気が付いたら緊急事態宣言も解除になり、世の中は少しずつ動き始めた様子。
とはいえ、田舎はそんなにピリピリしていなかったのであまり変わったという実感はないのだけれど。
徳島県はコロナ感染者が5名と全国でも低く抑えられている。
新規感染者もここ1か月報告されていない。
よく抑え込んだ、がんばった、といいたいところだが、なんだかもやもやした気持ちだけが残る。
最初の感染者となってしまったのは、不幸にもあの「ダイヤモンドプリンセス号」に乗っていたご夫婦。
陰性と診断され徳島に帰ったあと、奥様だけが再び陽性と診断され病院に隔離入院した。
可愛そうに、老後の楽しみにやっと贅沢をして夫婦で出かけた思い出の旅が悪夢となったばかりか、ご夫婦の家には嫌がらせが途絶えず、ついに県外に引っ越されたという。
第2、第3の感染者はクラスターが発生した京都の大学から帰省した学生。狭い徳島ではすぐに特定され、その家族もさんざん嫌がらせを受けて引っ越してしまった。
第4の感染者は兵庫県の人で、持病の治療のため徳島市内の病院に通っていて感染が確認されたあと、徳島から兵庫に追い返されてしまいその後死亡した。
第5の被害者は関東出張から戻った派遣会社員だった。すぐに家族や派遣会社も特定され、非難の標的にされてしまった。
うわさに聞けば、全員が転居だという。
コロナの恐ろしさはむしろ、この「村八分根性」であり、それが怖さに誰も具合が悪くても検査にいけないのではないか、とさえ思われる。
徳島県も数の少なさを競っているのか、「保健所に検査を依頼したら断られた」という人が周りに結構いたことに驚く。
「謎の肺炎患者」が、市外の病院に多く転院させられているという噂も、医療関係者から漏れ伝わってきた。
なんのための検査で、誰のために戦っているのか、と憤りを覚える。
政府はのろのろと10万円だ、アベノマスクだと騒いでいるが、我が家にはまだマスクは届いていない。
ドラッグストアではマスクはもう普通に店頭に並んでいる。
もがき苦しむ中小企業やフリーランス、アルバイト先を失った学生らに対して救いの手は遠く、なのに彼らの「真面目なほどの自粛」にはすがって数だけは欧米諸国に比べて「抑えられた。成功だ」と自信をのぞかせる安倍内閣。
アメリカの友人などから「日本はどうしてそんなにうまくいったのか」と聞かれるたびに、「これだけは言っておく。決して政府のおかげじゃないよ。国民性のおかげだから」と、念を押す。
だってそうだもの・・・。
自粛が解け、人々が蠢き出し、第2の波がやってくるのか。
それは誰にもわからない。
自分の身は自分で守るしかない。
そういう国なのだとつくづく思い知った。
それにしてもよく、革命が起こらないよね。
フランスならとっくに革命おこって首相は夫婦そろってギロチン台だろうに。