Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

エクササイズの春。

2010-03-31 14:22:35 | アメリカ生活雑感
3月になってからがんばって続けていることのひとつが、フィットネス。
ちょうど期が新しくなって2ヶ月のパスを購入したことが一番の理由だ。
でも問題は、いくら使い放題といってもその日の気分次第で行ったり行かなかったりしてしまうこと。
それに我が家は車が1台なので、Pちゃんが通勤に使うと私はその日はどこへも行けなくなってしまう。でも、これもPちゃんを朝職場に送っていけばすむことなので言い訳。

そんなとき、テリーがこんな提案をしてきた。
「私もパスを買ったのよ。自分ひとりだと次第に行かなくなっちゃうからこれから同じクラスには一緒に行くようにしない?」
約束があると“使命感”が芽生えてサボらなくなるというのだ。
うん、それはなかなかいい考えだ。

特に朝が苦手な私の場合、午前中のクラスなど考えてもみなかったのだが、テリーの提案もあって月曜日の9時半からはヨガ、土曜日の9時からはZumba(ラテンダンスを組み入れたたエアロビクスのようなもの)に一緒に参加することに。
そのほか、月曜日の夜は踏み台を使った1時間のダンスクラス(テリーは別のクラス)、そして水曜日の夜はふたりで一緒に再びZumbaクラスをとるというスケジュールを組んだ。

私が車でテリーを迎えにいって一緒に行くようにしたので、無断でサボるわけにはいかない。
おかげでただいま3週目に入り、ひとつも休むことなく継続中だ。
いやぁ、快適快適。朝から体を動かすとはこんなに気持ちのいいものかと、今になってようやく目覚めた次第。
運動をした日は(しなくても?)夜ぐっすり眠れるし、体にパワーがみなぎってくるのがわかる。
長~い長い、寒~い寒い冬の間、運動らしい運動もできずなまりきった体を徹底的に絞り上げるチャンス到来だ。


★ ★


運動不足なのはGOROとて同じ。
冬の間、三度のお散歩くらいじゃやはり野生の体には物足りなかったに違いない。
で、先週末以前テリーから教えてもらったすぐ近所の「Dog Park」というところに行ってみた。
ここは名前のとおり犬のための公園で、柵で囲まれた広い敷地内をリーシュなしで自由に放し飼いして遊ばせることができる。
柵で囲まれたといっても、いったいどこからどこまでが敷地なのかがわからないくらい広い。

この日はぽかぽか陽気も手伝って、午後に行ってみるとすでに駐車場には車がずらり。公園内はまるでドッグショーのようになっていた。
中~大サイズの犬がほとんどで、中には見たこともないような珍しい犬もいて私のような犬好きにはたまらん場所。
他の犬たちと遊ぶ機会が少ないGOROにとっても、社交性を身につけるにはもってこいだ。
これからちょくちょくのぞいてみることにしようっと。




広い敷地で犬たちものびのび 


GOROもすっかり賢くなって、常に私たちのいる場所を確認しつつ遊んでいた。


まだまだ仔犬のGOROに、他の犬たちが興味津々で近づいてくる。
ちょっと警戒中のGORO。


「なんだよ、てめー」(チビには強気だが・・)


「どーもすみません」(でかいやつにはめっぽう弱い。)


3色同盟


同色同盟


今日見つけた法則。「犬は飼い主をあらわす。」
飼い主が肥満だと、犬も必ずデブ。


家にかえっら即爆眠
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犬も歩けば晩飯にあたる。

2010-03-27 12:26:28 | アメリカ生活雑感



ここしばらく春の陽気が続いていたかと思うと、先週末は朝起きたらなんといきなりあたり一面雪景色だった。
これぞシカゴの3月。昨日は15℃、今日は0℃、って・・・。
でももうこれくらいじゃ驚かなくなった。

★ ★

もちろんGOROは久々の雪におおはしゃぎで、散歩からなかなか帰りたがらない。
と、そこに通りがかったのがお向かいさん。
アダムとレベッカ夫妻と2歳半になるヘンリー坊。私たちとほぼ同じ時期にここに引っ越してきた若いご家族だ。
立ち話をしていると突然アダムが「そうだ、明日の晩ペドロとうちで食事でも一緒にどうですか?」と誘ってきた。
この間もそうだったけど、何の前触れもなく突然ディナーに招待してしまうところがなんともオープンなアメリカ人。
ここはもちろん、喜んでお受けすることに。誘ってくれるということは、少なくとも興味を持たれているってことだと解釈しよう。

★ ★

翌日。
Pちゃんの生まれ故郷の近くの“RIOJA”(スペイン)ワインを手土産に、こんなものも一応アパタイザーに作っていった。

 サーモンのミニ巻き寿司


アダムの奥さんのレベッカは、隣町の小学校で英語とスペイン語を教えている先生。
アダムも中学校の数学の先生(臨時)をしている教師夫婦。
Dinnerのメニューは、レベッカのお手製の母直伝のチキンのグリル、スペシャルソースと、さやいんげん。そして玄米というシンプルなもの。
普段はなかなかお話しする機会もなかったので、こうやって4人(5人)でゆっくりとワインを飲みながらの夕食はとてもうれしい。
驚いたことに、ヘンリーがワインをなめてもアダムは平気。
「だって、大きくなってから妙にアルコールに興味津々だとよけいに身を滅ぼす危険があると思うんだよね」といたって寛容。
まぁそうだけど、それにしても2歳半って早すぎやしないかい?


GOROのおかげで、ご近所さんとお話する機会が増えたうえこんなサプライズな夕食のお誘いも受けることができた。本当にありがたい。
GOROサマサマでございます!




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天の岩戸が開いた夜。

2010-03-24 03:21:19 | アメリカ生活雑感


オバマ政権の内政の目玉である「医療保険改革法案」が、昨日やっと議会で最終可決された。
これで、法律上は一応「アメリカ全国民は医療保険に加入しなければならないということになる。
ここにいたるまでは本当にいろいろあった。魑魅魍魎たちのありとあらゆる妨害や陰謀に合い、一事は頓挫しかけた。が、オバマ大統領の執念が実り、最初のほんの小さな重い扉がやっと開いたという感じだ。


★ ★

「オバマは生ぬるい」
近頃オバマ支持の人たちの間からも、なかなか進まない医療制度改革に怒りをあらわにする声が目立ち始めていた。
Pちゃんもそのひとりで、あんなに支持していたのに最近はオバマのスピーチすら聞かなくなっていた。
「オバマ政権にはもうがっかりだ。だいたい、ブッシュが8年間で何をやってきたと思う?数に物言わせてやりたい放題、アホな法案を無理やり通して戦争は始めるわ、科学技術研究は遅らせるわ。内政をボロボロにして。オバマはやさしすぎる。共和党のやつらの意見なんていまさら聞かずにどんどんやればいいんだ。リベンジだ!」と息も荒い。
「でも、いま無理に通したとしてもまた共和党が政権をとったらひっくり返されるのが落ちでしょ。それなら今のうちに両者が歩み寄れるところを探るほうが将来のために得策だと思ってやってるんだよ、きっと」
不思議と普段は短気の私のほうが、この件に関しては我慢強い。
なにせ、100年以上も続いてきたものをそう簡単に完璧に覆せるわけがない。ここは腰をすえて、まず小さな風穴をあけることに集中すべきだ。


★ ★

現在アメリカでは、4000万人を超える人たちが医療保険に未加入で、それによって一日に約120人の人たちが正当な医療が受けられずに命を失っていると言われている。
もしも医療保険に未加入のまま医者にかかると、そのあと信じられないほど高い医療費請求がきて自己破産への道一直線だ。アメリカの自己破産の5件に1件が、医療費を払えないことに起因すると言われているからぞっとする。
健康に生きることは国民の“権利”であるはず。その根幹が狂っているというところはとても先進国とは呼べない。
この医療改革が成功すればオバマ大統領はノーベル平和賞に値するだろう、と以前書いたことがあったが(その直後、核兵器撲滅メッセージでの受賞となった)、それほどこの改革はこれから何千万という人の命を救う政策といえる。

* アメリカの医療費がどれほど高いかは過去にもいろいろ書いたので参照してください。
「“ER” 初体験。」

「ばか高い医療費」
「たらいまわしの刑」



「何かがおかしい」とはわかりつつも、1世紀以上も続いてきた医療制度。
長い間の既得権の上に利益をむさぼってきた、ほぼ独占状態の保険会社、そこから政治家にわたる巨額の献金。
この闇のバランスの前に、国民が健康に生きる権利など見事なまでに無視され続けてきたのである。

しかし、アメリカ国民のほとんどが「それでもいい」と思っていたことが、私にとってはもっと興味深い(信じがたい)。

“もてるもの”が保険を買い、“もたざるもの”は死んでいくという自然の掟が、この国の人たちにはきわめて普通だったことに驚く。
その理由のひとつは、今回の医療制度改革でたびたび持ち出された「ソーシャリズム(社会主義)」という言葉に対する人々の異常なまでの拒否反応だ。
「政府が自分たちの保険に“介入”してくる」ということに対して、アメリカ人は驚くほど拒否反応を見せる。
アメリカは英国から自由を勝ち取った国。政府からの圧制から解放され、国民が自由意志で暮らしていける国、という建国の理念からなのか、政府が国民生活に立ち入ろうとするとすぐに「われわれはソーシャリズムに断固反対する!」と気勢をあげる。
いやいや社会保険は社会主義とは違いますよ、冷静に考えてみてください、と言っても聞く耳すら持たない。
(この意味不明の「社会主義ディベート」のせいで、結局は今回の医療保険改革の肝だった「公的保険(Public Option)」が見送られてしまった。)



また他の理由として、皆が保険に加入できれば(医療を受けられれば)、それにあぐらをかいて働かない怠け者増えるじゃないか、という考えかた。
そんな怠け者のために税金をとられるのは真っ平ごめん、というわけだ。

これが“キリスト教の国”の人々が口にする言葉だろうか?
ハイチ地震の義援金が一晩で数億円も集まってしまうほどの“隣人想い”の人々が、いざ自国の医療を受けられない貧しい人たちを助けようという段になって「一銭も払いたくない」という不思議。
ここだけはどうしても理解できない。


★ ★

さて。一晩あけて今日、保険会社の株は上がったか下がったか?
Pちゃんの予想どおり、結果は“上がった”とのこと。
つまり、相場は「保険会社はこれからますますもうかる」という予想を立てたということだ。

本当の意味での改革はまだまだ遠い。


※ 今朝 (3月23日)届いたオバマ大統領(ホワイトハウスのメーリングリスト)からのメールメッセージ


SHOKO --

I'm writing to you on a great day for America.

This morning, I gathered with members of Congress, my administration, and hardworking volunteers from every part of the country to sign comprehensive health care reform into law. Thanks to the immeasurable efforts of so many, the dream of reform is now a reality.

The bill I just signed puts Americans in charge of our own health care by enacting three key changes:

It establishes the toughest patient protections in history.

It guarantees all Americans affordable health insurance options, extending coverage to 32 million who are currently uninsured.
And it reduces the cost of care -- cutting over 1 trillion dollars from the federal deficit over the next two decades.
To ensure a successful, stable transition, many of these changes will phase into full effect over the next several years.
But for millions of Americans, many of the benefits of reform will begin this year -- some even taking effect this afternoon. Here are just a few examples:

Small businesses will receive significant tax cuts, this year, to help them afford health coverage for all their employees.

Seniors will receive a rebate to reduce drug costs not yet covered under Medicare.

Young people will be allowed coverage under their parents' plan until the age of 26.

Early retirees will receive help to reduce premium costs.

Children will be protected against discrimination on the basis of medical history.

Uninsured Americans with pre-existing conditions can join a special high-risk pool to get the coverage they need, starting in just 90 days.

Insured Americans will be protected from seeing their insurance revoked when they get sick, or facing restrictive annual limits on the care they receive.

All Americans will benefit from significant new investments to train primary care doctors, nurses, and public health professionals, and the creation of state-level consumer assistance programs to help all patients understand and defend our new rights.

As I've said many times, and as I know to be true, this astounding victory could not have been achieved without your tireless efforts.

So as we celebrate this great day, I want to invite you to add your name where it belongs: alongside mine as a co-signer of this historic legislation. Organizing for America will record the names of co-signers as a permanent commemoration of those who came together to make this moment possible -- all of you who refused to give up until the dream of many generations for affordable, quality care for all Americans was finally fulfilled.

So, if you haven't yet, please add your name as a proud health care reform co-signer today:

http://my.barackobama.com/cosigner

Please accept my thanks for your voice, for your courage, and for your indispensable partnership in the great work of creating change.

History, and I, are in your debt.

President Barack Obama
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誕生日の一日。

2010-03-21 02:47:24 | アメリカ生活雑感



もううれしくもなんともないから誕生日は無視ね、と言っておいたのに、
朝起きたらテーブルの上がこんなことになっていた。
おまけに朝からケーキが出てきた。いやはや


今日は久しぶりにお友達と8人でわいわいとランチ。
場所は近所の国道沿いにできたJapaneseレストラン、その名もなぜか「Nagoya」。
ここはブッフェ形式のランチがあって、$12.99で何でも食べ放題だという。
そのブッフェというのがまぁものすごくて、カウンターがはるかかなたまで続いていて先が見えないほど。
メニューはJapaneseといっても限りなく中華風のものが多く、どちらかというとアジアンキッチンというかんじ。
“Japanese Sushi”と看板をあげたほうがお客の受けがいいからだろう。
そのお寿司も巻きがほとんど。それも種類がありすぎて、すべてを制覇しようとするにはかなりの根性が必要だ。

そうはいっても、前菜にお寿司に、おすまし(スープ)、デザート(アイスクリームとプリン)、フルーツまでがっつりいただき、もうお腹はパンパン。
今晩、ふたりでどこかに食べに行こうと思っていたけれどもう外食は結構です状態に。



これがその寿司のほんの一部
日本のものと比べたらとても寿司とは呼べないが。。。


★ ★

パンパンになったお腹をかかえて帰宅後は、あまりにお天気がいいので急遽GOROをFermilabのドッグトレーニング場に連れていくことに。
ここだと鎖なしで思い切り走り回らせることができて安全だし、こっちもいい運動になる。
もちろん解放されたGOROはおおはしゃぎで鳥を追い掛け回して走り回る。
やっぱり家の中で飼っているとはいえ、そもそも犬は野生のもの。こうでなくちゃ。
以前ここに連れてきたときはまだGOROは生まれて4~5ヶ月だった。
自由になった解放感からあっちこっちと駆け回り、最後に捕まえるのが大変だったものだが、近頃は常に私と一定の距離を保ちながらその範囲で楽しんでいるのがわかる。
ここで遊んだあとは家に帰るとすっかりわかっているらしく、帰りもおとなしくお縄になって車に乗り込む。ずいぶん成長したな~と感じる瞬間。



★ ★

食べ過ぎてまだお腹が重いので、夕方から近所のジムにエクササイズに出かける。
ちょうど今週から5月半ばまでの新しいセッションが始まったところで、フリーパスを購入したばかり。
2ヶ月間はフリーでどのクラスにも参加することもできるので、ここはしっかりとモトをとらなければ。
今日のコースは、キックボクシングとステップエクササイズとエアロビクスとピラテスと柔軟をセットにしたような1時間のクラス。
瞬く間に全身汗まみれになる。
やっと体がちょっと軽くなった。


さて。今日は図書館から借りてきた映画『Hachi~A Dog Tale』を鑑賞。
そう、あの『ハチ公物語』のハリウッドリメイク版(主演はリチャード・ギア)。
見る前からすでに泣きモードに入っていた私は、後半で耐え切れずにもう号泣。
それを見たPちゃんもつられて涙・・・。
この晩はGOROと一緒に寝たのはいうまでもない・・・。

そんな、のどかなお誕生日の一日だったとさ。
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イージーライダー

2010-03-21 01:56:10 | アメリカ生活雑感
先日のお呼ばれの後日談。

テリーのご主人、ビルは大のバイク好き。
暇さえあれば“ハーレー”にテリーを乗せてツーリングに出かけるのが楽しみ。
先日お宅にお邪魔したときその愛車を見せてもらったが、そのハーレーときたらもうピッカピカに磨き上げられていて、彼がいかに“バイク・命”かがよくわかった。
私がハーレーに相当興味を示したので、ビルは「今度乗せてあげるよ」と約束してくれたのだった。


そして2日後。
夕方、玄関のチャイムが鳴り、出てみるとそこにはピッカピカのハーレーとイージーライダーに変身したビルが立っていた!
「ヘイ、来たぜい。乗っけてあげるよ。ぐるっとそこらを一周してこない?」

あっけにとられる私。
けれど、これに乗らない手はない。
さっそくテリー愛用の皮ジャンとグラブをまとい、ビルのうしろにまたがる。
爆音をたててハーレーは発進、団地を出てぐるりと近くの県道~国道を走って瞬く間にまたうちの前に戻ってきた。約10分のランデブー。
体中が風を感じ、本当に気持ちよかった。(ちなみにアメリカはノーヘルでも罰則なし)

初めて乗るハーレーは、ソファーのようなすわり心地で、安定感があって、本当に快適だった。
彼らはこうやて、ミシガン湖の周りをぐるりと一周するツーリングにたびたび出かけるそうだ。うらやましい。
「アメリカでバイク野郎になる」というのが次なる私の夢(?)だったので、今日はとても貴重な経験をさせてもらった。


それにしても、近所の人たちは驚いたろうな。
いきなり黒尽くめのおっさんが巨大なハーレーで現れたかと思うと、私がそれにまたがってどっかに消えてしまったのだから。
日本だったら、
「あら、見た?あの奥さんたら白昼堂々とよそのだんなとバイクでお出かけよ」
なんていわれるところだ(笑)


興奮冷めやらない私は、帰ってきたPちゃんにさっそく一部始終を詳細に報告。
Pちゃんも驚いて「いやぁ、今日はbigな日だったんだねぇ」と喜んでくれた。
夏になったらまた一緒にどこかに行きたいな。
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St. Patrick's Day (聖パトリックスデー)

2010-03-20 09:00:40 | アメリカ生活雑感
もともと移民の国のせいか、アメリカにはヨーロッパにその起源を持つ“○○Day”がやたらと多い。
3月17日のSt. Patrick's Day(セントパトリックスデイ)もそのひとつ。
アイルランドにキリスト教を広めた聖人、聖パトリックの命日で、アイルランドの祝祭日にあたる。
もともと北米のアイルランド系移民の多い町では、この日には盛大なパレードが行われ、また人々は緑色のものを身に着けるならわしになっているため「緑の日」とも呼ばれる。

アイルランド系移民の多いシカゴ市内でも毎年大きなパレードが行われているのだが、毎年泥酔した野郎どもが度をすぎた大騒ぎをし、町を汚すことが問題化していたため去年からパレードが1箇所に縮小されたといういわくつき。

別段アイルランドとは何の関係もない私たち。
毎年特に普段の日となんら変わりなく過ごしていたのだが、前日に犬の散歩の途中でばったり出くわしたテリーから「あしたうちに“セントパトリックスデー・ディナー”食べにこない?」とご招待を受けた。
ばったり出くわした人を夕食に招待するあたりが、なんともアメリカっぽい。
もちろん二つ返事でOK。

★ ★

当日午後6時。
Pちゃんとふたり、もちろんGOROを連れてギネスビールを片手にテリーのおうちにお邪魔する。
ここのところ10℃以上の春のポカポカ陽気が続いていて、コートなしで歩けるのがうれしい。
テリーのうちの玄関を見たGOROが興奮してドアを叩く。中から走ってお出迎えしてくれたのはもちろん・・・


GOROのbest buddy、AJ(右)。
GOROは緑の蝶タイで正装してご機嫌。

さっそくDinner開始。


そしてこれが伝統的なアイルランド料理。
コンビーフとキャベツ、サトイモとにんじんの塩茹で。
これだけ。とってもシンプル。

テリーのおばあちゃんがフランスとアイルランドの血が入っているらしく、毎年一応セントパトリックスデイをこうしてお祝いしているそうだ。
コンビーフときくと、あの缶詰のしょぼ~いコンビーフを想像してしまうが、この手作りコンビーフは7時間以上もゆっくりと蒸し焼きにしたもので、舌の上でとろけるように柔らかい。
蒸しキャベツとの相性も抜群で、ついつい箸(フォーク)がすすむのだった。



右からテリーの娘のケリー、ご主人のビル、テリー、そしてPちゃん。
このご夫婦は幼馴染だが実はお互い再婚同士で、結婚したのは2年前。まだ新婚さんだ。
ケリーはテリーと前のご主人との娘さんで、一つ屋根の下3人で暮らしている。
ケリーの上にもうひとり長男がいるが、彼は独立して郊外で暮らしていてたまに遊びにやってくる。
この子どもたち、と~っても性格がよくて母親思い。テリーがいかに愛情たっぷりに二人を育てたかがわかる。
母親の再婚相手のビルとも仲がよく自然で、見ていてほのぼのする。
アメリカには子連れで再婚するカップルが多い(ほとんど)だが、「新しいお父さん」「新しいお母さん」と押し付けるのではなく、あくまで下の名前で呼び合う個人と個人の関係なのがいい。


★ ★

食事のあとは、場所を庭のファイヤープレイスに移して、火にあたりながらビール片手にだらだらとおしゃべり。
その横でGOROとAJは仲良く駆け回る。こっちも会話を楽しんでいるかのようだ。

午後9時半。
朝の早いビルのことを考えて、撤収。
気兼ねなく語り合える、年の近い友人と過ごすひとときは本当に楽しかった。
これもGOROのおかげ。
ありがとう、GORO!
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「Departures」(おくりびと)

2010-03-15 05:03:14 | movie
オスカー受賞から丸1年経って、先月やっと『おくりびと』(英語サブタイトル入り)のDVDが近所の図書館にやってきた。
満を持してやっと、見た。

鑑賞後の感想は、「・・・・?」。
自分のなかでものすごく期待していたぶん、ちょっとなんだかす~っと腑に落ちない感じだ。
普段映画を評価するポイントとして私は、「いい演技」、「いいスクリプト(脚本)」、「いい音楽」をあげている。これが超好きな映画となると「もう一度、いや何度も見たい」と思えるかどうかがプラスポイントになる。
そういう意味では、この映画は私的には「ちょいいい映画」くらい。

ひとつめの「いい演技」に関しては、まずもっくんが物足りない。
この人、容姿には花があるのにどうも主役をはるオーラのようなものが感じられない。妻役の広末もまったくダメだ。
むしろ周りの俳優陣の名演に助けられてこの映画はようやく成り立っていたように思う。
「死」というテーマを、納棺師というきわめて異色な職業をからめて描くという意味では独特で面白いのだが、結局何が言いたかったのだろう?
人が死ぬと、それを処理する人も必ず存在する。その「旅立ちのお手伝い」をする人=納棺師の崇高なまでの職人意識は、その美しい所作ともあいまって確かに納得させられるのだが。

映画のもうひとつのテーマとなっていたのが、主人公(もっくん)が小さいころ家族を捨てて女と逃げた、父親との父子関係。
彼の中でトラウマとなって消えることのない、やさしかった父親の残像が最後の最後に悲しい現実として目の前に現れる。
やっと会えた父親を、彼は“プロフェッショナル”として見送り、映画は静かに幕を閉じる。

美しい・・・でも何かが残るかといえば残らない。
いや、残ってくれと思うんだがどうしてもだめだ。どうしてだろう?

思うに、これは外国人(賞)向けによくマーケティングされた映画だったのかもしれない。
「死」という、なかなかアメリカ人には描ききれないテーマに正面から挑んだこと。
またそこに日本文化独特の「様式美」を取り入れ、それを繰り返し見せることで見る側にやがてはやってくる死=崇高な世界へバーチャル体験させたこと。

見てください、日本では死への旅立ちに際してこんな美しい儀式があるんですよといわんばかりだが、私は納棺師という人を見たことがないし聞いたこともなかった。
じいちゃんが亡くなったときも確か、葬儀屋さんがさっさと納棺していたように思う。
この映画をみた外国人はさぞかし「日本人はいつもこうやって死者を美しい儀式で送り出すのか」と感服しただろう。でもそれが日本人としてかえって面映い。

また、DVDに収められていたの監督スペシャルインタビューの中で、「なぜ最初に出てくる死者は性転換者という設定にしたのか?」という質問に、(私もそこにはとてもひっかかりがあった)、滝田洋二郎監督は、
「日本においてこういう(性転換)事例があること自体、外国からはまだまだ珍しいと思われているのかもしれない、そう思って敢えて作品のフックとして入れてみた」というような話をしていた。
それを聞いてなんだか余計に興ざめ。つまり、この映画ははじめから「外国人の観客の目(外国での賞狙い)」を意識して作られたいたということを暴露してしまったように思えたからである。

その狙いははまり、海外ではあらゆる映画賞を受賞、日本作品として初のオスカーも手に入れた。
もちろん外国人のPちゃんにも相当衝撃的だったらしく、「また見たい。とてもいい映画だ」と、結構辛口な彼にしては珍しく絶賛の映画だった。

つい先日、バークレー時代の英語の先生で今は台湾で英語を教えているアズリエルからメールがきたのだが、
「君は『Departures』を見たかい?この映画はここ数年見た映画の中で一番すばらしい映画だった」と彼も大絶賛だった。
彼は自他共に認める映画通で、アメリカだけでなく世界中の映画を見るのがライフワークのような人。知らない映画はない、というような人物だ。
その彼をしてこう言わしめる魅力はいったいなんだったのだろう?


そして、Pちゃんとアズリエルのある共通点に気づいた。
ふたりとも「父子関係」にトラウマを抱えていることだ。
Pちゃんは、まだ彼が赤ちゃんだったころに家を出て行ってしまった本当の父親の顔を知らない。
アズリエルの父親も、彼がまだ幼いときにふらっと家を出て行き、インディアン居住区でしばらく暮らしたあと十数年後に別人のように老いぼれて何の前触れもなく帰ってきたという相当な変わり者らしい。
ふたりとも思春期に本当の父親の愛情を知らずに育ち、心の奥底で「父」に飢えている。
そのふたりの心をつかんだのが多分、あのラストシーンだったのではないだろうか。

「少なくとも彼(主人公:もっくん)には愛されたという思い出があるけどね」とPちゃんがぼそりとつぶやいた。
それが最後まで主人公と父親との絆を支えていたのかもしれない。



死体のあるところドラマあり、という点ではこの映画もオススメ。
『サンシャイン・クリーニング』

いい映画です。
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オスカーナイト。

2010-03-11 02:44:55 | movie
さて、お待ちかねのオスカーナイト。
今夜のメニューは、ミートソース・パスタとメロン(カンタロープ)のプロシュート巻き(Pちゃんの得意技)。赤ワインの用意も万端だ。

とはいえ、今年はなんだか気持ちが盛り上がらない。
司会もなんだかうざったいし、プレゼンターも受賞者(作品)を棒読みするだけで拍子抜けするし。
去年のように、日本の作品がノミネートされているわけでもなく。

やはり一番の見所は、世間が煽るせいもあるが「Best Picture」と「Best Director」の行方だ。
『Avatar』の感想は前に述べたが、一方の『The Hurt Locker』。この作品がまた、泥臭い。
“戦争”がテーマにあることは共通しているが、Avatarとはまったく逆路線を行く、「いつ何が起こるかわからないドキドキサスペンス感」が全体を包んでいる。
イラク戦争における爆弾処理班の任務をドキュメンタリータッチで描いた作品で、自らの命を顧みずに次々と仕掛けられた爆弾や地雷を処理していく兵士の姿
に身が凍りつく。
女性であるキャサリン・ビグロー監督がここまで骨太な“戦争もの”を描ききったことにも驚く。
2004年にイラク戦争が始まってから作られたいわゆる戦争もの映画は、反戦メッセージを色濃く出したものがほとんどだったが、この映画は戦場での日常を克明に追っているだけで監督からのダイレクトメッセージは前面に出てこない。

昨日までまとわりついていたイラク少年が、今日は爆弾を体に埋め込まれて発見される。
体中に時限爆弾をぐるぐる巻きにされて処理班に命乞いをするイランの一般市民の体が、次の瞬間には木っ端微塵に吹きとぶ。
こんなクレイジーな毎日が6年もたった今も繰り返されている、その“事実”に脱力してしまうのだ。


だから、見終わった感想はただひとこと、これにつきる。

「悲しいけど、これ戦争なのよね」
(by スレッガーさん : ガンダムより)



そしてオスカーの行方は作品賞、監督賞ともに『The Hurt Locker』がさらっていった。
ある意味、反戦メッセージを打ち出した『Avatar』ではなく、静かに事実を語った『The Hurt Locker』が勝利をおさめたわけだ。
わずか1500万ドルの予算で作られた映画が、3億ドルかけて贅を尽くした映画を凌駕する、これもオスカーの面白いところ。

「オスカー初の女性監督賞」という話題を狙ったのかもしれないが、やっぱりアカデミーはこういうのがお好き、というのが見え見えだ。
2008年に完成していたもののブッシュ政権下では配給先がみつからず、オバマ政権に交代してやっと日の目をみたという影のストーリー。
よりリアルに見せるために、あえて有名俳優を使わなかったというエピソード。
そんなものが3億ドルの超弩級映画を蹴散らし、6部門を総なめにしたというところにアカデミーの意図が感じられて面白い。


しかし。
個人的に『The Hurt Locker』はいい映画だとは思うが、こんなに総なめするほどグレイトだったかと問われるとちょっと疑問が残る。
話題性だけではなく、いい俳優のいい演技によるいいストーリードラマがBest Pictureに選ばれるアカデミー賞を、来年は期待しよう。



私の超オススメはこれ。
今年のオスカー長編アニメ賞、作曲賞を受賞。
ピクサー、万歳!

 『Up』(邦題:『カールじいさんの空飛ぶ家』)
音楽がいいんだな~。


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映画の日。

2010-03-10 01:53:18 | movie
アカデミー賞発表を前にどうしても『Avatar』を見ておきたくて、日曜日の午後、Pちゃんとふたりで近所の巨大シネマに駆け込んだ。
アメリカ人が何の遠慮もなしにくしゃくしゃ食うポップコーンの音が嫌いで、映画館そのものが大嫌いなPちゃんだったが、何しろ3Dムービー、家で見るよりは映画館のほうがいいに決まっている。
ここはポップコーンに目をつぶって、やっと重い腰を上げたというわけだ。


(C)2009TwentiethCenturyFox.Allrightsreserved.



この映画館、20スクリーン以上もあって大きさは東京ドーム級。
一度お金を払ったらいくらでも見放題なので、朝から夜中まで居座って3~4本見続ける人もいるらしい。

そして映画を見たあとの最初の感想は・・・

これって、『もののけ姫』そのものじゃん。
しかも戦闘ロボットはまるで、『エヴァンゲリオン』だし。



大騒ぎした割にはテーマが特に新しい、というわけでもなくその点ではちょっと拍子抜けの感。
しかし。やはり金をかけただけのことはあって映像は息を呑むほど美しい。特に3Dで見るスクリーンは圧巻だ。
前半で見たパンドラの世界があまりに美しかったせいか、後半でそれらが無残にも破壊されていくシーンでは知らず知らずのうちに涙が出ていたくらいだ。


一方Pちゃんはというと、いかにもサイエンティストらしく
「原住民を含むすべての自然体系がニューロンでひとつにつながっていて、何千年もの間その記憶を共有している、というアイデアが斬新で素晴らしい」という感想だ。


自然を愛で、人間はその中の一部として生活を営んできた日本人の感覚からしてみれば何もそう新しい発想ではないんだけれど。
『千と千尋の神隠し』がアメリカ人に衝撃的に受け止められた理由もここだった。
一神教(キリスト教)を信仰するアメリカ人にとって「自然の中に神が宿る」という多神教的考えがとても新しかったのだろう。
それもあってか、さっそく保守派キリスト教徒からは「アバターは危険だ」という声もあがっているそうだ。

また、『アバター』は反戦リベラル映画である、という見方もできる。
実際映画の中で、人間とパンドラ星ナヴィ族との最後の戦闘を前にして、圧倒的軍事力を誇る“地球軍”がディック・チェイニー前副大統領がかつて言ったセリフそのままを訓示する場面もあり、思わずPちゃんと顔を見合わせて噴き出してしまった。

そんなことを考えていたら面白い記事を発見。


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「アバターは反米・反軍映画」保守派いら立ち
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100130-OYT1T00839.htm

 【ロサンゼルス=飯田達人】世界興行収入の記録を更新中の米映画「アバター」(ジェームズ・キャメロン監督)について、米国の保守層などから「反米、反軍の映画だ」といった批判が相次いでいる。

 3D(立体)技術を駆使した娯楽大作が思わぬ論争を巻き起こした底流には、アフガニスタンやイラクでの長引く戦争に対する米国民の厭戦(えんせん)気分と、それに対する保守派のいら立ちがある。

 ◆教会からも

 映画の舞台は22世紀の星パンドラ。希少鉱物を狙う人間たちは、美しい自然と共生する先住民ナヴィと戦う。元米海兵隊員ら軍服の人間は、圧倒的な軍事力で自然破壊をいとわない悪役として登場、「先制攻撃が必要だ」「衝撃と畏怖(いふ)を与える」などと、ブッシュ前政権の戦略そのままのセリフを口にする。

 保守派の論客ジョン・ポドホレッツ氏は自身のサイトで「観客は米兵の敗北に声援を送るようになる。強烈な反米的内容だ」と非難。現役海兵隊員のブライアン・サラス大佐は隊員向け新聞に「軍の未熟さや凶暴さが異常に強調され、誤解を与える。ひどい仕打ちだ」と記した。

 保守派らの反発には、長期化する戦争から民意が離れている現状への焦りが読み取れる。CBSテレビなどの昨年末の世論調査では、アフガニスタンでの戦況が「良くない」と感じる人は60%に達した。

 自然の中に神が宿るという、キリスト教などの一神教とは相いれない信仰をナヴィが持っている点にも批判が出ている。

 保守派コラムニスト、ロス・ドーサット氏はニューヨーク・タイムズ紙で、「映画は、神と世界が同一という汎神論的な考えに共鳴するキャメロン監督の長い弁明」と指摘。カトリック教会の一部からも汎神論の思想が広まることへの懸念の声が出ている。

 ◆監督は反論

 近年のハリウッドの大ヒット作は、ヒーローが活躍する単純な作品が多かった。これに対し、アバターが戦争、宗教、環境など米国の国論を二分するようなテーマを含んでいるのは事実だ。

 映画の脚本も担当したキャメロン監督は、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで、「この映画は我々が戦っている戦争を反映している。兵士は不当に戦場に送られている。この映画で目覚めてほしい」と語り、ふたつの戦争に反対するメッセージを込めたことは認めた。一方で、米軍批判との指摘には、「心外だ。私の弟は海兵隊員だが、彼らを心から尊敬している」とテレビ番組で反論した。

 同紙の映画評論家、ケネス・トゥーラン氏は、「かえって映画の宣伝になり、キャメロン監督の思うつぼではないか」と皮肉っている。

(2010年1月31日13時05分 読売新聞)

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さて。
映画館鑑賞のあとは家に戻っていよいよオスカー鑑賞。
注目はBest PictureとBest Director。
ジェームス・キャメロンの『Avatar』か、はたまたキャスリン・ビグローの『The Hurt Locker』か。


(オスカーナイトに続く・・・)

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GORO's Diary (Vol.15) Memories of Winter 2009

2010-03-04 01:47:19 | GORO

He(left) is my best buddy, AJ.
I'm so happy that he is living the same community and we can meet any time.
He taught me a lot of useful things like going up the stairs, sleeping on the men's bed, smiling when I am in trouble...


AJ is a little rougher than me, but I like to play with him.


That's so fun!!!


We love to hug too....



Because of him, I was never bored during Christmas holiday when both Pedro and Shoko were in Japan.
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