Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

音楽まみれの7月。

2016-07-28 18:17:21 | music/festival
シカゴの夏はイベント花盛り。

6月あたまのゴスペルフェスティバルからはじまって、
ブルースフェスティバル、テイスト・オブ・シカゴ、ラビニアフェスティバル、ミレニアムパーク音楽祭、、、、ともう、追い付いていけない。

一応、忘れないように書いておこうっと。



ニューオリンズから戻った翌日、6月24日。
今年最初のラビニアフェスティバルへ。
今夜の出演者は、52年ぶりにラビニアに戻ってきたボブ・ディラン。
そして、R&B,ゴスペルQueenのメイヴィス・ステイプルズ!
立錐の余地もない、とはまさにこのこと!
今までに見たことのない人、人、人。ヒッピー世代~その子供たちの世代が大集合だ。
関係者の人曰く、記録だったそう。





(Photo by Chicago Tribue : http://www.chicagotribune.com/entertainment/music/ct-bob-dylan-mavis-staples-ravinia-review-20160624-column.html
その昔、ボブがメイヴィスに結婚の申し出をしたことはあまりにも有名。


一方の私たちは、花より団子。ボブ・ディランにも興味あるけど、食べるほうに夢中。(スミマセン・・・)
今日の献立は、
 

前菜にチーズとプロシュート、お好み焼き、おにぎり、赤ワインにビール、と宴会モード。

 




●Bob Dylan set list

Things Have Changed
She Belongs to Me
Beyond Here Lies Nothin'
What'll I Do (Irving Berlin cover)
Pay in Blood
Melancholy Mood (Frank Sinatra cover)
Duquesne Whistle
I'm a Fool to Want You (Frank Sinatra cover)
Tangled Up in Blue
Intermission

High Water (For Charley Patton)
Why Try to Change Me Now (Cy Coleman cover)
Early Roman Kings
I Could Have Told You (Frank Sinatra cover)
Spirit on the Water
Scarlet Town
All or Nothing at All (Frank Sinatra cover)
Long and Wasted Years
Autumn Leaves (Yves Montand cover)

アンコール
Blowin' in the Wind
Love Sick


●Mavis Staples set list:

If You're Ready (Come Go With Me) (Staple Singers)
Take Us Back
We're Gonna Make It (Little Milton cover)
Love and Trust
Freedom Highway (Staple Singers)
Dedicated
I'll Take You There (Staple Singers)





7月10日 Taste of Chicago (@Chicago)

 

シカゴの有名レストランの屋台で食べ歩きができる、めちゃ楽しい「テイスト・オブ・シカゴ」。
ブルースもゴスペルもジャズもいいけれど、私は結構このテイストが好き。
おいしいし、ゲストミュージシャンもいいし(有料なだけに)。

それにしても、この夏最高に暑かった。
















昨今、アメリカで立て続けに起こっている、警察官が無抵抗の黒人を銃殺する事件へのプロテスト(Black Lives Matter)も行われていて、この日はちょっと騒然としていた。




でもって、今年のお目当てはこの人!


Sheila.E
   

渋滞に巻き込まれて遅れ、最後の2曲くらいしか見られなかったけど、そのあとのパフォーマンスにゲスト出演してくれたので救われたー。
あなたは私の永遠のアイドルでございます 


7月12日(火)
またもや、ラビニア。
今日は、シカゴシンフォニー交響楽団(CFO)の創立80周年記念コンサート。
あの、Jazzトランペッターのウィントン・マルサリスが作曲を手掛けた楽曲の、この日はアメリカプレミア公演。

ラビニアでのんびり聴くクラシックは最高。時々蝉の声や電車の音が曲の一部になったりするのも、いとおかし。


American Premiere of Marsalis Concerto
Opening night of CSO's 80th residency


Chicago Symphony Orchestra
Cristian Măcelaru, Conductor
Nicola Benedetti, Violin
<Program>
Wynton Marsalis: Concerto in D (American premiere; co-commissioned by Ravinia)
Respighi: Fontane di Roma, P.106
Respighi: Pini di Roma, P.141



 マルサリスもステージで挨拶。

 新進気鋭のバイオリニスト、ニコラ・ベネデッティ。神業的演奏。




そして、今日もお弁当が楽しみな私たち。
時間がなかったので、簡単に、鶏胸肉のピカタ、庭のバジルソースチーズ焼き。ビール。赤ワイン。
今日はなぜか、芝生席がガラガラ・・・








7月21日(木曜日)

今日は阿波踊りのお囃子(篠笛)の録音のため、シカゴへ。
この夏一番の熱波がやってきて、高温注意報が出ていたからビビッってでかけたのだけれど、
なんのことはない。日本だっていつもこのくらいよ、ってなもん。
まったく、アメリカはいつも大げさなんだよ! 

7時半には録音が終わったので、急いでミレニアムパークへ。
ここれは、毎週月曜日と木曜日に、無料の「ミレニアムパーク音楽祭」というのが行われていて、今日は友人のビル・シムズ率いる「Heritage Blues Orchestra」がわざわざNYから来ているというではないか!

ビルとは、2012年の青森のJapan Blues Festivalに一緒に行った仲。
それ以来、彼がシカゴに来るたびに見に行っているのだ。

なんてったて、私はこのユニット、「Heritage Blues Orchestra」が大好きなのだ。





このあと大嵐がやってきて、「Buddy Guy's Legends」でブルース見ながら雨宿り。
ビルもやってきて、懐かしい人たちとセルフィー大会。

  



この日できあがったばかりのスペシャルジーンズで!


















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West Side Story

2016-03-27 18:18:12 | music/festival



我が家の近所には、由緒正しい歴史的な劇場がいくつかある。
そのひとつ「Paramount Theatre」で今絶賛上演中のミュージカルの名作、『West Side Story』をふたりで観に行った。
1週間遅れの誕生日プレゼント(自分へ)。

ミュージカルがあまり好きではないPちゃんも、この演目だけは例外。
子供のころ映画を見て、あの世界観とバーンスタインの音楽にどっぷりはまったそうだ。
チケットを購入したのは2日前だったにもかかわらず、ラッキーにも1階席のど真ん中が空いていた。


「パラマウント・シアター」は、世界的な建築家、C.W. and George L. Rappによる設計により、1931年にオリジナルが建築された。
イタリア・ベネチア様式と、1920~30年代のアール・デコ様式の融合によるその荘厳な建物は、『音楽&アートの宮殿』と呼ばれた。
その後、経年劣化による損傷が激しくなったため、1973年にオーロラ市からの特別基金を得て再生プロジェクトが立ち上がり、現在の姿に美しく復元された。













この日はお友達のバイオリニスト、エミちゃんが代役でバイオリンを弾くと聞いていたので、オーケストラボックスに遊びに行った。(休憩中です)


もちろん、こんな幕もあってみんなここで記念撮影をしていた。



やはりミュージカルは何度見ても楽しい。
内容的には、いまひとつダンスの迫力と演技力に欠けていて正直感情移入できなかった感。
どこかの大学の卒業ミュージカル見ている感じ・・・。(スミマセン)
やはりオリジナルが素晴らしすぎると、どうしてもそれに引きずられてしまうよなー。
Pちゃんもオリジナルの大ファンなだけに、多少物足りなかった様子、だけれどさすがに気を遣って文句は言わなかったみたい。


でも、翌日からスイッチが入ってしまったらしく、歌い続け、妙なダンスまでしようとするのでちょっと迷惑かも。 
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7月の野外コンサート・総まとめ

2015-08-02 15:20:36 | music/festival
今年は珍しく夏の帰省をせずにずっとシカゴにいるので、何が嬉しいってあらゆるイベントを堪能できること。
やっぱりシカゴの夏は最高!
7月に行ったイベントを振り返り。


★7/2
Eyes to The Skies
@Listle

うちから車で15分くらいのところにある郊外の町、Listle(ライル)で毎年行われている気球祭り。
Goroと一緒にお弁当とビール持って見物にでかけた。


ペットは中には入れないので、フェンスの外で見物。でも、実はここが特等席。




  
GORO初めて見る気球に興味津々。


 
「あれは何だ?」・・・気球だ!

 哀愁の背中・・・


今日のお弁当は、お好み焼き。おにぎり。デザートのぶどう


 


★7/4 
独立記念日花火大会 @St. Charles

アメリカの花火ほどしょぼくてつまらないものはないので、ここ数年はどこへも行かなかったけれど、
お天気もいいので、GOROを連れて夕方から隣町のセント・チャールズ市へぶらりと出かけた。




Fox川の両岸の遊歩道をゆっくりお散歩。
この町は古き良きヨーロッパの町のよう。かわいくてちょっとおしゃれな雰囲気が漂う。





 
公園内ではそこらじゅうでバーベキューをやっていて、びっくり。
そんなに焼いてどうすんだ?


 
シカゴと違って郊外は広々、のーんびり。GOROもリラックス。

 



今日は「特製焼き肉弁当」を持参。


ゆるーいカントリーバンドが演奏中。


ミシシッピ川の遊覧船を真似たスティームボートがFox川をのらりくらりと運行していた


8時半過ぎやっと日も暮れて、いよいよ花火大会・・・とここでなんと無念のバッテリー切れ。
川べりに座ってゆっくり花火見学、はよかったものの、その爆音にGOROは終始おびえてかわいそうなことしちゃった。



★7/9

テイスト・オブ・シカゴ @シカゴ グラント・パーク

ご存知、シカゴノグラントパークが食べ物ベンダーで覆い尽くされる、「大屋台フェスティバル」。



 

肉、肉、肉、肉、肉、肉、・・・・

 



 

 


そしてミュージックゲスト(7/9)は、大~好きな、トロンボーン・ショーティー(Troy "Trombone Shorty")!

 



そして・・・・


ご存知、R&B/ソウルの歌姫、エリカ・バドゥ。



 

会場は黒人大集結状態。彼らのグルーブに見ている側も圧倒される。





★7/11

アレサ・フランクリン
@ラヴィニア・フェスティバル(Ravinia Festival)

おなじみの、ラビニア。 (↓私が書いた記事です)
北米最古の野外ミュージックフェスティバル「Ravinia Festival」

一番の楽しみは、極上の音楽を聴きながらピクニックできること。
この日もお弁当とワイン&ビールをつめこんでいざ出陣!


 


今日はトンカツとポテトサラダ。


まわりも宴会モード。






 

一時は体調を壊して心配したけれど、彼女の歌声は全くもって変わらず。
声量も、高音の張りも、何もかも昔のままで終始圧倒された。たまらん!


 
今回はパビリオンの中で座って鑑賞することができた。初“ナマ”アレサに大感激の巻。



★7/30

シカゴ・シンフォニエッタ(Chicago Sinfonietta)
@Cantigny Park

うちから車で5分ほどのところにある巨大公園、「カンティニー・パーク」が今年開園60周年を迎え、園内でいろいろな無料コンサートをやっている。
そのなかのひとつ、シカゴ・シンフォニエッタ(フルオーケストラの小型バージョン)のコンサートに近所の主婦友をさそって出陣。
みんなで持ち寄って食べる晩御飯は、いつもながら最高なのであーる!


自然の中で蝉の声といっしょに聴くクラシックもまた一興。




セルフィースティック初挑戦。

 
みんなが持ち寄った豪華Dinner、うんまい!


やっぱり、ビール


ご満悦のPちゃん



★7/31

ホール&オーツ (Hall & Oates)
@RiverEdge Park, Aurora

80年代にその名をとどろかせた人気ロックデュオ、ホール・アンド・オーツ。
忘れ去られているのかな、と思いきや、昨年だったかニューオリンズのジャズ・フェスに出演しているのをテレビで見てえらく感動。
近所にやってくるというので、急いで出動。
同世代の友達二人も付き合ってくれた。やっぱりライブはみんなで行くほうが盛り上がる。





さっそく飲んでます。地元のビール、Two Brothers。



会場の年齢層は、50代~60代がほとんど。
80年代に青春を謳歌した人たちが、飲んで騒いで大合唱。


 



「昔は恰好よかったのに激変しちゃって・・・」というロックスターが多い中、このふたりはちっとも変っていなかった。


コンサート終了後。
それにしてもいつも思うのは、アメリカ人てごみを散らかしっぱなしで自分の出したごみを片付けようともしない。
イベントが終わった後はいつもごみの山。。。日本人からすると考えられない。
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植物園にシカゴシンフォニーがやってきた

2015-07-06 15:46:45 | music/festival
6月27日

今月いっぱいで日本に引っ越ししてしまう日本人のお友達ひろぽんを誘って、最後に主婦仲間数人で近所の巨大植物園、モートン植物園へ。
25日から3日間、ここで恒例のシカゴシンフォニーの野外コンサートが行われていたのだった。
でも最初の二日間は雷雨のために中止になってしまい、最終日にようやく快晴に恵まれた。



最後の1日とあってものすごい人・人・人・・・。




 
場所をとったらすぐに宴会を始めtる私たちであった。
なにがすごいって、みんなが作ってきてくれるお弁当がこれまたゴージャスで最高。Pちゃんもうれしそう。



お隣さんも宴会中。

 



西の空に沈む夕陽をバックに、ゆるゆるとクラシックを楽しむ。
これぞシカゴの田舎の夏の過ごし方。
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ありがとう、B.B. King

2015-05-17 23:49:25 | music/festival






5月13日
ブルース界の、いや音楽界の帝王、B.B.キングが亡くなった。89歳。
数年前から持病の糖尿病が悪化し、たびたび入院を繰り返しつつもステージに立ち続けていたが、今回ばかりは病床から復活することはかなわなかった。
昨年10月、シカゴでのライブの途中で脱水症状になりそのまま病院に運ばれて、あのときはもうだめかと思ったが何とか持ち直して今年もあちこちにツアーに回る予定が組まれていた。
この年齢で、この状態で、そこまでしてツアーをしなければならないのか、と誰もが思った。彼が生きているうちに一儲けしておこうという意地汚いプロモーターと、マネージャーの策略なのか・・・と、キングが不憫にさえ思えた。


私がB.B.キングを最後に見たのは、2013年、近所のフェスティバル。ピーター・フランプトンらギタリストとの共演だった。

その時の記事がこれ。

http://www.usshimbun.com/Music-Series/music-vol.2-Frampton'sGuitarCircus

ステージの真下にあるカメラマンエリアから必死になって写真を撮っていた私のほうを見て、ゆっくりとカメラ目線を送ってくれた。
そればかりか、口で〝Hi"と言いながらあの大きな手をちょこちょこっと振ってくれたのが本当にうれしかった。
こういう気遣いができるやさしさと謙虚さを常に持ち合わせていた人だった。














昔の体形から比べると驚くほど痩せこけていたけれど、声の艶は89歳とは思えないほどよく、マイクにもよくとおるバリトンボイスだった。
とはいえ、さすがに長時間をこなす体力はすでになく、実質は20分ほど。そのうちほとんどがギターもひかずしゃべっていた。
それでも彼を見たさに集まった観衆は、まるで神様を拝むように惜しみない拍手を送っていた。
あの時誰しもが心でこう祈っていたに違いない。

「この“Thrill Is Gone”が再び聴けますように・・・」と。


どんな人にも必ず最後の時は訪れる。
それまでにどう生き、何を残せるかはその人の生き方次第だ。



ミシシッピの小さな町で生まれ、メンフィスに出て頭角を現しブルースマンとして成功を収めた。
彼のギターは、「一音鳴らすだけでキングだとわかる」と言わしめるほどのカリスマ性を秘めていた。
ギャンギャンといらない音のオンパレードをわめき散らすそこらのギタリストとちがって、彼のギターにはだれにもまねできない“間”があった。
その品のいい間が独特のグルーブとなり、B.B.キングのブルースとなっていた。
ブルースミュージシャンだけでなく、ロックやR&Bなどすべてのギタリストが心酔し、なんとか真似ようとしていたと言っても過言ではない。
彼のギターと歌を聞いてしまったら、そんじょそこらのロックなど、もうただのガキの音楽に聞こえてしまう。
ストーンズすらかすんでしまうのだ。

「真に偉大なミュージシャンは、死んで人を残す」という言葉のとおり、B.B.キングはこの世に彼の魂を引き継ぐ“チルドレン”を残した。



しかし、ここ数か月の彼を取り巻くニュースは暗く切ないものばかりだった。
長年のマネージャーがキングの容体を知りながら、適切な医療を与えず「老人虐待」をしている、とか彼の財産を横領している、と実の娘たちに訴えられるなど、近親者での醜い争いが繰り広げられていた。
また、マネージャーは病床のキングに最後の別れをしたいと望む実の娘たちだけでなく、親しい友人たちにも一切会う機会を与えなかったという。
自分がもうすぐ神に召されるとわかっていながら、親しい人たちにも会えず白い天井ばかりをみつめていたキングの気持ちやいかにと思うと、いたたまれなくなる。



彼の生き様と同じように、彼のこの「死に様」も多分多くのミュージシャンたちに影響を与えたに違いない。
80歳を過ぎて活躍する現役のブルースマンたちは、これをどのように受け止めただろうか?
せめて最後のひと時は家族と手を取り合って安らかに眠りたい、との思いを強くしたに違いない。

キングは故郷、ミシシッピの小さな町インディアノーラにある教会墓地に埋葬されるそうだ。
「子供の頃、綿を摘んでいたあの綿花畑の近くの教会に埋葬してほしい」
これが、キングの遺言だったという。



どうか、安らかにお眠りください。


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Not-Great Chicago Fire Festival ~悲劇の結末、シカゴ大火記念フェスティバル

2014-10-08 17:48:56 | music/festival
冬にはいって凍りついてしまう前に観光客を呼び込もうと、シカゴ市はあの手この手。
10月はまだ野外で耐えられる最後の月なので、そこに目を付けた(かどうかは知らないが)シカゴ市が新たに生み出したお祭りが、「ザ・グレート・シカゴファイヤー・フェスティバル(シカゴ大火祭り)」
その名の通り、シカゴの大火を記念したお祭りだ。

1871年、ある郊外の馬小屋から出火して強風に煽られて瞬く間に燃え広がった大火事で、シカゴ市内は焼き尽くされた。
その大火のあとシカゴはすさまじい復興をとげ、摩天楼を中心とした今の近代的なシカゴが出来上がったのだ。
シカゴの歴史上もっとも重要な惨事であり、近代都市建設のきっかけにもなったこのシカゴ大火をイメージした初のお祭りということで、これにかけるシカゴ市の意気込みはすさまいじものがあった。

メディアにも何度も取り上げられ、総額2億円をかけたといわれる「大スペクタクル」。
さていったい何が登場するのかと、市民だけでなく観光客も注目していた。もちろん私も取材の用意をし、Pちゃんも一緒に出かける段取りを組んでGOROをもお泊りに出した。



この川に浮かんだ家の模型(3か所)が闇の中炎に包まれる、ということなのだが・・・


会場となったのは、シカゴ川流域、ステート通りからコロンバス通りまでの3ブロック。
リバーウォークには手作りアートやポップコーンなどの地元の屋台が立ち並んで、午後4時過ぎにはそれなりに賑わっていた。

  

不運だったのは、この週末は体感気温がマイナスというほどの一番の冷え込みになったこと。歩いているだけでも体がしんしんと冷え込んでくるのがわかる。
私もこの日はユニクロヒートテックを2枚着込んだ上にセーター、その上にダウンジャケット。下はこれまたヒートテックのレギンズに皮パンツ、長ブーツという真冬並みのいでたち。




トランプホテルの最上階Sixteenからシカゴ側を見下ろした夜景は素晴らしい


10月は乳がん撲滅月間ということで、ビルのネオンもピンク色に


さて、午後8時すぎいよいよメインイベントの「スペクタクルショー」が始まった。
エマニュエル市長らによる点火式、チルドレンクワイヤーの歌声が響き、水面にうかぶ船が幻想的な雰囲気。

 


そして、あの模型に火が灯された。
パチパチパチ・・・と燃え盛る炎の音がスピーカーから流れ・・
家が燃え初め・・・あれ?




燃え始めたかと思ったらすぐに消えちゃったよ。
そして再度点火



目の前の模型はいったんは勢いよく燃え始めたものの、どうも3分の1が燃えたところでまた消えちゃった。
ん?なんかおかしいな、と思いつつ待つこと約1時間。

「電気系統の故障のため点火が遅れています。しばしお待ちください」とアナウンス。
やっぱり。
それを聞いて盛り上がりかけた気持ちが一気にトーンダウン。
そのあとうんともすんとも火が着く気配はなく、沿道を埋め尽くした何千人と言う人たちは寒いやら退屈やらで「燃やせー、燃やせ―」とやけくその叫び声を上げ始めていた(らしい。)


立ちっぱなしの人々


で、40分くらししたところでようやく、「故障が治りませんのでマニュアルで点火します」とアナウンス。
これには笑った。
マニュアルって、要するに人の手によって着火するということですよね?
「今頃マッチでも探してんのちゃう?」とPちゃんと冗談を言って笑っていたら、私の前に固定カメラを設置していたどこぞのメディアのカメラマンも私たちを振り返って、「ライター貸してあげようかな」と苦笑い。

これは翌日の新聞で知ったことだけれど、どうやらこのお祭りの主催者はもしもの事態に対するバックアップ策を何一つとっていなかったというのだ。
これには呆れた。これだけ大騒ぎして2億円もかけてシカゴの代表的なお祭りのひとつにしようというのに、バックアップ対策ひとつとれていなかったなんて。
そのせいで寒風のなか市民を何時間も立ちっぱなしにさせてしまうというお粗末くんぶり。なんと楽観的かつ初歩的な大ミス・・・つうか、普通はありえんでしょう?

ガソリンまいて命がけで人手で点火したものの、やっぱり炎はしょぼしょぼと消えていき、さえない結末に。




The Great Chicago Fireどころか、「Not-Great Chicago Fire」になっちまった。

最後はあきらめて、花火大会。
本当は焼け落ちた家の中から、何かシカゴの復興を象徴するような仕掛けが出てくるはずだったらしい。トホホ。




やけくその花火がおわって、群衆が一斉に家路に向かい始めたその頃、実は川面では“第2部”が始まっていた。
シカゴの復興をイメージした、幻想的なカヌーのラリー。
せっかく美しかったこの演出も、ほとんどの人に無視されてしまい、最後までまったくあーあ、なフェスティバルだった。





来年はないな・・・。
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今年もやっぱり、Hyde Park Jazz Festival

2014-10-06 18:34:02 | music/festival
9月は本当に仕事に遊びに忙しく、ばたばたしているうちにあっという間に30日が過ぎ去っていった。
とにかく外で温かく過ごせるうちはどこかに出かけよう、と半分ムキになって週末のイベントを探していた気がする。

そして多分、これが最後の外でのイベントというのが、恒例の“ハイドパーク・ジャズフェスティバル”。
これは私もPちゃんも楽しみにしているJazzイベントだ。
観光客向けのJazzフェスとは違い、これは地元の人たちを対象にしているので雰囲気も運営ものんびりしている。
シカゴ大学の広大な緑に囲まれたキャンパスや付近の公園など数か所がステージになっており、スケジュールをみながらお目当てのバンドを求めて散歩がてらぷらぷらするのも楽しい。
数年前までは「ハイドパーク」と聞いただけで、そんなサウスは危なくて行けないと思い込んでいたのだけれど、いざ1回行ってみるとそんな思い込みはふっとんでしまった。
大勢の人たちが一緒に音楽を求めて歩き回っているので、キケンという感覚はまったくなかったのだ。


9月27日・土曜日
外をぶらぶらするにはちょうど良い、暑くも寒くもない絶好の野外Jazz日和にめぐまれ、夕方過ぎにハイドパーク目指していざ出発。
ナビゲーション通りに行くととんでもない道に迷い込み、ついたらすっかりお目当てのバンドが終わっていてガックリ。


でもこんなきれいな夕焼けが見られたし、まぁいいか。


着いた頃にはこんな具合だったのが・・


どっぷりと日が暮れると・・

こんな感じに。
観客はサウスということもあって90%が黒人。ノリが違う。だからこのFestは私のお気に入り。


  

外で久々にジャンキーなものを食べるのも悪くない。



NICOLE MITCHELL’S ICE CRYSTAL

 
このバンド、超カッコよかったー!

 
最後はHOUSTON PERSON QUARTET
ヒューストン、さすがの貫禄。スタンダードの名曲をたっぷりと余裕で聴かせてくれた。
バックのトリオも素晴らしかった。

 
ステージ前にはダンシングフロアが設置されていて、踊り狂う人たち・・。


短い間だったけれど十分堪能した私たちだった。
やっぱりこうやって外に出て文化に触れるのが一番の刺激になる。

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公園で聴く、リカルド・ムッティー指揮のシカゴ・シンフォニー

2014-09-22 14:03:56 | music/festival
9月19日(金曜日)


朝夕の冷え込みがすっかり秋を感じさせるようになってきた。もう9月も残りわずか、10月に入れば初雪もくるかもしれない。
野外で何かを楽しむのは、ここ1、2週間が今年最後のチャンスになるだろう。

そこで、今年多分最後の野外でのビッグコンサート鑑賞の計画を立てた。
シカゴのミレニアムパークで毎年この時期に行われている「シカゴシンフォニーの無料コンサート」。今年は、お友達とみんなで大人のピクニックをしながらこれを観に行こうじゃないか、というプラン。
去年もおととしも、一人で現場に通りがかっただけだったので、今年こそは絶対にあそこに座って見ようと心に決めていたし、どうせ見るなら一人より大勢のほうが絶対楽しい。
そこで、2週間ほど前に近所の主婦遊び仲間にお誘いメールを送ったところ、5人から「行きたい~」とのお返事。平日、主婦がこの時間に、しかもシカゴに片道1時間かけて出かけるのは容易ではないけれど、年に一度の大イベントだし連れがいると長旅も苦痛じゃない。
子供もダンナも家において、女たちだけでシカゴに夜遊びに行くというのは、これが初めてだ。

とはいえ、なにせ世界的なコンダクターであるリカルド・ムッティーが指揮を務める天下のシカゴシンフォニーが公園のコンサートホールで無料で聴けるとあって、この1年に一度のイベントに命をかけている人たちも多く、相当な混雑が予想された。
で、何の予定もない身軽な私だけがひと足先に家を出て場所取り。

午後3時過ぎ、それでも遅いかと会場に駆け込むとなんとそこはガラ~ンとしていて肩透かし。なんだよ~。
とりあえず、芝生席の一番前の中央に場所をとってほっと一息。



昼間は汗ばむほどの陽気で、場所も確保できた(責任を果たせた)安心感でとりあえずビールをごくり。
まるで、花見の場所とりをしている新入社員の気分だった。


私と同じころに来ていた人たちは、もうすっかりテーブルの支度をしてカクテルなんぞを作り、優雅に新聞を読んだりおしゃべりをしたりして時間を潰していた。



午後4時半をまわったころからだんだんと人が増え始め、5時ごろにはもう芝が見えないほどいっぱいに。
そろそろひとりでこの広い場所を確保するのはしんどくなってきた、そのちょうどいいタイミングでTちゃんがやってきた。
30分ほどして残りの4人も間もなく到着、シカゴのお友達ニワちゃん母子も合流して、計8人で瞬く間に宴会モードに。


全員集合の瞬間。イェ-イ!

こういう時の日本人の準備の良さといったら、もう素晴らしいのひとこと。
Mさんがわざわざテーブルを持ってきてくれたので、そこに各々が持ち寄った一品を並べると、もう豪華なお花見状態。
隣のアメリカ人も写真を撮っていたほど。
見よ、これが“ザ・日本の宴会”というものだよアメリカ人。ふっふっ。



Jちゃんが鶏のから揚げ、サンドイッチ、とうもろこし、ブロッコリー、お稲荷さんが入った豪華お重を持参。
みんなの持ち寄ったメニューは、クロワッサンのサンドイッチ、アスパラのプロシュート巻き、イチジクとゴルゴンゾーラチーズのおつまみ、マスカットとチョコのおつまみ、トマトとモッツァレラのサラダ、
私は玉筋魚のおにぎりと出し巻き卵を持って行った。
飲み物は、スパークリングワインと赤ワイン、ビール。

午後6時半
演奏が始まると、約2万人の観客は水を打ったように静まり返る。酔って騒ぐ輩など一人もいない。
こういう時のアメリカ人のマナーは本当にすばらしい。


演目は、チャイコフスキーの「眠れる森の美女」ほか。
Tchaikovsky The Tempest
Tchaikovsky Suite from The Sleeping Beauty
Tchaikovsky Symphony No. 4




日が沈むと、照明に照らし出されたコンサートホールとバックの高層ビルのコントラストが美しい。

こんな素敵な環境で、気心の知れた友達とおいしい食事を楽しめるなんて本当に夢のよう。
このイベントを企画して本当によかった、としみじみ思った瞬間。


もちろんキャンドルも忘れずに!ワイングラスもね。紙コップじゃダメダメよ。
休憩をはさんで約2時間あまり。たっぷりと秋のシカゴと極上の音楽と究極のグルメを楽しんだ私たち。コンサートが終わった後もしばらく宴会は続き・・・


Mちゃんの試作品、抹茶ティラミスをデザートにいただく。またこれがうまいのなんのって



やっと心置きなくおしゃべりをして・・


午後9時半すぎに、撤収。
それにしても、この日だけは奇跡的に過ごしやすいいい天候で本当によかった。
郊外から一緒に行ってくれたみなさん、ありがとう。
シカゴから急きょ参加してくれたニワちゃん、Rayくん、ありがとう。
送り迎えしてくれたPちゃん、ありがとう。


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2014 Chicago Jazz Festival

2014-09-15 23:30:59 | music/festival
今年のJazz Festivalで撮った写真より。




Homage to Nelson Mandela: Ernest Dawkins' Memory in the Center, an Afro Jazz Opera


今やシカゴを代表する歌姫、Dee Alexander


Terence Blanchard。
寂しさを紛らわすため、この人のCDを毎夜聴いていた10年前の一人暮らしを始めたころを思い出す。


Gary Burton
この人を最後に見たのは、2004年のモントレー。with 小曽根真(P)
昔と変わらず、若い才能豊かな人たちを引き連れての意欲的なステージだった。


Esperanza Spalding
この人はやはり美しい。歌声も素晴らしかった。





Cécile McLorin Salvant
初めて聴いた、24歳の新進気鋭のJazz Singer。一言、いろんな意味で「若い」。
これからが楽しみ。


Sun Ra Arkestra
言わずもがなのSun Ra。会場はもうお祭り騒ぎ。





昼も夜も美しい、ミレニアムパーク。
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ラビニア・フェスティバルでビーチ・ボーイズ&テンプテーションズ

2014-08-27 23:44:56 | music/festival
8月26日(火曜日)

今日は前から楽しみにしていた2年ぶりのRavinia Festival。
2年前は、大大大好きな「アニタ・ベイカー」を見に行って涙したっけ。

さて、今年のチケットは売り切れる前にと日本に行く前にすでに入手していた。
「テンプテーションズ & ビーチ・ボーイズ」という、60年代のアメリカ人にとっては夢のような2本立て。

アメリカのフェスティバルでは、たまにこういう“ドリームチーム”が結成される。
一つのバンドだけでは決定力にかけるときに、もういっちょ大物をドッキングさせる贅沢な手法だ。

この組み合わせが、今年の演目で(私がシカゴにいる期間)一番魅力的なものだったし、何より行く夏を惜しむにはもってこいだったので早速購入。まだラビニアに行ったことがないけど行きたいと常日頃言っていた日本人主婦仲にお誘いのメールをしてみた。
ところが残念なことに、この日は火曜日。しかもこの週から子供たちの学校が始まるという人たちがほとんどだったので、みんなお迎えの都合でNG。唯一F妻さんだけが参加することになった。


午後3時過ぎ、F妻さんとPちゃん、私の3人でプリウス号にお弁当とアルコールを山と詰め込んで我が家を出発。
何が素敵って、この公園で行われるコンサート、食べ物、飲み物の持ち込みがOKなのだ。

予定通り、午後4時半過ぎ会場すぐ横の駐車場に止めることができ、いざ入場。

 



さっそくステージ前の芝生に席を抑えて、宴会の用意を開始。

 
 
  
今日のメニュー:
梅干しおにぎり
鶏の甘辛煮&庭の水菜
もやしのナムル
ムール貝と卵のトマトソース炒め&庭のパセリ
モッツァレラチーズト&トマトサラダ
パプリカとミニソーセージ炒め 
食後にスイカ




かんぱーい!


何故かお隣のおじさんと話しこむPちゃん。
このおじさま、ペットフードの大手企業の社長さんだそうで、中国や日本へも何度も行ったことがあるアジア通。
私たちのお弁当をうらやましそうに見ていた。
「寿司は?酒ある?」なんて聞いてきた。
Pちゃんはこのおじさんとの知的会話がたいそう楽しかったらしく、あとで「こんな人がもっと近所にいたらいいのに」とぼやいていた。



テンプテーションズが先にステージへ。
ちょっとよろよろしていた感は否めないけれど、それでもさすがのモータウン・アーティスト。
ヒット曲を立て続けにメドレーで歌い、会場のじいさんばあさん(失敬)は狂喜乱舞。
次に出てくるビーチ・ボーイズ仕様の、アロハシャツのじいさんの姿も目に付いた。

 
暗くなるとそこらじゅうにキャンドルがともされ、いい雰囲気


今日もあちこちでパーティーをやっていた。ここで誕生パーティーをする人も結構多い。




ビーチ・ボーイズにノリノリ

やっぱりきてよかった!
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