昨年、徳島新聞で見かけた記事がきっかけで「徳島大学人と地域共創センター」のプロジェクトチームと共に進めていた、
思い出の8ミリを次世代へつなぐプロジェクト 。
亡くなった爺ちゃんが趣味で撮りためた段ボールひと箱分以上の古い8ミリビデオやネガ・ポジを、徳島大学の映像デザイン研究室が天文学的な時間をかけてデジタル化してくれた、そのプロジェクトがついに終了!
先週研究室から「フィルムお返し上映会 Editor は見た!徳島再発見映像たち!」
と銘打った完成試写会の招待状が届いた。
このプロジェクトでは徳島県内から多くの歴史的な貴重なフィルムが寄せられたそうで、この上映会はフィルムを提供した家族を招いてお互いに鑑賞し合いながら、歴史を振り返りましょうというもの。
私の提供フィルムは第3部の最後に上映された。
他の方々の映像を見たり、教えていただいたりして知ったのだが、当時これほどのクォリティーの映像を残すのはとても難しかったそうだ。
お爺ちゃんは決して道楽な人ではなく、どちらかと言えば9人兄弟の長男として超がつくほどの倹約家だったのだが、
こと写真や映像に関しては当時から異常に情熱を燃やしていたことを覚えている。
その血が私にも注がれているので、よくわかる。
家族のこと、地域のこと、伝統芸能・・・とにかく何でも心に残ったことは残しておきたい、残さねばという使命感がわいてくるのだ。
結局爺ちゃんが亡くなったあと、家族の誰もがその膨大な記録の存在すら忘れ、ないがしろにして放っておいたのを
私がある日、どうするでもなく救い出しておいたのだった。
その映像、古くは昭和初期のものまで、がこうして令和の時代にデジタル化されて皆に見られる日が来るのだ。
だから”断捨離”などという言葉に惑わされてはいけない!(と私は常々思っているのだが。)
50年前の自分たちの結婚式の様子を改めてみたご夫婦も。
これは祖父が残した写真(ガラス乾板)から。一番左が爺ちゃん。
若き日の母
両親と私(笑)
戦時中の婦人会の写真も。研究室の佐原教授は、ただデジタル化するだけでなく写真から読み取れる時代背景や撮影場所の検索などもしてくれていて、驚くとともに感謝。
上のふたつは、まさに今日の上映会が行われた新町橋界隈で60年前に撮影された阿波踊りの映像。
映像は会場の外でも流されていたのだけれど、この映像のときには多くの人が立ち止まって見ていたそうだ。
それにしても、西新町はあの時から何も変わってないねぇ・・・(ため息)
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今回デジタル化された膨大な個人記録は、地域にとって有用な資料などを選抜して地域の公共資産として徳島大学や徳島市、県などの自治体が活用していけるように整備していくそうだ。
これこそ、祖父が心から望んでいたことに違いない。
これでやっと「映像供養」ができたと、ほっとした。
9月1日の命日には、お仏壇の前で上映会をしてあげよう。
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総合科学部 映像デザイン研究室の佐原教授をはじめ、学生の皆さん、
これほどの量の画像や動画を一つ一つデジタル化するにはとてつもない労力がかかったはず。
改めて心よりお礼申し上げます。