Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

心の軸。

2012-04-27 22:42:52 | アメリカ生活雑感
つい先日、念願かなって友達のMちゃんが教えている大学の日本語のクラスを見学させてもらう機会をいただいた。
彼女は、8年ほど前から地元郊外のとあるクリスチャン系の大学で日本語を教えている。
私もアルバイトでアメリカ人の男性(23歳)ふたりに週一度日本語を教えているが、
大学ではレベルごとにどのように教えているのか、生徒たちの反応はどうなのかを前から見たいと思っていたので
彼女に頼み込んで、特別にクラスを聴講させてもらったというわけだ。

この大学は小さいながらもアメリカには珍しく外国語の教育に力を入れているそう。
この日は10時からそれぞれ上級クラス、中級クラス、初級クラスという50分のクラスたて続けにあり、10分の休憩の間に校舎を移動するのも結構大変。
生徒数は6~7人、語学を教えるにはちょうど良い規模。
上級クラスの生徒たちは、Jobインタビューを仮定したペアでの質疑応答などかなりレベルの高い会話をこなしていた。
先生(友人)も、ほとんど英語はしゃべらず日本語が99%。しかも結構早口な日本語にみんながついていっていることに驚いた。
中級、初級クラスでは英語での説明も若干増えるものの、それでも生徒たちのボキャブラリーはかなりのものだった。
短いながらも効率の良い、内容の濃い授業で、とても参考になった。

★ ★

お昼をはさんで、今度はMちゃんの特別の計らいで、彼女のボスでもある言語学の教授でもあるDr. Gにお話を伺うことができた。
自分自身、これからも「表現する」「コミュニケーションする」ということを軸に仕事をしていきたい、と考えるなかで
前から興味を持っていた「言語学」を大学で専攻してみたいという気持ちが最近高まっていたからだ。
それにはまず、専門の方にいろいろとお話を伺うのが一番。

Dr.Gは、こんな見ず知らずの私のためにちゃんと時間をとってくださり、しかも学位を取れる大学の情報などの情報を丁寧に教えてくださった。
「将来のキャリアとして、アメリカで日本語を教えられるための修士をとりたいんです」と相談をし始めていろいろとお話を進めていくうち、私のタイプをすぐさま見破ったのか彼女は私にこう言った。

「あなたには職業としてただ言葉を教えるような人ではなく、“Intercultural Communication”の分野を極めて、それを日米の企業にコンサルとするような仕事が向いているわね」


このことばには思わず目からボロリとウロコが落ちた。
それだ~!!
私のなかでもやもやとしていた何かがパッとふっとんだ。
日本とアメリカのカルチャーを結ぶ仕事をしたい、それにはライターと日本語教師だ、と狭い世界で決め込んでいた私に、彼女は「コミュニケーション」というキーワードでそれらをつないで示してくれたのだ。
教師はやりがいのある仕事だ。しかし、「あいうえお・・」を教えるのが私の使命なのか?といえばそうではないという気もしていた。
長年企業で働いてきた自らの経験を生かしながら、日本の企業文化、しいてはアジアの文化をコンサルティングする、という道もあったじゃないか。
もちろん、言葉もそのための大切な教材となる。

やっぱり外に出て専門家に会うというのは大切なことだ、とこんな時だからこそつくづく感じた日だった。
新たな目標ができて、なんだか若返った気分。

Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わが心のシカゴ

2012-04-14 19:58:03 | アメリカ生活雑感
最近、シカゴに移ってきたときのことをよく思い出す。
バークレーから荷物を車に詰め込んで、1週間かけてアメリカを横断したときに見た風景。あの空気。
あれからほぼ5年。
当初の予定だった3年という期間を更新するたびに、心のなかでほっとしていた。
それほどまでに、もうここは私にとって大切な土地になってしまった。
離れたくない、そう思い始めた時にPちゃんの研究施設が閉鎖するという思いもかけないニュースを聞くことになる。
この研究施設は長い歴史に幕をおろし、働いていた研究者たちは別の研究施設に移るか、
別の研究課題に移るか、という選択を余儀なくされた。
このあたりはさすがにアメリカ的で、閉鎖と決まったらもうあっという間にさっさと後始末に入る。
その早さについていけないPちゃんは、ずっと心を閉ざしたままだ。

私たちの労働ビザが切れるのは、5月4日。
それから30日間10日間のみ、猶予期間として「国外に出るための準備期間」が認められている。
その後はいわゆる観光ビザに切り替わり、滞在できるのは3か月間。
つまり遅くとも9月3日には国外に撤去せよ、ということである。
とはいえ、私たちにとって行く先はどこにもない。

この日が来ることはわかっていたけれど、「仕事先がなくなる」という、こちらの意思とは関係ないところでこの日を迎えるとは思いもよらなかっただけに、ショックは大きい。

しかし、そもういっていられない。
私はここが好き。
シカゴという町にすっかり魅せられてしまったし、ボランティア仕事ながらも地元メディアの編集責任者という仕事も始めたばかり。
日米いろいろな人脈もでき、心を許せる友達や音楽仲間もたくさんできた。
今ここをおめおめと離れるわけにいくものか、という気持ちが心の奥底から湧いてくるのを押さえることができない。

小さいながらも住む家もある。
ここであとしばらく踏ん張れるように手立てを考えなければ、と思う。
結婚してからずっと、私に好きなことをさせてくれたPちゃんに、今度は私が恩返しをする番だ。
労働ビザを発給してくれる仕事を探す、もしくは大学で学位を取る(Studentビザ)か。
この2者選択である。

日米交流に加えて、将来は教育の道にも進みたいと考えていたので、
ここは一から学び直せ、という神のお告げかもしれぬと思ったりもする。

とにもかくにも、ここ数か月が勝負だ。絶対にあきらめないぞ!

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エラとブルースの日。

2012-04-08 14:10:17 | music/festival


今年はエラ・フィッツジェラルド生誕95周年。
ここシカゴでも、彼女の足跡を称えて昨年あたりからさかんにトリビュートコンサートが行われている。
先週末、お友達のFumiさんに誘われて「Through Ella's Eyes - A 95th Birthday Celebration」というコンサートを見に出かけた。

今日の演奏は、シカゴで今最も忙しいトランペッターOrbert Davisの指揮する、Chicago Jazz Philharmonic's full orchestra (55 pieces)。
ここに4人の女性シンガー、Joan Colasso、Bobbi Wilsyn、Jackie Allen、Dee Alexander(登場順)がソロとしてエラの代表曲を歌い、色を添えるという趣向だ。

まず第1幕ではステージ前の大スクリーンにエラの足跡が映し出され、彼女の歌声に合わせて生オーケストラが演奏。
これが素晴らしかった。
フルオーケストラを凌駕するエラの自由自在な歌声に、改めて偉大さを実感。

第2幕では4人のシンガーたちが順に登場。
・・・が、エラの歌いっぷりを聞いてしまったあとだったせいか、誰を聞いても感動がわいてこなかった。
残念なことに、マイクのハウリングや携帯着信音などにも気が散る場面があり、どうも集中することができない。
シンガーはそれぞれうまいのだろうけれど、ヴォーカルマイクが少し弱めでオーケストラの中に声が埋もれてしまい、彼女らの特長が聴き取れなかった。

Jackie Allenが歌った「Slap That Bass」では、ベーシスト4人との掛け合いがあったのに、せっかくのベースソロををマイクが拾わずほとんど聞こえないという場面もあった。
最後に登場したDee Alexanderだけが唯一、なんとか彼女らしさを出してオーケストラと張り合っていたように思う。

4人の歌声を聴いて、奇しくもエラの偉大さが余計に引き立ったコンサートだった。
それで思い出したのが、昨年9月、ハイドパークJazzで聴いた3人のヴォーカリストたちによるエラ・トリビュート
それぞれの味が存分に引き出されていたうえに、3人で歌う曲も何曲かあり、聴き手を楽しませてくれた。
今回は残念ながら、皮肉にもシンガーがフルオーケストラ負けしてしまった感が否めなかった。

★ ★

それでもまぁ、久々に素敵な劇場で素敵な音楽を堪能し、すごく得した気分。
あまりに気分がいいので、帰りに「Buddy Guy's Legend」に立ち寄って今度はブルースを堪能。
結局音楽三昧、おんなふたりのシカゴナイトになった。


翌日の新聞Chicago Tribuneの評が私と同じような感想で結構面白かった。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男前写真。

2012-04-03 19:27:45 | GORO
今年のシカゴの冬は異常に短く、初夏のような天気が続いているおかげで
最近はほぼ毎日のようにGOROをドッグパークに連れて行っている。
リーシュをつけてこのあたりをだらだら散歩するよりも、たとえ短時間でも解き放たれて他の犬たちと思い切り遊ぶ時間のほうが大切。
自然の中をぐるぐると歩きながらほかの犬たちとじゃれていると、私の方も気分が晴れるから、夕方になると私の方が行きたくてうずうずしてくるのだ。
GOROを連れて行ってるんだか、私の方が連れて行っていただいているんだか。


ドッグパークで知り合った日本人のお友達、サチコさんが素敵な写真を撮ってくれた。
彼女の写真は犬写真コンテストでも賞をとるほどの腕前。ホンマ、GOROって男前やわぁ。







Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする