone in SJSU was celebrating. Starbucks was giving away free coffee, jumba juice free juices and there was free foods. I'm still so excited about the election even though it is over that i can't stop expressing my emotions and excitement.

(新大統領の誕生、もうサイコーにうれしい!この8年間は本当に悪夢だった。フィリス(主人)と私は選挙の少し前にアメリカ市民になったの。だからこの歴史的な選挙に参加できることにすごくうきうきしたわ。シカゴの群集をテレビで見たとき、きっとふたりはこの中にいるって思ってそう話してたの。他の州や国の人たちが私たちの誇るべき次期大統領を祝福してくれたのも最高だった。
翌日、大学(サンノゼ・ステートユニバーシティー)に行ったら、みんなお祝いしてた。スターバックスはタダでふるまわれていたし、ジャンバ・ジュースも無料で、食べ物も無料配布されていたのよ。
選挙が終わってもいまだに興奮冷めやらない。この感動を表現してもしてもし足りないくらいよ。

― Nigora・アダルトスクール以来の友人。旧ソビエト・ウズベキスタン出身)


"Friends around me were very happy about the result. You know, Californians. Yes, Obama brought hope to the US, and we hope he can bring change to the world, too.

(まわりの友人たちはこの選挙結果を喜んでいるわ。カリフォルニアンですもの。そう。オバマはアメリカに希望をもたらしてくれたし、世界を変えてくれると期待しているわ。
― Amy Huang・バークレー在住。中国出身)


"Yes, we stayed very happy with the election of Democrat in US too, speacially him. In Brazil the news were very positive about Barack Obama, even though they talked about the hard job he will face!! But at least it a chance for change!!!"

(私たちは民主党の勝利に、特に彼が選ばれたことを喜んでいるわ。
ここブラジルでも、たとえ苦難に面しているとはいえオバマ氏に関する報道はとてもポジティブよ。少なくとも変革のチャンスということね。
― Maria・旧クラスメート/ブラジル在住)



**  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **  **


もともとカリフォルニアは民主党の牙城。(なぜか州知事のシュワちゃんは共和党だが)
そんなわけで、共和党は初めからキャンペーンの比重を置いていない。

公式投票結果を見てみると、州全体では、
61% オバマ
37% マケイン
票数ではなんと、約250万票の開きがある。

これがカウンティ(郡)単位になるとさらに顕著で、
サンフランシスコでは
85% オバマ
13% マケイン
と、もう圧倒的。

バークレーやオークランドを含むアラメダカウンティでは
79% オバマ
19% マケイン
と、これも圧倒的な開きだった。

ちなみ地元、イリノイ州では
62%対37%で、カリフォルニアとほぼ同じだ。


世界各国も概して、8年ぶりの民主党の政権奪回、ことさらオバマ氏の勝利を好意的に受け止めて報道している。
対話路線を強調しているオバマ氏と比べて、マケインはブッシュの強硬路線を引き継ぐと思われていたからだ。
何様のつもりだか、マケインは数ヶ月前「(イラクから軍隊を撤退させた)スペインの国王とは(大統領になっても当分)会うつもりはない」と言って内外から大顰蹙をかった。
この、“KY発言”はマケインが一気に落ちていくきっかけにもなった。


また、今回面白かったのは日本との温度差だった。
「よかった!」とコメントしてきたのは、アメリカに在住経験のある友人だけ。
普通に生活している日本人にとっては、「よかった」と言えるだけの十分な理由も知識もパッションもなかったからだろう。
まぁ、外国の大統領選挙に盛り上げれと言うほうが無理というものだが。
オバマ氏は日本でも注目されていたようだがマケイン氏にいたっては「で、誰よ?」という感じだったらしい。
もっともオバマ氏に関しても“オバマまんじゅう(by 小浜市)”や“初の黒人大統領か”という、全く政策とは関係の無いところで騒がれていたにすぎない。
結果、優勢と報じられていたオバマ氏が勝ったところで別段「歴史的」という感覚もなくて当然だろう。
だいたい、96年当時は私だってクリントンの対抗馬は誰だかも知らなかったのだから。


でも今は、大統領が誰になるか、政府が今後どのように舵取りをしてくるかが私たちの生活に大きく影響してくる。
私たちはアメリカ市民ではないし参政権もない。しかし、ここで収入を得、税金を払い、家のローンを払っていることになんら変わりはない。
医療制度も今後の生活に大きくかかわってくる。無関心でいるわけにはいられない。


4年に一度のアメリカ大統領選が盛り上がるのは当たり前とはいえ、今回の選挙にかける国民の真剣度はすさまじかった。
それはきっと、ここに至るまでの長い長い伏線があったからだと思う。特に、民主党支持派の人たちにとっては・・・。

2000年の大統領選挙では、民主党のゴア候補との投票差をめぐっていろいろな“謀略”がささやかれ、疑惑のうちにブッシュが政権を握ることになった。
そして、2001年、テロが起こり、ブッシュ政権は一気に戦争へと突入していく。
続く2004年の選挙でも、最後のアイオワの開票までもつれこんだ結果、ケリー氏を僅差で破って再びブッシュが政権を握った。“戦争効果”である。
あのとき、私の周りの人々が受けた衝撃と絶望を、今でも忘れない。絶望のあまりカナダに移住した人もかなりの数にのぼったという。

そして、戦争で国は疲弊。
ブッシュは政治に宗教を持ちこみ、科学を否定した。その結果“カトリーナ”を招き入れ、南部をボロボロに破壊した。また、アルツハイマーなどの難病の解明に期待される胚幹細胞研究推進法案にも拒否権を発動、道を閉ざした。
とどめは住宅ローン破綻、そして金融破綻、である。

以前ここにも書いたが、きっとブッシュはどこぞ(maybe mission from God?)から「アメリカを根本から破壊せよ」という密命を受けた人物(そのわりに頭悪い)だったのかと疑うほど、8年間で国を見事に破壊した。

その長い長い悪夢のような道のりを経て、やっとおとずれたわずかな光明が、今度のオバマ氏勝利だった。
しかし、これからが大変だ。
彼は神サマではない。一部の人たちは彼が全ての問題を一夜のうちに解決してくれるとバカな期待をしている節があるが、そうはいくまい。
敗戦国が国を建てなおすようなものだ。



昨日、選挙後最初の記者会見を見たあるトークショーのコメンテーターがこう言っていた。

「ああ、やっと“大人”の話を聞けた。なんて素晴らしいことなんだ!なんてったって、彼(オバマ氏)のスピーチはちゃんと文章になっている。主語と述語があって、最後にピリオドがあるんだから。」

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Change has come ~その2

2008-11-07 14:37:48 | アメリカ生活雑感

(Chicago Sun-Times 11/5)

この瞬間を境に、“President-Elect Obama(オバマ次期大統領)”と呼ばれる。


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カウントダウンから30分。
今か今かと待ちわびる観衆の前に、オバマ氏が家族と共に現れた。
最愛の娘サーシャの手をとり、ゆっくりと一歩一歩かみしめるように歩く彼にはすでに大統領の風格が漂っていた。

鳴り止まぬ歓声。
無数のアメリカンフラッグが揺れ、その第一声を聞き逃すまいとステージを見つめる人々。

“ハロー、シカゴ!”

勝利の第一声はまず、地元シカゴアンたちへ注がれた。
熱狂する観衆。

今夜は若者、特に大学生から20代~30代の人たちが圧倒的に多い。
普段は政治に関心のなかったこの若い人たちが、何かを変えなければと積極的に選挙に行って1票を投じた結果、今この瞬間がある。



“It's the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Latino, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled ― Americans who sent a message to the world that we have never been a collection of red states and blue states; we are, and always will be, the United States of America.
(老いも若きも、金持ちも貧乏な人も、民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ラティーノもアジア人もネイティブアメリカンも、ゲイもストレートも、障害を持つ人も持たない人たちも、今日のこの答えを出したのだ。
アメリカ人が全世界にメッセージを発信したのだ。我々は決して赤(共和党)の州や青(民主党)の州の寄せ集めではないということを。我々は今もそしてこれからも、アメリカ合衆国なのだということを。)



先日、大学のソシオロジークラスでのディスカッションで聞いた、クラスメートたちの生々しい話が頭をよぎる。
「父親が突然レイオフになった」「今年リタイアしたばかりの父親は、もらえるはずの退職金のあてがなくなり呆然としている」
彼らは、途方にくれる親たちの無残な姿を見て何かを変えなければいけないと感じたはずだ。
この、世界恐慌以来の大金融危機が彼らの生活を揺るがし、そのことが意識の変革をもたらしたとは何と皮肉なことだろう。
言い方をかえれば、この金融危機がなければ選挙結果はどう転んでいたかわからない。
ここまで追い詰められたことが、労働者や中間層を真剣にした。
もう白人主義などと言っていられない、誰かこの危機を第一優先として救ってくれる人物が必要だと目が覚めたのだ。


演説のなかで一番胸がじいんとなったのは、オバマ氏がアトランタに住む106歳の女性、アン・ニクソン・クーパーさんのことにふれたときだった。
奴隷解放の一世代後に生まれた彼女は、文字通りアメリカの激動の歴史の中を生きてきた。
女性であるがため、肌の色がちがうがために参政権が与えられなかった時代から、、自ら指でスクリーンに触れて投票した今日までの日々。
幸せな時代も暗い時代もずっと生きぬき、このアメリカという国がどれほど変われる国なのかを知っているのが、彼女なのだと。

そのあとに続いたこのフレーズこそが、彼のテーマだったように思う。


“So tonight, let us ask ourselves: If our children should live to see the next century; if my daughters should be so lucky to live as long as Ann Nixon Cooper, what change will they see? What progress will we have made?
This is our chance to answer that call. This is our moment. This is our time ― to put our people back to work and open doors of opportunity for our kids”

(今夜、自分自身に問いかけよう。もしも我々の子供たちが次の世紀を目にするまで生きたとしたら。もしも私の娘たちが幸運にも、アン・ニクソン・クーパーさんと同じくらい長く生きられたとしたら、彼女らはどんな変革を見るのだろう?私たちはそれまでにどれだけ進歩できるのだろう?
この問いかけに答えるチャンスが今なのだ。我々の瞬間なのだ。我々に与えられた時間なのだ。人々が再び仕事を手にし、子どもたちのためにチャンスの扉を開けるための。)



我々の子どもたちに何を残せるだろう?
そう考えたとき、政策はおのずと決まってくる。それが彼の中を貫く強靭な芯なのだ。
戦争も地球破壊もない世界。
つまらない差別も貧困もない世界。
「イマジン」の世界がそこにはある。



途中からは、10万の群集もオバマ氏に合わせて絶叫する。

“YES WE CAN!!”
“YES WE CAN!!”

”YES WE CAN!"”



目の前の光景があの、何度もビデオで見た伝説のマルティン・ルーサー・キングJr.牧師の“I have a dream”スピーチとだぶり、自分が歴史の1ページの中にいる感覚に酔いしれる。

道が険しいことは皆、わかっている。
しかし、アメリカはようやく決断を下し、動き始めたのだ。
やれる。きっとやれる。
そう思わせてくれる新しい指導者の下で。


群集に何度も何度も手を振り、うなずくオバマ氏。
ミシェル婦人とステージの奥に消えるその瞬間、ふたりは見つめ合い手を取り合う。
その、何と崇高にして堂々たる姿よ。


ホワイトハウスにふさわしい家族がやっと今、新しい家族(子犬)を連れてアメリカと共に歩み始める。


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喜びのシカゴがよく伝わる動画。よく見るとなんと私たちもどこかに!
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