Life in America ~JAPAN編

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モダニズム建築家、増田友也が手掛けた廃校小学校が蘇る。

2024-05-29 17:01:05 | ニッポン生活編
6月1日にグランドオープンする鳴門市の新観光施設、Tonaru(トナル)のプレオープンイベントへ。
Tonaru(鳴門をもじってトナルとは・・www)は、いずれも今は廃校となった旧瀬戸小学校・幼稚園と、旧島田小学校・幼稚園を利用した施設で、前者は「トナル瀬戸」、後者「トナル島田」という名称だ。(混乱ポイント①)

「トナル瀬戸」では、土日祝日に2回、阿波踊りのライブ公演が行われる。料金は大人2,200円。
また、イカダでのフィッシング体験(インストラクター付き、レンタル道具付き)もできる。料金は大人9,900円。
ただ、このイカダにはボートで行くため、事務所で受付をしたのち各自で乗り場までいかなければならない。送迎はなし。(混乱ポイント②)

「トナル島田」ではキャンプ体験ができる。トイレ、シャワールーム、共同炊事場が備わっている。
土日祝日、サイト料金は1区画 1,100円~6,050円
区画貸しのみなのでテントなどのレンタルはなし(混乱ポイント③)


「トナル瀬戸」のプレイベントでは、徳島県阿波踊り協会の合同連による演舞を見ることができた。
約1時間の演舞で、内容は「阿波踊り会館」でやっている流れとまったく同じ。
軽い演舞→阿波踊りの説明→鳴り物説明→観客への阿波踊り指導とみんなで踊ろうコーナー→「素人さん表彰」コーナーと続き、最後はプロの演舞をたっぷり楽しむというもの。




大きく違うのは、ステージが円形になっているので360度のフォーメーションが楽しめることと、踊り子との距離が近いこと。

 



実際、一番前に座って見ていたけれどすぐそこに男踊りが飛んできて、きゃ~っと軽く声を上げてしまったほど。




踊りを見たことのない人、観光客、外国人はさぞびっくりすることだろう。
もちろんすぐそばで見る女踊りも美しく、会館のようなキラキラしたスポットではなく、軽いライトと自然光なのでそこがまたいい。
2,200円払って地元の人は(多分)行かないけれど、県外のお客さんをもてなすにはいいかも。
とはいえ、わざわざあそこまで行くか~?という疑問は残る。
京阪神から徳島に入るまでの時間を過ごすには良いのかもしれない。が、いつも観客で満員というわけにはいかなさそうだし、そのために有名連を一日拘束する余裕があるのか?
いずれにせよ、個人客よりはツアー客を見込んでどんどんパッケージで売っていくイメージなのだろう。


う~む、しかし。
つくづく思うのだけれど、徳島県はいいかげん「阿波踊り依存」から脱却したらどうだ?
せっかく増田友也という素晴らしい建築家のモダニズム建築が鳴門市だけで19か所もあるというのに、それをなぜ観光資源として生かさないのか、もったいない。

旧瀬戸小学校の校舎も、じっくり建築物として見ると実に興味深いのだ。




幼稚園の校舎は鳥が羽を広げたような形。窓からの光の取り入れ方もすばらしい。


「職員室」からウチノ海が一望できる

昨今、神戸や大阪でも「建築ラリー」が好評で、多くの建築ファンが訪れているし、
海外でも建築は立派な観光資源として成功している。
なのに、結局はこの場所でのメインは「阿波踊り」。増田友也の資料館は横に追いやられてしまっている感じだ。

せっかく鳴門に足を運んでくれたのであれば、「増田建築ラリー」をすればいいと思うのだが。
開放できるものは日程を決めて開放してみればどうだろう。

鳴門市民会館(1961):解体:現存せず
鳴門市役所本庁舎(1963)
北灘東小学校(1972)
北灘東幼稚園(1972)
鳴門中学校(1972)
市職員共済会館(1973)
北灘西幼稚園(1974)
瀬戸幼稚園(1975)[2][3]
木津保育所(1975)
勤労青少年ホーム(1975)
桑島幼稚園(1976)
瀬戸小学校体育館(1977)
老人福祉センター(1977)
北灘西小学校(1977)
鳴門第二中学校(1978)
鳴門東小学校(1979)
鳴門東幼稚園(1980)
島田小学校・幼稚園(1981)
鳴門市文化会館(1982):耐震工事中(27年完成予定)


★参考にしてもらいたい建築祭

神戸モダン建築祭:https://kobe-kenchikusai.jp/
イケフェス大阪(生きた建築ミュージアム大阪):https://ikenchiku.jp/
オープンハウスシカゴ:https://openhousechicago.org/

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