Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

Pちゃんの里帰り 2 ~Spain・サントルセ

2012-10-30 15:18:36 | アメリカ生活雑感
マドリッドからゲッチョのマリベールおばちゃんのうちに滞在すること約3日、早々に領事館からビザが届いたとPちゃんから連絡。
今回はちゃんと私と同じ期間(5年)が記されていたようで、これでやっと一息。
あとはアメリカに帰るまでの約2週間、心置きなく自由に過ごせるとあって、Pちゃんはひとりでいろいろと懐かしい場所を探検して歩いている様子。
もともと何が起こるかわからないので長めに滞在期間を設定しておいたのだ。
なかでも、5歳でドイツに移り住むまで幼少期を過ごした街、サントルセには特別な思いがあるらしく何度も足を運んでいるようだった。

Pちゃんが産まれたのはスペイン北部の小さな街。
実の父親はPちゃんがまだ赤ん坊の時に、突如ママとPちゃんを残して姿を消してしまった。まだはたちそこそこだったママの戦いは、ここから始まる。
当時スペインでは離婚が許されなかったため、再婚することもできず乳飲み子を抱えて生きることは相当の苦労だったに違いない。
ママは生活のために遠くの街に働きに出たので、Pちゃんはおばあちゃん(ママのママ)の家に預けられ、毎日おばあちゃんと過ごしていたそうだ。
月に1~2度帰ってくる、疲れて機嫌の悪い母親。その母にとにかく愛されたい一心でいい子で待ち続けたいたいけな幼いペドロ。
なんだか心がしくしく痛む。

そんなペドロに、母は優しくする余裕すらなかった。
彼はそれをずっと心のどこかに引きずっていて、自分の不幸はすべて母親のせいだという思いがいまだに根強く残っている。
今回も、せっかくスペインに行っているというのにママには頑として会おうとせず、ずっとマリベールのうちに滞在しているくらいだ。
ママはそんなペドロのことをすべてわかっているので、じっと会わずに我慢しているので、私が逐次ママにペドロの様子をメールで報告をしている。(・・・ややこしい。)
母親と息子というものは、一歩間違うと一生修復不可能な関係になってしまうのかもしれない。
愛なのか、憎しみなのか。

さて、そんなPちゃんから届いた写真。


 
ゲッチョと隣町のポルトガレッテを結ぶ「ビスカヤ橋」。
19世紀、鉄鋼業で町が栄えていた時に建てられた世界で一番古い移動橋。
車と人をブランコのように載せて向こう岸まで移動する。大きな橋ができた今でも、地元の人にとっては大切な移動手段として使われている。



向こう岸の街サントルセには、おばあちゃんと暮らしていたアパートが残っている。


近所の友だちとサッカーをして遊んだ広場

こんなところを駆け上って遊んだんだろうな。


いわし漁を中心に漁港として栄えたサントルセの港


この夜景を見ながら何を思ったのか・・?


 
とあるBarで知り合った、「サントルセ歴史保存会」"Santurtzi - Barrio San Juan del Rompeolas" (http://sanjuandelrompeolas-santurtzi.blogspot.com.es/)の人々。
ペドロを熱烈歓迎してくれて、昔の写真をいろいろ見ながら遅くまで語り合ったそうだ。
左の女性はペドロの祖父母を知っていたという。

The lady to the left, Itziar Murua (Donibaneko Gara) is a walking encyclopedia who knows everybody and everything about the local history, including my grandparents - amazing. ― with Donibaneko Gara in Santurce, Pais Vasco.


★ ★

翌日訪れた、Bilbao(ビルバオ)

ビルバオ市は、スペイン北部、バスク自治州(地図の赤い部分)、ビスカヤ県に属する。


美しいビルバオの街並み
 
 


建築家フランク・O・ゲーリー設計の、ビルバオ・グッゲンハイム美術館

 
ユネスコで働いている従妹のネカネ。

 バスクの旗(in Santurce, Pais Vasco)


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ハロゥィーン&送別会

2012-10-26 11:19:59 | アメリカ生活雑感
郊外日本人主婦仲間のひとりで仲良しのFumiさんが日本に帰国することになり、
お友達のおうちで送別会兼ハロウィーン・ランチパーティーが開かれた。
こんな郊外に住んでいる日本人妻はほとんどが永住組(またはそれに近い)人が多いので
こうやって帰国してしまう人がいると本当にさびしい。
特にFumiさんとは音楽の趣味が合ったので、よくJazzやBluesを一緒に聴きに行っていた。
こういう貴重な仲間がいなくなるのはとっても残念。
でも逆に考えると、今度日本に帰った時に訪ねるお宅が1軒増えたということでもあり、それもまた楽しみ。
そう、出会いがあれば別れがあり、別れがあれば再会が待っている!


この日集まったのは15人!
それぞれ持ち寄ったお料理も絶品で、ハロウィーンならではの気色悪い面白い工夫もあって、
みんなのコスチュームも楽しくて、お昼間の短い間だったけれど素敵な時間を共に過ごすことができた。
Hさんのホストも何から何まで細かな気配りがされていて最高!
愉快な仲間とすごす愉快な時間は、田舎生活のオアシス。



 

血走り目玉エッグ

指入りチリシチュー

蜘蛛入りコーヒーゼリー



Fumiさんありがとう!


みんなで記念撮影
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Pちゃんの里帰り 1 ~Spain

2012-10-22 21:59:27 | アメリカ生活雑感
火曜日にシカゴを発ったPちゃん、無事にマドリッドに到着。
マドリッドは5年前にふたりで行ったときと比べて雲泥の差だと驚いていた。
全てがモダンで清潔。そして最も重要なことにどこもここも100%禁煙!
予約しておいたホステルも煙草の匂いなどいっさいなく、オーナーもおじさんもいい人で、全てにおいて快適だと興奮してメールを送ってきた。
そして、金曜日には運命のビザ申請。マドリッドのアメリカ領事館では前回ひどい目にあっているだけに、私も心配で胸がはりさけそうだった。
土曜日の朝、祈るような気持ちでメールをあけてみると、無事にビザが下りたといううれしい報告。
思わずGOROを抱きしめて涙・・・。



マドリッド国際空港


マドリッド市内では「世界から貧困をなくそう」という大規模なデモが開かれていた。



ここでたまたまマドリッドに来ていた従妹のネカネと再会。(右端)
彼女は今、ユネスコで働いている。

木曜日の深夜、翌日のことが気になって眠りにつけないPちゃん、夜間徘徊。
そう、スペインの夜は遅いのだ。夜中でも人がいっぱい。



王宮


  
市場


ビザが下りてひと安心。
ひとまずマドリッドを離れ、おばちゃんの住むGetxo(ゲッチョ)へ。バスで約4時間。

 
私たちの大好きなマリベールおばちゃん。ネカネ夫妻の娘、Mayaも先月1歳に。超かわいい!


ネカネと旦那さんのクリスチアン。
ふたりは、ネカネがグァテマラに2年間研修派遣で行っていた時に知り合い、結婚。彼がネカネのいるスペインにはるばるやってきた。
グアテマラ人である彼は今スペインで働くことができず、Mayaの世話一切をしながら「専業主夫」をしている。
謙虚で心優しく、家事も得意なクリスチアンのことを家族は皆頼りにしていて、Pちゃんもすっかり彼のことが大好きになってしまったそうだ。
やっぱりネカネの選んだ人だわ、と妙に納得。
この家族は本当にみんな穏やかで温かい。
そんな人たちに囲まれて、Pちゃんはとてもリラックスしたいい時間を過ごしているみたい。
よかったよかった!

ビザ到着まではまだ時間もあるし、しばらくはひとりで気ままに“故郷”一人旅を楽しむ様子。


・・・つづく
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独身生活

2012-10-18 09:20:11 | アメリカ生活雑感
シカゴはもうすっかり秋。
朝夕は0℃まで冷え込むことも多くなってきて、いよいよ来たかという感じ。
ハロウィーンが終わると雪もちらつき始める。極寒になる前に冬支度を始めなきゃ。

まだ気が早いけど、今年は本当に怒涛の1年だった。
今年の年初は、ここに今こうしていられることさえ想像できていなかった。
Pちゃんの仕事が強制終了して以来、外国人である私たちはこの国にいる資格がない。そんな法の中でもがき、苦しみ、時間と闘いながら気がおかしくなった時もあった。
でもここでくじけているわけにはいかない。私にゃまだまだここでやらなきゃいけない使命がある。
歯をくいしばり、とにかく外に出て人に会い情報を探しに走り回った。
そしてようやく7月に新しいビザを無事に取得することができた。
それもまわりの多くの人たちの励まし、支援のおかげだ。本当に感謝しても感謝し足りない。
新しい命をいただいたような気持ち。
今やれることを精いっぱいやらなきゃ、という思いが心の奥底から湧いてくる。


ビザの申請もかねて夏に1か月帰国したとき、その留守を守ってくれたPちゃんにも感謝している。
GOROの、そしてもう1匹友人から預かったTaro(同じく柴犬)の世話に始まり、家の細かな修繕、お花や野菜たちの水やり、そして大の苦手の食事の支度まで全てひとりでやってくれた。
ご近所づきあいも楽しんでやってくれていて、私よりも優れた主婦ぶりが板についていた。
最も驚いたのは、食事。
なかでも、製パン機を使って自分でパンを焼いていたことにはビックリ!
自分なりに工夫してナッツやレーズンの量を微妙に替えていたりして、まるで主婦みたい。
そんなわけで、今でもパンのセッティングはPちゃんがやってくれる。
パンだけでなく、朝食の準備が異常に手早くなっていたのにも驚いた。以前は手際が悪くて食べる頃にはコーヒーが冷めていたりしたものだけれど、今は完璧
やっぱり普段甘やかすと自立しないものなのね。←ものすごい結論

★ ★

そのPちゃん、ついに重い腰をあげて自分のビザの申請のためにただ今国外脱出中。
スペイン、マドリッドのおばちゃんの家にしばらく滞在することになった。
今回は私がお留守番。
なんだか久しぶり。この“独身”の感覚!!
ああ、フリーダム!

こちらのことは気にせずに、せっかくの里帰り(?)を楽しんできてね。
私はこの隙にあっちこっち夜間徘徊しようと思っております。はい。
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3か月ぶりの再会。Vino@Legends

2012-10-16 11:20:22 | music/festival
しばらく大人しくしていたけれど、やっぱり中毒の震えがきたのでまたBluesを聴きに。
この夏、Japan Blues Festival(青森)で3日間一緒だった、あの“(Koko Taylor) Blues Machine”のギタリスト、Vino(ヴィノ)が
自らのリーダーバンドで「Buddy Guys Legend」に出演するのだ。
こんな機会は滅多になく、Vino本人からも招待のメールが届いたのでこれはもちろん、行かせていただくことにした。

金曜日の夜とあって、店内は超満員。
お店に入るとまず目に入ったのが、なんとBuddy Guyご本人の姿。
入り口のレジ横に立ってにこやかにお客さんに応対しているではないか。ちょっとびっくり。
そこにニコニコしたVinoがやってきて、「ヘイ、ショーコ元気だったかい?来てくれて驚いたよ」と3か月ぶりのハグで熱烈歓迎。
「私、いの一番に“行く”って返答したじゃないよ!」

本人、心ここに非ず。
有名クラブで自分のリーダーバンドがステージを持てるとあって、Vinoは超ご機嫌だ。

午後9時半、最初のステージが幕を開ける。
この日のお客さんは半分以上が観光客らしき人たち。
そこここから聞こえてくるのは、なんか訛りのある英語か外国語ばかり。
Vinoに煽られたお客さんは、そこらへんで踊りまくっている。
Vinoは調子に乗っていつものように“舌弾き”パフォーマンスをやったり、ベースのケニー・ハンプトンに靴や客席からもらった煙草で弾かせてみたり。
Bluesのスタンダードはもちろん、途中でアコギに持ち替えてしっとりと“Change is Gonna Come”なんかを熱唱してくれた。
最後はなんと、ジミヘンまで飛び出した。いやぁ~楽しかった。


★ ★

ひとりでブルースクラブに聴きに行くメリットは、自分の世界に浸れること。
一方で、相席になったり隣り合わせになったりした人と「袖擦り合って」会話が弾むこともある。
この日は、たまたま出張でシドニーから来ていたおじさんと隣り合わせになった。どうやらこのクラブが気に入って、1週間の滞在の間に3回も来てしまったらしい。
Buddy Guyの飛び入りに気をよくしたおっちゃん、一杯おごってくれた。
一人で来るとこういうラッキーなこともある(笑)






この日のピアノはAriyo(有吉須美人)。
いつもはBilly Branchと一緒だけれど、今は大将が南米ソロツアー中なので、今日はゲスト出演。
いつもよりいい感じにリラックスしていた様子。


“顔弾き”のVino。
ジミヘンばりに舌でギターを弾いたりしてパフォーマンスも面白い。
この人を見るたびに「玉川カルテット」を思い出す私。
ギター漫談とかさせると天下一品だと思うんだけど・・。


Buddy Guyがステージに乱入。お客さん騒然でムードが一変。
今年はケネディ・オナーズ(ケネディ財団から全米の優れたアーティストに贈られる名誉ある賞)受賞が決まっているBuddy。
今一番脂ののっているブルース・マンといったらこの人をおいていない。


「愛用のギターと一緒に撮ってくれ」といわれて一枚。



終演後に。スナフキンみたいなVino
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Hyde Park Jazz Festival (ハイドパーク・ジャズ・フェスティバル)

2012-10-03 13:43:48 | music/festival
シカゴ南部、ハイドパーク地区にあるシカゴ大学構内で行われるフリージャズイベント、
ハイドパーク・ジャズ・フェスティバルに、去年に続いて行ってきた。
今年で6回目を数えるこのフェスティバルは、2日間で17時間の演奏時間、参加ミュージシャン170人以上、2万5千人以上のファンでにぎわうビッグイベント。
年々評判が広がり、出演者の数もイベント会場も増えているそうだ。

去年の反省もふまえ、今年は事前にプログラムを入念にチェックし、早め早めに移動する計画を立てて夕方早めに出陣。
今年一番のお目当ては、歴史的建造物であるフランクロイド・ライト設計の「ロビーハウス(ロビー邸)」で行われるパフォーマンスだ。
なにしろ中に入れる客数が限られているため、多少並んで待つことを覚悟しなければならない。

 
ロビーハウス(1908年竣工)はロイドが確立したプレーリースタイルの最高傑作であると共に、現代建築を象徴する建物。
建物全体に伸びる水平面、ドラマチックに広がる軒、帯状に連なるアートガラス窓が特徴的。
ライトが生涯で最も愛した建物と言われている。

 やっぱりここで1時間近く並び・・・

やっと2回目、6時からのパフォーマンスに入ることができた。
しかも最前列!

 


のっけからとんでもないものを見てしまった!
Zach Brock Trio
ZACH BROCK(violin), MATT ULERY(bass),JON DEITEMYER(drums)

何たるオリジナリティー。何たるエネルギー。何たるグルーブ。
途中でアンプのハウリングが止まらなくなったときも、あわてずそのハウリングを音楽の一部にしてしまう
Zachの遊び心と冷静さに、また場内感動。
初めは建物目的でやってきたこのライブ、終わるころにはそんなことはすでにどうでもよくなっていた。
この人たちを見られただけで、今日はすでに満足感でいっぱい。

続いて、今度は公園内の屋外ステージで、cool jazzを堪能。


   
Jarrard Harris Quintet
Jarrard Harris (Sax), Chuck Webb (bass), Kobie Watkins (ds),Justin Thomas (vibes)


明日は中秋の名月。満月をバックに聴くJazzの、なんと美しいこと。
気温も下がらず、外でもすごしやすい気持ちの良い夜だった。


9~10pm
シカゴ大学のロックフェラー・チャペルへ。





Paulinho Garcia & Grazyna Auguscickによる、ボサノバ。
ギターの音色が荘厳なチャペル内に響き渡り、その美しさと切なさに思わず涙が出てしまう。


11時からの最終パフォーマンスは遅くなるのでパスして、今日はおとなしくここで撤収。
バイオリンのエネルギッシュな若いトリオ、スタンダード・ジャズ、そしてチャペルでのボサノバ。
三者三様にカラーの違うJazzを堪能することができ、大満足だった。
超満員で入れなかった会場もあったけど、それは結果としてはかえってよかったかな。
これだけの満足を無料(もちろんドネーションはあり)で開催してくれる、そういうところはさすがアメリカ。
来年も絶対来なければ!





Pちゃん、Fumiさんと
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