Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

田宮プロジェクト② 遺物の行先。

2024-06-12 21:58:25 | がんばろう、日本。
(つづき)

一番苦労したのは、言わずもがなの遺産整理。
住まなくなって久しい家の中に取り残された、埃だらけの昭和の遺物の数々。
家の中に入るだけで、むっとする埃とカビの匂いにまずやる気が失せる。そしてビンビンと漂う霊気との闘い。
ほんまにつらかった
家と共につぶしてしまえば一瞬の出来事なのだろうけど、物には物の使命があり寿命がある(と私は思う)。
このSDG’sの時代になんでも簡単に廃棄してはいけない、と気力を振り絞って嫁入り先探しが始まった。

        

まず、意外と場所をとるリネン類。
来客用にと買ったのだろう、まだ新しいリネン類多数。コロナ禍で使う機会を逸したと思われる。

①きれいな布団、毛布
②食器類
③電気ストーブなどの暖房器具

→ご近所に住むのインド人ご夫婦に寄付。ご主人は地元の大学の教授で、インド人留学生のお世話をしているため生活雑貨が必要だという。来日がちょうど寒い時期に重なったので、布団や暖房類はとても助かったといってもらえた。


④ 生活用品(アイロン、こたつなど)

→ 徳島大学の学生寮へ寄付。


⑤ 生活家電(洗濯機、シングルベッド2つ)

→「つながりグループ」(徳島在住の外国人を支援するグループ)を通じて在住外国人家族に寄付。


⑥ 引き取り手のなかった昭和の遺物(古箪笥、無垢板座卓、飾り棚、照明器具、リクライニングチェアなど)

→ 知り合いの古民家民宿に寄付。「こんな時代物の良い品は最近手に入らないんですよ!」と大いに喜ばれ、あとからわざわざ写真を送ってきてくれた。








⑦ 巨大全身マッサージチェア(医療用機器のため始末に困っていた)

→ 今回お世話になる建築事務所の顧客で、日帰り入浴デイケアに寄付。利用者さんから大いに喜ばれているそうだ。


⑧ 仏壇(魂は抜いてあるけれど貰い手が見つからず、結局最後まで残ってどうしようかと諦めかけていた・・・)

→ 地元の寄付サイトに掲載したところ、仏壇業者さんが引き取ってくれた。きっとリセールするのだろう。
「質の良いものをありがとうございました」と感謝された。


⑨ 歴史的に価値のある書物や文書類

→ 徳島県立文書館に寄付。県庁に勤務していた叔父が持ち帰ったと思われる県の重要文書(コンプライアンス皆無)や書物が段ボールに10箱分。徳島の歴史にかかわる重要な資料と思われたので問い合わせたところ喜んで引き取ってくれた。


⑩ 使用済みのタオル類や古い毛布などどっさり

→ お世話になっている動物病院に寄付。動物の入院時などに快適に使ってもらうため。すごく喜んでいただけた。


⑪ その他(衣類、着物類、書籍、カーテン、おもちゃ、花瓶、新し目の靴、洋服、ゴルフ用品、装飾品など)

→ 「太陽と緑の会」(障がい者自立支援施設)へ寄付。大きなトラックで通算4回も取りに来てくれた。これらをリセールすることで自立支援になる。


⑫ 堅牢な本棚、大量のカラーボックス、大型テレビ(古い型)、コートハンガー

→ 相棒の職場(英語教室&サロン)に寄付。教材類が散らかって絶望的だった部屋が一気に片付いた(片付けたのは潔癖症の相棒)と感謝された。テレビは子供たちに英語を教える際タブレットと連動させて使えると、先生たちに大好評!教室が見違えたという。


⑬ ブランドもののコーヒーカップ&ソーサー 多量

→ 懇意にしている老舗の珈琲店に寄付。昭和レトロなお店の雰囲気にぴったり。


⑭ まだ新し目のエアコン3基。業者さんが壁から取り外して室外機とともにセットで

→ もったいないので地元のサイトに出してみたら、すぐに隣町から引き取りたいとお兄ちゃんがやってきて軽トラに積んで帰った。
ついでに、まだ使える照明器具もその場で外して軽トラへ 見事に部屋がスッカラカン


全てのモノたちが捨てられずに第2の人生を歩むと思うと、それだけで気持ちが晴れ晴れする。
成仏するんだよ。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田宮プロジェクト、始動!

2024-06-12 00:23:17 | がんばろう、日本。
我が家とはほぼ縁切れ状態だった叔母が亡くなって丸2年。
子どもがいなかったので、結局は遺産の半分(半分は従妹)は我が家(父)が相続。
それが私の大仕事の始まりになろうとは、その時には知る由もなかった(苦笑)。
つまるところ、彼女の不動産は私が責任をもって引き継ぎ管理をしていくことになった。
少なくとも、不動産業に通じている人がやった方がよいでしょうという話だ。

この、長年手入れもされていない昭和の遺産(家)をどうしたらよいものか。
今はやりの民泊にしようか、近くの会社の外国人従業員のためのシェアハウスにしようか、いっそのこと取り壊すか・・と様々思いあぐね、各方面のセミナーに出かけて行ったり、知り合いに話を聞きに行ったり、物件を見てもらって助言をもらったりという日々が続いた。
それでもピンとくる活用法は見つからないまま、これから降りかかってくる税金の心配だけが頭をよぎる。

そんなときに出会ったのが、「テナント契約先行型・空き家活用」という新しい方法。
地元の銀行のセミナーを聞きに行ったときに、地元の不動産会社がこの方式を始め市内にも成功事例があるというので、個別にアポイントを取って物件の資料と共にじっくり話を聞きに行った。
一言でいうと、空き家のテナント募集&契約を、取り壊しやリフオームの前に行ってしまうというもの。
テナントにとっては入居までに幾分時間は要するが、大家にとっては建物を取り壊したもののテナントが決まらない、という一番のリスクを回避することができる。
さらに、不動産会社と建築事務所が組んでいるため、デザインを含めてその後のテナント工事への移行がスムーズにいき、テナント&オーナー双方にとってもいらない出費が免れるというメリットがある。

昨年秋に不動産情報をネットに流しテナント募集を開始。
何件か下見はあったものの、時間がかかることやサイズなどで話はぽしゃり、そろそろ次の手を打ちましょうかと話し合っているところへ、この物件が気に入ったという某業種の方から熱烈なオファーがあった。
こちらが希望した賃料にもOKしてもらい、多少時間がかかってもじっくり待って店舗設計に備えますと言ってくれた。

かくして4月に賃貸借無事契約を結び、あとは一部建物の取り壊しとリフォームにかかるローンが下りてGOサインだ。
今まで一度も個人で銀行ローンを組んだことのなかった私が、この年齢になって・・と一抹の不安もあったが
計画通りいけば繰り上げ返済できそうだし、なんといっても空き家で木や草が生い茂っていた”不良物件”がきれいな更地になって、道路も拡張でき、コミュニティーのためにもなるということが何よりうれしい。

2年間、こつこつと家の中のものを整理してきた苦労が報われるときがきた。

(つづく)
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする