shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Revolver (German Export Gold Odeon盤) / The Beatles

2017-04-03 | The Beatles
 私は音の良いレコードに出会うとすぐに “そのレーベルの音はすべて良いに違いない...” という妄想を抱いてしまう単純な人間である。今までそれで何度も何度も煮え湯を飲まされてきたにもかかわらず、喉元過ぎれば何とやらで懲りもせずに “今度こそは...” という儚い夢を抱きながら同じレーベルのレコードを買い、その音の違いに愕然とさせられるという愚行を相も変わらず繰り返しているのだ。実はつい最近もビートルズ関連で一つやらかしてしまったので、今日はそんな “ガッカリ盤” について書こうと思う。
 去年の秋から冬にかけて色んな各国盤をガンガン買い漁った件は何度も書いたが、その時に巡り合った「サージェント・ペパーズ」のドイツ・オデオン盤(ゴールド・レーベル)がめちゃくちゃエエ音で、そのステレオ・ミックスの完成度の高さにすっかり惚れ込んだ私の脳内には “ゴールド・オデオン・レーベルのドイツ盤=高音質” という先入観が刷り込まれた。
 それから3ヶ月ほど経った今年の2月のこと、eBayの定期(?)検索で「リヴォルヴァー」のゴールド・オデオン盤がヒット、商品説明には “エクスポート仕様のドイツ製1stプレス” とある。もうこの文言だけでめっちゃ良い音がしそうな感じがするが(笑)、それが嬉しいことに $15というもってけドロボー価格で出ているのだ。送料込みでも3,000円ちょいで大好きな「リヴォルヴァー」の超高音質ステレオ・ミックス(←とその時点では思い込んでいた...)が聴けると思うと居ても立ってもいられなくなり、私は即買いを決めた。
 レコードが届くまでの1週間、私は “ゴールド・オデオン・レーベル盤を集めるんやったら次は「ラバー・ソウル」がエエかな...(^_^) 「プリーズ・プリーズ・ミー」めっちゃ高いやん...(*_*)  そういえば「ハード・デイズ・ナイト」は「アナログ・ミステリー・ツアー」の本でボロクソに書いてあったけど、そんなに音悪いんやろか... (゜д゜;)” などと考えを巡らしながら、頭の中はゴールド一色に染まっていった。
 そして待望の「リヴォルヴァー」が届いた。ゴールド・オデオンのレーベル・デザインって何か洗練されてるし白地に赤色の文字が映えててホンマにカッコエエなぁ... などとウキウキワクワクしながらレコードをターンテーブルに乗せる。1曲目は「タックスマン」だ。えっ? 何この覇気のない音...??? 全体的に音がこもってるし音圧は低いし音像は小さいしで、ロックンロールのエネルギーが全く感じられない。これではまるで出来の悪い国内盤ではないか! 曲が終わるたびに “次こそは...” と虚しい期待を抱くのだが盤の途中で急に音が良くなるなどという奇跡が起こるわけもなく、ヘタレな音のまま結局ラストの「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」まで聴き終えた。
 改めて「アナログ・ミステリー・ツアー」を見てみると、“カッティングレベルが低いのでUK盤のように最初の一発でハッとさせるような驚きはないが、マスターの音のグラデーションを丁寧に拾い上げてフラットに音盤化した、派手さはないが噛むほどに味わいが増す1枚” とある。ヴォリュームを上げて聴くようにと書いてあったのでやってみたが、ショボイ音が増幅されるだけで余計にストレスが溜まってしまう。モノは試しと同じステレオのUK 1stプレス盤をかけてみると、いきなりガツン!とくるパワフルな音で、やっぱりロックンロールはこうでなくっちゃ!と快哉を叫びたくなった。
 ということでこのドイツ盤「リヴォルヴァー」は隣室行きが決定、当然ながら他のゴールド・オデオン・レーベル盤蒐集計画など頭の中から消し飛んでしまった。先のガイド本に “ドイツ盤探究は危険すぎる” と書いてあったが、愚かにもそれを自ら体験するハメになってしまうとは...(>_<)  やっぱりUK盤が一番エエわ!

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