shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

サタデー・ナイト / ネッズ・アトミック・ダストビン

2010-04-02 | Cover Songs
 曲をカヴァーするというのは簡単そうに見えて案外難しい。まず誰の何という曲をカヴァーするのかで選曲のセンスが問われることになるし、自分の持ち味を活かせる曲でないとそもそもカヴァーする意味がないからだ。更にオリジナル・ヴァージョンと共に俎上に乗せられ隅から隅まで比較されるワケだから、カヴァーする方も大変だ。当然ながら、カヴァーされる方のアーティストはビートルズを筆頭にエルヴィスやカーペンターズといった大物が多いが、ベイ・シティー・ローラーズのカヴァーというのは非常に珍しい。
 彼らのヒット曲ですぐ頭に浮かぶのは「バイバイ・ベイビー」、「2人だけのデート」、「サタデー・ナイト」あたりだが、前2曲はそもそもフォー・シーズンズとダスティ・スプリングフィールドのカヴァーだし、「ロックンロール・ラヴレター」や「イエスタデイズ・ヒーロー」を誰それがカヴァーしたなんて話、聞いたこともない。やっぱり BCR の曲ってレスリーのヴォーカルのイメージが強すぎるんかなぁ...(>_<) 「ユー・メイド・ミー・ビリーヴ・イン・マジック」なんてカヴァーするのに向いてるように思うけど。とにかく同じアイドル系バンドの先輩格モンキーズですら色々カヴァーされてるのに、と思うと不憫でならない。
 しかしある時、めっちゃカッコイイ BCR カヴァーを発見した。それがネッズ・アトミック・ダストビン(Ned's Atomic Dustbin)の「サタデー・ナイト」である。私は1992年以降の洋楽はほとんど聴いてないに等しいので、このバンドについては恥ずかしながら何も知らないのだが、この「サタデー・ナイト」はたまたま衛星放送の音楽番組でやっていたのを見て一発で気に入り、タワレコへCDシングルを買いに行ったという、ラッキー盤である。ネットで調べると、マイク・マイヤーズ主演のサスペンス・コメディ映画「ハネムーンは命がけ」(So I married an axe murderer)の主題歌で、これは元々マイクがこの曲をカヴァーしてほしいとバンドに頼んで実現したらしい。 PV の中で七変化しながら楽しそうに歌うマイクが微笑ましい。
 1976年に全米№1を記録し、 BCR のイメージが焼きついたこの曲を、彼らはエッジの効いたハードなギターとブンブン唸るベースを主体とするアグレッシヴなサウンドで見事に換骨堕胎し、90年代ブリット・ポップの傑作として再生させている。モノは試し、騙されたと思って一度聴いてみて下さいな(^.^)

Ned's Atomic Dustbin - Saturday Night

Adrenalize / Def Leppard

2010-04-01 | Hard Rock
 最初にお知らせです: 実はこの4月から転勤で奈良県を北西から南東まで斜めに縦断して通勤することになりました。まぁ職場環境的には雲泥の差というか、ずっと良くなるんで、この数日はちょうどフェラーリに移籍したフェルナンド・アロンソみたいにルンルン気分ヽ(^o^)丿の毎日なんですが、ただ、通勤にかなり時間を取られそうなので、今までみたいに毎日ダラダラと駄文を書き続けるっちゅーのはさすがに無理っぽいです。ということで、自分の音楽日記のつもりで始めて毎日更新してきたこのブログも、新しい環境に慣れるまでは更新ペースがガタッと落ちると思いますが、これからも出来るだけ細~く長~く続けていくつもりですので、よろしければこれまで通りお付き合いくださいm(__)m

 ということで3月も昨日でおしまい、ガールズ歌謡に身も心もドップリ浸かってユルユル状態の精神にカツを入れようということで、今日はいきなりのハードロックである。よくよく考えると今年に入って ちあきなおみ→イエイエ→テケテケ→ガールズ歌謡と、やりたい放題の音楽ライフを送ってきた(笑)が、そろそろ私の洋楽DNAが疼き出したのである。ロックが聴きたい...それもとびきり活きの良いノリノリのヤツを...(>_<) で、イの一番に頭に浮かんだのがキャッチーなメロディーと美しいハーモニーを武器に80年代を席巻したブリティッシュ・ハードロック・バンド、デフ・レパードだ。この「アドレナライズ」は以前に取り上げた「パイロメニア」、「ヒステリア」と並んで “デフ・レパード3部作” と呼ばれており、文字通りアドレナリンが出まくってライヴで盛り上がりそうなアップテンポなナンバーが多い快作だ。
 このアルバムは何と言っても冒頭を飾る 1st シングル①「レッツ・ゲット・ロックト」、コレに尽きる。前作「ヒステリア」は大ブレイクするまで1年を要したが、今回はこのストレートなロックンロールでいきなり勝負に出た感がアリアリだ。ウキウキワクワクするようなポップなメロディーとソリッドでへヴィーなビートが織りなす黄金のレップス・サウンドがタマランのだが、この曲が何よりも素晴らしいのはそのポジティヴな歌詞だ。それまでの彼らの曲名や歌詞と言うのは正直???なモノが多かった(「アニマル」=動物 とか、「シュガー・オン・ミー」=砂糖をかけてくれ、とか...)が、この曲には “ロックに浸ろうぜ!” というシンプルで力強いメッセージが込められている。まさに今の私の気分にピッタリの曲で、特に0分58秒からの “芝を刈れ... このオレが?” “犬を散歩させろ... オレのやるこっちゃない” “ゴミを出せ... ヤなこった” “部屋を掃除しろ... ジョーダンだろ?” というバック・コーラスとの絶妙な掛け合いや、2分16秒から始まる“ショパン、モーツァルト、ベートーヴェン... バッハ、チャイコフスキー、ヴァイオリン... もうやめてくれ!” のラインなんかもう最高だ。
 残りの9曲も完成度はかなり高い。確かに②「ヘヴン・イズ」は「アニマル」の、③「メイク・ラヴ・ライク・ア・マン」は「シュガー・オン・ミー」の、④「トゥナイト」は「ラヴ・バイツ」の、⑥「スタンド・アップ」は「ヒステリア」の焼き直しと言えなくもないが、それがどーしたソー・ホワット? ハードロック・バンドがサウンドをコロコロ変えてどないすんねん? AC/DCを、エアロスミスを、ストーンズを見よ! 偉大なるワン・パターンこそロックの美学ではないか! ドラマチックな⑤「ホワイト・ライトニング」は7分を超える大作ながら、中だるみせずに一気呵成に聴かせるところが凄いし、ボン・ジョヴィ風の泣きのロック・バラッド⑧「ハヴ・ユー・エヴァー・ニーディド・サムワン・ソー・バッド」では十八番の美麗コーラスに涙ちょちょぎれる。練りに練って構築された盤石のデフレパ・サウンドが圧巻だ。
 “デフ・レパード3部作” の中ではどうしても「パイロメニア」や「ヒステリア」の陰に隠れがちだが、1曲1曲のクオリティーが高く、ポジティヴな空気に満ち溢れ、聴く度に元気をくれる「アドレナライズ」... コレはちょっとアナドレナイゾ(^.^)

Def Leppard - Let's Get Rocked


Def Leppard - Make Love Like A Man


Def Leppard - Have You Ever Needed Someone So Bad