Life in America ~JAPAN編

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半世紀ぶりの悪がきコンビ

2020-06-09 23:56:18 | ニッポン生活編
むか~しむかし。まだ私が小学校低学年の頃。
ほぼ毎日のように一緒に遊んでいた、同い年のさよちゃんという幼なじみがいた。
まだゲームもインターネットもない時代。ガキっ子どもは学校から帰ると真っ先に近所の友達と日が暮れるまで遊んだ、そんな昭和な日々。
中学で離ればなれになるとクラブ活動やら習い事やらで皆忙しくなり、とたんにばったりと遊ばなくなってしまってお互いにその後の消息は分からぬまま月日は流れ・・。
 
ある日のこと。犬の散歩の帰り道、昔懐かしいさよちゃんのうちの前を通るとせっせとお花に水やりをしている女性が。「こんにちは」とあいさつをすると「えっ?ひょっとしてしょうこちゃん?」と返ってきた。
真っ黒に日焼けしたその顔をよーく見ると、なんとさよちゃん!まさに半世紀ぶりの再会だった。
 
それからというもの、私たちは時間を見つけてはお互いの家で「秘密の飲み会」を催しては、これまでの時間をうめるべくしゃべり倒した。
驚くことに、彼女も私と同じで数年前に徳島に戻りひとりで母親の介護をしているという。
同じ年に、私は母を、さよちゃんは父親を亡くした。
残った老親は介護が必要な身。一人にしておけないと県外の勤め先を退職して帰ってきた彼女の覚悟もさることながら、そんな中で山に登ったりフルマラソンを走ったりするバイタリティーに大いに刺激を受けた。
 
半世紀たっても幼なじみの距離感は全く変わらず、昔と同じように近所を散策したり裏庭に野菜を植えて菜園を始めたり、やることは全くいっしょ。
そんな私たちを見てわが父も「50年ぶりの名コンビ復活だね」と笑う。
 
「人生あっという間。元気で走り回れるのも今のうち。好きなことを精いっぱいやろう」
「お金は使ってなんぼ」
「元気でおいしいものを食べて笑って暮らせる日が一日でも多いほうがいい」
彼女と飲むと決まって、こんな話でもりあがる。
小学校の時、まさかこうやって一緒に飲む日が来るとは思いもしなかったね、と言いながら。
 
さよちゃんいはく、「しょうこちゃんは私が知っている限り3回は死にかけた」らしい。
とにかく悪がきだった(さよちゃん談)私は、道に飛び出しては車にひかれかけ、近所の川の筏の上を走って落っこちては溺れかけ、相当肝を冷やしたと。
もちろん親には内緒。
 
お互い親を看る身になり、長く離れていた親との生活で疲れ果て、怒り、ストレス全開になっていたのだけれど、そんなこんなの思いのたけをぶつけ合える幼なじみの存在をつくづく、ありがたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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