Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

“ART CHICAGO” Trip

2008-04-29 04:44:59 | アメリカ生活雑感
「シカゴに電車で行ってみたい」というPちゃんのかねてからの希望をかなえるべく、今日はシカゴで開催中の美術博覧会“アートロポリス”(April 25~28)を見に行くことにした。


家から一番近い駅の駐車場に車を停めて(土日祭日は無料)、Metraに乗って出発。
週末料金は5ドルでシカゴまでの往復ができるので、ガソリン代や駐車代を考えるとお得。
なんといっても渋滞のストレスもないし、飲めるのがうれしい。


約1時間後、シカゴ・Union Stationに到着。




会場のマーチャンダイズ・マートまでは歩いて15分ほど。
今日のシカゴはここのところの陽気がうそのように肌寒かった。
でもいつものような風はなく、ぶらぶらと町を歩くには最適な天気。


このどでかいマーチャンダイズ・マートの7、8、12階がすべてが展示会会場。
そのメインとなるのは、世界56都市から計180の画廊を迎え2,000人のアーティストの作品を展示する“Art Chicago”。
その他にも、若手美術家による作品展示コーナー“NEXT”、アンティークフェアー、地元シカゴの美術家が作品を展示即売するコーナー、民族工芸品コーナーな計5種類の会場に分かれている。


中に入ってみるととにかくその規模の大きさには度肝を抜かれる!
何百もに分かれたアーチストブースをひとつひとつ見ていると、ワンフロアーに軽く2時間はかかる。


イギリスの画廊ブースでお気に入りの絵画の説明を受けるPちゃん。
お値段はなんと、90万ドル(って1億円やん!)。
やっぱり、いいものはいい、を実感。目の肥やしになった。


一方で若手作家のブースにはこんなユニークなものも。
天安門広場を歩くビートルズ+1名(?)と毛沢東の図。
最後尾の毛沢東いはく"Now I need a place to hide away."


アンティークフェアーにて


午後7時半、帰還。
帰りはほとんど寝てたので、まだ寝ぼけ気味。

近頃の新聞から。

2008-04-25 04:07:25 | アメリカ生活雑感
まだ一度も見に行っていないけれど、どうやら福留はカブスで大活躍らしい。
近頃、新聞のスポーツ欄に福留の顔が踊ることが多くなってきた。
22日のロッキーズとの試合では、3打数3安打、2回の4球計5回の出塁後すべてホームベースを踏み、“FUKUDOME EFFECT(福留効果)”がチーム全体を盛り上げていると報じられた。
井口を楽しみにシカゴに来たけれど、彼は今ではフェニックスの人。福留も一度見ておかなければ。




そして、大統領戦はまだまだ「Fight goes on」だ。
正念場のペンシルベニア戦を勝利し、娘と抱き合うヒラリーの写真が一面。(4/23)
考えてみれば、両親をアメリカ大統領候補として戦った経験を持つ娘っていうのもまたすごい。
民主党同士の戦いが長引くにつれ、早々に余裕で指名を決めたマケインに有利になっている気がして、気が気でない。先日の新聞では、ここのところのネガティブ・キャンペーンで相手の批判を繰り返すうち、民主党の両陣営には憎しみだけが増幅されており、「もしここで(民主党氏名争い)負けたら、マケイン(共和党)に投票する」と公言する党員も増えてきたと報じられていた。おいおい!何のために戦ってるんだよ!頼むよ、民主党。この8年間の悪夢からアメリカを目覚めさせてくれ。ほんと、こちとら生活かかってんだからさ。


Spring Cleaning

2008-04-22 06:16:36 | アメリカ生活雑感
近頃めっきり春らしくなってきた。
今度という今度は本当らしい。過去には、4月17日にスノーストームが来てかなり積もったという記録があるらしいが、もうそういう危険性もなさそうだ。
イリノイの人たちは5月にならないと庭の手入れを始めないと聞いたことがあるけれど、きのう立ち寄ったホームセンターは庭木やガーデン用具を買いあさる人たちであふれかえっていた。
いよいよ春到来、というわけで、冬の間何もせずにほうっておいた我が家の庭にもついに手を入れるときがきた。
いろいろ器具を買ったものだから使いたくて仕方のないPちゃんは、さっそく庭の大掃除を開始。近い将来野菜畑にしようと企んでいる花壇もきれいに掘り起こしてくれた。
ミミズくんもうよいよいたそうで、土壌はいたって健康の模様。



がんばりすぎたPちゃんはその日はぐったり。翌日も筋肉痛と戦いながら元気に自転車で通勤していった。
この自転車通勤、少しはダイエットに役立てばよいのだが・・・。




春は元気が出てええなあ。



庭先にはこんなものたちが・・

映画館嫌い

2008-04-21 10:45:57 | アメリカ生活雑感
私が映画を見ていた間、Pちゃんは久々のシカゴを気ままにお散歩。
Pちゃんは大の映画館嫌い。というのも、アメリカの映画館は例外なくうるさいからだ。何がうるさいって、ここぞとばかりにポップコーンを食う音。
Pちゃんは特にこういう人たちを引き付ける魔力でも持っているのかと思うくらい、映画館に行くと隣や前後に必ずと言っていいほどポップコーン怪獣が座り、そのたびに「もっと静かに食ってくれませんか」と注意をしては逆襲に合う、という憂き目にあってきた。
ある日、「そんならもう行かない!」と決意したというわけ。

実はこの日の映画館もひどかった。
「特攻」のドキュメンタリーを見ながらポップコーンを食いまくるやつ(アメリカ人)の神経もどうにかしている。しかもこんな映画に5~6歳のガキを連れてくるんじゃねー!食うやらむずがるやらで集中でけんへやんけ!

さて、無罪放免になって散歩を楽しんだPちゃん。
ミレニアムパークあたりをぶらぶらしていると黒山の人だかりを発見。
何かと近づいてみると、なにやら救急車が煙を吐いている。ただ事ならぬ風景なのに、ちょっと様子が変。よくよく見てみると、ドラマの撮影をやっていたのだった。
「何々?」と聞くと「ERだよ!」とお隣さん。
何しろテレビドラマなんか見たことのない(“Sex in The City”だけは私が見るので全部見た、以外は)Pちゃんはもちろん“ER”といわれてもなんのことだかわからなかったらしい。





そして、映画館に戻る途中にABC放送の生スタジオを発見。


このニュース・スタジオは表通りに面していて、こうやって道を歩く人たちがアンカーたちをガラス越しに見ることができる。


CM中にお化粧直し

『Wings of Defeat』

2008-04-18 04:25:27 | movie
古来から日本人は、この国は神によって守られていると信じてきた。それを証明するかのように、異国との戦のたびに敵を蹴散らす勝利の風が日本を救ってきた。そしてそれは「神風」と呼ばれ、人々はこの“決して沈むことのない国”を謳歌してきた。
しかし、その神風が再び吹くことはなかった。

先週の日曜日、世界各国の優れたインディペンデント映画を30年にわたって上映している、シカゴ・アート・インスティチュート付属の映画館シスケルに、本日1回限りの上映という映画『Wings of Defeat』を見に行った。
この映画のタイトルを直訳すると、「敗北の風」。
第2次大戦中の神風特攻隊をテーマにしたドキュメンタリーで、カナダで行われた北米最大のドキュメンタリー映画祭で高評を博し、日本でも2007年に『TOKKO 特攻』で2007年に上映された映画だ。
ディレクターはNYで生まれ育った日系2世のリサ・モリモト。
実の叔父があの“神風特攻隊”の生き残りであったことことを彼の死後知った彼女は、そのことに強い衝撃を受ける。
アメリカでは「カミカゼ」は狂信的なテロリストと捉えられることが多い。叔父は本当に自滅的なテロリストだったのか?なぜカミカゼパイロットたちは若い命散らさねばならなかったのか、なぜ彼らは特攻隊を志願したのか、そしてそしてそのとき彼らはいったいどんな思いだったのか・・・彼女は謎を明らかにするため日本に向かう。

少なくとも、日本に生まれ今までいろいろな映像を見る機会があった私とは違い、アメリカ人にとってあの特攻の生の映像はさぞショックだっただろう。煙を吐きながらも一直線に体当たりを試みるボロボロの飛行機。その閃光の中でいったい何人の人が命を失い、何人の家族が泣いたのだろう、と胸が締め付けられる。隣りに座っていたアメリカ人女性は、ショックのあまり声をあげ時おり目を覆っていた。
一方で、神風の攻撃から生き延びたアメリカ戦艦の乗組員たちの証言や当時の映像などは私にとって初めて見るものだった。文字通り生死の境を体験した彼らは、しかし、とても穏やかな表情をしているのに驚いた。

生き残りのパイロットたちへのインタビューの中で、はっとする証言があった。
「特攻隊はいわば、日本はもはやこれまでですよ、と(天皇に)暗に終戦を促すための“最後通牒”だった。しかし、何百もの特攻隊が命を散らした後、天皇から届いたのは“君たちはよくやっている”というねぎらいの言葉だけだった」
特攻に飛び立ったものの、標的に到着するまでに敵機に遭遇、激しく戦闘を強いられ弾も使い果たしたあとまったくやる気をなくしてしまい「もうやめよう。帰ろう」と引き返したこと。「そのとき目の前に広がった夕日の美しさは忘れられない」
「あんなに多くの犠牲を払ったのに、終戦後神風で死んだ人たちには何の言葉もなかった。いったい彼らの命は何だったのだ」

これらに「はっとした」自分にもはっとする。
はっとする、ということは「そんなこと言って大丈夫か」というセンサーが自動的に働いたからだろう。
「やばいよ」「家族が嫌がらせを受けるかも」・・・・
このセンサーこそが、諸悪の根源なのに。日本人の持つ、いや正確には教育や体験で見につけてしまったいやらしい“地雷魂”が、いまだに映画ひとつまともに上映できない社会を許しているというのに。

そういう意味では、この映画は“日本人的遠慮がなく踏み込んだ”ドキュメンタリーともいえる。
「それはなぜですか?」「特攻はいいイメージ?それとも悪いイメージ?」「そのときどんな気持ちだった?」
日本人ならば多分聞けないような、ときには屈託なくさえ感じる質問を、監督は遠慮なく聞いていく。本当に理解したいならば、とことん聞いてみる。答えなければ別の聞き方をしてみる。こうして渾身の思いをこめて作られた映画であることは素直に評価したい。
そして、この映画は日本の学校教育、それも小学校で使って欲しいと思う。
戦争の無意味さ、どんな状況にあっても本当のことを知る、知ろうとすることの大切さ、命の尊さ・・ここには、すべてが含まれている。



WINGS OF DEFEAT

2007, Risa Morimoto, USA, 90 min.

A story never before revealed because the survivors kept their secret out of shame, WINGS OF DEFEAT investigates the motives and feelings of Japanese kamikaze pilots, the notorious suicide bombers of WWII, through interviews and personal histories. Director Morimoto traces the story of her own uncle to expose the grim reality of fear and resignation experienced by these men, many barely older than boys when forced to volunteer for death. DigiBeta video. (BS)

* 日本タイトル『TOKKO 特攻』
http://www.edgewoodpictures.com/wingsofdefeat/
(DVDも発売中)

独断と偏見で見るアメリカン・アイドル

2008-04-18 03:14:13 | music/festival
いよいよ面白くなってきた『American Idol』。
今週は“マライアweek”、そしてベスト7が選ばれた。
昨シーズンは出場者にまったくと言っていいほど華がなく、途中で見るのもいやになっていたけれど、今シーズンは実に楽しい。
ロック野郎、ブルース野郎、ヘビメタ女、レゲエ男、ブラック・コンテンポラリーにカントリーと、皆が違った個性を持ち、何を歌わせてもそれなりに聞かせてくれるからだ。
実は、先週(Top8を決めるweek)、個人的に応援していた人物がvote offされちゃたので(日本でも放映されているのでネタばれにならないように固有名詞は伏せときます)少しモラルダウンしだけれど、この人の今後のキャリアを考えるとこのあたりが一番言い去り際だったのかもしれない。

さて。今期注目のパフォーマーについて。

ロック野郎、David Cookはいつもチャレンジブルなアレンジで楽しませてくれる。特にTop10weekで見せたマイケルジャクソンの『ビリー・ジーン』は鳥肌だった。
金髪の美女、Brooke Whiteは、他の人たちと比べれば歌唱力は劣るのだが、キラリと個性的な何かを持っていて、そのハスキーボイスを生かした選曲が冴えまくる。『Love is a Battlefield."』は忘れられないパフォーマンスだった。
はじめはなんじゃこりゃ?と思った17歳のあどけないDavid Archuleta 。彼の一生懸命歌う姿は初々しく、しかしときどきドキリとするほど声に色気がある。歌唱力ではピカ一だろう。週を追うごとに安定してきているので、意外とダークホースになるかもしれない。
レゲエ男、Jason Castro。この人はまさに存在そのものだけで持ち堪えているかんじ。しかし、ここ2週ほどは歌でも勝負してきた。マライアの『I Don't Wanna Cry』は、しみじみよかった。

あとの人たちは、ま、どーでもいい感じ。

個人的な一オシはロック野郎のDavid Cook。
久々に出てきたロックンローラーという感じ。しかも何を歌わせても自分の色をちゃんとつけてくる。そしてなにより、謙虚。審査員や観客にリスペクトしているのがよくわかる。
対照的に、最近いい気になっている(と思われる)のがBrooke White。
最初は謙虚でいい人そうだったのに、最近は平気で審査員に口答えしてくる。甘えたような目線もいやらしい。自信がでてきたのはいいけれど、自分に意見してくれる人に口答えしたそばから大嫌いになってしまう。いかにも日本人な私・・?




Top24 weekに放映されたチャリティー版で、大好きなAnnie Lennox(ユーリーズミックス)が登場。
魂の歌声に涙が出た。

この週は他にもグロリア・エスティファン、シーラ・E、Heartなど、個人的に大好きな女性ミュージシャンたちが出て狂喜乱舞。(オオトリはマライアだった)





最近見た映画いろいろ備忘録。~DVDの巻(つづき)

2008-04-17 01:45:41 | movie
違う意味で、心をわしづかみにされる2作品。


『Talk to Her (Hable con Ella) 』(2002/Spain)

ひたすら、敬愛する女性を描き続けるスペインの奇才Pedro Almodovar監督作品。2002年アカデミー脚本賞作品。
昏睡睡状態の二人の女性をめぐる愛の物語。ひとりは交通事故に合ったバレリーナ。もう一人は、牛に突かれて運び込まれた女闘牛士。バレリーナは4年間眠り続けているが、その傍らにはいつもある男がいた。彼女を一方的に慕うあまり彼女つきの看護士になった男は、来る日も来る日もまるで彼女が生きているかのように話しかけ、マッサージをし、身支度を整える。それが彼の喜びであり生きがいだった。
一方、女闘牛士の恋人は悲しみのあまり、動かなくなった彼女を呆然と見守るだけだった。そして思わぬ結末が・・・。
昏睡状態にあっても人間は生きている。ましてや女性は女性としての機能を失わないのだ。生命の神秘とともに、ふたりの男によってもたらされる、全く対照的な女性の生と性に心をえぐられる。
現実では女性を愛したことのない男が見せた、最初で最後の倒錯した究極の愛。現実で深く愛し合ったゆえに、物言わぬ恋人の体をもはや死体としてしか考えられなくなった男の精神的無力。

愛とは何か、を目の前にたたきつけられる映画。



『The Namesake 』(2007/アメリカ)

博士号を取得するために勉強をしているインド人のもとに、お見合いで知り合った一人の女性がインドからニューヨークに嫁いでいく。慣れない言葉や生活習慣に戸惑いながらも、ふたりの子に恵まれ教授職を得た夫の元で生活は次第に落ち着き、何不自由ない生活を送る日々。
しかし、子どもたちは親の古い考え方や“親の祖国”インドの慣習に違和感を覚える。長男が連れて来たアメリカ人のガールフレンドに両親は困惑を隠せない。親の価値観との間で埋められないギャップに悩む長男は、いつも友人からからかわれる自分の名前の由来を深く考え始める・・。
一方、子どもたちが高校でさっさと家を離れ、夫は単身赴任先で急死。初めて異国でひとりぼっちになり呆然とする妻。「ここはアメリカなのよ」という友人の言葉は何の慰めにもならない。そして彼女は、何もかもを売り払ってもういちど、祖国インドに戻って第二の人生をはじめる決意を固める。

タイトルのnamesakeとは「誰かにちなんでつけられた名前」のこと。自分の奇妙な名を呪い、自分で名前を変えて名乗るようになる。名付けた父親をうとましく思っていた長男はしかし、父の死後本当の気持ちを知ることになるのだった。

アメリカで暮らす移民家族にとっては避けて通れない道。
子どもたちは“宇宙人”のような言葉を話し、親の祖国には何のリスペクトもない。自分はどうなっていくのだろう・・そんな不安が、多くを語らない彼女の体からにじみ出る。思わずぐっとくる。
この主人公はおそらく長男なのだが、私にとっての主人公はむしろ母親だった。

ベストセラーの小説もオススメ。

最近見た映画いろいろ備忘録。~DVDの巻

2008-04-15 07:00:21 | movie
近所の図書館カードを作ってから、DVDを借りては返しては借りている。

『Shall we Dnace?』 (2004年/ハリウッドリメイク)

封切直後に日本で見たときは「日本版の足元にも及ばないヘタレ映画」が感想。
でも久々に、週末に頭を空っぽにしてふたりで見る娯楽映画としてレンタルしてみた。
やはりヘタレだった。
でも、日本版を知らないPちゃんには、このいかにもというエンターテイメントが楽しめたようす。
やっぱり、リチャード・ギアは、最後にはタキシード着てにっこり微笑んで女性(しかも妻!こんなときに出てくんな!)にバラの花を渡さなければならない運命なのね、としらける。ああ、悲しきかなハリウッドエンディング。
ジャニファー・ロペスのダンスシーンは美しかったし、竹中直人、渡辺えり子両名の役を演じた二人はよかったねぇ。

『Amelie』 (2001年/フランス)

Pちゃん大絶賛、大推薦の映画。
ちょっとどこか飛んでる、夢見る少女少女アメリー。人を楽しませるために、滑稽ともいえる小さないたずらを繰り返す毎日。やがてアメリーは、証明写真機に残された残骸写真を一生懸命集めるある少年に恋をし・・・。ヨーロピアンウイットとでも言うべきブラックユーモア満載。
映像、カメラワークはさすがフランス映画、美しい。
「もう一度見ないと、よくわからな~い」が感想。なにせ字幕(英語)を読むのに必死で・・・

『Nobody Knows(誰も知らない)』 (2004年/日本)


ご存知、是枝裕和監督。
カンヌ映画祭最優秀男優賞を史上最年少で受賞(柳楽優弥)して有名になった、あの『誰も知らない』。
いまさらながら見た。テーマが重いのであえて避けていたというのもある。
ドキュメンタリーなのか役者が演じているのかがわからなくなる、不思議な空気感が漂う。無責任で自分勝手な母親、置きざりにされた子どもたちの無邪気さ。気づいている大人がいながらも、「知らない」ふりを決め込む社会の落とし穴。
テーマとしては暗いことこの上ないのだけれど、いろいろなものを提起してくれるいい映画だと思う。
親の責任は重い。そして、今日もパチンコ屋の駐車場で幼児が死んだというニュースが心を暗くする。


映画Party

2008-04-14 03:27:48 | アメリカ生活雑感
4月12日(Fri)
お友達のライターT子さんご夫妻をお招きしてのDinner&映画ナイト。
4月10日に発売になったT子さんの本『観光コースでないイリノイ・シカゴ』の出版お祝いも兼ねて、私たち夫婦と4人、ゆっくりと時間を過ごした。

ちなみに今日鑑賞したのはあの『老親』。
バークレーで知り合った作家Harukoさんの代表作&自信作だ。
この映画を、映画通のおふたりがどのように見るかとても関心があったのだが、やはりというか、胸がすくくらいバッサリと切ってくれた。
まぁ、映画に限らず芸術というものは絶賛する人もいれば、まったく逆の人もいるわけで、そういう意味では私とT子さん夫妻の意見はとても近くてちょっとほっとした。
やっぱり、映画は複数で見てああだこうだと意見を交換するのが面白い!

これに気をよくして“自宅映画の会”、またやりましょうね!





今日のメインはおでん。
この2~3日また寒さがぶり返してきたのでちょうどいいあんばい。
向こうに見えるはPちゃんのお得意のメロンのハム巻き。


おいなりさんもこういうときには欠かせません


鶏の一口からあげ。これ、うまいのよ。


久々に火が入りました。


部屋が寂しいので、大胆に枝モノを生けてみたら、とても華やかになった。





Pちゃん、先生になる。

2008-04-10 06:04:42 | アメリカ生活雑感
Pちゃんの職場、FermiLabは知られざる世界有数の物理実験施設。
ひとつの町をすっぽり覆ってしまうほどの大きさの、アクセルレーターと呼ばれる重力加速器が地下に埋め込まれていて、素粒子の衝突実験が行われている。ここで働くのは世界中から集まった物理学者やその卵たちだ。

昨年、ついにイラク戦争の資金が足りなくなったあほブッシュは、こともあろうにこのFermiLabを含む国立研究所の経費削減という暴挙に出た。国の、いや世界の未来のサイエンスを担う研究所の経費を削るということが何を意味しているのか、あほだからわからない。
この法案がクリスマス休暇中のどさくさにまみれて議会で通されてしまい、研究所では少なくとも200人のレイオフ(解雇)という決定が下されたもんだからみんな戦々恐々としている。戦争は人事ではないのだ。
このあたりの町は、この施設で働く人たちで経済が成り立っている。当然地域をあげての大反対運動が起こり、イリノイ選出のオバマ氏も反対に一番に名乗りを上げた。未来を読めない大統領は早くに去って欲しいものだ。

さてこのFermiLab、存在は知られてはいてもいったい何をやっているのかはあまり知られていない(と思われる)。というわけで、もっと多くの人たちに存在意義をわかってもらうためにいろいろなイベントを開催している。
そのひとつが、地元の高校生のための“見学ツアー”。
コスモロジーや物理を専攻する高校生を招いて、実験施設内を約1時間にわたってご案内さしあげるというもの。これに付き合わされる、いやご案内役の栄誉を賜るのが下っ端であるポスドクのお役目。先週の土曜日、数人のツアーコンダクター役の一人としてPちゃんがこのお役目を頂戴することになった。

何しろ緊張しいのPちゃん、前の日からこのことで頭がいっぱいで仕事にならない。
しかも自分が熟知している施設ならまだしも、初めて足を踏み入れる施設に案内するとわかってパニック状態。
資料を作ったり、事前に見学に出かけたり(同じ施設の中とはいえ車で移動しなければならない距離)と大変な騒ぎ・・・。

(お~ピリピリしとるわ。ま~しゃぁないな。ほっとこ)


そして当日。
面白そうなので私もツアーにカメラマンとして参加することにした。
高校生たちは生意気にも数台の車を乗り付けてやってきた。
明らかに興味しんしんのヤツもいれば、時計ばっかり見て眠そうなヤツもいる。そんな彼らにPちゃんは一生懸命、声をからして説明している。もともと人に教えるのが大好きなPちゃん、質問を受けてけっこううれしそう。(私にはちんぷんかんぷんで質問さえできない・・)

帰り際、一人の男子学生に何かを質問されたPちゃん、
「んん~、それはいい質問だね~。そうだ、君、このテーマでPhD論文を書いてみたら!将来ノーベル賞がもらえるかも」とジョーク(?)を飛ばしていた。
案外このことがきっかけでこの学生くんは物理の道を進むかもしれない。Pちゃんがこの道に進んだのも、中学のときに学校で習った物理(宇宙)が頭から離れないくらい興味深かったからだと言っていた。

教育と刺激は大切だ。