Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

雪遊び。

2012-01-29 16:28:32 | アメリカ生活雑感
今年は例年に比べてかなりの暖冬。
やっと雪が積もったと思ったら、気温が上がって1週間もしないうちに溶け、
溶けたあとにまた申し訳程度に積もる、の繰り返し。
とにかく雪と雪の間が異常にあったかい。

そんなこともあってか、通常なら絶対に行かないドッグパークに、今年は1月からフル出動している。
それに、GOROが外の雪を眺めては「遊びに連れてけ」といわんばかりに私のことをじ~っと見るのだ。
あんな目でみられると、連れて行ってやらないわけにはいかないし、
2日に1日は全速力で走っておかないと、犬だってストレスがたまってかわいそうだし。

でも、あったかいとはいえ零下のときもあるわけで、連れて行くこっちも愛用のスノボパンツにマイナス27度対応のジャケットを着こんで完全防備。

 
意外にも真冬でもドッグパークは犬たちでうじゃうじゃ。実はここでかなり癒されている私。
犬たちにとっては冬のほうが気持ちがいいみたい。


 走って・・

 走って・・・

全力で遊んでいるGOROを見ると、こっちもうれしくなって一緒に走り回り、1時間ほどすると汗びっしょり。
真冬は家でじっとしていることが多いから、いい運動になる。
遊んでやってるんだか、遊んでもらってるんだか。



溶けた雪の中を走り回ってどろどろになったGORO。さすがに自分でも汚いのをわかっているのか
「洗って・・・」と目が訴えていた(笑)
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「ノルウィーの森」と、オスカーノミネーション

2012-01-24 14:28:42 | movie
しばらくあったかいなぁと思っていたら、先週金曜日朝からしんしんと降り続いた雪は
一晩で20センチに達した。
自然の威力とは本当にすごいものだ。


雪をかき分けるように、土曜日はシカゴへ映画を見に行ってきた。
「ノルウィーの森」。
かの、村上春樹のベストセラーをベトナム出身のトラン・アン・ユン監督が映像化した作品。
実は村上春樹には全くといっていいほど興味のなかった私。
原作を読んだのはベストセラーになった頃ではなく、アメリカに来てからだった。
あんまりまわりが「ハルキ・ムラカミを知っているか?」とうるさいので、そろそろ読んでおこうかと手に取ったが
感想は「なし」。え?なに?この回りくどいポルノは?(笑)
20歳で何をぐちゃぐちゃ考えとんねん。そんな暇あったらぐたぐたになるまで体動かせよ!というのが感想だった。
ファンノカタ、スミマセン。

とはいえ、映画はそれをどう表現しているのだろうか?
シカゴの小さな映画館の、その中でも超小さなスクリーンの小部屋には、
昨日の大雪にもかかわらず結構いっぱいの観客が詰めかけていた。
みんなハルキ・ムラカミのファンなのだろう。

残念ながら映画を観た感想も「なし」。
特に何も感じなかった私は鈍いのか?それともあの世界に合わないのか?
唯一、松山ケンイチだけはあの役に合っていたように思う。
菊池凜子は「終わったな」という感じ。役にはまっていないし演技もだるい。とにかく無理がある。
映像的にもあまり印象に残るものではなかった。
一緒に見に行ったタカコさんと、さんざんブーイングしてお茶して帰った。


★ ★

さて、昨夜お待ちかねのアカデミー賞のノミネートが発表された。
今年は発表前に知っていた作品が多かったので、結構楽しめた。

先日のゴールデン・グローブ賞にはないノミネートもあり、それが私の好きな作品(俳優)であったのもうれしかった。

特に、主演男優賞にノミネートされたメキシコ人俳優のデミアン・ビチル。
『A Better Life』(邦題は『明日を継ぐために』←原題で十分伝わるのに変な邦題をつけるの、もういい加減にやめてほしい。)
この映画は2011年に見た映画の中で私の中では5本の指に入る作品であり、
それはもちろん主役であるデミアンの演技によるものが大きかった。
アカデミーがこの作品に注目し、彼を主演男優賞候補に加えてくれたことは本当にうれしかった。

そして、『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラ。
この映画はもともと2010年のスウェーデン映画(同名の小説を映画化)のハリウッドリメイク版。
つい先日、スゥェーデンバージョン(英語サブタイトル)をDVDで観たが、テーマ、演技、脚本、すべてにおいて優秀な作品だった。
残念ながらアメリカバージョンはまだ見ていないが、これも楽しみだ。

さらには、『The Hepl』から、ふたりの助演女優賞候補。
オクタヴィア・スペンサー(黒人メイド、ミニー・ジャクソン役 )、ジェシカ・チャステイン(白人のお嬢様、セリア・フット役)
このふたりがこの映画の影の主役といってもいい。
1960年台のアメリカ南部、そこではどんな黒人差別がまかりとおっていたかをまざまざと見せつけられる作品だ。
いや、今なお南部には根強い差別意識があるが、人間が同じ人間に対して浴びせる侮蔑に人の内面に宿る“悪魔”すら見えてくる。
主演女優賞にヴィオラ・デイビス(黒人メイド アイビリーン・クラーク役)の名前がなかったのがとても残念。

※ヴィオラ・デイビスは主演女優賞にノミネートされています。訂正いたします!

かわいそうなのはディカプリオ。
ゴールデングローブでは名前が挙がっていた主演男優賞ノミネートに、オスカーでは落選。
この人、トム・クルーズと並んでオスカーにはとことん縁がないようだ。

それにしても恐るべし、『The Artist』。
サイレント映画がどこまで今年のアカデミーを制覇するのか・・・
2月26日のアカデミー賞受賞式が今から楽しみだ。

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JERO、シカゴで熱唱。

2012-01-16 11:48:27 | アメリカ生活雑感
シャンバーグ市内のホテルで行われたJCCC(Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago:シカゴ日本商工会議所)主催の新年会取材に行ってきた。
JCCCは、シカゴ進出の日系企業などを会員とした地域経済団体で、1966年の創立以来、日米経済交流と地域社会への貢献を目的として様々な活動を行っている。
昨年の東日本大震災の際にはシカゴでの義援金受付窓口の一つとなり、寄せられた義援金68万ドルにマッチング(同額を上乗せ)をしてくれた総額136万ドル(日本円で約1億500万円)を日本赤十字を通じて寄付。
私たちが5月にやったあの「日本救済ガレージセール」の売り上げも、このJCCC経由で赤十字に送られた。


今日の新年会は、JCCCに加盟している会員およびその家族のために行われている毎年恒例のもので、参加者は老若男女合わせてなんと約900人!
シカゴ界隈に住む日本人家族の約90%はここに集結したんじゃないかというくらい。こんなに大勢の日本人を一度に見たことはシカゴに来て以来なかったのでビックリ。
ホテルの大コンベンションルームに10人掛けの丸テーブルが約90席居並ぶさまは、まさに圧巻の光景だった。


さて、今日の目玉はゲストとして日本からやってきた「黒人演歌歌手」JERO。
2008年に彼が紅白初出場したときに日本で聴いて以来だったので、彼の歌が聴けるのをとても楽しみにしていた。

青い“ポカリスエットみたいな(JERO談)”スーツで登場したJEROは、演歌を歌うようになったきっかけや
大好きなおばあちゃん(日本人)、そして黒人ハーフの母との思い出話などを交えつつ10曲を熱唱。
歌い声や日本語の発音もさることながら、アルコールをガンガン飲んでいる観客に向かって、
「あの、言っときますけど今はまだお昼ですからね~」「どうか車の運転には気をつけてくださいね」
と言って笑いをとるあたり、話術までじじくさい演歌歌手そのもので、見た目とのギャップと相まってなんだかものすごーく不思議な感覚。

若い世代に演歌の魅力を伝えようと、往年の名曲をカバーしたCD「カバーズ」を今までに5回リリースしているそうで、
今日はその中からも何曲か披露してくれた。
それがなんとまぁ、私のツボにはまる選曲だったので、思わず仕事を忘れて一緒に歌ってしまった
いやぁ、こうやって名曲を後世に伝えてくれてJEROさんよ、ありがとう。


一挙手一投足すべてが「演歌歌手」。
五木ひろしの大ファンだというだけあって、声の出し方、目の細め方?までそっくりすぎ。
演歌ファンとしては、JEROのオリジナリティーがほしいところ。


アンコールでは「上を向いて歩こう」を観客と共に。
これだけ会場が大きいと、なかなか演歌だけで会場を盛り上げるのも大変だった様子。
セキュリティーも心配ない今日のような公演では、せめて観客席に下りてきてくれたらよかったのにな、とちょっと残念。
伴奏(カラオケ)の音が少し小さかったのも、残念。



●本日のセットリスト

海雪・・デビュー曲
氷雨(佳山明生、日野美歌)
雪国(吉幾三)
越後獅子の歌(美空ひばり)・・JEROが人生最初に覚えた曲
津軽平野(千昌夫)・・JERO母が大好きな曲
夜空(五木ひろし)
待っている女(五木ひろし)
晴れ舞台・・中村中作。母を歌った歌
夜明けの風(1/1発売新曲。パチンコ台“必殺仕事人4”テーマ曲)

※アンコール
上を向いて歩こう


氷雨、雪国は私の中でも5本の指に入る演歌のFavorite。
そして「待っている女」は五木ひろしの曲の中で一番好きな曲。
新曲の「夜明けの風」も“必殺”らしくてとても好き。
それにしても、「夜明けの風」を除いて全て一緒に歌ってしまえる私って・・・



講演後行われたCD、キャラクターグッズ販売。
売り上げの一部は、震災義援金として寄付される。


★ ★

公演終了後、私たちメディアは別室にて囲み取材を行った。
ステージで見るよりもずっと華奢。シャイで言葉少なな(・・というかあまり感情を出さないのでなかなかつっこめない)青年という印象。
それに、かなりお疲れの様子。
それもそのはず、シカゴに入ってからは早朝6時からのNBCニュースへの生出演、老人施設への慰問など、
スケジュールがびっしりだったのだから無理からぬこと。
それでも、各社の質問に丁寧に完璧な日本語で答えてくれ、記念撮影まで快く引き受けてくれた礼儀正しい好青年だった。


一番印象に残った言葉は、
演歌の魅力は何か?という質問に対して答えたひとこと。
「歌詞がわからないときから聞いていて、その“魂”を感じたので。(魅力である)歌詞の表現の仕方がやっぱりほかのジャンルにないと思いますね」


日頃、「何故、日本人はJazzが好きなのか?」とアメリカ人に聞かれるたびに私は
「日本には演歌があるから。そしてJazzは“アメリカの演歌”だから」と答えている。
奇しくも昨日のNBCのインタビューで、JEROは演歌を「日本のブルース」と紹介していて、思わず「そうだよ」と叫んでしまった。
「これからも演歌一本で勝負していきたい」と意気込みを語ってくれたJERO。
私の希望としては、アメリカの演歌ともいえる、BluesのCDをいずれ出してほしいな。
JEROのBlues、JEROのエモーションで聞いてみたい。

※ 詳しい様子は後日の「US新聞.COM」をぜひご覧くださいませ~!

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Man of Faith?中身ゼロの“大統領候補”

2012-01-10 17:00:22 | アメリカ生活雑感
アメリカでは4年に一度の“見世物”が佳境に入っている。
おなじみ、共和党候補たちの予備選挙合戦。
彼らの略歴や発言を見ていると、誰が大統領になっても空恐ろしいことになるのは間違いなく、
まぁなんというか、もっとまともにオバマ大統領と政策論争をできる人材が共和党にはいないのかと思う。

1月3日のアイオワ州党員集会で惨敗を喫した“魔女”ミシェル・バックマンが撤退を表明したのには心からほっとしたが
(バックマンについては前回ここでも取り上げた)
ただ今トップのミット・ロムニー(前マサチューセッツ州知事)に続いてリック・サントラム元上院議員が急浮上、
これにはちょっと凍りついた。
もともとアイオワは超保守派の白人の多い地域。それが如実に結果になって表れたと言えばそれまでだが
このリック・サントラムという人物、ブッシュ政権のすべての政策に賛成票を投じた超ブッシュ派、なのである。

昨日の新聞に
「Rick Santorum's moral delusions(リック・サントラムのモラル妄想)」

という面白い記事が出ていた。

大統領選挙となると必ず論戦のトピックになるのが「同性愛者の婚姻」と「中絶」に対する立場の表明。
サントラムは保守派の中でもいわゆるキリスト教原理主義に基づく超保守派、
もちろん同性愛婚も中絶にも強固な反対の立場をとっている。
問題なのは、その“根拠”がトンチンカンなことだ、と記事は語っている。

サントラムは、「同性愛婚は“我が国の基盤である”家族という形態を破壊するものだ」と主張する。
このセリフはいわばキリスト教保守派の十八番。
ヘテロセクシャルな夫婦によってこそ家族は成り立つ、というのが彼らの主張だ。

また、ポリティシャンがよく使うもっとも根拠のない主張がこれ。

「キリスト教の教えこそ、この国の道徳基盤になっており、アメリカが堕落したのは、フェミニズムや同性愛者たちの権利やポルノなどのせいだ」

しかし、実際はここ数十年間で道徳の指標はおおむね改善され、社会的に健全化してきているという結果が出ている。
たとえば、犯罪は大幅に減少したし、未成年者の妊娠率は39%まで下がり、中絶率も以前の約半分程度まで下落した。
離婚率も減少、高校生の性行為率も48%(2007年)と1991年の54%から大きく減少している。

さらに記事では以下のような興味深い統計も紹介している。

キリスト教の重罪である「殺人行為」がアメリカで一番多いのは、アメリカで一番教会に通う人の多い(63%が週に一度は行くと回答)ミシシッピ州であり、
最も教会に行かない人の多いバーモント州での殺人発生率は、他州平均の4分の1に過ぎない。
アメリカでもっとも殺人発生率の低いニューハンプシャー州は、バーモント州についで2番目にキリスト教率の低い(教会に通わない人の多い)州である。

これは偶然ではない。
教会に通う人の多い州上位10州は、殺人発生率がおおむね高く、
通わない人の多い州上位11州のうち10州は、殺人発生率が低いという。
10代の妊娠率データもこれにリンクしており、敬虔なクリスチャンが多い州ほどティーンの妊娠という問題を抱えている、という。

同性愛者婚が、子供たちのSexにどんな悪影響を与えるというのだ?
最初に同性愛者婚を法的に認めたマサチュセッツ州では、ティーンの妊娠率が国平均よりも低く、
(同様に同性愛者婚が認められている)コネチカット、アイオワ、ニューハンプシャー、バーモント州でも同様の結果が出ている。

同性愛者婚は、異性婚よりも不健全で安定性に欠けるものなのか?
マサチュセッツ州は全米一離婚率が低い。アイオワ、コネチカットも平均よりはるかに低く、
バーモントとニューハンプシャーは平均並という結果だ。

「キリスト教の教えこそが道徳規範を作る」と主張し、自分こそが“Man of Faith”と言うサントラムは、このデータにいったいどう反論するのか?

★ ★

データからもわかるように、社会モラルを決めているのは宗教ではなく教養レベルだ。
有り様に言ってしまえば、アメリカでは“教育レベルの高さと信仰の深さがおおむね反比例している”(教育レベルの低い人ほど宗教依存度が高い)といえる。
何の根拠もない話を、ちょっと教養に欠ける人たちの宗教心につけこんでしゃあしゃあとでっちあげる候補者を、今まで腐るほど見てきた。
この国に必要なことは何なのか、どんな人物が率いるべきなのか、ちゃーんと考えないことにはアメリカに未来はない。
だいたい、「政教分離」って民主主義国家の基本じゃなかったの?





記事参照
Rick Santorum's moral delusions
Where's the evidence of a 'decaying culture'?
January 08, 2012 (by Steve Chapman)
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日系アメリカ人の苦悩の歴史

2012-01-08 00:32:43 | アメリカ生活雑感
昨年末、5夜連続で放映されたスペシャルドラマ「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」を見た。
ワンパターンの橋田壽賀子ワールド、“橋田ファミリー”で固められた俳優陣、に加えて
2005年に放送された戦後60周年特別ドラマ『ハルとナツ 届かなかった手紙』とまったく似たような筋書(移民2世の兄弟姉妹が日本とかの国で別れ別れになり、数十年後に再会を果たすというもの)に、初めはうんざりさせられたが
日系アメリカ人が辿った壮絶な歴史を目の前に叩きつけられ、いまさらながら深く感じ入るものがあった。


島根の貧農の次男として生まれた平松長吉(草剛)が、困窮する家計を助けるためと出稼ぎの手段として単身アメリカに渡るところから物語は始まる。
折しも長吉がアメリカに渡った1911年ごろは、アメリカでは排日運動が盛んで、長吉は貧しい季節労働者としての仕事しか与えられずにいた。
そんな長吉のもとに日本からやってきた「写真花嫁」、とも。彼女もまた、貧困農家の次女だった。
しかし二人は弱音をはかずに力を合わせて懸命に働き、やがて自分たちの農場を持ち4人の子宝にも恵まれるが、その幸せもつかの間、1941年の日本軍の真珠湾攻撃が一家の運命を一変させることになる・・・。

裸一貫でアメリカに渡り、差別と闘いながらぼろ雑巾のように働き、それでも市民権を得られなかった日系アメリカ1世たち。
形だけは“アメリカ市民”として産まれたものの、日本人としてもアメリカ人としても認められない荊の道を歩んだ2世たち。
それらの日系移民たち12万人の財産を没収し、「敵性国民」としてまとめて強制収容所に送るという差別と偏見に満ちたアメリカ政府の行為。
日本の勝利だけを信じて我慢を重ねてきた日系人たちが、日本敗戦によって味わった屈辱。
日系人の部隊“442連隊”の英雄的行為により、初めて名誉を回復することができた彼らの歓喜。・・・
日系移民たちの歴史がこの5夜の中にびっしりと詰めこまれていて、かなりの見ごたえだった。

橋田氏自身はこの作品を「自分の遺言」と呼んでいるらしいが、きめ細かな取材がされているなと感じるせりふ回しも多かった(相変わらず長ったらしいが)。
実際、このドラマがシアトルとロサンゼルスで上映されたときの様子が番組の冒頭で流れたが、上映会にかけつけた日系人たちはみな涙していた。
「これほど私たちの気持ちをよく言い表してくれたことに感謝したい」と、ある老女は感想を述べていた。
それほど、緻密な取材がされていたのだろうと思う。


私も昨年11月、このドラマの中にも登場する日系2世のダニエル・イノウエ氏(“442部隊”のメンバーであり、日系人として初めてアメリカ議会の国会議員に選出された人物)の桐花大綬章受章伝達式の取材をさせていただいたことがある。
そのときにイノウエ氏が語った「移民一世であった祖父から、日本人として義務と名誉を忘れずに生きろ」と教えられたという言葉を思い出した。
取材の際には、442部隊をはじめ戦前戦後の日系移民たちについてかなり資料を読み漁ったのだが、
読めば読むほど、知れば知るほど切なくなることばかりだった。
それほどの思いをしても、一生貧乏から抜け出すことのできない日本に帰るよりはましだったのである。
今もなお、アメリカへは主に中南米の貧しい国々からの不法移民たちが押し寄せているが、彼らの生活もまさにこれと同じだ。
不法滞在という足元を見られて安い賃金で働かされ、やっとの思いで得た金は国の家族に仕送りとして送られる。
不法移民の子供たちはもちろん満足な教育を受けることができず、親と同じような労働のコマとなっていく・・・この貧困のスパイラルから永遠に抜け出せない。
それでも帰れない。帰るよりまし。
これが、アメリカにで生きるということなのだ。
※これに関しては是非、『A Better Life』という映画を見てほしい。


今は3世、4世の世代となり、彼らは豊かな中で何不自由なく育ち、ともすると自分たちのルーツを知らずにいるかもしれない。
彼らにとっても、このドラマはいい教科書になるだろう。


ただ、やっぱり腑に落ちないのはドラマの人物設定の甘さ。
だいたい中井貴一(長吉)と泉ピン子(とも)が同世代の夫婦って、どうよ?(実際はひとまわり以上の年齢差)
どうしてもピン子を出したかった意図が見え見え。
岸恵子(さち)の年の離れた兄(次郎)役が(実際にはかなり年下の)上条恒彦?てのもかなり違和感があった。
また、長吉の仕送りで女学校まで出た妹姉妹なのに、その嫁ぎ先が沖縄のサトウキビ農家というのも、無理やり感あり。
・・・とまぁ、気になることはいっぱいあったが、歴史の教科書だと思って細かいところは目をつぶろう。

まだ見ていない人は、ブルーレイも発売になっている様子。レンタルしてじっくり見てほしい。
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2012年、始動。

2012-01-07 00:03:53 | アメリカ生活雑感
シカゴに来た4年前、ライターとしての仕事を何とか続けていたいとボランティアでサイトに記事を書き始めたのが
「US新聞.COM」との出会いだった。
このサイトは、シカゴと中西部の情報を網羅したこのあたりでは唯一のポータルサイト。
住んだ人は必ず好きになる魅力的な町、シカゴ。なのに何故かこの良さはあまり知られていない。
そんな隠れた魅力を日本や他都市に住む読者の人たちによりわかってほしい、という趣旨からこのサイトが立ち上がったそうだ。


シカゴや近郊の情報のみならず、シカゴ在住のいろんな人たちがコラムを寄せているのも特徴だ。
「ご主人の赴任に帯同するためやむなく仕事を辞めて来られた本職のライターさんなどに、ご自分の作品の発表の場として利用していただきたかったんです」と、創立者のMさん。
実際、彼ひとりでこのサイトの運営・管理をやっているわけだが、なにせこのご時世、広告費も思うように集まらず運営費は“持ち出し”。
彼が何とかほかで収入を得ながら細々と継続してきたという苦労の結晶だ。(悲しいけれど、昨今のメディアはどこも同じ事情を抱えている)
それでも、このサイトが果たす役割は大きく、今ではシカゴの主要団体などから一目置かれ、信頼される存在だ。
私もそういうわけで、毎回自由に記事を書かせてもらっているし、興味深い取材などをする機会もいただき、
お蔭で随分と勉強させていただいた。

そんな折、Mさんがしばらく本業の仕事のためシカゴを離れることになった。
せっかく手塩にかけて育ててきた媒体をここで閉じてしまうにはあまりに切ない、なんとか維持できないか、力を貸してほしい、と相談を受けたのが昨年末のことだった。
かく言う私もいったいいつまでここで生活するのかわからない身、簡単にYesとは返事しかねていたけれど
Mさんがせっかくここまで頑張って築き上げたものを、人脈もろとも失ってしまうのは私とて残念でならず、
できる範囲で、という条件でサイトの管理・取材・更新の責任者である「編集長」を務めることになった。
もちろん、ボランティア。

新年も明けた、1月5日。
Mさんと一緒にシカゴの主要な非営利団体、領事館などに引継ぎのご挨拶に伺った。
出迎えてくれた担当者の方々はみな、Mさんの苦労をねぎらい「若いうちに元気でがんばって!」とエールを送っていた。
それを横で見ながら、「ああ、この人は8年もの間ここまで頑張ってきたんだな」と実感。
私ができることを頑張ってやらせてもらおう、と気持ちが引き締まった。

今年はシカゴサミットも行われるし、シカゴが世界から注目される年。
また、東日本大震災からの復興支援や災害を風化させないためのいろいろなイベントが予定されている。
シカゴから日本へ。
想いを届けるお手伝いを、この媒体を通してさせてもらおうと思う。
そして、何より私自身が楽しんで世界を広げていけたらと思う。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします!










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2012年元旦。

2012-01-01 23:42:57 | アメリカ生活雑感
GOROと3人で初めて迎える穏やかなお正月。
昨夜は3時ごろまでテレビをみたりで夜更かしをしたせいか、今日はお昼近くまでGOROも一緒に川の字で爆睡。

昼過ぎには久しぶりに雪が降った。でも積もらずがっかり。
3人でGOROのお散歩をしがてら、テリーのうちに柴犬カレンダーを届けに行った。
このカレンダーは、3年前の年末にGOROのお世話を頼んだ時に日本からのお土産にして大喜びされて、以来毎年届けている。

ちょうど柴犬AJ(GOROの兄貴分)の散歩に家から出てきたテリーとビルと一緒に、2012年年明けの合同お散歩。
「今晩のディナー、一緒にうちでどう?」というお誘いにのって、元旦はテリーのうちでの晩御飯となった。


★ ★

で、今夜我が家が用意していたのはもちろんお節。
下から一の重、上右が二の重、左が三の重。



このなかで買ったものは、数の子、黒豆、タコ酢、鳴門まき。
あとは大みそかにゆるゆると作ってみた。
いり鶏、昆布巻き、ミートローフ、えびマヨ、伊達巻。



アメリカンなお宅は元旦からステーキ&ポテト。
一見不釣り合いだけろ、お節だけじゃなんだか物足りない気分を十分に満たしてくれて、と~ってもおいしかった。
それにお節はシャンパンとの相性もばっちりで、アパタイザーとしては抜群の役割を果たすことが分かった。
もちろんテリーたちにとっては生まれて初めて体験するお節料理。そのいわれなんかも説明しながら
みんなでわいわいいろんな話をしながら楽しく食卓を囲んだ。

テリーが一番気に入ったのはなんと鮭。
日本から直輸入した高級塩鮭なので、きっとここらへんのへなへなの養殖鮭しか食べたことのないアメリカ人には新鮮だったのだろう。
また、この日一家は生まれて初めてタコを食べたそうだ。
食べるまではひるんでいたけど、いったん口に入れてみるとなかなか美味しいと評判良し。
こういう「食文化の交流」って楽しい。
好き嫌いを言わずに果敢にも食べてくれたみなさんに感謝。

GOROもAJとじゃれ合いながらの元旦で、幸せ絶頂というかんじ。
よかったよかった。

今年もお世話になります!

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あけましておめでとうございます。

2012-01-01 14:44:42 | アメリカ生活雑感
3年ぶりに自宅で迎える穏やかな新年。
特別に何をするわけでもなく、しなければならないわけでもなく、
ごくごく“普通の一日”として年を越しました。

大みそかの晩は、すき焼き。
GOROもこの日だけはビーフを振る舞われ、大喜び。
午前1時を過ぎて3人(?)で近所に初お散歩に出かけました。
いつもと変わらない穏やかな夜。
ただひとつ足りないのは、雪がないこと。
例年なら新年は銀世界・・・のはずが、枯れた芝が一面に広がって新年ムードまるでなし。
白い世界が恋しい新年です。



今年も皆が健康で過ごせますように!
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