Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

BON JOVI ナイト!

2007-05-03 06:48:19 | music/festival
アメリカへ来て以来、欠かさず見てしまうTV番組のひとつが『American Idol』。
文字通り、全米から集まった応募者からこれまた全米の投票によってアイドル(歌手)を半年以上をかけて選び出すという規模のでかいスタ誕番組だ。

今年のアカデミー助演女優賞を獲得したシンデレラ・ガール、ジャニファー・ハドソンも、数年前この番組でベスト24まで残りながらその後落とされたという経歴を持つ。
この番組の面白いところは、週ごとに「カントリー」「ジャズ」など課題ジャンルが決められていて、彼らは1週間という短い間に曲を決めすべてを頭に叩き込み、そして大舞台に立たねばならない、その緊張感がまったくウソではないところ。
登場するゲストアーティストも年々豪華になり、今年はJazzの大御所トニー・ベネット、そしてついにダイアナ・ロスまで登場した。残念ながらダイアナ・ロスWeekの彼らのパフォーマンスは散々で、彼女の歌を唄うということはこれほどタフなことなのだと視聴者は改めてダイアナ・ロスの偉大さをまざまざと知らされることになった。

もうひとつの見どころ、というか楽しみは、挑戦者たちの変貌振り。
予選をかちぬいた頃はただの田舎くさいおにぃちゃん、おねぇちゃんなのに、週が進むにつれ、パフォーマンスも自信にあふれ出し、髪型や服装、メイクにいたるまでみるみると輝きを増し洗練されていく。
また、こう何週も見ているとたとえ下手でどうしようもなくても不思議と応援したくなる“母心”をくすぐるきゃラクターが登場したりする。その代表選手だったのがこのSANJAYAくん。
サタデーナイト・ライブや夜中のトークショーにも彼の偽キャラが登場するなど、いまや知らない人はいない国民的“裏”アイドル。


まだ17歳にしてはたしかに歌はうまい。しかし、ひどい時は本当にひどく恥ずかしくて聞いていられない。オフィサルサイトの掲示板では「早く引っ込め!」「お前が残っているうちはハンストをしている少女を知っているか?」「そんなあなたが好き!」などと、まぁとにかく毎週議論のおにぎわせの対象になるキャラクターなのだ。言葉を変えれば“今シーズンの血祭りキャラ”というところ。
本人ももちろんそんなヤジをすべて知っているのだろう、途中からは奇抜な髪型や“キラー・スマイル”という飛び道具を使い始め、これがまたたまらん憎たらしさ。
結局ベスト8で姿を消しほっとしたが、いなくなってみるとこれがなんとももっと見ていたかったような気さえする。


さて、今日の課題は「ロック」。ゲストはBON JOVI!!こりゃ~たまらん。もうTVに釘付けだ。
新たな発見だったのは、今までバツグンのソウルフルな歌唱力と存在感を誇っていた人が、ロックとなるとうって変わってひょろひょろのパフォーマンスになってしまったこと。「ロックしきれていない」とはまさにこのこと。(これならSANJAYAのほうが何かやってくれたかもしれない、などとまた彼のことを思い出してしまう)
すべてのジャンルを制覇するということは並大抵のことではない。真のプロアーティストになるには、普段からひとつのジャンルにとらわれずすべての音をリスペクトし楽しむという基本的な姿勢が必要なのだ。たまに「私はJAZZしかやりませんから」と気取っている人をみかけることがあるけれど、そういうのは自分で世界を狭くしているだけでその“狭さ”が演奏する音にも出ていると思う。

さて、今シーズンから日本でも放映が始まったという『American Idol』。今が一番面白いところ。是非ヒマがあれば見てみてくださいませ。
Comments (2)
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