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この飛行機に乗って・・・
2月は波乱含みのうちにあっと言う間に過ぎ去った。
一番大きな出来事は、2週間ほどのシークレット帰省(帰国)。
そもそも今回の帰国は、1)ソチオリンピックを見ること、2)ゆっくり実家で正月気分を味わうこと、3)ついでに健康診断をすること、が目的だった。
いつもは友人たちに会っているうちに実家で過ごす時間がなくなっていたので、たまには誰とも約束せずに実家にだけ帰ってみようと思っていたのだ。
それにこの時期は1年のうちで航空運賃が最も安くなるので狙い目だった。
オリンピックが始まると我が家が真っ二つに分かれるのも要因のひとつ。
競技ごとに全く興味のないPちゃんとは違って私は無二のオリンピックや競技好き。私がテレビをみて大騒ぎするので、この時期Pちゃんはすごーく憂鬱になるらしい。
私のほうも、アメリカ人選手がメダルを取りそうな競技以外はほとんど見ることができないアメリカでオリンピックを見ることも大きなストレスになっていた。
というわけで、ちょうどこのソチオリンピックを利用して帰省する計画を立てたという次第。
「オリンピックの期間、実家に帰らせていただきます」とPちゃんに言ったら、「Thanks God!」と大喜びされた。
日本で大雪が降って首都圏が大混乱に陥ったその数日後、大寒波の合間を縫ってシカゴから脱出。幸いフライトは1時間の遅れで済んだ。
今回初めて一日に2便就航となったANA便(成田-シカゴ)を利用し、午後9時過ぎに成田着。その晩はANAのキャンペーンで成田のクラウンホテルに無料宿泊というお得なプランだった。
この便のいいところは、まず席がすいていること。私の座った席は3シートとも空いていたので悠々と横たわることができた。そして映画が充実していることもうれしかった。(おかげで4本も見てしまい、ほとんど眠れなかった。)
ホテル利用の規定で、24時間以内には国内便(海外居住者は国内線がどの路線も片道1万円で利用できる)に乗り継がないといけないので、翌朝にはすぐに羽田に移動して徳島へ直行。実に快適だ。
これが大波乱の幕開けになろうとは・・・
せっかくだからと奈良に住む姉が勤め先(医大)の紹介でいろんな検診の予約を入れていたのはいいが、検診は翌日からなのでその日のうちに奈良に移動せねばならなかった。
実家へは一瞬タッチダウンして荷物を下ろしただけで、すぐにバスで奈良へと向かう。
早速翌日、婦人科検診と消化器初診、腹部エコーなど。ちなみにこの夜は、男子フィギュアのSPを見ていて、寝たのは夜中の4時半ごろ。
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朝起きると、外はえらいことになっていた。
奈良はなんと15センチの積雪!私の行くところどうしてこんなに雪が降るんだろう?
よりによってこんな日に、最も恐れていた大腸スコープ検査。
できれば一生やりたくない検査だったけれど、この年齢になると一度はやっておかないといけないと前から言われていたこともあり、ついに観念。朝から2リットルの下剤をゲホゲホいいながら飲み続け、やっと検査の時がやってきた。
幸いにも、この道では第一人者の先生に検査をしてもらったので少しうとうとしているうちにすべてが終了。
終わりましたよ、という先生の声で正気に戻ったものの、そのあとの言葉に耳を疑った。
「ポリープがあったので切除しておきました。念のために今晩は入院してください」
へっ?入院?まじっすか?
「今晩、男子フィギュアのフリーがあるから帰りたいんですけど・・」ともうちょっとで言いそうになるのをぐっとこらえる。
今晩は家でゆっくりお酒でも飲みながら、姉夫妻と一緒に大騒ぎしながらFPを見ようと計画していたのにそれがガラガラと崩れ去ってゆく。
結局、検査台の上から一歩も歩くことなくそのまま入院部屋へ看護婦さんたちに運ばれながら、なんだか自分がものすごく重病人になったような気がした。
もちろん、入院の支度を何もしていなかったので、大雪の中を姉がぶつぶつ言いながら「入院セット」を一式持ってきてくれた。助かった。
私はもちろん、今回が人生初入院。
ただでさえ病院が嫌いなのに、ここで何日も過ごすのかと思うとそれだけで気が重くなった。
しかも入院の間は断食だという。食べる楽しみも奪われ点滴の管を血管に入れられた哀れな我が姿に、「こんなはずじゃなかった」という思いがふつふつと沸いてきた。
いやしかし、これも不幸中の幸いだと思わねば。
これがもし、保険をもっていないアメリカでおこっていたら大変なことになっていた。
手術と入院日で軽く400万円は請求がきただろう。
これは冗談ではない数字だ。
先日ヘルニアの手術をした友人は、300万円の請求書が来たと言っていた。彼女は保険に入っているのでもちろん全額を払わずに済んだが、いまだに国民皆保険制度のないアメリカはこういうことが日常で起こっているのだ。
医療費が払えないがために家ごと持って行かれるケースが後を絶たないのもこのためだ。
そう考えると、こうやって病院で24時間看護婦さんの完全看護付きで、お金の心配もなく悠々と過ごせる日本は天国のようなものだ。
ありがたや、ありがたや。
さらにありがたいのは、病室にテレビがあったこと!おかげで毎夜、真夜中のオリンピック観戦を楽しむことができた。
また、退屈しのぎにと姉が差し入れてくれた新聞や雑誌をむさぼり読んで、かなり楽しかった。
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こんな贅沢な時間、なかなか持てるもんじゃないもんね。
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入院、Yey!
結局、担当の先生から「何も急ぎの用がないならゆっくりしていけば?」と、まるで親戚のおっちゃんのように勧められて3泊入院。月曜日の朝、無罪放免となった。
久々に娑婆に出たら、雪はすっかり融け、空が青かった。胃も腸もすっかり空っぽだ。
土曜日に何年かぶりに会う大学時代の友達と久々にランチの約束をしていたのに、この唯一の計画もおじゃん、まったくの予定外の入院だった。
3日もロスしてしまったので、神戸方面の友人に会うことを一切あきらめ、今回は大阪から徳島に直帰とあいなった。
いやはや、みなさまお騒がせしました。
持つべきものは頼りになる親兄弟。感謝いたします。