shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

We're A Happy Family ~ A Tribute To Ramones ~

2010-10-26 | Ramones
 トリビュート・アルバムはアーティスト・ステイタスの一つの目安である。大衆から愛され、同業のミュージシャン達からリスペクトされている証だからだ。パンク・ロックの先駆者と言われ、多くのフォロワーを生んだラモーンズに対しても数多くのトリビュート盤が作られてきており、ここでも “キッズのためのラモーンズ”、 “ロカビリー・ラモーンズ”、 “萌え萌えボッサ・ラモーンズ” と、敢えて変化球ネタのトリビュート盤をいくつか紹介してきた。別に面白半分で取り上げたワケではなく実際に好きで聴いているのだが、今日は正攻法と言うか、よくあるタイプの “有名アーティストによるオムニバス・トリビュート盤” でいってみようと思う。
 「ウィーアー・ア・ハッピー・ファミリー」と題されたこのオムニバス盤、まずは何と言ってもジャケットのインパクトが大きい。人によって好き嫌いが分かれそうだが(笑)、CDショップであれネット・オークションであれ、人目を引くことだけは間違いない。次にこの手のオムニバス盤の生命線ともいえる参加アーティストなのだが、アマゾンの解説によると “豪華すぎる顔ぶれ” らしい。参加している16組のアーティストは次の通り;

 ・CD 持ってるアーティスト:④メタリカ、⑤U2、⑥キッス、⑩プリテンダーズ
 ・名前だけは知ってるけど曲は聴いたことないアーティスト:①レッド・ホット・チリ・ペパーズ、⑮トム・ウェイツ
 ・名前すら知らないアーティスト:②ロブ・ゾンビ、③⑯エディ・ヴェダー、⑦マリリン・マンソン、⑧ガービッジ、⑨グリーンデイ、⑪ランシド、⑫ピート・ヨーン、⑬オフスプリング、⑭ルーニー、⑰ジョン・フルシアンテ

 このアルバムは2003年リリースなので、90年代以降の洋楽を聴かない私にとっては “豪華なメンツ” どころか “アンタ誰?” 状態で、参加アーティストの大半を知らないのも当然と言えば当然だが、ネットで試聴して気に入った曲がいくつかあったのと中古で安かったこともあって迷わず購入、ヤフオクで600円だった。
 まずこのアルバムでダントツに気に入ったのがキッスの⑥「ドゥー・ユー・リメンバー・ロックンロール・レイディオ」だ。ウキウキワクワク感に溢れたこの曲を、パーティー・ロックを演らせたら右に出る者はいないキッスが演奏しているのだからコレはもう大当たりなのだ。あれこれ細かいことを気にせずにとにかく “ノリ一発” で楽しいロックンロールを演奏していた70年代の全盛期を彷彿とさせるキッス・サウンドの復活が何よりも嬉しい。YouTube にアップされたビデオがこれまた実によく出来ていて、キッスのライヴ映像の要所要所にラモーンズのサブリミナル映像(?)が挿入されているのが泣けるなぁ...
 メタリカの④「53rd & 3rd」もいかにもメタリカらしいドスの効いたアグレッシヴなサウンドがエエ感じ。ただ、吐き捨てるようにがなり立てるジェームズらしさ丸出しのヴォーカルが楽しめるのはシングル「セント・アンガー」のB面に入っているラモーンズ・カヴァー「クリーティン・ホップ」の方だろう。多分同時期にレコーディングされたものだと思うので、この盤には入ってないけど一緒に貼っときます。
 U2 はラモーンズの大ファンで、MTV ミュージック・アウォーズにおけるボノの “もしラモーンズがいなかったら U2 も存在しなかっただろう” というスピーチは有名だが、ここでは “チビに一発” こと、⑤「ビート・オン・ザ・ブラット」をカヴァーしている。ボノがあの声で身をくねらすように歌い始めると唯一無比の “U2の世界” がパァ~ッと眼前に広がるから不思議だ。これが一流アーティストの存在感と言うヤツだろうか。逆にプリテンダーズの⑩「サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン」はグルーミィで陰鬱な感じで、軽快なオリジナルの良さを完全に殺してしまっている。何でもっと明るいアレンジにしなかったのだろう?クリッシー・ハインドは好きなヴォーカリストだけに残念だ。
 初めて聴いたアーティストはハッキリ言って収穫ゼロ。世評は高いらしい①レッチリはどこが良いのかサッパリわからないし、この盤の共同プロデュースも兼ねている②ロブ・ゾンビは名曲「ブリッツクリーグ・バップ」をズタズタに破壊し尽くして反省のかけらもなし。⑦マリリン・マンソンに至っては原曲とは似ても似つかぬアヴァンギャルドな歌と演奏で、二度と聴きたくないキモいヴァージョンになっている。酔っ払いが呻いているような⑮トム・ウェイツもあんまり聴きたいとは思わないし、ゴスペルっぽいアレンジの⑰ジョン・フルシアンテも全然心に響いてこない。
 残りの③⑯エディ・ヴェダー、⑧ガービッジ、⑨グリーンデイ、⑪ランシド、⑫ピート・ヨーン、⑬オフスプリング、⑭ルーニーは原曲に忠実すぎる演奏で、何だか出来の良いコピー・バンドを聴いているようだ。決して悪くはないのだが所詮はエピゴーネン、こんなん聴く暇があったらオリジナルを聴いてヘイホー・レッツゴーしている方がいい。結局キッス、メタリカ、U2 の3曲しか聴かないアルバムだが、1曲200円と考えれば問題ない。いや、キッスの「ロックンロール・レイディオ」1曲のためだけでも買ってよかったと思っている。とにかくキッスといい、ラモーンズといい、ノリノリのロックンロールに勝るモンはありませんわ(^.^)

KISS "Do You Remember R'n'R Radio" 2


U2 - Beat On The Brat


53rd & 3rd - Metallica


Metallica - Cretin Hop

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