Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

地方の時代?

2020-08-09 01:08:46 | ニッポン生活編

アメリカからいきなり日本のど田舎暮らしに戻ってはや2年弱。

”光陰矢のごとし”、とやら。

今ではすっかり田舎暮らしが板につき、麦藁帽と首にタオルを巻いたスタイルが一番よく似合う。

やっぱり田舎生まれ&田舎育ちの血は争えぬ。

どこで教えてもらったわけでもないのに農具の扱いが妙に上手い自分にほれぼれする。

 

NHKの「シン・地方の時代 ~パンデミックで変わる四国の未来~」という番組を見た。

現在、東京在住の20代のおよそ3割が地方への移住意識を高めている、というリサーチ結果があるという。

もともと大都会での生活にそれほどこだわりのない若者世代。追い打ちをかけたのがこのコロナパンデミック。

だれかがつぶやいた「フェイクニュース」ひとつで、マスクのみならずトイレットペーパー、食料品までもがスーパーから姿を消すという大パニックを目の当たりにし、もともと土地への愛情の薄い都会暮らしに恐怖感を覚えたのだろう。

さらに、コロナのせいでテレワークを始めたらこれがなかなか快適にできてしまった皮肉な事実にも後押しされ「仕事なんてどこでもできるじゃないか」という確信につながっていったのかも。

愛媛・大三島に移住した世界的建築家・伊東豊雄さん、東京から高知に移住した新鋭映画監督・安藤桃子さん、コミュニティーデザイナー、山崎亮さんへの連続インタビューは、地方に縁もゆかりもなかった人たちの移住実話として、説得性があった。

山崎亮さんが提案する、これからの地方のありかた―「適疎」(過疎ではなく)と「寛容性」が手がかりとなるという説も、まさにそのとおり。

ファンタジーやノスタルジーだけでは、地方移住などできやせぬ。

コロナ感染者を村八分にしてしまう閉塞的風土も根強く残るのが田舎だ。

「田舎の人はみんな温かい」は絶対ウソだし、「自然に囲まれた夢の生活」は、自然の猛威を知らぬ都会人の妄想だ。

それもこれもみんなひっくるめて、どういう覚悟で移住したいのか、その先、子や孫までの世代までを見据えてどう根をはっていきたいのか、も考えねばならぬ。

いや待てよ、そんな面倒くさいことを考え出したらきりがない。

思いたったが吉日、くらいの勢いも大事なのかもしれぬ。

あの日、急にアメリカに行っちゃった自分もそうだったように・・・。結果オーライ、そのおかげで今がある。

地方移住もケ・セラ・セラってなもんか。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

農夫的生活。

2020-08-02 16:59:44 | ニッポン生活編
 
最近、50年ぶり?に幼馴染のさよちゃんとつるんで遊ぶことが多くなった。
目と鼻の先に住んでいるという物理的近さに加えて、ふたりともほぼ時を同じくして片親を亡くし、彼女は母親を、私は父親を介護している生活境遇も似ている。
私は昨年、父宅の横に自宅を建て、さよちゃんも今、母親と二人で住むべく建て替えまっただ中だ。
 
変なはなしだが「死生観」もほぼ同じ。
趣味は「墓参り」と言いきる私に輪をかけて、彼女もなかなかの「墓参ラー」。
聞けば菩提寺は同じで、お互いが通うお墓(お寺の墓地)も同じだったのでびっくり仰天、先月からは誘い合ってお墓参りに行くようになったくらいだ。
 
私も彼女も、長くサラリーマン生活をしていたが実家に帰った段階で定職はない身。唯一の楽しみは、手づから育てる野菜とそれを収穫して食べる瞬間だ。
5月に畑に植えたきゅうりやなすび、トマト、ピーマンたちがたわわに実をつけた。それらを毎日ちぎっては、おいしいレシピを発見してささやかなぜいたくを味わう。
 
せっかくだからと最近はさよちゃんを呼んでは一緒に収穫祭&晩酌を交わす機会が増えた。
夕べも8時過ぎにに、家の仕事をひとしきり終えた彼女がおいしい酒のあてをたくさん持ってきてくれた。中でも絶品だったのが、みょうが、きゅうり、紫蘇、オクラ、塩昆布、めんつゆを合えた「夏野菜和え」
 
 これは料亭でも出せる一品だ。
私はというと、庭で採れすぎたピーマンの「肉詰めピーマン祭」。
 
長い梅雨が明け、雨で生い茂った草ぬき作業に汗みどろになって働いたあとの冷たいビールと、庭からの贈り物を食す。
ふたり同時にぷはぁ~~っ、と満足のため息が漏れる。
 
思えばこれがファーマーの日常であり、ささやかな贅沢なのかもしれないね、と話しながら、貧しいながらも清く生きよう、どうせ人生短いんだし、といつもの流れになっていく。
 
お金では買えないものを毎日、天から頂いている。
 
 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする