shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Couldn't Stand The Weather / Stevie Ray Vaughan

2010-04-27 | Rock & Pops (80's)
 ロック・ファンはギターのサウンドが大好きだ。私もその例に漏れずエディー・ヴァン・ヘイレンやブライアン・メイ etc、お気に入りのギタリストが何人かいるが、そんな中でも “ギター職人” というか、 “ギター馬鹿一代” の称号が最も相応しいギタリストが SRV ことスティーヴィー・レイ・ヴォーンだ。
 テキサスのローカル・バンドでくすぶっていた彼の名を一躍有名にしたのは1983年、デヴィッド・ボウイのアルバム「レッツ・ダンス」への参加だった。特にタイトル曲で聴けるホットなソロが絶品だったが、私はてっきりベテランのブルース・ギタリストが弾いているのだと思い込み、当時無名だった彼に注目することもなくスルーしてしまった。
 そんな私が初めて彼の事を意識したのは翌1984年、「ベスト・ヒット・USA」で小林克也さんがこの 2nd アルバム「クドゥント・スタンド・ザ・ウェザー」から⑥「コールド・ショット」を紹介された時だった。 MTV を意識したベタなストーリー展開のビデオも面白かったが、何よりも私が魅かれたのは絶妙なグルーヴを生み出すギター・カッティングのカッコ良さで、顎が落ちそうなシャッフル・ビートに乗って淡々と渋いヴォーカルを聴かせるスティーヴィー・レイにすっかり参ってしまった。特に2分14秒あたりからの魂に語りかけてくるような説得力溢れるソロは圧巻で、私はその翌日急いでタワレコへと走ったのだった。
 このアルバムには全8曲が収められており、冒頭の①「スカットル・バッティン」からいきなり火の出るようなロックンロールが炸裂、これがもうめちゃくちゃカッコエエんよね(^o^)丿 これだけ野太い音でスピード感溢れる縦横無尽なプレイが出来るギタリストって他には誰も思いつかない。ガッツ溢れるソロに言葉を失うアルバム・タイトル曲②「クドゥント・スタンド・ザ・ウェザー」、ギターもヴォーカルも渋さがタマラン③「ザ・シングズ・アイ・ユースト・トゥ・ドゥ」、ジミヘンの鬼気迫るカヴァー④「ヴードゥー・チャイル」と、あっという間にA面が終わってしまう。
 B面は私が SRV にハマるきっかけとなったシャッフルの逸品⑤「コールド・ショット」でスタート。中間部のソロで、弾いて弾いて弾きまくる、弾き倒すと言ってもいいくらいの入魂のプレイは何度聴いても圧倒されてしまう。ジミー・リードのスロー・ブルース⑥「ティン・パン・アレイ」では甘~い音色でこれでもかと続くブルージーなフレーズの連続技が鳥肌モノで、彼のブルースへの深い造詣と愛情がヒシヒシと伝わってくる名曲名演になっている。⑤と同様にシャッフル・ビートを巧く使ったブルース・ロック⑦「ハニー・ビー」はまさに安心の SRV 印と言う感じで文句ナシ。リズムに切り込んでいくタイム感覚が絶品やねぇ(≧▽≦) ラストの⑧「スタングズ・スワング」は何と4ビート・ジャズなインストだ(゜o゜) チャーリー・クリスチャンを想わせるようなライト・タッチ奏法であくまでもジャジーにスイングするあたり、彼の懐の深さを物語っている。途中のギターとサックスの掛け合いもお見事という他ない。
 ロックンロールからブルース、シャッフル、そしてジャズまで、彼のギター奏法の様々なヴァリエーションが楽しめ、どこを切ってもホットなソロが飛び出してくるこのアルバム、ギターを弾くために生まれてきた男、 SRV の全作品中でも最も愛聴している1枚だ。

Stevie Ray Vaughan - Cold Shot


Stevie Ray Vaughan - Scuttle Buttin'


Tin Pan Alley (AKA Roughest Place In Town)