shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズUKシングル盤特集③ 1963-1964

2014-12-12 | The Beatles
③ From Me To You / Thank You Girl (R 5015, Mono, 1963.4.11発売)
 パーロフォン・レーベルのシングル盤は1963年3月から普通の黒色レーベルになるのだが、ビートルズではこの「フロム・ミー・トゥ・ユー」が黒パロ第1号ということになる。わずか3ヶ月前に出た「プリーズ・プリーズ・ミー」赤レーベル盤がプライス・ガイドで£90なのに対し、こちらの黒レーベル盤はその1/9の£10... eBayオークションでも赤パロ盤とは違い超簡単に入手できた。
 この曲はオリジナルLPには入っていなかったため、手持ちのアナログ盤でモノ・ミックスが聴けるのはこのシングル盤と1988年に出た「パスト・マスターズ」ぐらいしかないのだが、実際に聴き比べてみるとその差は一聴瞭然で、シングル盤の方が音圧3割増しぐらいのパワフルで芯のあるサウンドなのに対し、「パスト・マスターズ」の方はまるで脱脂綿で拭いたかのようなキレイキレイな音で、初期ビートルズの最大の魅力である熱気が感じられない。曲調がミディアム・テンポなせいか「プリーズ・プリーズ・ミー」のような鳥肌モノの衝撃性はないが、この曲を聴くならシングル盤こそがベストだと断言したい。
 1st プレスは ①“Sold In UK” リマーク無し、②リム(レーベル内周)左側のクレジットが Parlophone(小文字)、③リム下側 Gt.Britain の tが小文字、④マトリクス枝番が -1N / -1N。入札状況は無競争で、落札価格は£4.50(約810円)だった。
From Me To You


④ She Loves You / I'll Get You (R 5055, Mono, 1963.8.23発売)
 今回の “ビートルズのUKシングル盤を全部いったれ” プロジェクトの中でも購入満足度トップ3に入るぐらい気に入っているのがこの「シー・ラヴズ・ユー」だ。ドドッドドン!というリンゴのドラムロールと同時にまるで鎖を解き放たれた猟犬のように疾走を開始、いきなりサビの“She loves you, yeah, yeah, yeah♪” 連呼で一気に沸点に達する怒涛の展開に圧倒される。4人が一体となって生み出す破天荒なエネルギーの奔流、巨大な音の塊が押し寄せてくるその様はまるで北斗剛掌波のような凄まじさである。こればっかりは実際に自分の耳で聴いてもらうしかないが、アナログ再生環境のあるビートルズ・ファンならこれを聴かずに死ぬのは一生の不覚と言えるのではないだろうか?
 1st プレスは ①“Sold In UK” リマーク無し、②リム左側のクレジットが Parlophone(小文字)、③リム下側 Gt.Britain の tが小文字、④マトリクス枝番が -1N / -1N 。購入価格は BUY IT NOW(即決)で£3.95(約710円)だった。
She Loves You


⑤ I Want To Hold Your Hand / This Boy (R 5084, Mono, 1963.11.29発売)
 初期ビートルズのシングル盤の中で、音の押し出し感では「プリーズ・プリーズ・ミー」が、爆発力では「シー・ラヴズ・ユー」が圧倒的だが、えもいわれぬ高揚感を生み出すという点ではこの「アイ・ウォナ・ホールド・ユア・ハンド」に勝るものは無い。このシングル盤で聴けるジョンのヴォーカルの吸引力はハンパないし、力強く響き渡るハンド・クラッピングはモノラル・ミックスならではで、ビートルマニアの快楽中枢をビンビン刺激する。そしてトドメは “ハァァァァァァ~ン♪” と伸ばすエンディング。ジャーン!というギターの響きと共に宙に消えていくこの余韻がたまらなく好きだ。
 このレコードのもう一つの宝はB面に三連ロッカ・バラッドの大傑作「ディス・ボーイ」が入っていること。「こいつ」などというふざけた邦題のために過小評価されている不憫な曲だが、私はビートルズを聴き始めた初心者の頃からずーっとこの曲が大好き(^o^)丿 ジョン、ポール、ジョージ3人のコーラス・ワークの素晴らしさは国内盤やCDでも十分に味わえるが、イントロのギターの響きの艶めかしさにゾクゾクさせられたのはこのUKシングルが初めてだ。ポールのベース・ラインのカッコ良さも際立っている。
 1st プレスは ①“Sold In UK” リマーク無し、②リム左側のクレジットが PARLOPHONE(大文字)、③リム下側 GT.Britain の Tが大文字、④マトリクス枝番は -1N / -1N 。入札状況は無競争で、落札価格は£2.99(約530円)だった。
I Want To Hold Your Hand

This Boy


⑥ Can't Buy Me Love / You Can't Do That (R 5114, Mono, 1964.3.20発売)
 これまでこの曲はジョージのリード・ギター(グレッチ?)やリズム・ギター(リッケン12弦?)といったエレクトリックな音に耳がいきがちだったのだが、このUKシングルを聴いてイントロからジャカジャカとかき鳴らされるジョンのアコギのカッコ良さに開眼した。そういえば昔、初めてストーンズの「ブラウン・シュガー」を聴いた時にアコギの使い方が巧いなぁ...と感心したものだが、ビートルズはデビュー当時から既にアコギを絶妙な隠し味として使っていたというワケだ。念のため「ア・ハード・デイズ・ナイト」オリジナル・イエロー・パーロフォンLP収録の同曲と聴き比べてみたが、同じモノ・ミックスでありながらこちらのシングル盤の方がアコギの響きがリアルに感じられる。やはり45回転盤の方がダイナミック・レンジ的に有利なのだろう。リンゴのドラムスの一打一打もこれまで聴いてきたどの盤よりもパワフルで、バンド・サウンドをグイグイとドライヴさせていく(^o^)丿
 1st プレスは ①“Sold In UK” リマーク有り、②リム左側のクレジットが PARLOPHONE(大文字)、③リム下側 GT.Britain の Tが大文字、④マトリクス枝番は -1N / -1N 。入札状況は 2 bidsで、落札価格は£4.20(約760円)だった。
Can't Buy Me Love

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2 コメント

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素晴らしいコレクション (fab-for)
2014-12-13 08:08:53
shiotchさんおはようございます。
UKオリジナルシングルのコレクション続いてますね。

ただコレクションするだけでなく聞いて楽しんでCDと比較するっていいですね、しかもCDよりいいっていうんだからタマランですね。

アナログプレーヤはDENONのがあって一応とってあるのですが、針は何十年も替えていない代物で一応聞けるというだけの状態です。

シングルの次はEP(4曲入りコンパクト)もどうですか、英盤は45rpmですよね、なんで日本は33rpmなんですかね。
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音圧すごいです(^.^) (shiotch7)
2014-12-13 23:37:07
fab-forさん、こんばんは。
音の好みは人それぞれだと思うんですが
私の場合、UK 1stプレスの音が一番好きですね。
特にシングル盤は音圧がすごいのが良いです。
逆にエコーが強くかかってたりとか、疑似ステだったりとかいうのは生理的に無理なんです。

4曲入りコンパクト盤の回転数がイギリスと日本で違うっていうのは確かに不思議ですね。
でも音質的には45回転の方が良いはずです。
一応、先の楽しみに取ってあるのであまり誘惑しないでください(笑)
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