Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

友、シカゴに来る② ~ シカゴ・ブルースフェスティバル、いろいろ

2014-06-30 18:43:09 | music/festival
もちろんナコミ姐さんの一番の目的は、ブルース・フェス。
今年のシカゴ・ブルースフェスは、6月13日から15日までの3日間。この時期は、その前後にもいろんなブルースイベントが目白押しで、もう出るほうも見るほうも眠れない日々が続く。
私もいつものことながら、寝不足の毎日。
でも今年は頼もしい連れがいるので、うれしい 行ったところをずらっと書き記しておこう。


6月12日(木曜日)ブルースフェス前夜


私は夜、シカゴで撮影のアルバイトがあったので、仕事が終わったあと「Hard Rock Hotel」のバーでナコミさんとドラマーのふみちゃんと待ち合わせ。
ここのBar、「Angels and Kings」は、毎晩いろんなジャンルの音楽をノーチャージで聴ける、穴場的Bar。
ちょうど木曜日はブルース・ナイト。で、なななんと、マシューのバンドのギタリストとしてLurrieが出るという情報を前日にキャッチ。
Lurrieは今回のブルースフェスでは出演予定がないので期間中は会えないものと凹んでいたので、うれしかったー!


ルリー・ベル(Gt)、ウィリー・ヘイズ(Ds)、フェルトン・クルーズ(B)
大好きなメンバーがバックに勢ぞろいした、私にとっては一番落ち着ける音を出してくれるバンド。


右の二人はすでにすっかり堪能していた様子。

セカンドステージの2曲ほどを聞いて、後ろ髪をひかれながら次にご案内する予定だったBar「Moe's Tavern」に向かう。
ここでは、毎週木曜日にシカゴの白人女性ギタリスト、Liz Mandevilleがブルースジャムセッションのホストをしていると聞いていて、前から一度遊びに来てね、と誘われていた。
それならぜひ、同じ女性ギタリストのナコミさんを連れて行きたい、と前からたくらんでいてLizに伝えたところ本人も大喜び。

初めて行ったけれど、西部郊外の人気のないちょっとしけたBarだった。
Jamもプロジャムというよりは、素人さんいらっしゃい的な感じ。プロの二人をお連れするにはちょっとごめんなさい、という感じではあったけれど、そもそもLizと引き合わせるのが主な目的だったのでまぁよしとしよう。
近い将来、ふたりのギターバトルが聴けるかもしれない。



さっそく一発かましてくれるナコミ姐。


Lizを挟んでふみちゃんとナコミさん


夜はまだまだ終わらない。
お次は「Kingston Mines」のビリー・ブランチ先生を見に行く。ブルース3連荘。
木曜日の深夜というのに、普段より人が多い。やはり明日からのブルースフェス客が増えているんだろう。
ここで、同じく日本からナコミさんと一緒に来ていたお友達のプロのブルース・レディたちと合流。
ベース、キーボード、ドラム、ギター&ヴォーカルとフルバンドが勢ぞろいしたところで、なんとビリーが2セット目はじめにこの「Japanese Women Band」をステージにあげてくれた。




意外な展開に大喜びのお客さん。

今日は早く帰ろうと思っていたのに、そんなこんなで3時過ぎまで・・・明日から乗り切れるのか、私?


演奏が終わってビリーを囲む。ビリーの横はピアニストのアリヨさん。



6月13日(金曜日)ブルースフェス初日。

昼からゆっくり電車で出陣。見たのはこんな感じ。

3–4pm~ Cicero Blake
4:30–5:30pm - Mark Hummel’s Harmonica Blow Out with Billy Boy Arnold

 

8:25pm ~ (Celebrate Centennial of John Lee “Sonny Boy” Williamson”) The Siegel-Schwall Blues Band with Sam Lay, Billy Boy Arnold, Marcella Detroit, Billy Branch, Omar Coleman, Mark Hummel, Kenny “Beedy Eyes” Smith, Billy Flynn and Johnny Iguana

 コーキー・シーガル

 ビリー・ブランチ


全員がハーモニカを吹くさまは、圧巻。





最後のメインステージの前に、Mark HummelとBilly Boy ArnoldにLittle Walter Foundationから表彰状が贈られた。そのプレゼンターのMr.フィルにバックステージに入れてもらえたおかげでいろんな人と接して写真を撮ることができた。感謝!


そしてアフターフェスは「House Of Blues」で行われたジョン・プライマーのNew CDリリースライブへ。
今日は無理せずゆっくり近場で。
でもやっぱ好きやわー、ジョン・プライマー。ギターも歌も最高。しっかりCDをゲット、サイン入りって、観光客みたいなことしちゃった。






右はメルヴィン・スミス(ベース)



6月14日(土曜日)2日目


この日は盛りだくさんで大忙し。昼間は暑く、夜は少し肌寒い一日だった。




 


1~1:30pm - Deitra Farr with Joe Macdnard

この二人のDeepなデルタブルースには、心を突き動かされた。
最近はどのテントも音の多いロック・ブルースだらけになってきていたので、こういうブルースのルーツをたっぷりと聞かせてくれたふたりには感謝。
それも全ては彼女の歌唱力があってのもの。シカゴではやはりNo.1のデイトラゆえだ。





1:30pm ~ Matthew Skoller Band

 
マシューは去年と言い今年と言い、あっちゃこっちゃで出ずっぱり。
今、一番シカゴで稼いでいるブルースマンじゃないだろうか!?(今度おごってもらお


3pm ~ Tribute to Phil Guy (Italy/Chicago collaboration with Dario Lombardo, Delores Scott and Friends)


夕べ会ったLizが大暴れ中。


4:15pm ~ Chicago Blues Diva’s with Peaches Staten, Deitra Farr and Nellie “Tiger” Travis

3人のディーバたちが、マイク・ウィーラーバンドをバックに従えてのソロステージを繰り広げる。


Peaches Staten、Nellie “Tiger” Travis、 Deitra Farr


マイク・ウィーラー&ネリー。




6:55pm ~ Willie Clayton



8:15pm ~ Bettye LaVette

本日のトリは、シカゴの大ベテラン歌手、ベティ・ラベット。




彼女のほとばしるエモーションに、ファインダーが涙で濡れた。。





そして、アフターフェスはいろいろ迷った結果、昼間に会ったギタリストのBilly Flynnに誘われて、彼が出演するギグを見にシカゴ西、ウィッカーパークにあるBBQハウス「Smoke Daddy」へ。
この店は前から一度行きたいと思っていたけれど機会がなかったので、個人的にはうれしかった。
お店に行ってみたら、いろんなベテランブルースマンたちがいっぱいいて、飛び入り参加していて見ているだけで楽しかった。
ミルウォーキー・スリムやウィリー・バック、あのジミー・ヘンドリックスのバンドのドラマーでもあった、ジミー・メイズ氏も遊びに来ていて、みんなでわいわい。


ここにもちろん、ナコミ姐さんとフミちゃんも参加して、大いに盛り上がったのは言うまでもなく。


日本人女子が3人もステージに上がった日!


音に人柄があふれ出ている、大好きなビリー・フリンと。 
この晩は「特別リクエスト」と言って、自分のルーツであるベンチャーズなどのグループサウンズをメドレーで聴かせてくれた。
テケテケテケテケ・・・が冴えわたる。本人もめちゃうれしそう。

大ベテランの人たちはみな温かくてやさしく、店の雰囲気も家庭的。今夜ここを選んで本当によかった!




6月15日(日曜日) 3日目・最終日

運転に疲れて、今日は電車。
この日はやけに蒸し暑かった。



2:30pm - Mike Wheeler Band

  
この人たちのエネルギッシュな演奏はいつ聞いても楽しい。いつも同じネタでひと芝居してくれるのもお決まり芸。


3pm - Chicago Delta Blues Band with Bob Stroger, Barrelhouse Chuck, Billy Flynn, Lil' Frank and Kenny “Beedy Eyes” Smith




大ベテランのベーシスト。いつもブルースマンらしく盛装してくれるボブ・ストロジャー


いつもは後ろで叩いているケニー・スミスが、この日は珍しく歌ってくれた。素朴で温かい、優しい歌声だった。やはりこういうのがブルースなんだな、としみじみ聞き惚れた。


4:30pm - Sugar Blue

何度聞いても大好きなシュガー!
直前ににわか雨がきたけれど5分でからりとやんで、雨上がりの空にハーモニカが響き渡る。


“夫婦(めおと)ブルース”


リコとシュガー。息もピタリ


この人のギターはいつもながら良かった。ハリー・フムラ。



Sugarと一緒に。自分が入った写真はあんまりないのでこれは貴重・・



今日は完全オフで会場をぶらぶらしていたルリーをキャッチ。なんだか楽しそう。



5:15-6:15pm - Willie “the Touch” Hayes Band




6:45pm - Aaron Neville



8:15pm - Dr. John


この人も最近シカゴによく表れる。ここ2年で3回目。
大好きなピアニストの一人、昔は必死こいてコピーした思い出がよみがえる・・・。


さて、今年のアフターフェスは、「Buddy Guys Legends」のCarlos Johnsonで〆。
カルロスに「来たよー」とあいさつすると、君はステージの始まる時間までいるかい?というのでもちろん、と答えると、僕も、といってお茶目に笑った。
顔は怖いが、超お茶目でかわいいのだ。
相変わらずのタイトでファンキーなリズムセクションが最高に心地いい、抜群のグルーブのバンド。7月に一緒に青森に行くのが待ちきれない。


この人も大好き、Pooky Styx


やっぱりおいしいところは逃さないこの人、バディ・ガイ。この日もきっちりとカルロスのステージに乱入して観光客の注意をひきつけていた。
せっかくカルロスを見に来たのに、と個人的にはちょっと辟易してトイレに逃げ込んだ。トイレの中までもバディーの声はガンガン届いていた。(はい、さすがです。)



かくして今年のブルースフェスは終了。
でも、まだ明日があるさ、明日がある~♪


この続きは・・・次回。


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友、シカゴに来る① ~ 『Motown The Musical』

2014-06-21 20:21:15 | アメリカ生活雑感
ブルースフェスも終わって、やっとひと山越えたこの頃。
今週は雷雨続きでどこへも行けず、おかげで家の中でゆくりと片づけ仕事ができる。
ついでにブログも更新しておこうっと。


今年のシカゴブルースフェスを前に、日本から素敵なお友達がやってきた。
プロのブルース・ギタリスト&シンガーのナコミさん。
彼女と初めて会ったのは、2年前、青森で行われた「Japan Blues Festival」だった。彼女のバンドが一昨年、昨年と続けてこのフェスティバルに参加したので、私は彼女のことをよく知っていたのだけれど、現地では顔を合わせる程度でゆっくりお話をする機会もないままだった。

ところが昨年、青森の帰りに帰省したあと神戸でランチをご一緒して、急接近。
そのときに彼女から「シカゴへはまだ行ったことがないから、来年のシカゴのブルースフェスにはぜひ行こうと思っている」という計画がもちあがった。
で、今年に入って正式にこの計画が決まったという連絡をいただき、以来この日をずっと楽しみにしていた。

ナコミさんはシカゴ入りする2週間前にルイジアナで行われた「Little Walter(リトル・ウォルター)フェスティバル」に招待され出演していたので、そのままシカゴでブルース・フェスの週末を合わせて2週間ほど過ごすことになっていた。
音楽はもちろんのこと、それ以外のシカゴをもっと知りたいという彼女は、シカゴ入りした日から精力的にあちこちと街を見て回った様子。
シカゴを愛する私としては、この街のいろんな魅力を知ってもらいたいので彼女のように貪欲にいろんなことを吸収しようという人が来てくれるととてもうれしいし、案内のし甲斐があるというもの。

かくして、久々の再会となった6月4日、さっそく一緒に今話題のミュージカル『Motown The Musical』を見に行った。
連れがいないとなかなか見に行く機会のないミュージカル。でもこれだけはどうしても逃したくなかったので絶対に好きそうな彼女を誘ったところ、もちろん即OK。かれこれ1か月以上前にチケットをとっておいたのだった。

 
久々の「オリエンタル・シアター」。。内装も実に重厚でゴージャス。
いかにも劇場に来た、というリッチな感覚をもたせてくれる。

 一緒に観劇したナコミさんとはっちゃん

モータウンものは前にも『メンフィス』を見たけれど、これは違う次元で素晴らしかった。
音楽プロデューサー、Berry Gordyが1959年、モータウン・レコードを立ち上げてから25周年を迎えるまでの話を軸にした物語なのだが、人種差別の激しい1960年代、いかに“黒人音楽”がアメリカ社会に入り込んでいったのか、モータウンで一世を風靡したミュージシャンたちがその後どのような道を選択していくのか・・・それらがケネディ大統領やキング牧師の暗殺といったその時代の出来事と共にテンポよくつづられていく。
マーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、シュープリームス、ダイアナ・ロス、ジャクソン・ファイブ、スティービー・ワンダー・・・など実在の人物が目の前に次々と再現される様も見ごたえたっぷり。もちろん(本人には及ばないものの)歌唱力も申し分ない。
特にダイアナ・ロスを演じた、シカゴ出身のAllison Semmesは本当に美しく、そのオーラまでそっくり。
でもやっぱり一番観客の人気をさらったのは、マイケル。
ジャクソン5が登場すると、わっと会場が湧き、特に子役のマイケルがヒット曲を躍り歌うと、あ~~~という愛おしいものを見たかのようなため息があちこちから漏れる。ほんと、かわいかった!
このミュージカル、もう一度くらい見ておきたい。


 
(c) Joan Marcus, 2014

ミュージカルのあとは、軽く「Blue Chicago」に流れ、デミトリア・テイラーとJ.W・ウィリアムスのバンドを見てこの日はおしまい。


まだまだナコミさんとのシカゴ日記は続く・・・
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“ブルース・アンド・ザ・スピリット”シンポジウム

2014-06-18 11:11:34 | アメリカ生活雑感
ああ、もう忙しすぎてブログなんて書いている時間がない!
毎年この時期はこうなるんだけれど。
ブルースフェスも終わったし、少し余裕がでてきたところで、ぼちぼち思い出しながら書いていきます。



5月30日~31日




二日間にわたって行われた「ブルース・シンポジウム」に参加した。
朝から晩まで丸一日、識者や業界人、ミュージシャンなどがブルースをいろいろな観点から語るという、まさにブルース漬けのシンポジウムだ。
ドミニカン大学は、大学の中で唯一ブルースをソシオロジーとして学問的に教えている大学として知られている。
その教授であるジャニス女史が、2年に一度このシンポを主催しているのだ。
先日ふとしたきっかけでジャニスと知り合い、彼女からぜひ参加してほしいと言われて私も丸二日間通ったのだが、
その内容も濃く、ディスカッションも興味深く、本当にいい勉強をさせてもらった。

ブルースはアメリカでの黒人の歴史そのものであり、それを深く知ってはじめて本当の意味でのブルースを感じることができる。


そのパネルディスカッションのひとつ、「Blues in The Media」の質疑応答で、思わず手を挙げて前から聞いてみたかった質問をぶつけてみた。

「日本にもブルース”オタク”と呼ばれる人が多いが、なぜブルースはこれほどまでに海外の国々の人々の心をつかんで離さないのか」

”オタク”という表現で会場はドッと笑いが起きたのは、つかみとして計算づく。
この答えは、私が期待していた通りのものだった。(詳しくは後日)

ところで、手を挙げて質問したあといろんな人が私の所へきて声をかけてくれた。
故ブルースマンの奥さま、ブルースジャーナルの編集者、ライター、海外からきていたブルースファン・・・・そのおかげでまた人脈が広がった。
フランスから来ていたジャーナリストは、わざわざ自分の意見を私に言いに来てくれたのだが、それがものすごくストンと私の腑に落ちて、本当にうれしかった。
人前で挙手をして、第2外国語で質問をぶつけるということは勇気のいることだけれど、その産物は計り知れなく大きかった。どんなときにも勇気は必要だということをまた学んだ気がする。







若くして亡くなったブルース・フォトグラファー、スーザン・グリーンバーグの写真展も開催され
生前、彼女の撮ったさまざまな写真をじっくりと味わった。
会場には彼女がLurrieとの間に残していった愛娘の姿も。
Lurrieの血をこの世に残してくれてありがとう、と私は心の中でスーザンに何度も深くお礼を言った。


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“アニメ・セントラル” シカゴ大会

2014-06-06 18:51:54 | アメリカ生活雑感

やっと、というかいきなり春を通り越して夏がやってきたシカゴ。
そうなると一気にイベントごとが動き出してもう忙しいったらありゃしない。

書いている暇がないので、先日行われたアニメ・ゲームの祭典「アニメ・セントラル(略して“Aセン”)」のシカゴ大会の様子をレポートしたのでこちらをご覧ください。

中でも面白かったのが、「ゴジラ」に関する講演。
いやぁ、ゴジラは深い。面白い。
そして、アニメは奥が深い。



「ゴジラ」の歴史と、ヒューマニティーの喪失。アニメに学ぶ日本文化
~中西部最大の漫画・アニメ・ゲームの祭典「アニメ・セントラル」


http://www.usshimbun.com/events/events-140517ACen2014.html
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